No.219302

真・恋姫無双アナザーストーリー 蜀√ 桜咲く時季に 第09話 [桃香・雛里拠点]

葉月さん

お待たせしました。
前回予告したとおり拠点になります。
今回は桃香と雛里の拠点になります。

※今回の奥付は壊れまくっているので読まなくていいかも?

続きを表示

2011-05-28 23:42:55 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:10033   閲覧ユーザー数:6849

真・恋姫無双 ifストーリー

蜀√ 桜咲く時季に 第9話 拠点

 

 

 

 

【桃香の特訓】

 

 

 

「えい!やぁ!」

 

今、私は白蓮ちゃんのお城で一人で剣の稽古中です。

 

「ふぅ、ふぅ。疲れたよぉ~」

 

(カランッ!)

 

私はご主人様がくれた調練用の刃の潰れた太刀を手から離しその場にへたり込む。

 

「うぅ~。私って本当に力がないよね。これじゃご主人様に笑われちゃうよ」

 

私はうな垂れて近くに落ちていた調練用の太刀を見詰める。

 

「はぁ、折角ご主人様に私が扱い易い様にって貰った太刀なのに」

 

「……っ!(ふるふる)ダメダメっ!弱気になったら!ご主人様だってあの時言ってたもん。『桃香はやれば出来る子なんだから』ってっ!」

 

私は数日前のことを思い返した。

 

あの時の私は白蓮ちゃんに頼んで調練場を使わせてもらっていた。

 

………………

 

…………

 

……

 

――数日前

 

「おいおい桃香。本当に大丈夫か?」

 

「大丈夫。大丈夫!見ててね白蓮ちゃん!」

 

白蓮ちゃんは太刀を持ってる私を心配そうに見ていた。

 

「それじゃ行くよぉ~!えーーいっ!」

 

白蓮ちゃんから借りた調練用の太刀を両手で持ち横に振り回してみた。

 

「わわわっ!」

 

「と、桃香っ!」

 

「止まらないよぉ~~っ!」

 

振った所までは良かったんだけど、止める事が出来ずにそのままぐるぐると周りだしてしまった。

 

「と、止めて白蓮ちゃ~~~んっ!!」

 

「無茶言うなよ!と、とにかく太刀を離せっ!そうすれば何とかなるだろ!」

 

「そ、そっか!!……え~いっ!……(ドシンッ!)きゃんっ!いった~い!」

 

私は手を離した拍子に体勢を崩して思いっきりお尻を打った。うぅ~、痛いよぉ~。

 

「ちょ!うわぁぁっ!!」

 

(ザシュッ!)

 

「……わ、私に向って手を離す奴があるか!死ぬかと思ったぞ!」

 

「ごめんね白蓮ちゃん」

 

私が手を離した太刀はまっすぐに白蓮ちゃんの方へ飛んだらしく。白蓮ちゃんは顔を引き攣らせていた。

 

「まったく。別に怪我は無かったからいいが。次は気をつけてくれよ」

 

「うん。よいしょっと」

 

私は太刀を取ろうと立ち上がった。

 

「あれ?あれれ?」

 

「お、おい!何処に行くんだよ桃香っ!」

 

「はぅ~。頭がくらくらして前に進めないよぉ~」

 

あっちへふらふら。こっちへふらふらと目的の場所に辿り着けなくてぐるぐると彷徨う私。

 

仕舞いには調練場の入り口まで来てしまった。

 

(ドンッ!)

 

「きゃんっ!」

 

「おっと!」

 

「ご、ごめんさない!わわっ!」

 

私は誰かにぶつかってしまい。頭を下げて謝った。けど、フラフラしているせいで頭を下げなら体勢を崩してしまった。

 

「ふらふらしてるけど大丈夫か桃香?」

 

「ふぇ?……ご主人様っ!?」

 

名前を呼ばれて顔を上げると目の前にはご主人様が居ました。

 

「ごめんなさいご主人様!ぶつかったりして」

 

「ははは。気にしてないよ。それより調練場から出てきたけどなにしてたんだ?」

 

「えっとね。いつまでも守られてるだけじゃダメだと思って。白蓮ちゃんに云って調練場を使わせてもらって剣の稽古をしてたの」

 

「なるほど……それで調練所から出てきたのか」

 

「うん。でも、終わりってわけじゃないんだよ!ちょっと目が回っちゃってフラフラとこっちに来ちゃっただけなの!」

 

「はははっ、そっか。……それで公孫賛さんは?」

 

ご主人様は私の周りを見回して白蓮ちゃんを探していた。

 

「あっ!忘れてた!」

 

私は白蓮ちゃんの事を思い出して慌てて調練場に戻っていった。

 

「ごめ~ん!別に白蓮ちゃんの事忘れてたわけじゃないんだよ!」

 

「あ~。別にいいぞ。気にしてないから」

 

急いで戻ると白蓮ちゃんは私が投げ飛ばした太刀を持って待っていてくれた。

 

「なんだ北郷。お前は今、政務の手伝いをしてる時間じゃなかったか?サボりか?」

 

「いや~。気分転換に散歩でもしようかなって」

 

そう言えばこの時間は朱里ちゃんたちと政務のお手伝いしてるはずだったよね。

 

「それをサボりって言うんじゃないのか?そんな事じゃ立派な君主になれないぞ北郷」

 

「そう言われると耳が痛いな」

 

「……」

 

ご主人様と白蓮ちゃんは楽しそうに会話をしていた。

 

ぶ~っ!ご主人様、白蓮ちゃんとお話しすぎだよ!

