No.227412

真・恋姫無双~2人の飛将軍~ 第5話

cavalさん

一刀・恋・霞が率いる丁原軍と黄巾党との激突。
しかし敵は黄巾党だけではなかった・・・

作者コメ)
第6話の前に拠点第1弾を投稿予定

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2011-07-10 23:50:07 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:21629   閲覧ユーザー数:17724

第5話 2つの脅威と飛将軍

 

早朝。

一刀達が率いる丁原軍と黄巾党との戦いが切って落とされた。

最初に動いたのは黄巾党。前曲7000が川を渡り、丁原軍前曲へ突撃を開始する。

 

一刀は最前線から味方へ指示を飛ばす。

「右翼は後退!相手は盗賊あがりだ、足が早い!注意しろ!左翼はそのまま前進!一当てした後、後退。敵を引きつけよ!後曲は広範囲に弩を斉射。味方に当たらないよう敵陣後方を狙え!」

 

一刀の指示を受けた後曲の小隊長の指示が飛ぶ

「味方に当てるなよ!弩隊放て!」

 

大量の矢が雨のごとく黄巾党の前曲に降り注ぐ。その矢雨に恐れ黄巾党の突撃速度が下がった。

「中央はおれと恋で切り開く!少数でいいついて来い!」

 

恋の方天画戟の横薙ぎ一閃で一気に正面の敵10人以上が空を舞う。その横を一刀が高速で移動しながら双刀を振るい切り伏せていく。

2人の侵攻スピードは衰えることなく敵陣を分断しようとするが、敵両翼の攻撃目標が一刀・恋に変更。3方向から攻められることになった。

 

しかし一刀・恋の2人の演舞を止めるには戦力不足。恋の方天画戟が敵集団に打ち込まれその衝撃波が周囲の敵を吹き飛ばす。恋の攻撃に耐え切ったものがいたとしても一刀に一気に肉薄され切り伏せられる。2人の連携は味方を鼓舞し、そして敵に恐怖を植え付ける。

 

「隊長!敵後曲にうごきが!」

一刀は切りかかってきた3人を切り伏せ指示を出す。

 

「全軍いまの陣形を保ったまま後退!前曲は敵後曲から矢雨に注意しろ!後曲の弩隊は敵後曲に集中射撃!矢を放つ隙を与えるな!」

 

ゆっくりとした速度で丁原軍は後退を開始する。それを好機とみた黄巾党は前線を上げていく。

 

そして前線と黄巾党本陣の間に隙間が生まれるのを戦域からすこしはなれたところ丘の上から見下ろす騎馬隊の姿があった。

 

「一刀の予定通りになったな。よっしゃ張遼隊いくで!目標敵本陣!突撃開始!」

 

黄巾党本陣後方から霞率いる騎馬隊が突撃を敢行。その牙を敵本陣に突きたてた。

 

「両翼前進!中央に向かおうとする敵兵の勢いを削り取れ!中央は突破されないよう後退しつつ戦線を維持!」

一刀の指示出し中に黄巾党本陣から勝ち鬨があがり、「張」の旗が掲げられた。

 

「霞やってくれたか!敵本陣は崩れた、全軍もう我慢することはない!突撃し一気に敵を殲滅するぞ!」

いままでの戦いが嘘のように恋と一刀のより中央が切り裂かれ、敵両翼も丁原軍両翼の突撃により崩壊し、残存兵は逃亡を開始した。

 

「この戦い我が軍の勝利だ!勝ち鬨をあげよ!」

「「おおおおおおおお」」

 

こうして丁原軍と黄巾党との戦闘は幕を閉じた。

城に戻った一刀達を茜は笑顔で迎えた。

その日の晩に戦勝祝いの宴が開かれ、霞・茜が酒で暴走し一刀が被害を受けたのはご愛嬌。

 

翌日。黄巾党残党捜索のため霞の騎馬隊が城から出撃。また黄巾党によって被害を受けた村々へ兵士を向かわせ復興の支援隊を各地に派遣。

 

支援隊の効果もあって各地の被害を受けた村々は急速に復旧していく。

 

城下町も黄巾党壊滅とあってか戦い以前よりも活気がある。

 

 

しかし、その安定した時間は長くは続かなかった。

 

数日後。玉座の間にて茜・一刀(恋は話が終わるのを近くで座って待ってる状態)が今後の方針について話し合っていた時、伝令が玉座の間に走りこんできた。

 

「伝令です!」

 

「黄巾党の残党でも見つかったか?」

その茜の希望を打ち砕く返事が伝令から伝えられた。

 

「匈奴が国境と突破し、侵攻してきます!」

 

「なんだと!」

「「!」」

茜・一刀・恋に緊張が走る。

 

「張遼の部隊と各地の復興支援隊へ急ぎ帰還するよう伝令を!また近隣諸国へ援軍要請の使者を出せ!匈奴の現在位置と兵力はどれの程度だ?」

茜が指示出し、各自が役割ごとの仕事に取り掛かる。

 

