第2話 新たな外史へ
―――う・・・?・・・体が動く・・・?・・・
体に力に入ることに驚いた一刀はゆっくりと目を開いた。
その目にはいってきたのは一面真っ白な世界だった。
「あ・・・これがトンネルぬけたら一面雪国だったとかいう・・・っておかしいわ!」
と1人ノリツッコミをした後立ち上がり周囲をゆっくりと見て回る。
―――これが死後の世界ってやつか・・・?
―――なにもない・・・この世界が・・・
「死んだ」という現実を一刀が実感していると・・・空から声が聞こえた・・・
「グス・・・ご主人様・・・おきて・・・・おきて・・・グス」
―――え・・・この声は・・・
「ご主人様・・ずっと・・・いるってグス・・・恋と・・・・グス」
―――恋・・・
―――ごめんな・・・恋・・・
―――くっそ・・・
『くやしいのですか?』
また直上から声が聞こえた・・・
―――!!
「だれだ!」
『私に個人という概念はありません。』
「・・・つまり・・・なにかしらの集合体ってところか・・・?」
『フフ、なかなかいい判断力をお持ちのようだ。』
「で・・・おれに何の用だ・・・?」
『あなたはいま後悔してませんか?』
―――っ!!
『あなたはどうしたいですか?その気持ちを思い描いてみてください』
「気持ち・・・」
『その気持ち、願いが新たな世界へ繋がります』
「え・・あらたな世界・・・・!!!」
突然目の前が目のくらむような閃光で埋め尽くされた・・・
目が開けていられない一刀は意識が遠くなる感じを覚えた。
『餞別としていままでの記憶と2本の日本刀を差し上げましょう。』
『がんばってね・・・ご主人様・・・』
―――え・・・いまの声・・・・は・・・
そして一刀は完全に意識を失った・・・
―――う~ん・・・
背中がデコボコで硬いものに触れている感触がある。
これは以前に経験したような気がする一刀は目を開けて上半身を起こす。
「やっぱり荒野の真ん中かよ・・・」
なにかデジャブを感じつつ自分や周りを見渡してみる。
「ここはどこ・・・!!」
自分の隣に予想外の人物が寝息を立てていた・・・
「恋?!!」
自分のとなりに方天画戟を握り締め、涙のあとが顔にある恋が寝ていた・・・
いつもなら寝顔を見てほんわかするのだが、いまは状況が状況のため一刀は恋の体をゆすって起こす。
「恋、恋、起きてくれ、恋!」
もしこの恋が自分のことを知らない恋であった場合殺されるかもしれないっていう考えが頭によぎったが、起こす行動を続ける。
「う・・・・ん・・・ご主人様・・・・?」
うっすら目を開ける恋。恋は自分の目の前にいるのが一刀とわかると・・・一気に眠気がなくなり・・・
「ご主人様?!」
恋は一刀に抱きついた。涙を流しながら・・・
「うわっ!恋?どうしたの?!」
突然の恋の行動に慌てる一刀。
「グス・・・ご主人様が・・・目の前で・・・死んで・・・え?」
涙を流していた恋は一刀の顔を恐る恐る覗く・・・
「ごめんな。恋、いやな思いをさせて・・・」
一刀は恋を安心させようと頭を抱き寄せる。
一刀の胸に抱き寄せられた恋はまた涙を流し始めた。
恋が泣き止んだはそれからしばらくしてからだった。
夕暮れが近くなり、一刀と恋は小川の近くに移動し、一刀が集めてきた小枝に火を炊いた。
恋は一刀のそばから離れようとせずにいまも一刀のとなりにくっついてる。
小川で取った川魚に小枝をさして火の近くに置く。
そして一刀は恋に聞きたかったことを切り出した。
「なぁ?恋。ちょっといい?」
突然話しかけられた恋は一刀のほうを見て首をかしげた?
「・・・・・・?」
「恋はどうしてこの世界に来たの?」
恋相手に遠まわしに聞いてもダメとおもった一刀は直球で質問した。
「・・・・ご主人様が死んだあと・・・」
このあと恋は区切り区切りだか説明してくれた。
それによると・・・・
○あのあと一刀の乗った船は連合本陣へ運ばれたこと
○一刀が死んだあと蜀で大規模な葬儀が行われたこと
○葬儀のあと恋は寂しさや悔しさからふさぎ込んでしまったこと
○ある日の晩に自室でセキトたちと寝ていたときに夢をみて、知らない人から「一刀を助けてほしい」といわれたこと
○「ご主人様・・・助ける」と返事をすると目の前が光に包まれて気が付いたら一刀の隣にいたこと
―――ふむ・・・おれをこの世界に送った例の声が関わってるのかな?