 

「ねぇねぇご主人様!」

 

「え?なに?」

 

私は無理やりご主人様の腕を取り話をそらした。

 

「えっと……えっとね?」

 

あぅ、話す内容を決めてから呼べばよかった。

 

今更後悔しても遅いから頑張って頭を捻る。

 

「あっそうだ!ご主人様、剣の練習手伝ってよ!」

 

「へ?俺がか?」

 

「うんうん!」

 

「桃香。今、『そうだ』って言わなかったか?」

 

「気のせいだよぱいぱいちゃん」

 

「私は白蓮だっ!お前は都合が悪くなるとそう呼ぶな……はぁ~」

 

白蓮ちゃんは大きな溜め息を吐いた。うっ。流石は白蓮ちゃん、私のこと良くわかってるよね。

 

「伊達に、同じ私塾で勉強した仲じゃないってことだ」

 

わ、私が考えてことも言い当てられちゃったよ!

 

「ど、どうかなご主人様?」

 

私は無理やり話を逸らした。

 

「でも、公孫賛さんに見てもらってたんじゃないのか?」

 

「そ、それはそうなんだけど……ご主人様にも見てもらいたいの!」

 

「で、でも……」

 

「お願い。ご主人様?」

 

「う゛」

 

ご主人様にお願い事を言うと良くわからないけどご主人様は一瞬後ずさりした。

 

「それじゃ、少しだけだよ?」

 

「やった~!それじゃ見ててねご主人様っ!」

 

白蓮ちゃんから太刀を受け取って人が当たらない位までご主人様との距離をとった。

 

「北郷も大変だな」

 

「そうでもないよ」

 

「もーっ!ご主人様!ちゃんと見ててくれないといやですよ!」

 

また白蓮ちゃんと話してるご主人様を大きな声で呼んだ。

 

「大丈夫。ちゃんと見てるよっ!」

 

「ぶー。見てなかったもん」

 

「何か言ったか?」

 

「ううん!何にも言ってないよ!それじゃ見ててねっ!」

 

よぉし!ご主人様にいいところを見せるんだから!

 

「えええいっ!」

 

私は気合を入れて剣を振るった。

 

「だからなんでお前は人の居る所に投げるんだよ!」

 

「あぅ。ごめんね。パイパイちゃん」

 

「パイパイちゃん言うな!白蓮だっ!」

 

「ご主人様~。レンレンちゃんが苛める~」

 

ご主人様の腰に抱き付きながら白蓮ちゃんから身を隠す。

 

「桃香。お前絶対わざとだろう……」

 

「ま、まあまあ公孫賛さん。桃香も悪気があって公孫賛さんに向って剣を投げたわけじゃないんだし」

 

「そんなことはわかっている!はぁ。本当に桃香は昔から運動がダメダメだよな」

 

「そんなに運動が苦手だったのか?」

 

「ああ。私塾にいた時も。平らな場所でこけるわ。山道は転げ落ちるわで酷かったんだよ」

 

「う~。そんなことご主人様に言わないでよ白蓮ちゃんのいじわる」

 

「い、いじわるってお前なぁ。はぁ、まあ。こんなわけさ北郷」

 

「もしかして当時も太刀を手放す方向って……」

 

「聞くな北郷」

 

「あ、ああ。ごめん」

 

「「……はぁ」」

 

ご主人様と白蓮ちゃんは同時に溜め息を吐いた。

 

「まあ、とりあえずわだ。桃香、その剣重たいか?」

 

「え?うん。持ち上げるのもやっとだよ」

 

私は剣を持ち上げて見せる。

 

「ふむ……」

 

(ぷにっ)

 

「ひゃうっ!ご、ご主人様!?」

 

「ん?ああ、ごめん。凄い腕がぷるぷるしてるなぁって思って」

 

「だ、だから持つのがやっとなんだよ。もう降ろしてもいい?」

 

「ああ。それにしてもこの重さでダメか……う~ん」

 

ご主人様は顎に手を当てて考え始めた。

 

「よし!公孫賛さん。この町の鍛冶屋ってどこにありますか?」

 

「鍛冶屋か?それなら趙雲が知っているから案内してもらうといい。アイツな今頃非番で城壁で酒でも呑んでるだろう」

 

「ありがとう。公孫賛さん」

 

「それくらいお安い御用だ」

 

「それじゃ桃香。数日待ってくれるかな?そうしたら剣の練習に付き合うから」

 

「うん。私は別に構わないけど。ご主人様はいいの?自分の鍛錬とかしなくても」

 

「俺は偶に愛紗とやってるから気にしなくてもいいよ」

 

ご主人様は笑って答えてくれた。

 

『ご主人様~っ!どこですか~』

 

