「避けることができないものは抱擁してしまわなければならない。」[シェイクスピア]
「試験内容はブリーフ通り第6エリアのパトロール、帰還することで試験は終了だ。死んでは元も子もない、生きて帰ることが最優先だ、いいな!」
「「了解」」
「第6エリア…私がここに来るのは今日で2度目か…。」
候補生が進軍を始める中、ローズは忘れることのできない「あの日」のことを思い出していた。
今のところ、「やつら」は現れない。
「ポイントごとに散…。」言いかけたところで悲鳴が上がった。
見ると巨漢の候補生が倒れて血を流している。その大きな体の上に乗っている黒い影のような生物
間違いない。「シャドウ」だ。
巨漢の男は動かない。
筋肉質の男が細い眼を大きく開き銃を向ける。しかし、向けた方向にはすでにシャドウの姿はなく男の額はシャドウの鞭のように細くなった腕により貫かれていた。
私とシャドウの距離は一気に近くなりシャドウはこちらに目を向ける。
身も凍るようなその目も見たのははこれで「2回目」。
そう思いながら自分でも驚くほど冷静にシャドウの頭を撃ち抜いた。シャドウは顔の半分が吹き飛んでいたが、すぐに再生を始めている。
ここにいては危険。そう判断し、わき道から住宅地へと移動した。
さっきまでいた地点から叫び声と発砲音が聞こえた。指揮官の声もかすかに聞こえたが叫び声と発砲音によってかき消される。
今、冷静に行動できるのは私と…
おそらくもう一人。
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