No.225106 チュウtanakaさん 2011-06-27 21:00:16 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:2099 閲覧ユーザー数:2006 |
「アキくん朝ですよ。起きて下さい」
「……ん、んぅ……」
「アキくん起きないと遅刻してしまいますよ」
「……んん、後五分……」
「今すぐ起きないとチュウをしますよ」
「――――お、おはよう姉さん!」
「おはようございますアキくん」
さっきまで熟睡していたアキくんが一瞬にして目を覚ます。
とても残念です。もう少しでアキくんにチュウをすることが出来たんですが。
「ね、姉さん!? どうして残念そうな顔をしてるの?」
「残念そうな顔? そんな顔はしてませんよ。そんなことよりもアキくん、姉さんへの
おはようのチュウがまだですよ」
「ああ、おはようのチュウね。おはようの……って、何で!?
何で僕が姉さんにおはようのチュウをしないといけないんだよ!?」
「何を驚いているのですか? 姉さんとアキくんは血の繋がった姉弟ですよ。その姉弟が
チュウをすることに何か問題がありますか?」
「――うっ、そう言われると問題はないような……いやいや、チュウなんて気軽にするも
のじゃないよ!」
「そうでしょうか? 欧米では挨拶でチュウをしますよ?」
「そ、そうなの!?」
「ええ」
ふふ♪ ほんとアキくんはバカですね。こんな嘘を簡単に信じてしまうとは。
まぁ、そんなバカなところがアキくんの可愛いところなんですが……しかし、アキくんの
この無知さは少々お仕置きをしないといけませんね。
そうです。チュウという名のお仕置きをしないと――
「ではアキくん。姉さんとチュウをしましょう」
「ほ、ほんとにするの……?」
「ええ。さっきも言いましたが、チュウと挨拶は同じようなものですよ」
挨拶と同じ。そしてアキくんへの姉さんからのお仕置きでもあるんですよ。
「で、でも――」
「でも、ではありませんよ。どうしてアキくんがチュウするのを躊躇しているのか分かり
ませんが、チュウというのはお互いの愛情を示す表現でもあるんですよ。
アキくんは姉さんのことが嫌いですか?」
「好き……だけど」
「そうですか。姉さんもアキくんのことが大好きですよ」
世界中の誰よりもアキくんのことを愛していますよ。勿論、異性として。
「さ、アキくん姉さんとチュウをしましょう。早くしないと学校に遅れてしまいますよ」
「――チュウをしないって選択肢はないの?」
「もしアキくんがチュウをしてくれなかったら、酷いことをしますよ?」
「酷いこと?」
「ええ。姉さんがお嫁にいけなくなるようなことをします。具体的には――」
「わぁーっ! い、いい、言わなくていいから! チュウをするよ! すればいいんでしょ!」
どうやらアキくんは観念したようですね。
これでやっとアキくんとチュウをすることが出来るんですね。
「アキ……くん」
「ね、姉さん……」
チュ……ッ。
「こ、これでいいんだよね!? じゃあ僕、学校行ってくるから」
バタバタと忙しそうに家を出ていくアキくん。
それにしても――
「アキくんとチュウ……をしてしまったんですよね」
額でも頬でもなく唇に……
あぁ、ごめんなさいアキくん。
もう姉さんはこの気持ちを抑えることが出来ません。
チュウだけで我慢が出来ればよかったんですが、どうやら無理みたいですね。
島田さんや姫路さんには悪いですが、本気でアキくんを奪うとしましょうかね。
ふふ♪ 覚悟してくださいねアキくん。
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明久と玲さんです。
ちょっと玲さんっぽくないかもしれませんが、あの行動の裏にはこんな想いも交じってたらいいな、と。