その時だった。遠くから朱里ちゃんの声が聞こえてきた。

 

「まずい!結構時間経ってたかっ!それじゃ俺は戻るから!」

 

「あっ!ご主人様!」

 

「ん?」

 

「今日はありがとう!」

 

「ああ」

 

ご主人様は手を上げて笑うと調練場から走って出て行った。

 

「それじゃ私も戻るぞ。そろそろ街からの書簡とかが届く時間だからな」

 

「うん。白蓮ちゃんもありがとうね」

 

「桃香の頼みだからな」

 

白蓮ちゃんも手を上げて調練場から出て行き私一人になった。

 

「……う~ん。そうだ!少しでも剣が振るえるように特訓しよう!」

 

私はご主人様が調練を手伝ってくれるまでの間、少しでも力をつけて太刀が振るえる様になるために太刀を手に取り剣を振るった。

 

――数日後

 

「うぅ~。なんで私って力が無いんだろう……」

 

あれから、暇を見ては剣を振っていたんだけど。一振り・二振りですぐに息が上がっちゃうし。

 

「はぁ~。才能無いのかな私って……」

 

「桃香」

 

「っひゃ!ご、ご主人様っ!」

 

庭に設置されていた長椅子に座り肩を落としているとご主人様が話しかけてきた。

 

「元気が無いけどどうかしたのか?」

 

「ううん!なんでもないいよ!それより私に何か御用ですか?」

 

「ああ。剣の調練を見てあげようと思ってね」

 

「本当ですかっ!?あ、でも……」

 

「?」

 

私はご主人様に自分の手を見せた。

 

「これは……」

 

私の手は剣を握る時に力を入れすぎて肉刺が出来ていた。

 

「……手を貸して」

 

「え?だ、ダメだよ!ご主人様にこんな手触らせられないよ!」

 

「いいから。……そっか、一杯一人で特訓してたんだね」

 

「……うん」

 

ご主人様は私の手を優しく包むように撫でてくれた。

 

「痛い?」

 

「ちょっとだけ。で、でも大丈夫!ちゃんと剣は握れるから!」

 

「これじゃ無理だよ。下手すると肉刺が破けちゃうよ。そうしたら綺麗な桃香の手が台無しだ」

 

ご主人様はそういうと腰から提げていた袋の中から淡い緑色の宝玉を取り出して自分の剣にはめ込んでいました。。

 

「その宝玉は、前に愛紗ちゃんの火傷を治した?」

 

「ああ。これは治療が出来る宝玉でね。重症じゃなければこれで治せるんだよ」

 

「あの時みたいにご主人様の血を飲むの?」

 

「いや。あれは全身に火傷が広がってたからね。今回は掌だから気功で何とかなるよ。これはその力を強めてくれる事も出来るんだよ」

 

そう言うとご主人様は膝に剣を置き両手で私の手を包んできました。。

 

「わぁ。掌が温かくなってきたよ」

 

掌が温かくなってきたと同時にずきずきしていた痛みも和らいできた。

 

「はい。これでもう痛くないと思うけどどうかな?」

 

暫くするとご主人様の手は私の手から離れてしまった。ちょっと残念だな。

 

「わ~っ!全然痛くないです!ご主人様ありがと!」

 

私の掌に出来ていた肉刺は綺麗に無くなっていました。

 

「どういたしまして。それじゃ調練場に行こうか」

 

「うんっ!」

 

私はご主人様と調練場に向った。

 

「それじゃご主人様。よろしくお願いしますっ!」

 

ご主人様にお辞儀をする。

 

「ああ。まずはこれを持って貰ってもいいかな?」

 

「?これって愛紗ちゃんの?」

 

ご主人様の手には愛紗ちゃんがいつも使っている青龍堰月刀が握られていた。

 

「ああ、愛紗に無理を言って借りてきたんだ。はい」

 

「はぅっ!お、重たいで、すぅぅぅ」

 

ご主人様に手渡され、持った瞬間に私はガクンッと肩が抜けそうなった。

 

「それじゃ。ニ・三回くらい振ってみようか」

 

「えええっ!む、無理だよご主人様っ!こ、これ重たくて持ってるのもやっとなのに!」

 

「それじゃ、ニ・三回持ち上げるだけでもいいよ」

 

「う、うん。それなら何とかできるかも……うん……しょっと!」

 

私は両手でも愛紗ちゃんの武器を持ち上げた。

 

「い、かい……にぃ……かい……さん……かいっ!」

 

「はい。お疲れ様。それじゃ。これを持って剣の訓練をしようか」

 

「ええっ!?すぐに?ちょっと休んじゃダメ?」

 

「ダメだよ。青龍堰月刀を持たせたのは重さの違いを確認してもらうためだからね。はい」

 

ご主人様はそう言うと一本の剣を私に手渡してくれた。

 

「っ!わぁ!軽い!なんで?すごいっ!」

 

手渡された剣は堰月刀よりも全然軽かった。

 

「そりゃそうさ。堰月刀の方が重いんだからね。それに比べれば全然軽いだろ」

 

「あっ!そうか!ご主人様すごい!」

 

「は、ははは……それじゃ練習始めようか」

 

ご主人様はなぜか苦笑いをしていたけど。これでご主人様と二人っきりで剣の特訓が出来る!

