三行で分かる前回のあらすじ
華琳さまが沙和を殺しにかかった。
凪が許都に爆発を起こした。
婚儀で頭を悩んでいた蓮華の前に一刀ちゃんが現れた。
「かず……と?」
「えぇあぁ♡」
その時、蓮華の中に宇宙が広がった。
(なにこの超可愛い生き物、欲しい!)
(いや、でも一刀どうしてここにいるの?そうよ、こんなの絶対おかしいよ)
(いや、おかしいとかそういうの関係ないでしょう?かわいいは正義なんだよ)
(冥琳たちに何と説明したらいいのよ)
(空から降ってきた!?あながち嘘でもないでしょ)
(それで説明になれるわけないでしょ)
(というかこの子マジかわいい。触りたい、ほっぺ触ってみたい)
(泣くよ、絶対に泣くよ)
(ああ、お姉さま、天に居ましたら私に勇気をください)
「……うぇ?」
「はぁ~~~~んかわいいーー♡<<ギューーー>>」
この国はもうダメかもしれない。
がらっ
「蓮華さま、お祭りの準備についての報告書を……」
「…え?亞莎?」
「……え?」
ちゃらっ!
「え?!ええ!えええ、れ、蓮華さま、その子は一体!?」
「ち、違うのよ!亞莎、これは別に私が連れてきたとかそういうものではなく…」
「ゆ、誘拐ですか!?」
「違うって言ってるでしょ!?あなたこの子知らないの?華琳の息子なのよ?!」
「た、他国の王子を誘拐したんですか!?」
「だから誘拐じゃないって言ってるでしょ!?」
ちなみに亞莎は呉の騒ぎの時に一刀ちゃんにちゃんと会っていない。
「とにかく、騒がしくしないで早く入ってきなさい。外に知られたら大騒ぎよ」
「わ、わかりました!」
亞莎は急いで蓮華の部屋の門を閉じた。
「えぇあぁ……ぃう……ぅぅ……」
「でも、どうしてここに一刀が……まさか」
「何か心当たりがいらっしゃるのですか?」
一刀ちゃんを膝においていた蓮華はあることを思い出した。
「以前の一刀は、確か自分が望むところに瞬時に移動できる力を持っていたわ。もし、今の一刀もそんな力があるとすれば、ここまで誰の力にも頼らずここに来ることが可能よ」
「しかし、そんなことが可能として、今魏ではこのことをしっているのでしょうか」
「………恐らく、知らないでしょうね……」
「……ぅえ?」
子供のやることだと言っても、これは国間に関係に関わる一大事なことになりかねなかった。
下手すると、この事件で魏と呉の関係が悪化することも全然あり得ん話ではない。
「取り敢えず、魏にさっそく使者を出します」
「ダメよ。公式に使者を出すと、事件が大きくなって取り返しのつかないことになるわ」
「……なら、公式ではなく、密かに魏の曹操様に一刀様がここにいらっしゃるということをお伝えしなければ……」
「そうね……亞莎、明命を呼んできて頂戴」
「え、思春さまではなくてですか?」
「思春はダメよ。思春が来たら……」
「私が来たら、どうなるのでしょうか」
「「へ?」」
もはやお約束、思春さんったらもう最初からここに居ましたとさ(笑)
「し、思春!どうしてここに!?」
「最初から全てご拝見させて頂きましたが…」
「じゃあ、一刀がここに来る時から!?」
「はい、それはもう……」
「はぅぅ…あぅ…♡」
「まったく、我が国にとんだ迷惑をかけておいてこの顔とは……<<ギロリ>>」
「!!ぅぅ……」
「あ」
「あ」
「……ぇうぅ……ぅぅぅ……」
3
2
1
「ぅえええええーーー!!!!!!うええええええええ!!!」
「なっ!」
「思春さまーー!!」
「わ、私は何も…!」
「これだから思春はダメって言ったのよ……」
「蓮華さま!?」
思春さんは存在自体一刀ちゃんにとってもうアウトです。
「あわわー!ど、どうすればー!」
「思春、取り敢えず、下がって明命と祭を呼んできて頂戴。冥琳にはバレないように、大至急よ!」
「まってください、蓮華さま、私に汚名返上の機会を……」
