No.219969

恋姫外史・あるところに一刀第13話

アキナスさん

陳宮に逆らい拘禁された一刀!

虎牢関の戦いはどうなってしまうのか!?

2011-06-01 05:07:52 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:11370   閲覧ユーザー数:8446

一刀は今、虎牢関の一室に居た

 

ただ、拘束は解かれていたが

 

「いいのか?拘束しろって言われてんのに・・・」

 

番兵に話しかける

 

「構いませんよ、ここの兵士達のほとんどはそう思っているはずです」

 

「そうなのか?」

 

「ええ、北郷様は兵のほとんどに慕われていますから・・・」

 

番兵はそう言った。

 

「しかし陳宮様は何をお考えなのか・・・今回の事で、あの方は軍師とは思えない愚か者だ、と言う者もちらほら出ております」

 

「お前もその一人か?」

 

「・・・そうですね、多分そうです」

 

苦々しい口調で答える番兵

 

それに対し一刀は

 

「そこまで言うほどじゃあないと思うがなあ・・・」

 

「は?」

 

番兵は一瞬耳を疑った

 

あれだけの言い合いをして、挙句の果てに拘禁までされているのに何故そんな事を言えるのか

 

その疑問に気づいたのか、一刀は語り始めた。

 

「誰が賢い選択をして、誰が愚かな選択をしたか、何て全部終わってからでないと分かるわけがないだろ?それに、賢者と愚者の違いに関しても・・・・な」

 

「・・・・・・」

 

番兵は無言で聞いている

 

「アンタも、他人がどう思おうと自分が一番いいと思うことをしたほうがいいぜ」

 

「・・・そうですね、そうします」

 

「ああ、そうしな」

 

一刀はそれに付け加えるように

 

「ああ、それと陳宮のことだけどな」

 

「はい」

 

「あいつは太陽が近過ぎるんだよな」

 

「太陽・・・ですか」

 

その言い回しに番兵は首を捻る

 

「恋って太陽に近づきすぎて、眩しくて周りが見えないんだよ・・・」

 

「ああ、そういうことですか」

 

番兵もようやく分かったようだ

 

「しかし、恋に出会わなければ今のあいつは無い・・・難しい物だよな」

 

「ええ、本当に・・・」

 

「さて、やる事もないし、歌でも歌うか!せっかくだから聞いててくれよ」

 

「は、はい!」

 

こうして、観衆一人のコンサートは始まった・・・・

場面は打って変わり虎牢関の外

 

そこでは凄まじい戦いが繰り広げられていた。

 

「オラオラ!退かんと死ぬでーー!!」

 

霞が偃月刀を振り回しながら猛スピードで突っ込み

 

「はぁー!!」

 

ドカーン!と華雄の金剛爆斧が地をえぐり

 

「・・・死ね」

 

恋の方天画戟が一振りで複数の兵を吹き飛ばす!

 

(やはりねねは正しかったのです・・・)

 

恋の後で兵の指揮を執りながら陳宮は思っていた

 

つい、この時までは・・・・・

 

 

 

 

その後から董卓軍は劣勢に追い込まれる事となる

 

まず、それぞれの将があいての武将に足止めされ、じわじわ兵達が押し込まれていった事

 

あの恋でさえもそれは例外ではなく

 

「ハァーッ!」

 

「にゃにゃにゃーー!」

 

「せいせいせーーい!!」

 

劉備軍の関羽、張飛、趙雲の三人同時の攻めに前進を止められる恋

 

(そんな・・・ありえないのです・・・恋殿が止められるなんて・・・)

 

陳宮はそんな事があるはずがないと、予想もしていなかった。

 

そして、伝令の報告も・・・

 

「張遼将軍、曹操軍に捕縛されました!」

 

「な・・・・・!」

 

攻守の要の一人である霞が居なくなってはもうどうしようもない

 

陳宮の頭に一刀の言葉がよぎる

 

(恋に頼りきりの策を用いて、お前本当に軍師か!?)