 

「えい!やぁ!とぉ!!」

 

(ぶんっ!ぶんっ!ぶんっ!)

 

あれから半刻。ご主人様は剣の持ち方とかを丁寧に教えてくれた。

 

やっぱりご主人様はすごいな。分かりやすく説明してくれるし。

 

「そうそう。上手いぞ桃香。もう少し肩の力を抜いてみようか」

 

「こう、かな?えいっ!」

 

「まだ固いかな?」

 

そう言うとご主人様は不意に私の背後に立って肩に触れてきた。

 

「ひゃう!ご、ご主人様!?」

 

「ほら。リラックスリラックス」

 

「り、りらくす?」

 

「落ち着いてって意味だよ」

 

「お、落ち着く、うん。落ち着く……」

 

ふぇ~ん!ご主人様に触れられてると全然落ち着けないよぉ~!!

 

「ん?なんだかさっきより肩に力が入ってる気が」

 

「そ、そんなことないよ!ほ、ほら!こんなに振るえっ(スポッ!)……あ」

 

剣を振るうと私の手から剣がすっぽ抜けて空を舞い地面に落ちようとしていた。

 

「おう、桃香!調子は「白蓮ちゃん危ないっ!」へ?うわっ!」

 

(ぐさっ!)

 

「「……」」

 

「……と、桃香、お前は……いつもいつも何か私に恨みがあるのか!?」

 

「ふえええんっ!ごめんなさい。パイパイちゃん!」

 

「だから白蓮だって何回言えばいいんだよ!」

 

「ふえええんっ!ごめんなさ~~~いっ!」

 

白蓮ちゃんに追い掛け回される私をご主人様は苦笑いを浮かべてみていた。

 

「ご主人様ぁっ!笑ってないで助けてくださ~~いっ!」

 

………………

 

…………

 

……

 

「うぅ~。頭が痛いよぉ~」

 

「自業自得だ」

 

白蓮ちゃんに追いつかれた私は頭に拳骨をされて蹲っていた。

 

「ご主人様。頭撫でて~」

 

「はいはい」

 

「えへへ♪」

 

「はぁ。北郷、桃香を甘やかしすぎだぞ」

 

「まあまあ。悪気があったわけじゃないんだから大目に見てあげよう様」

 

うんうん。ご主人様は優しいよね。

 

「それじゃ。逆に聞くが、毎回毎回剣の練習をする度に自分に向ってくる剣をお前はどうおもう?」

 

「……ごめん」

 

「だろ?」

 

「うぅ~。わざとじゃないのに。白蓮ちゃん酷いよ」

 

「まあ、私も命が欲しいからな」

 

そういう白蓮ちゃんは怒ってる様子も無く。少し呆れている感じがあった。

 

「本当に私、上達するのかな?」

 

「大丈夫だよ。見た限りだと形は悪くないからあとは練習あるのみだよ。桃香はやれば出来る子なんだから。頑張ろう」

 

「うん。ご主人様に言われるとなんだけやれそうな気がするよ!」

 

「それじゃ。再開しようか」

 

「うん!」

 

「私は邪魔にならないところで見てるかな」

 

「それじゃ。いくよ!ええいっ!(すぽっ!)あっ」

 

「(ぐさっ!)うわっ!……だ、だからお前はなんでそう!」

 

「ごめんなさ~いっ!」

 

――現在

 

「そうだよね。ご主人様が言ってたんだから大丈夫!」

 

数日前を思い返して自分を奮い立たせる。

 

「よぉ~し!練習再開だよ。またご主人様に見てもらえる日までにもっと上手くなって驚かせないと!」

 

きっとご主人様は褒めてくれるよね?

 

そうしたら……

 

………………

 

…………

 

……

 

『桃香。とても上手くなったね』

 

『本当ですかご主人様?』

 

『ああ。こんなに頑張って練習したんだね』

 

『はい。ご主人様に褒めてもらえるように頑張りました!』

 

『そっか。それじゃ、ご褒美あげないとね。何か欲しいのはあるかい?何でもいいよ』

 

『何でもですか?』

 

『ああ。俺に出来る事なら何でも』

 

『そ、それじゃ。あの……く、口付けをしてください』

 

『お安い御用だよ。おいで愛しい桃香』

 

『ご主人様……んっ』

 

『可愛いよ桃香。食べてしまいたいくらいに』

 

『ご主人様になら食べてもらいたいです』

 

『桃香……』

 

『ご主人様……』

 

………………

 

…………

 

……

 

「……えへへ♪や~んっ!照れちゃうよ!」

 

(ブンブンッ!)

 

「お~い。桃香。そろそろ兵の調練に使いたいんだけどいいか?」

 

「へ?白蓮ちゃ(スポッ!)……あっ」

 

(グサッ!)