「……思春<<ゴゴゴ>>」
「っ!」
「サッサトコノ部屋ヲ立チ去リナサイ」
「あっ……御意…」
スッ
「うええええん!うええええーー!!」
「蓮華さま!蓮華さまが無闇に殺気を立てたせいで追い打ちかけちゃってます!」
「何!?す、すまん、一刀!」
でも子供に謝ったところで泣き止んでくれるはずもありません。
「ど、どどどどうすればいいんでしょう」
「わからん。と、取り敢えずなんとかして泣くのをやめてもらわなければ……」
蓮華は一刀を抱き寄せてなんとか落ち着かせようとした。
「うえええーーー!うわぁーー!!」
「ど、どうしよう。全然ダメ」
「はっ!」
「何、亞莎何かいい方法でも思いついたの?」
「はい、蓮華さま、ちょっと失礼いたします!」
そう言った亞莎はいきなり蓮華の上衣を脱がせた。
たゆん
「ふええ!?え、ちょ、ちょっと、亞莎!?」
「もうこれしか方法思い出せません!赤ちゃんは母の乳を吸っている時は落ち着いていると聞いたことがあります!」
「私の胸は乳とか出ないわよ!」
「大丈夫です!蓮華さまの胸は乳は出なくても出る人並の大きさがありますから、なんとかなります!」
「どういう理屈よ。誰よ、あなたを軍師として抜擢したのは!」
※蓮華さま、あなたです。
とかふざけてる間に、本能的に乳房を見た一刀は、蓮華の胸に手を付けた。
「ふえ!?」
「……はむ<<チュー>>」
「え!?ちょっ、一刀、…だ、ダメ……」
「<<チュッ、チュッ>>」
「あー!泣き止みました。やりましたよ、蓮華さま」
「そ、そうね<<チュッ>>って、これ、いつまでしていればいいの?」
「<<チュッ…チュッ>>」
「はぅん!何で、吸うのがどんどん…強く!」
でも吸っても何も出ない蓮華の乳を吸っている一刀の吸引力は、時間が経つほど乳が飲みたくてどんどん強くなった。
「うぅっ!♡ちょっ、もう、やめ……はうん♡」
「うわぁ……///////」
自分がやっちまいおいて亞莎はどんどん乱れていく蓮華さまの声を聞き、その姿を目に見ながら顔を赤くするのであった(でも絶対振り向かない)
「……<<ムカッ>><<チューーーーーーーーーー>>」
「あああああああああーーーーん//////////♡」
・・・
・・
・
その後、明命と祭が来てからを言うと
ガラッ!
「蓮華さま!」
「何事じゃ、思春から一大事と聞いてきたのじゃが……」
「………ふぅぅ…はぁ……♡」
「…なっ!//////」
「なんと……」
蓮華は処女のまま汚されるだけ汚されていたという。
一刀ちゃん、恐ろしい子。
「<<チュー、チュー>>」
「こんなこともあろうかと、お猫様の赤ちゃんたちに使う牛乳と哺乳瓶を持ってきてよかったです」
「お猫様用って…大丈夫なの?」
「大丈夫、使ったらちゃんと消毒しているから、問題ないよ」
明命が持ってきた牛乳でなんとか一刀ちゃんは落ち着いていた。
無駄にデカイだけで乳も出ない蓮華の乳房を吸って力だけ損した気分だろうな……
「はぁ………はぁ………あぁ……」
「権殿、しっかりせい」
「……あなたが半刻も吸われてみてなさい」
「え、遠慮しておくのじゃ」
割と子供には苦手な祭である。
「でも、どうして一刀様がこちらへ……はっ、まさか蓮華さまが…!」
「違うわよ!何で皆して私が一刀を誘拐したと思ってるわけ!?」
「そう心当たらせるようなことを言っておったからの」
「うぅぅ……」
前王雪蓮以上に個人としては皆に信頼失せている蓮華であった。
「うぅぅ……ぅぅ…」
「あ、もういいですか?」
お腹一杯飲んだのか、哺乳瓶を離した一刀ちゃんを、明命は抱いて蓮華さまの方を向いた。
「これからどうしましょう。私が魏に向かうとしても、どうやって一刀様を魏まで送るべきなのか…」
「さすがに公式的にするわけにも行かぬし……公瑾にこの事をバレたら……」
「思春」
シャキッ!