「約4万でほぼ騎馬のみ!現在国境警備の部隊3000が関にて篭城戦中です!」

「どうする・・・霞たちがもどってこないと援軍を送れない。でも見殺しにもできない。」

茜が苦悶しているところに一刀と恋が声をかける。

 

「茜、おれと恋が先行する」

「恋達に・・・まかせて・・・」

 

その言葉に唖然とした茜だったがすぐに意識を戻した。

「だめよ!危険すぎるわ!それに・・・「いまはこれしか方法がない」でも!」

 

茜の反論を途中で止める一刀。

「どこかでだれかが時間を稼がないと霞たちが戻ってくる前にこの城に匈奴がたどり着いてしまう。いまのこの城の兵力では耐え切れないことは目に見えて分かるだろ?ただの賊とかでなら一般兵たちでもなんとかなるが、相手はあの匈奴だ。俺たちだって死ぬつもりはないし、無茶はしない。」

 

「わかった。北郷、呂布の両名はすぐに国境の関に向かい匈奴を迎え撃つこと。しかし死ぬことは許さないわ。」

本当はこんな指令を出したくないというのが誰から見ても分かるような苦しい顔を茜はしながら2人に指示を出す。

「御意」「・・・まかせて」

 

準備を終えた一刀と恋は精鋭1000つれて城門を目指す。

その途中一刀の姿を見たとある鍛冶屋の主人が工房からとある武器を持ち出してきた。

「北郷様!例のモノ完成しました!」

その言葉を聴いた一刀が馬を止め降りる。

「いいものをつくらせていただきましたよ、そしてこれが例のものです」

一刀はそれを受け取り布を取り除く。

 

「十文字槍か・・・」

「ええ、北郷様の牙門旗である「十」を武器で表してみました」

2mほどの柄の先に十文字に長く伸びた剣が付いているおり、柄には龍の文様が剣に向かって昇るように彫られている。

 

「ありがとう、親父さん。大事に使わせてもらうよ」

「こちらが作らせてほしいと頼み込んだことです。その槍の名ですが『閃華』と名付けておりますのでそのように呼んでいただけると光栄至極にございます」

「『閃華』だね。わかったよ。じゃあ、俺たちはこれで」

「ご武運を」

 

閃華を受け取った一刀達は城門を出ていそぎ国境の関へと向かう。

一刀達が関にたどり着いたのはその日の夜だった。

 

関の守備隊は数は半分以下にはなっていたもののまだ耐え抜いていた。

 

「みんな、よくやってくれた。あとはおれたちにまかせろ」

一刀は賞賛の言葉を守備隊にかける。

 

「現在匈奴は一度関から離れ体勢を整えている状況です。」

守備隊の隊長が一刀に報告する。

 

「わかった。次匈奴が侵攻してきたときはおれと恋の小隊が関の外で迎撃する。ほかの小隊長は関から俺たちの援護を頼む」

各小隊長は一刀の案に驚きはしたもののうなずき自分の小隊へ指示を出し始める。

 

「監視を何人か残して休ませよう。特に守備隊所属の兵はほとんど寝れてないはずだ。」

「了解しました」

「よし、解散して俺たちも明日に備えよう」

「は!」

 

 

2,3人の監視しかいなくなった関の城壁に一刀は腰をかけて夜空を見上げていた。

 

「ご主人様・・・?どうしたの・・・?」

気が付かないうちに恋が自分のうしろにまで近づいてきていた。

 

「ちょっと寝れなくてね・・・そういう恋は?」

 

「ご主人様、部屋にいなかった・・・から・・・探してた」

 

「そっか、ごめんな、恋」

自分のことを探し回ってくれていたらしい恋の頭を一刀は撫でる。

 

―――負けられないな

 

「・・・・?」

恋が首をかしげながら一刀を見上げる。

「ここまでおれのことを心配してくれる恋がいるんだから負けられないなとおもってね」

 

「ご主人様は・・・恋が守る・・・必ず」

 

「おれも恋を守るよ」

そうして一刀は軽く恋に口付けをして部屋に戻った。

日が水平線から昇り始めたごろ、一刀たち丁原軍は迎撃体制を整えた。

そして物見からの報告が入る。

 

「匈奴きました!」

門のところで待機していた一刀が叫ぶ。

「開門!北郷隊、呂布隊出撃する!」

 

城門から出て馬を走らせながら一刀は自分と恋の部隊に指示を出す。

「この戦いの目標は時間稼ぎになる。しかし向こうの数はこちらをはるかに凌駕する。すこしでも守りに入れば包囲され殲滅されるだろう。だからこそ守ったら負ける!攻めるぞ!」

 

背中から閃華を取り出し構える。そして・・・

 

