No.238552

恋姫無双~転生せしモノ~#8

零崎煌識さん

恋姫無双~転生せしモノ~の第8話

2011-07-28 09:42:01 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3233   閲覧ユーザー数:2977

 ~想夜side~

 

 鳴蓮姉様が亡くなった。その知らせは国中に広がり、大人子供、ゴロツキありとあらゆる孫呉の民が鳴蓮姉様の死を悲しみ悼んだ。鳴蓮姉様の死は確実に国に影響を与えていた。以前まで賑わっていた市はその賑わいを無くし、笑顔で溢れ返っていた城下はその面影が無いほどに静まり返っていた。城の政務も文官の気力が抜けてしまい政務が滞る事態が度々あり、調練をしている武官や兵達も文官達のように気力が抜けていて調練が想う様にできないという事態が度々起こった。そんな中いち早く立ち直ったのは他でもない孫三姉妹だった。彼女たちは腑抜けている武官、文官、兵達を一括し気力を与え、民達も励まし、今まで通りとまでは行かなくも国はそこそこまで力を取り戻した。だが元通りとはいかず俺が色々細工して袁術の客将という形で袁術軍に下った。雪蓮達は不満そうだったが時期が来れば独立すればいいと言って何とか宥めた。

 美羽の方も美羽を傀儡にして自分たちの好きな様にしようとする輩がいるので美羽にはバカな子供を演じてもらい、煉獄の七姉妹の一人を紀霊という偽名で潜り込ませ七乃と一緒に美羽を守るように言いつけた。

 

 そして俺は雪蓮達と美羽達に許可を貰い一人旅に出た。

 

 「さぁてと、今度は何処に行こうかなぁ。西か東かはたまた北か南か。」

 

 俺がそんな事を言いながら歩いてると、

 

 「賊だぁっ!賊が攻めてくるぞっ!!」

 

 そう言って村人が走ってきたので俺はその男を止めて話を聞いた。

 

 「賊が来るのか?」

 「あぁ、そうだっ、だからあんたも早く逃げた方がいい!」

 「その賊は何処からくる?」

 「あぁ、北門からだっ!」

 「そうか、ありがとう。」

 

 そう言って俺は北門のある方に向かって歩き出した。

 

 「ちょっ、あんた北門に行くつもりかっ!?」

 「あぁ、そうだが?」

 「やめとけ、殺されるぞっ!?」

 「心配するな大丈夫だ。それよりあんたは他の人にこの事を伝えなくていいのか?」

 「あぁ、そうだった。あんたは本当に行くつもりか?」

 「あぁ、行くつもりだ。」

 「止めても無駄そうだな。俺は行くが死ぬなよ。」

 「あぁ、ありがと。」

 

 男は走り去っていき、俺はそれを見送り、北門に向かった。

 

 俺が北門から出ようとすると呼び止められた。

 

 「そこの御人どこに行く?」

 「ん?あぁ、ちょっくら賊を退治しに行くだけさ。」

 

 俺はそう言いながら声のした方を向くとそこには小さな太陽の塔を頭に乗せた飴をもった少女と、眼鏡をかけた少女、二又の槍を持った水色の髪の女性がいた。

 

 「一人で行くつもりですかぁ?」

 「そのつもりだが?」

 「あなたはご自身の武に自信があるようだ。」

 「まぁな。ん?そこの水色の髪のお前、星だろ?」

 

 俺がそう言った瞬間槍が俺に向かって飛んできた。

 

 「どうして我が真名を知ったか知らないが死んでもらうっ!」

 「ちょっ、まって、俺だ俺っ!想夜だっ!!」

 

 そう言って俺は頭に被っていたフードを取り素顔を晒した。

 

 「なっ、想夜様っ!」

 「星ちゃん知り合いなんですか?」

 「あぁ、私一時期武の師をして頂いたお方で、私の主候補筆頭だ。」

 「ほぉ、星さんの武の師で主候補。」

 「あぁ。それで、想夜様どうしてこの様な所に?」

 「あぁ、俺の主が死んでしまってな。新しい主が俺に依存しない為と、新たな人材を手に入れる為に旅をしているんだ。」

 「そうだったのですか。」

 「まぁ、積もる話もあるだろうが今は賊退治が先だ。」

 「わかりました。私もお供します。」

 「いいのか?」

 「はい。」

 「なら私たちは警備隊の人たちと援護します。」

 

 そう言って眼鏡の少女と飴を持った少女は警備隊の所に行った。

 

 「では行くか、星。」

 「御意。」

 

 俺と星が門を出て村から離れた位置で少し待っていると向こうから砂煙がのぼり賊が来た。

 

 「さぁて、始めるか。」

 「はい。」

 

 そうして俺達は名乗りを上げた。

 

 「我は橙なる種・人類最終、太史慈子義っ!賊達よ、その命この場で散らすが良いっ!!」

 「私は常山の趙子龍っ!賊共よ我が槍の錆となれっ!!」

 「「押して参るっ!!」」

 

 その言葉と同時に俺たちは賊に向かって行き、俺は気を籠めた一撃を地面に叩き付けた。

 

 「激震っ!」

 

 俺の気を籠めた一撃は地面を砕き賊達の進行を止めた。

 

 「くっ、怯むなぁ、相手は高々2人だ囲んで殺っちまえぇっ!」

 「「「「おぉぉぉぉっ!!」」」」

 

 賊のリーダー格と思われる奴の言葉で賊達は一斉に向かってきた。それを俺と星は対処していった。

 

 「はぁ、はいっ、はいっ、はいっ、はいっ、はいぃっ!!」

 「せいっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はぁぁっ!!」

 

 星の槍での高速の連撃で次々と賊は死んでいき、俺も負けじと次々と拳を叩き込んだり、気弾を放ったりして賊を殺していった。賊の数が半分になった辺りで、眼鏡の少女と飴を持った少女が警備隊を従えて駆けつけた。そこからはかなりのスピードで賊の数が減り、

 

 「趙子龍、賊の頭を打ち取ったりぃっ!」

 

 と言う星の声と共に賊達は逃げて行った。

 

 そこから俺達は賊を追い払った英雄として歓迎された。

 

 「ふぅ。疲れたぁ。」

 

 俺はそう言って人から見つかり難そうな場所に移動し、貰った酒を飲んでいた。

 

 「おぉ、こんな所に居られましたか想夜様。」

 「ん?あぁ、星かどうした?」

 「いや、姿が見受けられなかったので。それと彼女たちの紹介もまだでしたので。」

 

 そう星が言うと、星の後ろにいた少女たちが前に出て自己紹介をした。

 

 「私は姓は程、名は昱、字は仲徳、真名を風といいます。よろしくお願いしますよ~お兄さん。」

 「私は姓は郭、名は嘉、字を奉孝、真名は稟といいます。よろしくお願いします。」

 「あぁ、俺は姓は太史、名は慈、字は子義、真名は想夜という。こちらこそよろしく。」

 「自己紹介も終わったところで、想夜様はこれから如何なさるのですか?」

 「あぁ、とりあえず適当に旅をして使えそうな人材の確保と各諸侯達の情報収集かな。」

 「それなら、私たちと共に来ませんか?」

 「いいのか?」

 「良いだろ、二人とも?」

 「私は構いませんよ~。お兄さんは強いので頼りに成りそうですし。」

 「二人が良いのなら私も構いません。」

 「それじゃぁ、よろしく頼むわ。」

 

 こうして俺は星達と旅をすることになった。


 
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