「ぬぁっ!!ガクッ」
蓮華の信号と同時に何も居ないと思った屋根からいきなり針が飛んできて祭はそのまま倒れた。
「まったく……そんなこと言って本当に来たらどうするつもりよ」
「れ、蓮華さま、いくらなんでも気絶させることは……」
「亞莎、祭が冥琳のことを話すとね、『絶対来るの』。だからそれ以上言わせないわ」
さすが蓮華さま、この時代にて既に『フラグ』の存在をわかってらっしゃるとは……
「取り敢えず、明命は至急に魏に向かいなさい。今頃魏は大騒ぎになっているはずよ」
「ちょっと待ってください、蓮華さま。もし明命が魏に行ってしまっては、この中でその間一刀君に対応できるものがなくなってしまいます」
「!…た、確かに……」
「ここは、思春さまにお願いすべきかと……」
「………思春、ここに降りてこないで聞きなさい。一週間あげるわ。魏にこの状況を伝えて帰ってきたら、さっきのことは許してあげましょう」
「………」
スッ
建業から許都まで三日半で行って来いとは暴君が家臣に死ねという時と同じ並の命であるが、なんでだろう。思春さんになら出来てしまいそうだ。
「うぅ……ぅぅえええ!……うぅぅええ!!……」
「はうわ!」
「何だ、今度はどうしたのだ」
「何か嫌な予感がします」
「………あ」
その時、一刀ちゃんを抱いていた明命の顔が青くなる。
「……ど、どうしたんだ、明命」
「………これって、多分…恐らく……ほぼ絶対…」
もらしたようです。
きっとここからが大変だろうと思いますが、このままだと蓮華さまが神経過敏になってしまいそうなのでカットにします。
お赦しください。
「はぁ……大変だったわ」
なんだかんだあって、明命と亞莎は部屋を立ち去り、一刀ちゃんは蓮華の布団で何事もなかったかのようにスースー眠っています。
「……すぅ……すぅ……」
「もう、あんな騒ぎ起こして何もなかったかのように寝てるなんて、厚かましい子ね」
それでも眠っているその顔を見ると、怒ることはできそうにないのだった。
「写真で見ているだけの時はあんなに可愛くて、他の子たちが行っていたように連れて来たいとまで思っていたのに、半日でこんなにくたくたになってしまうなんて、子育てってほんと大変なのね」
華琳はこんなことを毎日しているのだからさすがだわと思いながらも、自分もいつかはこんな風にしなければいけないと思うと、さすがに顔を引き摺ってしまう蓮華さまだった。
「あなたは幸せそうでいいわね。食べて寝て、泣いていると周りから何でもしてくれるしね……私はあなたと会って大陸が平和になってからおうたくさんよ」
孫呉の場合、三国平和になってから蓮華にとって本当に忙しい時期が始まったといって過言ではない。
三国が一緖に興じるのも一瞬、直ぐにあれこれしなければいけないことが増えた中、特に孫呉の場合は内側の問題を確実にするべく内政問題にも力を使わなければいけなかった。
他の両国では内側は既にほぼ権力が統一し、力が国王にまとまっているに比べ、孫呉は未だに豪族たちの力が無視できなかった。
今回の婚儀の話もまたそういう問題の一種であった。
「別に平和になったことを後悔しているというわけではないわ。あなたがあれほど頑張って手にいれてくれた平和だもの。絶対守ってみせるわ」
でも、自分だけ苦労しているような顔してはいけない。
少なくとも自分の前に居る子は、この世界の誰よりも全てを尽くして私たちを助けた。
蓮華はそれを分かっていた。だからこそ、蓮華は一刀ちゃんに初めて会ったあの時から、一刀ちゃんのその心に引かれ、ここまでやってきたのだった。
「でも……さすがに今回ばかりは疲れてしまうわね」
政略結婚、言葉だけだと反吐が出そうに嫌になる言葉だけど、いっそ自分のことになるともうどうすればいいのかさっぱりだった。
冥琳はそれなりに才と国を想う心を持ってる人たちを選別したと言った。
でも、知りもしない男たちを夫とするなんて、まずありえないと思うし、それに蓮華の目から見ると、皆自分の国、或いは蓮華自身のことを狙っているようにしか見えなかった。
余談だが、婿候補3分の1は、蓮華の尻を目当てにしているのだから、もう言う言葉もない。
蓮華の巨尻は呉の国宝第一号だった。
と、その話じゃなかった。
「……一刀」
蓮華は無意識に一刀ちゃんの小さな手を掴んだ。
「……うぅ」
「あ」
起こしちゃったと慌てる蓮華だったが、
「……うぅ……あうぅ……」
幸い起きたばかりで一刀ちゃんは機嫌がいい。
「……えぇあぁ♡」
「……ふふっ」
蓮華は今日、本当に久しぶり笑った気がした。
一刀ちゃんと一緖に居ると、世の苦しいことなんて忘れてしまいそうだった。
「ねー、一刀、正直に言うわ」
「……ぅぅ?」
「あなたと今日半日過して、本当に大変だったの。でも、やっぱりあなたみたいな子供は欲しいわ。……結婚して、子を孕むことになったら、今回の事がいい予行練習になったらいいのだけれど……」
「………あぃううう♡」
ピカッ!!