 

「どわっ!桃香。またお前はっ!」

 

「だ、だって急に白蓮ちゃんが話し掛けて来るから」

 

「少しは周りの気配も察知できるようになれ~~~~っ!」

 

「うええええんっ!ごめんなさ~~い!」

 

「いい加減。私にも限界があるぞっ!待てぇぇぇええっ!!」

 

そして、いつもどおり捕まった私は白蓮ちゃんから拳骨を貰うのでした。

 

(ゴチンッ!)

 

「ふぇぇぇえええん!ぱいぱいちゃんが殴った~っ!」

 

「だから白蓮だっ!」

 

《END...》

【雛里の初めての一人でお買い物】

 

 

 

「あわわ。こ、ここはどこでしゅかぁ?」

 

周りを見回しても見えるのは人の壁。

 

背が低い私では周りの様子が全然見えません。

 

「ふぇえん。あ、あの、あのどいてくださ~~~い」

 

なんとか人を掻き分けようともがく私だけど、全然私の事なんか気にしていないかのように道を開けてくれなかった。

 

「ひぐっ。こんな事なら朱里ちゃんと来ればよかったよぉ」

 

私は半刻前のことを思い出して後悔した。

 

………………

 

…………

 

……

 

「雛里ちゃん本当に一人で大丈夫?」

 

朱里ちゃんは心配した表情で私を見ていました。

 

「うん。だってお城からすぐ近くでしょ?迷子になんてならないよ」

 

目的の場所はお城に近い本屋さんです。歩いて行ってもお城が見える距離です。

 

「……わかった。それじゃ気をつけてね雛里ちゃん」

 

一瞬考える素振りを見せた朱里ちゃんだったけど。最後には頷いてくれた。

 

「うん」

 

「お金はちゃんと持ったよね?」

 

「うん」

 

「道筋はわかるよね?」

 

「大丈夫だよ」

 

「知らない人について行っちゃダメだからね」

 

「朱里ちゃん心配しすぎ」

 

「あぅ。だって心配なんだもん。雛里ちゃんが一人で買い物に行くなんて」

 

朱里ちゃんはいつも私のことを心配してくれます。

 

水鏡先生の私塾にいたときから朱里ちゃんは私のことを妹のように接してきてくれました。

 

私もそんな朱里ちゃんをお姉さんの様に慕い。朱里ちゃんのようになれたらと憧れてもいました。

 

「大丈夫だよ。それじゃ行ってくる朱里ちゃん」

 

「うん。行ってらっしゃい雛里ちゃん」

 

………………

 

…………

 

……

 

「やっぱり、朱里ちゃんに一緒に来てもらえばよかったよぉ。あぅ」

 

町の人たちは皆、私の事を気にかけてくれずぶつかってもそのまま通り過ぎて行ってしまいます。

 

「ひぐっ……このまま、本屋さんにも行けなくて、お城にも帰れないで知らない人に連れて行かれちゃうんだ」

 

「それでそれで知らない土地で人に売られて朱里ちゃんとも離れ離れになって……」

 

もう、今の私には悪いことしか浮かんでは来ませんでした。

 

「ご主人様とももう会えなくなっちゃって、もうあの笑顔も見ることが出来なくなっちゃうのかな」

 

朱里ちゃんに会えなくなるのもイヤだけど、ご主人様とも会えなくなるのはイヤだよ。

 

「雛里?こんなところでどうしたんだ?」

 

(ポンッ)

 

「ひゃぅぅぅっ!!ご、ごめんなしゃぁぁい!連れて行かないでぇぇっ!!」

 

誰かが私の手を乗せてきて私は思わず声を上げてしまった。

 

「ちょ!ひ、雛里!俺だよ俺っ!」

 

「……ふぇ?ご主人、様?」

 

恐る恐る振り返ってみると其処には困った顔をしたご主人様が立っていました。

 

「行き成り。連れて行かないでは酷いな」

 

「あわわっ!ち、違うんです。あ、あの前が見えなくて、それで心細くなっひゃって、ひっく。だ、だから、だから……ふぇぇんっ!」

 

「よしよし。怖かったんだね。もう大丈夫だから」

 

ご主人様は私を優しく抱きとめて背中を擦ってくれていました。

 

「ひっく……ひっく」

 

「もう大丈夫かい?」

 

「……はい。だ、大丈夫です」

 

ご主人様に泣くところを見られて恥ずかしくなり帽子を目深に被る。

 

「それで?雛里は何処に行こうとしてたんだ?」

 

「あ、はい。実は――」

 

私はご主人様に街に来た理由を話した。

 

「なるほど。そこの本屋なら知ってるよ。一緒に行こうか」

 

「え、でも。ご主人様に何か御用があって町に来たのではないのですか?」

 

「うん。まぁ、そうなんだけどね」

 

「?」

 

なんだかご主人様は恥ずかしそうに頬を掻いていました。

 

「まぁいいじゃないか!ほら、それより行こうかっ!」

 

「あわわっ!」

 

ご主人様は私の手を取り歩き出しました。

 

あわっ!あわわっ!い、今ご主人様と手を繋いじゃってるよ。ど、どうしよう……!

