「へえ、ヤマトさんアニメとかよく見るんですか」

 

「恥ずかしいから他の人にはあまり言ってないんだけどね」

 

「私もよく見ますよ。ほら、休日の朝にやっているのとか……」

 

「子供向けはちょっと俺とは方向性が……。ゲームとかはするの?」

 

「地元にいたときに、97管理外世界のゲームを結構やりましたね。同じ色のスライムを組み合わせて消すパズルゲーム」

 

「あれかー。俺は最近はゲームやっていないけど、昔は東方っていう弾幕ゲーとかやっていたよ」

 

「弾幕ゲー、ですか?」

 

「うん、たくさんの弾を避けていくシューティング。東方はキャラとか音楽とかそういうのをファンで深めていくのがアニメと似ていてねー」

 

「東方ですかぁ、聞いたことないですね」

 

「……あ、ほら、97管理外世界みたいにちょっとマイナーな世界のゲームなんだ。もう手に入らないんだよね」

 

 そんな放課後の他愛ない会話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

テスト投稿二次創作SS 魔動少女ラジカルかがり SHOOTING

テスト内容:そろそろテストする内容がなくなってきました

原作世界:魔法少女リリカルなのはアニメシリーズ

原作設定:日本製シューティングゲーム各種

ジャンル:原作キャラと仲良くなる夢小説

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミッドチルダへの留学から一年が経った。友人達の協力や持ち込んでいた学習機械の助けもあって座学、実技共に好成績を残すことができ、学期末に行われた昇級試験では我ながら会心の出来となった。その結果、初等部五年を飛ばして中等部の一年生への飛び級することとなった。

 中等部とはいっても、制服が変わり授業時間が増えた以外はさして学ぶことに変わりはないが、交友関係はさらに広がっていった。

 管理局仕官や研究魔導師として大成する人もこの中から出てくるだろう。友達を作れと言った主任さん達の思惑は成功、ということだろうか。

 そんなことを思いつつ始まる長期休暇(バカンス)。友人達との親睦を深めるひと夏の思い出が……などということができるほどの身分ではない。里帰りをしてお仕事だ。

 

 今回の私のお仕事は、ダライアス本星の残存魔動機械発掘への同行だ。機動小型戦闘機(シップ)の開発を成功させたことで魔動機械開発者としてある程度認められたらしく、一開発者として本星の機械都市郡の跡やロストロギアを見てこいとのことらしい。

 常時人手不足である私たちの部族で大規模発掘隊など組めるわけもなく、外部から考古学の団体を招致しての短期発掘となる。

 発掘隊の主導は、多次元考古学の権威であるスクライア一族。

 主任さん曰く、管理局のコネで呼べたということだが、浪漫を食べて生きているような一族が管理局に言われただけでミッドチルダにもベルカにも関係ないような辺境世界へ来るだろうか。

 

 科学側からのアプローチで超発達した魔法科学。

 テラフォーミング技術を身につけながらも外宇宙・異世界へ進出しなかったその文化。

 異星侵略者や異次元生命体との戦いの歴史。

 私たちの抱える『珍しさ』が彼らを惹きとめられたのだろう。

 管理局とのコネではなくツテが正しいのだろうか。主任さんたちには是非ともコネのほうを作ってもらいたい。

 

 

 久方ぶりの自治区。全土が都市化されたミッドチルダに慣れてきた身としては、この広大な自然がとてもありがたいものに見える。

 ここが故郷ではないことは解っている。でも、育った場所を懐かしく思うのは悪いことではないだろう。

 土の香り。

 鳥の声。

 一面の緑。

 愛おしい愛おしい。ああ、私ってば田舎娘なんだなぁ、本当に。

 魔力残滓にまみれた都会はしばらく御免こうむりたいところだ。

 シップの高速飛行でひとっ飛びすればいいところをわざわざ幼児用エアスクーターなど使っているのも昔を思い出してのことだ。

 あ、あとで空を思いっきり飛び回ってみよう。ミッドチルダは飛行魔法の制限が厳しすぎたから。

 

 エアスクーターの後ろのキャビネットには、デスマーチ(平均睡眠時間六時間)の果てに完成した機動小型戦闘機ビックバイパーT301が乗っている。キャビネットに収まりきらずはみ出している、私の身長の程もある二本の突き出した金属ブレードがそれだ。