「全軍突撃!我が十文字の旗につづけぇ!」

北郷隊・呂布隊の決死の突撃が始まった。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!」

一刀はすれ違い様に閃華を振るい打ち倒していく。

 

「ご主人様の敵・・・倒す」

恋が方天画戟を振るいなぎ倒す。

 

戦闘開始から1刻ほど経過し、一刀・恋達は一気に敵右翼を壊滅させたものの左翼・中央から横撃を受けはじめる。

すこしずつ倒され減っていく北郷・呂布の両隊。

複数から狙われて回避を優先していた一刀だったが、よけ切れなかった槍が一刀の馬に刺さってしまう。咄嗟に馬から飛び降りた一刀に正面から複数の騎馬の突撃。体勢を崩されたところに騎馬の突進をうけ閃華で攻撃を受けたものの衝撃をとめきれず吹き飛ばされた。

 

「くっそ・・・!」

なんとか空中で体勢を整え着地をする。そこにまた同じように騎馬により波状攻撃を食らうが、一刀は落ち着いていた。

 

一気に闘気を開放し閃華を構える。氣を込めた一撃を騎馬隊の先頭に叩き込む。

打ち込んだところを起点に大規模な衝撃波が生まれ匈奴の騎馬隊を吹き飛ばしていく。その攻撃に驚いた匈奴は一刀への攻撃をやめて体勢を立て直すことを優先する。

 

その間に恋も一刀に合流

「ご主人様・・・大丈夫?!」

北郷・呂布隊を守っていた恋は一刀を助けに行くのに一歩遅れてしまった。

 

涙ぐむ恋を一刀は頭を撫でてあげる。

「大丈夫だよ、恋。これでも恋に相当鍛えられてるんだから」

そして一刀は閃華を構え匈奴と対峙する。

その後ろ姿を見ていた恋は涙を拭き、そして・・・

「ご主人様を・・・・傷つけた・・・絶対許さない・・・」

匈奴はこの世界でもっとも怒らせてはいけない者の逆鱗に触れることになる。

 

匈奴は一刀・恋から発せられる驚異的な殺気と闘気を浴び、攻撃を躊躇していたが、指揮官による突撃命令によって2人に攻撃を開始する。しかし、一度戦意を折られかけた者たちの動きは鈍くあっとうまに一刀・恋に駆逐されていく。

 

特に一刀を傷つけられたことにより鬼神と化した恋の攻撃はすざましく数十人という単位が次々と吹き飛ばされていく。

 

その様子を見ていた匈奴の将軍が、

「4万のも兵はたった2人の将によってほぼ壊滅だと・・・あの者達こそ『飛将軍』と呼ばれるものなのか・・・」

 

匈奴は4万いた兵力の約8割もの被害を出して撤退していった。

 

そしてこの闘いの後、一刀と恋は『飛将軍』と呼ばれ、恐れられるようになる。

あとがき

さきに更新がギリギリになって申し訳ありません( TДT)

本当なら夕方に投稿予定だったのですが、ほとんど書き上げていたときに間違えて消してしまい書き直すことに(´・ω・`)

 

さて今回ですが、かなり超展開乙なことになってます。もっとくわしく書こうと思ったのですが、それをすると際限がなくなりそうだったので、凝るところは大きなところにしようとおもって今回は簡潔にいきました。本当にこれでよかったのか?と疑問はありますが、書いてしまった以上しょうがないと(´・ω・)

 

次に一刀の新しい武器「閃華」についてです。本当はこの回ではなく、次回埋め込む予定だったのですが匈奴との戦闘に関して、「騎馬それに複数相手し日本刀で暴れる一刀」をいざ書こうとするイメージできず、槍を持たせたらいいじゃない!( ゚∀゚)というノリが先行しあの意味不明なタイミングで登場させました。

十文字槍のイメージは戦国無双や戦国BASARAに搭乗する真田幸村をイメージしています。

 

そしていままで使っていた日本刀についてですが、今後も使用予定です。しかしまだしっくりくる名前が思いついてないこと、対多数戦が続いていくことから「閃華」の仕様頻度のほうが多くなる予定です。

 

次に一刀って槍術の身に着けているの?について。設定上一刀の中では剣術>槍術になっており、基本剣術のほうが得意です。しかし恋からの指導、身体能力の関係上槍術でもかなりの強さを誇るという設定にしておりますのでご了承ください。

 

最後に「飛将軍」について。タイトル通り、これ以降一刀と恋は「飛将軍」と畏れられるようになっていきます。「飛将軍」という異名についてですが、元々「李広」とよばれる人が匈奴に「飛将軍」とよばれ恐れられたのが発祥でその後の時代で武勇に優れたものを「飛将軍」と呼ぶようになったとのことでしたので2人とも「飛将軍」としました。

 

まだまだ文章等読みにくかったりしてご迷惑をおかけしますが、暖かく見守っていただけるとありがたく思います。

 

では次回お会いしましょう。


 
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