No.219406 雛里のラブラブご主人様計画~マジックマッシュルーム事件その2~戯言使いさん 2011-05-29 14:38:02 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:4867 閲覧ユーザー数:4096 |
「なぁ、雛里。一つ質問いいか?」
「はい?」
一刀と雛里は今、廊下をこそこそと歩いていた。朱里の部屋、そして紫苑の部屋から無事に帰還出来た二人だが、この二人はいつも大人しい性格の武将だ。もっと気性の荒い武将に備えて、二人は見つからないようにこそこそしているのだ。
「朱里はともかく、紫苑と璃々ちゃんってさ、あれは幻覚じゃないような気がするんだけど」
「あわわ。それはですね、キノコを食べたあとに、自分の姿を鏡で見たのだと思いますうぅ。鏡に映るのは、璃々ちゃんぐらいな年齢の紫苑さん、紫苑さんぐらいな年齢の璃々ちゃん」
「ふーん。でも、幻覚だろ?あれは性格も変わっていたじゃんかよ」
「あわわ、あわわ、ご主人様。転んだ後にそれほど痛くなくても、傷口を見たら血が出ていて、何故か急に痛くなったことってありませんか?」
「あー、あるな。それ」
「それですよぉ。人間の五感が狂えば、精神なんて簡単に崩壊しちゃいますよぉ。特に、視覚と聴覚が狂えば、もっと酷いことになりますぅ」
「ん?でも、朱里と紫苑たちは、俺たちのことはちゃんと分かってたよな。会話も成立してたし」
「あわわ、そこですぅ。本当に危険なのは、私たちを認識出来ず、そして会話も成り立たない人たちです。もしそれが、集団幻覚でも見ていたら・・・・あわわ、もう殺して燃やすしかないですぅ」
「いやいや、さすがにそこまでしなくても・・・・」
雛里の冗談に苦笑いを零す一刀。
すると、近くから何やら話声が聞こえてきた。
「これは・・・・愛紗か?」
「取りあえず行ってみましょうか」
二人はいつも仕事をしている執務室から聞こえる声を聞きながら、そこまでの道を急いだ。
そして、こっそりとドアを開けてみる。
そして、二人は後悔した。
「るんるーん♪るんるーん♪」
いつもの執務室は、何やら残飯のような物が皿に乗っかっており、そしてそのすぐそばには愛紗が居た。
しかも、裸にエプロン。
手にはおたま。そして何故か机の上におかれている巨大な鍋をかき回していた。
「今日のご飯はなーっにかな♪なーっにかな♪あん!もぅ、ご主人さまのえっちぃ。今はお料理中なんですからぁ、めっですよ♪」
愛紗はまるで一人芝居のように一人で会話をしていた。その様子は、まるで新婚さんのようだった。
「・・・・・・ありだな」
「あわわ!?」
「これはこのまま放置しててもいいんじゃないか?」
二人がそんな会話をしている最中に、愛紗に動きがみられた。
「よし♪」
愛紗は「よいしょっと♪」と可愛らしい掛け声と共に、鍋を持ち上げると、部屋のすみへと持って行った。部屋のすみにはただ椅子が一つだけ置かれており、誰も座っていない。
そう言って鍋の中身を救いあげた。おたまの中には何もなかった。愛紗は先ほどから空鍋をひたすらかき混ぜていたのだ。
「今日のご飯は・・・・・・じゃぁーん。なんと、魏の武将たち煮込みですよぉ!長時間煮込んだので、お肉も柔らかくなってますからねぇ」
「・・・・・・・え?」
「あはは!大丈夫ですよぉ、明日は呉の武将たちの煮込みを作りますからねぇ。そしてその次の日は蜀の武将たち・・・・・・うふふ♪」
「・・・・・・・いや、でもこれは・・・・・・駄目だ。うん、これは無理」
「あわわ。愛紗さん怖いですぅ。ご主人様を独占したいからって、他人を落とし入れるなんて最低ですね」
「まったくだ」
「あわわ、ご主人様。愛紗さんに愛想をつかしたんじゃありませんか?」
「いいや。むしろ、新たなプレイを楽しめそうだ」
「(っち)それでは、ちゃっちゃと絶望してもらいましょう」
雛里は一人でぶつぶつと呟く愛紗の近くに寄っていく。
「愛紗さん。愛紗さん。聞こえますか?」
「ふふふ、はいあーん・・・・・美味しいですか?今のは、一体、誰の肉でしょうねぇ」
「あわわ、やっぱり駄目ですか・・・・しょうがないですねぇ」
雛里は残飯の乗った皿を持ち上げると、それを愛紗の頭へと落とした。その異臭の放つ残飯は愛紗の顔に降りかかり、そして少なからずその残飯を食べてしまった。
「おえぇ。何だこれは!?」
「あわわ、何ってあなたが作った料理じゃないですか。それにしても、この料理で新婚さん?あわわ、笑わせますぅ」
「ひ、雛里!?いつからそこに」
「愛紗さん・・・・もうそろそろ気がつきましょうよ。料理駄目。女としての可愛げもない。そんな貴方がご主人様の奥さんになれる筈がないんですよぉ。あわわ、憐れですぅ」
「そ、そんなことは・・・・うぅ・・・・そんなことは・・・・」