 シップは魔力弾、魔力砲、推進魔力波などを放出、巡回させるためにどうしても携帯式魔動機械と比べてサイズが大きくなってしまう。大人では軽く持ち上げられるそれも、まだ六歳と少しの私の体では抱えるような大きさだ。重力制御機構を充魔式で組み込んであるので軽いのだが。

 

 これを見て自治区の皆は褒めてくれるだろうか。

 課長ちゃんなどは今すぐ乗らせろとうるさかったものだが。

 

 

 喪失文明復興局の近くまで来ると、発掘隊の宿泊キャンプが見えた。

 自治区の性質上、観光用の大型ホテルなどないのでこうせざるを得ないのだが、さすが管理世界随一の発掘隊。キャンプといってもなんとも近代的な構えだ。見たところの収容人数は百人規模だろう。

 流体金属や珪素素材を使っているんだろうか。風が吹いてもびくともしなさそうだし、さりげなく窓付きだ。

 中からざわめきが聞こえる。復興局に顔出ししてから挨拶に出向こうか。

 

 喪失文明復興局は、百二十名の通常勤務者(自治区外出張含む)と三十名の在宅勤務者、十名の自治区外出向者(私もこの中に入る)で構成されている人口八千人の部族では割と大きな組織だ。なおいずれも端数切捨てのうろ覚えの人数。

 局とつくだけあって、自治区の公的機関の一つだ。ここの成果は部族全員の生活の向上に役立っている。

 

 建物は、伐採直植林で採られた少量の木材と輸入資材、それと一部回収された人工殖民衛星の資材で建てられている。

 管理局や重工・精密機械関連企業への技術協力で割りと潤っている部族だが、復興局と教育局には大規模な資金投資が行われている。

 私の作っている戦闘機だって、実物大の戦闘機とまでは行かないが、まあそれなりの開発資金がかかっていたりするのだ。

 技術も資材も空から降ってこない。集約回路なんて私一人で作れるはずがない。

 応用性が高いチップを自治区外で経営している工場で生産しているのだ。

 魔導師のデバイスも似たようなもの。個人組み立て用のパーツはデバイスメーカーが個人用にパーツわけしてリリースしているものらしいし(デバイスオタクの知人のヤマト・ハーヴェイさん談)。

 

 駐車場にエアスクーターを止める。駐輪場といっても芝生をロープで区切ったものだが。

 魔動機械は移動用のものも小型化が進んでいるので、私のように大型の乗り物に乗る人は少ないのか車の数は少ない。

 キャビネットの底からお土産のベルカ自治領剣十字饅頭を取り出す。袋の口を手首にかけて、二機一組のビックバイパーを両手で抱えて局の入り口まで向かった。

 立て付けの悪い局の引き戸を指でひっかけてずらす。乾いた音があたりに響く。引き戸は木製。開けにくいことこのうえないが、これはこれで味があるらしい(生活文化部多次元調査課課長ちゃん談)。

 

「どうもー、カガリですけどー……」

 

 受付のお姉さんと目が合う。確か、自治区の案内役の仕事をしていて普段は受付嬢。四十歳を超えているらしいがこの部族はその程度で老化が始まるほど柔な生物ではない。なのでお姉さん。

 ぺこりと会釈。向こうはこちらをじーっと見ている。

 

「課長ちゃん今日こちらに出勤してると聞いたんですけどー……」

 

「あらあらあらあらカガリちゃんじゃないのそっか今日帰ってくるんだったね確かミッド帰りだったかいあっちは魔力残滓で空気が澱んでいるって言うけどこんなちっちゃいのに大丈夫だったのかいああお土産なんて持ってきてくれて偉いねえあとでみんなにお茶いれてあげなきゃねそうそう課長さんね今キャンプのほうにいっているのよねほらほらこっちお土産なんてそこにおいておいて」

 

「あー……」

 

 っという間に課長ちゃんの前に。

 

「おう、それがビックバイパーか。貸せ。飛んでくるから挨拶しとけよ」

 

 何この展開。

 気がついたらコテージの入り口に居て、知らない人たちの前に放り出された。

 受付さんも、きゃー課長おぷしょんだしてーとか言って出ていった。

 仕事は真面目にやろうよ。お客さんも居るんだし。

 挨拶しろといわれても人が多い。端からおじぎしていくわけにもいかないので、知り合いを見つけて紹介してもらうしかない。

 

 ぐるりとコテージを見渡す。宴会用の大ホールとでもいうのだろうか。料理ののったテーブルがそこらに配置されて四、五十人は入っているというのに狭さを一切感じない。発掘作業前の親睦会みたいなのでもしていたのだろうか。本当にここはコテージなのか?

