ここは虎牢関の中
「凪、見つかった?」
曹操は楽進に訊ねた。
「いえ、手分けして探しているのですが・・・・」
「そう・・・・」
「おい霞、本当にその男はここにいたのだな?」
夏侯惇は霞に言った
「ああ、そのはずや」
「他の者に見つかっていれば、既に連絡が入っているはず・・・とすれば・・・」
曹操が考えていた時
「凪ちゃ~~ん」
于禁が楽進に駆け寄ってくる
「どうした?沙和」
「えっとね、なんか部屋の前に董卓軍の兵隊さんが死んでてね、その部屋の中を見たら袁紹軍の兵隊さんが4人真っ二つになってたの!」
それを聞いた霞は
「沙和!そこに案内せいや!」
「わ・・わかったの!」
その剣幕に少しびびった于禁であったが、頷き歩いていく
その後を霞、そして曹操達もついて行く・・・
「ここなの」
そこには、一人の董卓軍兵士が部屋の扉の近くにもたれかかるように死んでいた
その兵士の服には、一輪の花が添えられていた。
「間違いないわ、ウチのとこの番兵や・・・」
霞はそう言うと、部屋の中を覗く
そこには確かに4人の男が胴から真っ二つになっていた。
「・・・はは、そういうことか」
霞はホッとした様子で、少しだけ笑みを浮かべた
「どういうことかしら?」
曹操は霞に訊ねた
「ああ、スマンなあ。ウチの探し人、もう味方に助けられとったみたいや」
「・・・・そう」
「ホンマにスマンかった、無駄足踏ませてしもうて」
頭を下げる霞
「いいわよ、そこまでしなくても・・・でも残念ね。アナタがそこまでこだわる北郷一刀と言う男、見てみたかったのに」
そう、曹操に降ったとき、霞は虎牢関にいた一刀の捜索をお願いしていたのだ
曹操も、霞がそこまで必死になる男を見てみたいと思い、許可したのだ
「それじゃあ、もう心残りはないわね」
「ああ、ほな行こか」
去り際にもう一度、霞は一刀の居た部屋を見て、曹操について行った・・・・
「しかし、呂布の強さは予想以上であったなあ」
「ああ、私達が三人がかりで相手をするのがやっとだったからな」
「次は負けないのだ!」
劉備軍の呂布と戦った三人は、その感想を述べていた。
「ところで、妙だと思わなかったか?」
趙雲はそんな事を言い出した
「にゃ?何がなのだ?星」
「いや、戦っている時、呂布の視線が時々虎牢関の方を向いていたように思えたのだが・・・」
「それは、自分の帰るところが心配だっただけではないのか?」
「いや、なんというか、留守番を任せた子供を心配して何度も振り返る母親のようだと思ったのだが・・・・」
「嫌に具体的だな」
「星は細かい事を気にしすぎなのだ。今回は鈴々達が勝ったのだからそれでいいのだ!」
「・・・そうだな、気を回しすぎたかもしれん」
この趙雲の指摘は実に的確だったのだが、それを言ってくれる人間は残念ながらここには居なかった・・・・・
「いやー、それにしても助かったぜ。ありがとな!孫策!」
「どういたしまして。それにしても驚いたわねー、華雄があんなに強くなってたなんて」
こちらは馬超と、戦闘中助太刀に来た孫策である
「ああ、悔しいけどアタシ一人だったら負けてたな」
「私も、正直言ってあまり勝てる気がしなかったわ・・・」
本当に強かった
「それにあの部下たちも・・・」
「本当、誰一人退かなかったものね」
「それだけじゃないよ、最後にのこった奴らの馬を狙った攻撃、アタシの馬でなかったら避けられないで死んでた・・・」
「私なんて馬から落とされたのよ!・・・まあ皆殺しにしてやったけど・・・」
「あいつら、何のためにあそこまで戦ってたんだろうな?」
「さあね、でも、よっぽど大切なものの為だったんでしょうね・・・」
二人はその時の事を思い出しながら、思いを馳せた
あの名前も知らない
全てを賭けて自分達を止めた漢達のことを・・・・・・
どうも、アキナスです
そんなに豪華なオマケって訳でもないんですけど
せっかくだから、書いてみました。
あんまり面白くなかったらごめんなさい
それでは次回に・・・・・
「加速装置!!(カチッ)」
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虎牢関は同盟軍に制圧された
そのすぐ後のおはなし