混乱、否、惑乱の時代が終わりを告げようとしている。
人類の総力をかけた外宇宙探査計画の発足、時にしてまだ半世紀とたっていない。
惑乱の時代の始まりがその瞬間からか、はたまた衛星軌道上に建設された探査船ドッグが破壊された瞬間から始まったかという線引きは、未だ来たらぬものに任せよう。
暴力による妨害行動。探査船ドッグの爆破を契機に、爆発的な拡大をとげた分裂・独立闘争は30年の長きに渡り、人々の判断力を奪い去る惑乱の極致へと至らしめた。
最後の一年、終息の一年、呼ぶものにより名は違うが、クリアボムの乱発による人と大地の虫食いは200日の間に大半を食い尽くす。
土が足らない。クリアボムにより大地の半分が消え去り、海底へと没した。種を植えるべき大地はなく、大きく書き換えられた海底地図は海産業を再び大航海時代へと巻き戻す。
食べるために襲い、奪う。原始的な欲望と高度工学の遺物との混合により発生した緋色の大嵐は、疲弊した世界を静寂へと導いた。
あるいは惑乱の終わりとは、眼下に広がる青き惑星の終わりであるのかもしれない。
高速戦艦ルナテイル艦橋にて ベルクラン・ベル
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小説というよりは随筆とか、駄文とか、原案とか言うのが正しいもの。1-0。
2000年ごろに書いたものを直しつつ投稿中。