 見たことがある顔が何人かいるがおそらく復興局の局員さん。名前も思い出せないということは一年前もそんなに親しくは無かったのだろう。自治区は狭い土地だが、私は教育局で学習装置に缶詰ばかりだったために知り合いはとても少ない。

 見覚えのない、おそらく外部からの発掘隊員は男性が多い。

 子に異常性が遺伝するという第二種監視指定の性質からの選別だろう。

 だが、その発掘隊の面子に混じって談笑する、ごくごく最近まで会っていた見知った顔を見つけてしまった。

 近づいてその人の白いシャツを引っ張る。

 

「……隔離自治区に発掘隊の人が挨拶に来ているのは解りますけど、何でヤマトさんがいるんですか?」

 

 ああもう頭痛い。

 ヤマト・ハーヴェイさん。ミッドチルダの魔法学校のクラスメイトだ。

 白いYシャツに灰色のパンツと、この人は自分の銀髪オッドアイという清涼なイメージを引き立たせる小奇麗な格好を好む。

 自然あふれるこの田舎ではその様相が爽やかに引き立てられるのだろうが、だからといってこんな辺境に沸いて出てくるような生物ではない。

 ヤマトさんを知る課長ちゃんは、コテージの外のほうでビックバイパーをいじって課の人たちと遊んでいる。

 ……すぴーだっすぴーだっ叫んでも魔力を手順どおり流さなきゃ発動しませんよ酔っ払い。

 後ろは無視してヤマトさんの言い分を聞こう。

 

「あー、時空管理局を目指すからには、やっぱりスクライア一族は見ておきたいじゃないか」

 

 彼は私がミッドチルダに留学して以来、授業外の模擬戦や魔導師昇格空戦Dランク試験の二人一組枠(ツーマンセル)などでお世話になっている戦友のようなものだ。

 空戦C試験こそ一人枠での受験となったが、仲間と組んでの二人枠ミッションは戦闘機乗りとして必ず必要になってくるものだ。併走機(オプション)を撃墜してしまうような戦闘機乗りなど、危なすぎて実運用に使えない。

 だが、間違っても里までストーキングされるような仲ではない。

 休み前に予定を聞かれて何をするか正直に答えていたんでしたね、そういえば。

 執務官を目指しているとは前々から聞いているから、管理局関連というなら解らないでもないですが……。

 

「管理局と考古学者一族に何の関係が?」

 

「ほら、管理局が封印管理してる第一級ロストロギアの発掘で有名な……」

 

「スクライア一族がやっているのは遺跡の発掘と各世界の古代史の編纂で、物騒な古代兵器の発掘なんてしていませんよ。どこで聞いたんですかそんなこと」

 

 周りに居る発掘隊の人も何か突っ込んであげてくださいよ。へらへら笑っていないで。

 ああ、またほわわんとした兄とそれを叱り付ける妹のように見られている気がする。

 

 そもそもこの自治区はほいほいと入れるほどオープンな場所ではない。

 監視指定というなの疫病隔離をされているのだ。男性といえども手続きが多い。

 

「管理局に身内が居てさ。男なら割と簡単に入れるっていうからビザ発効してもらったんだ」

 

 管理局、ミッドチルダで払ったお菓子の消費税を返してください!

 

 課長ちゃん課長ちゃん、ちょっとこの人どうにかしてください。

 え? 恋人の面倒は見ろ? ちげえ!

 

 結局、良い社会見学になるだろうとヤマトさんは発掘作業にまで同行してくることになった。

 機密とかそういうのないんだろうか、うちの喪失文明は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次元世界間移動は純魔法技術の到達した一つの極限である。

 などと言われているかは知らないが、他次元世界を観測、干渉できた文明世界はどこも魔法重視の文明であったらしい。

 私たち発掘隊が乗っているこの鉄でできた船も、魔法技術の粋を集めた次元空間航行船だ。

 過去の惑星ダライアスで宇宙生物とドンパチをしていた亜空間は次元世界とはまた違うものであるらしい。

 このあたりは専門分野ではないのでまだ詳しくはない。

 

 不思議空間を旅する夢の船。そんな中で私は異世界人とエンカウントしていた。

 場所は第一応対室。

 隣にはダライアス一族側の発掘代表。復興局の部長さん。

 目の前にはスクライア一族側の発掘隊隊長。見た目十代後半。

 その隣には金髪の小さな作業着姿の男の子。年のころは私と同じか少し上か。

 小さな子と感じるのは同世代の知り合いが居ないからだが。

 