「…え?」
その時、突然掴んでいた手が光った。
ピカッ!
「な、何、どうなって……」
「うぅぅ…あ?」
ピカッ
それはまるで、『外史から外史を通り過ぎる時の光』のように輝いていた。
どんどん光が強くなっていくと、蓮華は目の前の一刀ちゃんさえも見えなくなってくる。
「一刀!」
「……てへへっ♡」
最後に聞こえたのは、一刀ちゃんの嬉しそうに笑う声。
そして、
「えんあぁー♡」
「……あ」
その時、蓮華は気づいた。
一刀ちゃんが、最初会った時からずっと私の真名を呼んでいたことを……
「……一刀♡」
「えぇあぁ……えんはぁ……えんぱ」
「……ふふっ」
・・・
・・
・
そして、光が消え去った時、蓮華の手の先に、もう一刀ちゃんは居なかった。
「……帰っちゃったの、かしら」
最初から私に会うために…自分の国まで騒がせながら来てくれたんだ。
私を元気つけるために………
「ありがとう、一刀」
その頃、成都
「で、荊州までの間道の復旧ですが、恐らくお祭りまでは間に合わないかと……」
「そうか、それは残念だったね(棒読み)」
「はわわ……」
「…桃香様、もしもですが、本当にもしかしての話ですが……」
「何言ってるのかな、愛紗ちゃん。いくらなんでも私が本当に荊州に行く間道を塞いで、魏に行って一刀ちゃんに会うように仕組むわけないじゃない?そんなことしたら、蜀の民たちにもどれだけ被害になるかは、私も十分分かってるんだよ?♡」
「……そうですわね。疑って申し訳ありません」
前に話していたが本当に実現されていた。
現在、蜀から荊州に向かう間道が崩れ、復旧するには大凡三ヶ月がかかるという報告が入っていた。
こうなると、蜀が呉に行くためには、漢中から長安を通って行くしか方法がなくなったのである。
「あ、でも、そうなると、今から華琳さんに連絡しないといけないね」
「はい、既に魏には桔梗さんと焔耶さんが使者として向かっています」
「まぁ、焔耶はほぼ無理やり連れて行かれましたけどな」
「あはは…」
桃香さまの側に居たいと叫ぶ焔耶をむりやり連れて行く桔梗の姿が目に浮かぶようで、桃香は苦笑するのであった。
「で、今日の話はそれだけ?」
「はい、今日はこれぐらいです。今日は桃香さまお疲れさまです」
「最近は、桃香さまが仕事を頑張ってくださったおかげで本当に助かります」
「だって、お祭りの時になって仕事が多すぎて行けなくなったりしたら一刀ちゃんに逢えなくなるんだもん。せっかく仕掛けておい……いや、なんでもない」
「……桃香さま?」
黒い、この桃香黒いぞ……
「ほ、ほら、二人とも今日はもう遅いし、ゆっくり休んでね。愛紗ちゃんは明日南蛮の美似ちゃんたちのところに向かうんだよね」
「はい……まぁ、今回のことは深く突っ込まないようにします。下手すると桃香さまへの私の忠義が折れてしまいそうなので」
「あはは、嫌だなー、愛紗ちゃんってぱ♡」
「はぁ……」
「そ、それでは、私たちはこれで失礼します」
朱里はこれ以上は危険だと察知し、愛紗を連れてさっさと桃香の部屋を出た。
タッ
「……ふぅ……よかった、うまく行って」
何がですか?
イッタイナルガルバグイッタンディスカ?
「さーて、今日はさっさと寝ちゃいますよっと」
と言いながら、桃香は来ていた普段着を脱いで寝巻きに着替えた。
「もう一ヶ月ちょっとかな…楽しみだなー」
お祭りの方ですよね?
そうだと行ってください。
「お休み、一刀ちゃん」
桃香は自分の部屋の寝台にくっついてある一刀ちゃんの写真を見ながらそう言った。
もうダメかもしれない、この徳王は…
灯りを消して、枕に頭を落とすその時だった。
キラーっ
「…うん?何?」
ピカーッ!
もにゅっ
「うぐっ!」
みぞおち当たりに、何か重い衝撃をうけた桃香は思わぬ声をだしてしまった。
「な……何?」
「うぅぅ……」
「え?」
「あぅぅー!」
赤ちゃんの声。
急いで桃香は灯りを戻した。
そしたら…
「え?」
「おぉあ?」
次回へつづく
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盛大にはっちゃけてみた。
作画崩壊は二次創作の嗜みなんです。