―――とりあえず、いまの場所と時間を早く確認しないとな・・・
考え込んでる一刀を見ていた恋が袖を引っ張る。
「ご主人様・・・・大丈夫・・・?」
「え?ああ、大丈夫だよ。さぁ、魚も焼けたみたいだし食べようか?」
と焼けた川魚を恋に渡す。渡された恋はそれをモキュモキュと食べ始めた。
その恋の姿を見て一刀は微笑みながら自分も魚を食べ始めた。
2人は魚を食べ終わったら寄せ合うように横になった。
「おやすみ、恋」
「・・・・・・おやすみなさい」
小鳥の声で目が覚めた一刀は小川で顔を洗い頭を覚醒させる。
恋はまだ寝ているようだったので、一刀は朝食になりそうなものを探しにいった。
それからすこしして・・・
「う・・・・・ご主人様・・・?」
恋も目を覚ましたが・・・隣に一刀がいないことがわかると焦り始めた。
「ご主人様・・・どこ・・・・?・・・ご主人様・・・グス」
恋は泣きながらフラフラと一刀を探しに行った。
入れ違いになるように一刀は小川の拠点に戻ってきていた。そして恋がいないことに気が付いた。
「え・・・恋~どこいった~?」
周りを見て回るが恋の姿はない。
「どこいったんだ・・・?まさか・・・おれがいないと思って探しにいってしまったか!」
一刀は恋のことを呼びながら範囲を広げて探し回る。
するとフラフラと歩いている恋の姿を一刀は見つけた。
「お~い・・・恋こっ・・・・っ!」
一刀と恋の林のなかに複数の男。そしてその男たちは恋を包囲しようとうごいている。いつもの恋ならば余裕で察知できているが、いまは一刀がいなくなったと思っている意志消失状態のため、気が付かなかった。
―――恋が気が付いてない?!
恋の様子が変だと気が付いた一刀は日本刀を握りしめながら恋のほうへ駆け出した。
あとすこしで恋へたどり着くというところで男たちも同様に林から飛び出した。
「!」
恋も気が付いたようだったが一歩初動が遅れた。男のもった剣が恋へ振り下ろされる。
しかし・・・
「はぁぁぁぁぁぁ!」
その男のうしろから突っ込んだ一刀はその勢いのまま刀を振り上げ、男の右腕を切り飛ばす。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
男が激痛に叫んでいるところに一刀は躊躇なく蹴りをいれて吹っ飛ばす。
「恋、大丈夫か?!」
「・・・・・・・(コクコク)」
恋は涙ぐみながらうなづいた。そして方天画戟を構える。あと男は6人。
「ご主人様は恋がまもる・・・」
恋が一気に殺気を開放すると男たちは恋に恐怖し悲鳴をあげながら逃げていった。
周りになにもいなくなったのを確認したあと一刀は恋に話しかけた。
「恋大丈夫か?怪我してない?」
「(コクコク)」
「そっか、ならよかった」
と一刀は恋に笑みを見せた。
そして拠点もどろうと恋に背を向けると恋はその背中に抱きついた。
「ちょ!恋?どうしたの?」
「ご主人様・・・恋を置いてどこかにいかないで・・・」
恋の気持ちが分かった一刀は振り返り恋を抱きしめた。
「大丈夫、ずっと一緒だよ。恋」
「・・・・うん・・・・うん・・・」
恋はまた一刀の胸の中で泣き始めた
その恋の姿をみて一刀はある決心をする・・・
―――恋に守ってもらうだけじゃない、一緒に戦えるだけの力を手に入れる
―――恋とどんなときでも一緒にいてあげるために・・・・
あとがき
はい、どうも作者です。
1ページ分の長さが短いのは仕様です。作者の力不足なんです、ゴメンナサイ(´・ω・`)
第2話は恋との再会です。最初は転生物で恋の兄や、幼馴染という関係でいこうとおもっていたのですが、やっぱり一刀は一刀でいかないとなと思ってこのような超展開で無理やり一緒にしてみました。
恋かわいいよ恋(*ノωノ)
おっと話がずれました。第1話でどのルートでいくのかというコメントがありましたが、いまのところ未定です(´・ω・)
反董卓連合あたりまでには決めておこうと思いますが、しばらく先の予定です(´・ω・`)
みなさまの期待に添えるような作品にすこしずつでも近づけるように努力はしていくので指摘等ありましたら、遠慮なくコメントに書いてくださいませ(・ω・)b
次回ですが、今日の深夜から明日早朝に投稿する予定です。
第3話にするか、一刀が死んだあとの恋視点での話にするかで悩んでますが、どちらかはうpしますので、お暇な方は見ていただけると光栄です。
ではまた次回作にて(´・ω・`)ノシ
Tweet |
|
|
74
|
8
|
追加するフォルダを選択
一刀が目覚めるとそこは一面真っ白な世界。
そこで一刀はとある人に出会い、そして新たな世界へ降り立つ。1人だと思っていた一刀だったが、隣には予想外の人物が・・・
作者コメ)
応援メッセや多くのコメントありがとうございます。
続きを表示