 

「あぅ!」

 

「っ!大丈夫か雛里」

 

「ひゃ、ひゃい。大丈夫でふ」

 

通りすがりの人にぶつかり鼻をぶつけてしまいました。

 

「ん?鼻ぶつけたのか?見せてごらん」

 

「ひゃふっ!」

 

あわ、あわわ。ご、ご主人様のお顔が目の前に目の前に~~っ!

 

「ぶぷっ!」

 

「ひ、雛里!?」

 

「だ、大丈夫でふ。ちょ、ちょっとのぼせただけでしゅ」

 

あわわ。ご主人様に変な子って思われちゃったかな?

 

「う~ん。本屋に行く前に少し休憩しようか。近くに美味しい飲茶を出してくれるところがあるんだよ」

 

「え、あ、あのご主人様?」

 

ご主人様は途惑う私の手を取り歩き出してしまいました。

 

「ん~~っ!やっぱりここのは美味しいなっ!」

 

ご主人様は美味しそうに肉まんを頬張っていました。

 

私は状況に付いて行けずにぽかんとただ座っているだけでした。

 

「ん?雛里は食べないのか?美味しいぞ」

 

「ふぇ!い、いえ。あの!その……い、頂きましゅっ!あむっ!~~~~っ!!」

 

ご主人様に笑顔で話しかけられて慌てて肉まんを手に取りかぶり付くと中から染み出てくる肉汁が熱くって涙目になちゃいました。

 

「わわっ!ほ、ほら雛里!水だよ!」

 

「ん……ん……ん……ぷはっ」

 

「大丈夫か?」

 

「ひゃ、ひゃい……」

 

舌を火傷しちゃって舌足らずな返事をしてしまう恥ずかしさで帽子で顔を隠した。

 

うぅ~。ご主人様にこんなところを見せちゃうなんてもうご主人様のお顔見られないよぉ。

 

「ははっ」

 

「っ!わ、笑わないでくだひゃい」

 

「ごめんごめん。悪気は無いんだよ。ただ雛里が可愛かったからついね」

 

「~~っ!!」

 

え?今ご主人様はなんて?え?え?

 

「……」

 

「雛里?おーい雛里?」

 

「ひゃうーーーっ!ご、ご主人しゃま!?い、今何へいひゃんでしゅか!?」

 

「お、落ち着け雛里。それと言葉か噛み過ぎで良くわからなくなってるぞ」

 

「あぅ……」

 

うぅ~。さっきから私、ご主人様に変なところばっかり見られちゃってるよ。

 

段々と気分が沈んでくる。

 

きっとこんなおっちょこちょいで人見知りするような私なんてご主人様には必要ないんだろうな。

 

私も朱里ちゃんみたいに明るくて何でも言える様な性格だったらご主人様にも嫌われなかったかもしれないよね。

 

(なでなで)

 

「え?」

 

俯いていた顔を上げるとご主人様が頭を撫でて微笑んでいた。

 

「元気を出して雛里。雛里が元気じゃないときっと朱里も心配するよ」

 

「あぅ。でも、私みたいな人見知りするような子が居たらきっとご主人様のご迷惑になっちゃいます」

 

「そんな事無いよ。雛里が居てくれないと俺は困っちゃうな」

 

「なぜですか?」

 

「それはね……」

 

ご主人様は笑顔で答えてくれました。

 

「雛里が居てくれないと仕事がはかどらないからだよ」

 

「……え?」

 

「だって俺ってこの世界の人間じゃないだろ?だからまだちゃんと読み書きが出来ないし。それに俺にとっての常識はこの世界の非常識になるって事もあるだろ?」

 

「逆に俺にとっての非常識はこの世界じゃ常識かもしれないし。ほら、俺の世界には真名が無いからさ。もし知らずに呼んだから殺されても仕方ないんだろ?」

 

「そうですね」

 

「だろ?だからそういうことがわかってる人が近くに居ると失敗も少なくなるだろ?」

 

「は、はい……」

 

それだけなら私じゃなくても朱里ちゃんでも桃香さまでいいと思うんだけどな……

 

「って、言うのは建前で」

 

「え?」

 

「本当は雛里みたいな可愛い子が近くに居てくれると仕事がはかどるんだよね」

 

「~~~っ!!」

 

あわ、あわわっ!

 

「わ、私なんて可愛くないでしゅ!あぅ、また噛んじゃったよ」

 

「ははっ。そう言う所が可愛いんだよ。だから迷惑だなんて思わなくてもいいんだよ」

 

(なでなで)

 

「はぅ~……」

 

ご主人様にまた頭を撫でられちゃいました。

 

恥ずかしいけど、ご主人様に撫でられるのは嫌いじゃありません。

 

「さて。それじゃそろそろ目的の本屋に行こうか」

 

「あわわっ!忘れてました……」

 

「はははっ。じゃ、迷子にならないように行こうね」

 

「はい」

 

ご主人様は笑顔で手を差し出してきたので私はその手を取りました。

 

「ご主人様の手。温かいです」

 

「ん、そうか?」

 

「はい」

 

道を歩きながらご主人様に話しかける。

 

「そういう雛里の手も小さくて可愛らしい手だよ」

 

「~~~っ!」

 

あぅ。ま、またのぼせちゃいます。

 