「この子はユーノ・スクライア。君と同じ六歳で考古学者の駆け出しなんだ」

 

 と男の子の頭を撫でながら言う隊長さん。

 

「仲良くしてあげてね、カガリちゃん」

 

 と私の頭を撫でながら言う部長さん。

 ちなみに私の紹介内容は魔動機械開発者の駆け出しさんだとか。最近は乗るほうに偏りがちだけど。

 

 はあ、また仲良くしろ、か。

 裏にスクライアとダライアスのコネを作っておけとの意図があるように見えてくるのは間違いなんだろうか。

 まあ、それが嫌というわけではない。文明の復興は私の望むところでもあるし、裏にどんな思惑があろうとも友人となってしまえば純粋に友人として付き合える。友達百人とは言わないが仲の良い人は多くても困らない。友人同士でも打算はあるが。

 異性の友人といっても、クラスメイトの半分は男の人だったからそのあたりにも文句はない。

 でも、急に仲良くしろと言われてもそんな漫画で見たお見合いじゃないんだから……。

 

「じゃあ、私たちはここで打ち合わせするから、カガリちゃんはユーノくんと一緒に休憩室ででも遊んできてね」

 

 私たちじゃなくてお偉いさん同士のお見合いだった。ここは年老いた人に任せましょう。

 応対室を追い出される。廊下はクリーム色の床に白い壁。学校とはまた違う、映像配信のドラマで見たオフィスみたいだ。

 次元船っぽくない。次元船らしいとはどういうものかと聞かれてもはっきりと言えないが、そう、壁とかに光る魔法のラインが通っているようなのが足りない。

 

 って違う。一緒に追い出された子と話さなくちゃ。

 男の子に向き直る。金髪を肩ほどで切りそろえた清楚そうな子。翠色の瞳の視線がどこか困惑したように足元をふらふらと彷徨う。

 まあいきなり知らない女の子と二人っきりじゃね。駆け出しって言っていたし、人見知りするんだろう。

 もしくは私が人間じゃないので怖がっているだけだとか?

 

「ユーノくん、でいいですか? スクライアの人はたくさんいますので」

 

「うん、いいよ。じゃあ僕はカガリちゃんでいいかな?」

 

 急に笑顔になるユーノくん。向こうもどう話そうと困っていたのかな?

 

「ちゃん付けはできればやめていただけたら……。呼び捨てで構いませんので」

 

「うん……」

 

 いきなり会話が止まった。いきなり拒否はまずかっただろうか。

 でもここで拒否しておかないと脱ちゃん付けへの道が……。あ、ちゃんが嫌なのはどうも自分のキャラに合っていないような気がするからです。

 お互いに微妙な空気をかもし出しながら近くの休憩室に到着した。中は無人。また気まずい。

 

 そういえば同年代の友達というのも初めて。

 周りはいつも年上ばかりなので、どう接していいか解らない。

 とりあえずここは……。

 

「お菓子食べますか?」

 

 ずっと肩にかけていたバッグから、お菓子の箱を取り出す。

 箱入りのクッキー、メルヘンメイズ。苺味のクリームが挟まっていてお手ごろな値段でしっとりふわふわが味わえる。

 

「あ、ありがとう」

 

 ユーノくんの目がお菓子に釘付けになる。

 封をあけてまず一個取り出す。箱をユーノくんの方に押してどうぞと促す。

 

 スナックをもぐもぐと食べるユーノくん。両手でクッキーをつかんで小さな口で一生懸命に頬張る。何ともこれはこれは可愛らしい。

 皆が私に餌付けしたがるのもわかるような気がしますね。

 

「ユーノくんはお菓子好きなんですか?」

 

「うん、発掘が無いときはお昼の前とお昼のあとにお姉さんがお菓子をつくってくれるんだ」

 

 手作りお菓子とはまあまあ愛されちゃってうらやましい。

 私もそれくらい毎日お菓子付けになりたいものだ。

 

「私は学校に通っているからお昼と学校が終わった後しか食べられないんですよね」

 

「あの自治区の学校?」

 

「いえ、ミッドチルダの魔法学校に留学しているんです。ユーノくんは一族のほうで考古学の勉強ですか?」

 

「うん、あとは結界魔法とか。魔導師資格もとっておいたほうが良いって言われて……」

 