「愛紗さん・・・・本当にご主人様を愛しているのなら、ここは素直に身を引くべきではありませんか?ご主人様の幸せを考えてあげましょうよ・・・・・あわわ」
「うぅ・・・そ、そんなことないもーん!うわぁぁぁぁ!」
愛紗は泣きながら執務室を出て行った。そう言えば、服装が裸エプロンだったけど、大丈夫だろうか・・・・と一刀は思いながら、愛紗の背中を見送った。
「次、行きますよ」
「雛里。今度は俺も罵倒してくれ」
「あわわ、お任せください」
「ご主人様!桂花さんを見つけました!」
廊下を歩いていた二人に、紫苑が走りながら近寄ってきた。服装は相変わらずのロリロリ服だった。
「紫苑、お前はもう大丈夫なのか?」
「はい・・・・あの・・・・・実は、雛里ちゃんに罵倒された時にじゅん、と来ちゃいまして・・・・ご主人様、後で私を・・・・・」
「・・・・あぁ、いいぜ。この変態。娘もいるのに、恥ずかしくないのかよ」
「あぁ・・・・ご主人様・・・・(じゅん)」
「あわわ、垂れ乳は黙れですぅ」
「・・・・・・(弓を構える)」
「ご、ごめんなさい。ついさっきの癖で・・・・」
「それより、桂花さんを見つけました」
「あー、いいや、桂花は」
「それはどうしてですか?」
「ん?どうせ、デレデレ桂花とか、そんな感じだろ?もぅネタがないんだよ・・・・」
「あわわ、ご主人様・・・・きっと疲れているんですよ」
「ご主人様。残念ながら、違います」
「デレじゃないのか!?いや、でもツンならいつもと変わらないし、いやいや、最近は子供も産まれて、少しは母性ってのが目覚めているから・・・・」
「とりあえず、実際に見に行ってみましょうよ」
三人は取りあえず桂花が居ると言う部屋へと向かって行った。
部屋に入ると、そこには桂花がベッドで寝ていた。
その横の揺り籠には、一刀と桂花の子供がすやすやと眠っていた。
「ふふ、やっぱり、子供は可愛いですね」
「まぁな。いつか紫苑にも子供を作ってやるから・・・・な?」
「もぅ、ご主人様ったら・・・・」
「あわわ、このガバマンビッチが・・・・(ぼそ)」
「それより、桂花は特に問題なさそうだけどな」
桂花はベッドで横になっているだけで、特に問題はなさそうだ。
「う、うぅん」
桂花は何度か目を擦ると、ゆっくりと上半身を起こした。
そして、ぼぅっと外を眺めた。
「あいつが元の世界に戻ってもう何年かしら・・・・・」
「まさかの魏√エンド!?」
「子供と私を残して・・・・・バカ」
「桂花!俺はここにいるぞ!」
「あのね・・・・私、再婚しようと思うの」
「!?ま、待て、寝取られなんて俺は嫌だぞ!」
「実は相手はあなたもよく知る人なのよ・・・・」
「ま、まさか華陀か!?それとも、兵士とか!?嫌だ!俺はそんなのやだ!」
「驚いたわ・・・・華琳さまの股間からアレが生えてくるなんて」
「!?」
「そして愛されていく内に、私のお腹の中に新しい命が・・・」
「そ、それはむしろアリだ。俺と華琳の二人に愛される桂花・・・・あり、だ」
「私・・・・幸せになるわね」
「あぁ、だけど駄目だ!桂花も華琳も俺の嫁だ!目を覚ませ!」
一刀は桂花の肩の掴むと、何度も揺する。そうすると、桂花は焦点の合わない目がじょじょに一刀の姿を捕えた。
「か、一刀!?あぁ、帰って来てくれたのね!?」
「あぁ、俺がお前の傍から離れるわけないだろ!?」
「で、でも私・・・・」
「気にするな。大丈夫、お前は俺の物だ。そして、華琳も俺の物だ。だから、安心しろよ」
「一刀・・・・あれ・・・・安心したら、眠くなってきて・・・・」
「おやすみ。桂花。大丈夫、目が覚めても、俺消えないからさ」
「あぁ・・・・」
安心したように呟くと、ゆっくりと目を閉じて眠り始めた。
「今回は俺で大丈夫だったな。まさしく、愛で目覚めたって感じだな」
「あわわ、愛?ご主人様はずいぶんと愛を安売りするんですね」
「ぐっ」
「ご主人様・・・私に子供を作るって言っていた傍からこんな・・・・」
「あ、いや、その・・・」
「あわわ、でも普通に考えたら、ご主人様がみんなを愛さないと、いつか寝取られちゃいますよ?」
「そ、そんなの嫌だよぉ・・・・うわぁぁん」
「あわわ、大丈夫ですよ。みんなご主人様のことが大好きですから・・・それに、ご主人様のアレはとっても立派ですし、満足してますから」
「雛里・・・・」
「そうですよ。ご主人様以外の男性なんて、考えられないですよ」
「紫苑・・・・」
「あわわ、これからも、ご主人様ラブラブで行きますよー」
「「おー」」
次回に続く・・・・・後悔しても、知らないよ
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みなさん、コメントありがとうございます。
その結果がこれです。みなさんの要望通りとは難しいですが、頑張りました。