私は顔を赤くしながらご主人様について行きました。

 

「まいどあり~っ!」

 

目的の本屋さんでご本を購入して通りに出てきました。

 

「ご主人様。ありがとうございました(ぺこり)」

 

「気にしなくてもいいよ。ついでだったからね」

 

お礼を言う私に。ご主人様は手を振って気にしなくてもいいと言ってくれました。

 

「困ってる時はお互い様。だろ?」

 

「はい♪」

 

「うん。やっぱり雛里は笑っている方が可愛らしいな」

 

「あわわ……」

 

恥ずかしくなり頬を赤くして買った本で顔を隠した。

 

「あ、あの……その……~~~っ!きょ、今日はありがとうございましたっ!」

 

「あっ!雛里!?」

 

ご主人様に勇気を出してお礼を言ってそのまま駆け出した。

 

は、恥ずかしくてご主人様のお顔が見られないよぉ!

 

でも、ご主人様の笑顔はとても素敵でその笑顔をまた見せて欲しいとも思っちゃいました。

 

「はぁ、はぁ……あぅ。思わず走ってきちゃいました。ご主人様、驚いてないかな?」

 

城門まで走ってきた私は肩で息をしながら振り返り町を見詰めていました。

 

「雛里ちゃん!」

 

「あわわっ!?」

 

「?どうしたの。雛里ちゃん」

 

声を掛けてきたのは朱里ちゃんでした。迎えに来てくれたのかな?

 

「しゅ、朱里ちゃん!な、なんでもないよ。ちょっとビックリしただけ」

 

「ふ~ん。あっ。ちゃんと本屋で本買えたんだね」

 

「うん。最後の一冊だったけど。無事に買えたよ」

 

「ありがとう。雛里ちゃん!疲れたでしょ?先に部屋で休んでて。お茶を持って行くから」

 

「うん。ありがとう朱里ちゃん。はい。ご本」

 

「ありがとう。ご本は後で一緒に読もうね」

 

「うん」

 

私は朱里ちゃんに本を渡して先に部屋に戻りました。

 

「あっ、そうだ。ご主人様に会ったらちゃんとお礼を言っておかないと」

 

でも、なんであそこにご主人様が居たのかな?今日は公孫賛さんと桃香さまとで政務だって聞いてたんだけどな。

 

疑問に思ったけど。そんなことはどうでもよくなっていました。だって……

 

ご主人様に頭を撫でてもらえたし。自分の事を迷惑じゃないかと言ったら、そんなこと無い居てもいいって言って貰えたし。あと……そ、その……可愛いって言って貰えたから……

 

「はぅ~。ご主人様……」

 

私は火照ってしまった頬に手を当てて誰にも見られないようにしました。

 

「ご主人様……雛里はこれからもご主人様とご一緒でもいいんですよね?……~~っ!」

 

誰も居ない廊下で一人呟いた私は自分の言った言葉に恥ずかしくなり急いで部屋に戻りました。

 

《朱里視点》

 

「……」

 

「ただいま。朱里」

 

雛里ちゃんが一人でお城に戻るのと同時に後ろから声を掛けられました。

 

振り返ると。そこにはご主人様が笑顔で立っていました。

 

「おかえりなさいませ。ご主人様」

 

「うん。ただいま」

 

「今日はありがとうございました」

 

「あれくらい。お安い御用だよ」

 

あれくらいとは雛里ちゃんの事だ。

 

私は一人で買い物に行く雛里ちゃんが心配で雛里ちゃんと入れ違いで現れたご主人様に雛里ちゃんの事をお話しした。

 

ご主人様は快くお引き受けしてくれました。

 

「それにしても朱里は優しいんだな」

 

「だって雛里ちゃんのお姉さんですからね。心配するのは当然です」

 

胸を張りちょっと威張ってみる。

 

もちろん雛里ちゃんとは血の繋がりはありません。でも、私達は姉妹の様に接してきました。

 

「うん。偉い偉い」

 

(なでなで)

 

「はわわっ」

 

ご主人様に頭を撫でられちゃいました。

 

本当は子供っぽく見られてイヤなんですけど。ご主人様に撫でられるのはイヤじゃないです。

 

ご主人様に撫でられると胸の奥がほんわか暖かくなります。

 

「さてと。それじゃ俺は戻るよ」

 

「あっ、はい!今日は本当にありがとうございました!」

 

ぺこりと頭を垂れてご主人様にお礼を言う。

 

ご主人様は微笑んだ後、お城へと戻っていかれました。

 

「……お優しいお方でよかった」

 

私は一言呟いて雛里ちゃんの待つ部屋へと駆けて行きました。

 

《END...》

葉月「拠点第一弾は如何だったでしょうか!今日のお相手は今回の主役である桃香と雛里で~す」

 

桃香「みなさん。こんにちは!」

 

雛里「こ、こんにちは」

 

桃香「ほらほら。雛里ちゃん恥ずかしいからって隠れてたらダメだよ」

 

雛里「あわわっ!」

 

葉月「さて!今回は如何だったでしょうか?私としては桃香の白蓮殺害未遂とか雛里の慌てた姿とかが書けて満足です!」

 