 

ああ、そうか・・・

 

自分は

 

恋と言う光に

 

目が眩んでいたのだと

 

陳宮が気づいた時には全て終わろうとしていた・・・・・

 

 

「くっ!もう持たんか!」

 

華雄は必死に戦っていた

 

実際その武は一刀と会った時とは比べ物にならないほど上達していた

 

しかし・・・・

 

「っしゃおらーー!!」

 

「ハアッ!」

 

キン!ギィン!とはじく音が響く

 

馬超と孫策

 

同盟でもトップクラスの武将を二人同時に相手しながら華雄はよく耐えていた

 

一対一なら、負けることなどなかっただろう

 

しかし、ここは戦場である

 

そんな言い訳は通用しない

 

(・・・このままでは突破される!)

 

そう思ったとき

 

「将軍!お下がりを!!」

 

華雄の隊の副長と残っていた兵士たちが華雄の前に壁となった

 

「お、おまえら何のつもりだ!死にたいのか!どけ!!」

 

華雄は一喝するが

 

「退けません!もうすぐ城門も突破されるでしょう!」

 

「ならどうしてこんな所に来る!」

 

兵士達は微笑んで

 

「「「一刀様を助けに行ってください!!」」」

 

口を揃えて言った。

 

「お、お前達・・・・」

 

「将軍、あの人をこんなところで死なせる訳にはいかないでしょう?」

 

「俺達はあの人が大好きなんですよ」

 

「行って下さい、将軍!」

 

華雄は一度天を仰ぎ

 

「すまぬ!!」

 

そう言い残しその場を後にした。

 

馬超と孫策も追おうとするが

 

「「「ここから先には行かせない!!」」」

 

華雄の兵達が行く手を塞ぐ

 

「・・・死ぬわよ、貴方達」

 

孫策が凄まじい殺気を放ちながら言うが

 

「そうでしょうな、ですが・・・」

 

華雄の副長が

 

「私達の思いは隊長が受け継いでくださる!皆、行くぞ!!」

 

「「「うおおおおおおおおお!!!」」」

 

その言葉と共に、隊の全員が咆哮する

 

こうして

 

華雄隊の者達は

 

そのことごとくが壁となり

 

討ち死にしていった・・・・・・・

「ぐあっ!」

 

一刀の部屋の前で叫びが聞こえたかと思うと、扉を開け兵士が数人雪崩れ込んできた

 

「貴様、たしか董卓軍の将だったな!こんな所で高みの見物とはいいご身分だな・・・」

 

剣を血で濡らし、小隊長らしい男が一刀に迫ってくる

 

(この狭さで一気に襲われたら、避けきれねえか?剣もないし・・・それでもやるしかねえ!!)

 

一刀は素手で構える

 

そして

 

「「「「うおおおおお!!」」」」

 

部屋にいた4人が一斉に襲い掛かってきた

 

 

ブオン!

 

ドシャ!!

 

風が吹いたかと思うと、4人の体は胴から真っ二つになっていた

 

その後ろには

 

「・・・華雄?」

 

「間に合ったな」

 

華雄が立っていた。

 

「なんでここに・・・とは聞くだけ野暮か」

 

「ああ、お前を助けに来た」

 

「そうかい、ここはもう持たないか・・・」

 

華雄は首を縦に振る

 

「行くぞ」

 

「ああ」

 

華雄に続いて部屋を出た一刀だったが

 

「・・・・・・」

 

扉のすぐ側に、斬りつけられ死んでいた番兵の姿を見ると一度部屋に戻り

 

「・・・・じゃあな」

 

番兵の身体に部屋に飾ってあった花を一輪置いて、華雄と共に走り去っていった・・・・

 

こうして霞は捕らわれ

 

恋と陳宮は包囲網を脱出して落ち延び

 

一刀達は虎牢関を抜け出し洛陽へ向かった

 

虎牢関は連合軍の手に落ち

 

董卓軍の事実上の敗北が決まったのだった・・・・・

はい、アキナスです

 

虎牢関での戦いも終わり、いよいよ反董卓連合編もクライマックスです

 

一刀達はこれからどうするのか?

 

それでは次回に・・・・・

 

 

 

 

 

 

「断空光牙剣!ヤァーッてやるぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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