 なんともすんなり会話がすすんだものだ。お菓子の持つ魔力がこうさせたのか。

 話は自己紹介の延長のようなもので、お互いどのような生活をしているかを交換し合うようなものだった。

 うーん、スクライア一族も割りとハード。こんな小さな子に難関総合魔導師資格をとらせているだなんて。

 定住地を持たない流浪の民。一族単位で世界を渡り、一族全員が家族である。私たちの一族と近いようで遠いようなそんな共通点。

 クッキーも半ばを消費してお茶でも淹れようかと席を立ったところ、休憩室の扉が開いて誰かが入ってくる。

 ヤマトさんだ。せっかくの雰囲気を乱された気がして少しむっとなる。

 

「あ、カガリちゃんか。その子は?」

 

「ユーノ・スクライアくんです。スクライアさんはいっぱい居るのでユーノくんと呼んであげてください」

 

「そう、この子が……」

 

 ヤマトさんはじっとユーノくんを観察するように見つめている。

 クッキーを頬張ったままぺこりと挨拶するユーノくん。

 そうですかそうですかクッキーは美味しいですか。今お茶を淹れてあげましょう。

 こっちのヤマトさんもお茶でも飲みにきたのだろうか。

 

「さっきロビーにいたはずですけどどうしました? ヤマトさんは女性職員さんたちの相手でもしてきてください」

 

「いやあ、男の人はそうでもないんだけど、あの人たちなんだか冷たくてね。嫌われるようなことしたかなぁ」

 

 発掘隊の女性はほとんどがダライアス族からの出向者だ。自治区にこもって外部との接触をしてこなかった人たちばかり。

 必要以上に外部の人と関わらないようにしているのは仕方ないですけど、行き過ぎると発掘隊の雰囲気が悪くなりそうですね。

 よし、ここは……

 

「人間の異性を遠ざけているだけですよ。大丈夫、ヤマトさんなら優しいこと言ってニコっと笑えばショタ好きの現地妻獲得です」

 

「俺はどこの赤毛の剣士だ!」

 

 赤毛の剣士は誰かは知りませんが、この人は初等部中等部寮母魔導師資格受付のお姉さんエトセトラ、ハーレムでも作る気なのかってくらい無条件で他人に慕われますからね。船内の雰囲気作りには役立ってくれるでしょう。

 給茶機から冷たいお茶(何のお茶かは不明。この船はどこの世界での建造だろう?)を入れてヤマトさんに手渡す。

 

「ほらほら行った。あなたは皆と会話して友好になるのがここでのお仕事ですよ」

 

「なんだか今日のカガリちゃんいつにも増して冷たい気がするなぁ。あ、ユーノくんこれからよろしくね」

 

 片手を上げてユーノくんに挨拶をしてから出ていくヤマトさん。

 完全に追い出してしまったような気もするがヤマトさん相手なら問題ないだろう。

 普段皆にちやほやされているんだから私くらい少し厳しくしてもばちはあたらない。

 

 給茶機から今度は暖かいお茶を二つ淹れて、入り口のほうを未だに見つめているユーノくんに片方を手渡す。

 

「あ、さっきの人は私の学校のクラスメイトで……」

 

 存在そのものが派手な彼との数奇なエピソードには事欠かない。

 同じ歳の友達というものにうかれてついつい私らしくも無く延々と自分語りで話し明かしてしまったのでした。

 自分の特異な境遇を誰かに解ってもらいたかったとかだったら、ちょっと人生とか考えてみたほうが良いんでしょうか。

 

 

 

――――――

あとがき:行動原理が「原作キャラに会いたい」というミーハーさは転生・憑依SSに限らず夢小説でも一般的です。

 

SHOOTING TIPS

■東方

年に一回発売される個人製作のシリーズ物のSTG。

STG業界を引っ張っていく一大ムーブメントを巻き起こすか……と思いきやWindows版二作目以降はキャラ人気と音楽人気ばかりでSTGは衰退していく一方でしたというオチ。

 

■ビックバイパーT301

グラディウスⅤの自機。かっこよさならトップレベルの造形をしています。

シューティングゲームヒストリカというガチャポンで立体化されていますが見事に品切れ中。再販希望。

 

■メルヘンメイズ

不思議の国のアリスを題材とした全方位シューティング(類似ジャンルにずんずん教の野望や奇々怪界。半分アクションゲーム扱い)。

お菓子の名前をどうしようと考えていたら、甘そうなゲームでふと思い出しました。

でもおかしの国ってどういうステージだったか思い出せません

 


 
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