白蓮「こらっ!そんな縁起でもない場面で満足するな!」

 

桃香「あ!白蓮ちゃんだ~!今日はお疲れ様~」

 

白蓮「ああ。おつかれ……じゃない!なんで私は桃香に殺されそうになっているんだ。説明しろ葉月!」

 

葉月「……さて。雛里はどうでしたか?今日のお話は?」

 

白蓮「お、おい!人の話を!」

 

雛里「あ、あの……怖かったですけど。ご主人様が来てくれたから大丈夫でした」

 

白蓮「ひ、雛里までっ!」

 

葉月「雛里は怖がりですからね。でも、良くそれで戦場で指示とか出せますね?だって声とか張り上げてる人が居るに」

 

雛里「そ、それは……私は軍師ですから。そんなことで怖がって居たらダメだって朱里ちゃんが」

 

葉月「なるほど。納得です」

 

雛里「はい。朱里ちゃんはすごいんですよ」

 

葉月「でも惜しくも投票では落選してしまいましたけどね」

 

雛里「あぅ。……ぐすん」

 

桃香「あ~っ!葉月さんが雛里ちゃんを泣かしてる~っ!」

 

葉月「な、泣かしてなんかいませんよ!」

 

桃香「え~。だって……ほら、目路に涙が」

 

葉月「だから違うんですって!ただ、投票結果をですね!?」

 

桃香「あ~。私の票が8票しか入ってなかったやつですね」

 

葉月「あ、あの桃香、さん?」

 

桃香「うん?なにかな~?」

 

葉月「えっと、なんで笑いながら近づいてくるのでしょうか?」

 

桃香「えへへ。気のせいだよ葉月」

 

葉月「呼び捨て!?い、今、呼び捨てましたよね!今まで『さん』付けだったのに!」

 

桃香「あははー。気のせいだよ」

 

葉月「あ、あれは皆さんが入れた票であって私のせいでは!」

 

桃香「うん。分かってるよ?でも世の中はね、理解しててもね、納得がいかないことはいっぱいあるんだよ?」

 

葉月「あ、あわ……あわわっ!」

 

雛里「あわわ。わ、私の口癖盗らないでくださいぃ」

 

葉月「そ、それどころじゃ!ぱ、白蓮はどこに!?」

 

白蓮「いいんだ。どうせ私なんか……」

 

葉月「そんな所でいじけてないでーーーーっ!」

 

桃香「あはは♪葉月……死んじゃえ♪」

 

葉月「ぎゃーーーっ!と、桃香が壊れたーーーっ!」

 

桃香「だめだよ。ちゃんと私を呼ぶときは『桃香さま』って呼ばないと。そうしないとどうなっても知らないよ?」

 

葉月「と、桃香さま~~~~~っ!!お止めください!」

 

桃香「う~ん。……却下♪」

 

葉月「ひぃぃぃっ!!!」

 

桃香「あははっ!それじゃ、次回予告までは待ってあげるね?私って優しい!」

 

葉月「ガクガクブルブル」

 

桃香「あれ?次回予告しないの?なら……」

 

葉月「します!させた頂きます!」

 

桃香「うん。それじゃ、いってみよう~」

 

葉月「えっと。じ、次回は拠点第二弾の愛紗とオマケになります!そして、唐突ですが!来週は納期が迫っているのでもしかしたら投稿できないかもしれません!」

 

桃香「そうなんだ。ならやめちゃえば?」

 

葉月「えっと……」

 

桃香「やめちゃえば?」

 

葉月「そ、そう言うわけには」

 

桃香「むしろ。やめよ?」

 

葉月「~~~~っ!!あ、あの桃香」

 

桃香「桃香さま」

 

葉月「桃香さまっ!さ、流石に投票してくれた人達を無視するのは如何なものかと」

 

桃香「なら。来週投稿だね」

 

葉月「い、いやですから」

 

桃香「投稿してね♪」

 

葉月「ぜ、善処します……」

 

桃香「うん。あれ?そういえば雛里ちゃんは何処に行っちゃったのかな?」

 

葉月「雛里でしたらあそこに」

 

雛里「っ!あ、あわ……あわわ~~~っ!!!」

 

桃香「あ。葉月が睨むから逃げちゃったよ」

 

葉月「どう見ても桃香の……」

 

桃香「何か言ったかな?」

 

葉月「何も言ってません!」

 

桃香「ふ~ん。それじゃ次回予告も終わったことだし……もう、ゴールさせてあげるね?」

 

葉月「ま、まだゴールしたくないです!」

 

桃香「あははははっ!だ~め♪」

 

葉月「せ、戦略的撤退~~~~~っ!!!!」

 

桃香「逃がさないよ~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白蓮「……そう言えば桃香ってキレると手がつけられなかったんだよな」

 

雛里「あわわ。あ、あれはキレると言うより。病んでるというのではないでしょうか?」

 

葉月「ヤンデレもキレるのもごめんで~~~すっ!」

 

桃香「あははははっ!待て~~~~~♪」

 

※(桃香のヤンデレ仕様は作者の妄想です)


 
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