No.218809

狩人†無双 乙女だらけのモンスターハンター   第五話 一刀、ドスギアノスを討伐せんとするの事

海皇さん

皆さんこんにちは!!狩人†無双第五話投稿完了致しました。

 今回は初めての大型モンスター、ドスギアノスとの戦いとなります!ゲームでは大して苦労もせず倒せましたが、果たして現実では・・・?

2011-05-26 06:25:46 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:4290   閲覧ユーザー数:3609

「ぬはははははは!!ひよっこ諸君!!よくぞ最後までやり遂げた!!」

 

 整列した俺達の前で、教官が相変わらず偉そうな口調で例の演説を開始する。

 

 俺達はこれから、初級者卒業訓練、ドスギアノス討伐を行うのだ。

 

 

 第五話 一刀、ドスギアノスを討伐せんとするの事

 

 

 俺達のやった訓練は、一日目が剥ぎ取りと肉焼き、二日目が採集と調合、三日目が魚釣りと運搬、四日目がギアノス討伐、五日目がブランゴ討伐、そして最終日の今日、初の大型モンスター、ドスギアノスを討伐するのだ。

 

 「この一週間、貴様等は我輩の出す課題を、幾度と無く乗り越えてきた・・・!!今日はその成果を試すとき・・・!!貴様等がハンターとして羽ばたくときなのだ!!」

 

 教官の演説を聞きながら、俺はこの一週間に思いを馳せる。

 

 

 

・・・思えば色々あった。

 

 

 

 愛紗達が肉焼きで生肉を消し炭にしたり

 

 

 

 鈴々と季衣と恋にせがまれて大量のこんがり肉作ったり

 

 

 

 愛紗が調合に失敗して回復薬Gどころか毒物を作り出したり

 

 

 

 詠が卵運びであと少しでベースキャンプというところですっころんで卵を落としてしまったり

 

 

 

 あまりに魚が釣れないせいで春蘭が暴れだして、そのせいで華琳におしおきくらったり

 

 

 

・・・なんだかろくな思い出が無いな・・・。

 

 

 

 「・・・さて!話はここまでとして、まず一番手はだれだ!?」

 

・・・と、いつの間にやら終わったみたいだな、教官の演説。一番手か・・・。まずは俺が行くか・・・。

 

 「俺に行かせてください」

 

 「ご、ご主人様!?」

 

 まさか俺が志願するとは思わなかったのか、愛紗が素っ頓狂な声を上げる。他の皆も驚いた表情を浮かべていた。

 

 「ふむ、一刀、貴様か!!よかろう、行くがいい!!」

 

 教官の許可を貰った俺は、外で待っている竜車に向かおうとした、が・・・、

 

 「お、お待ちください!!ご主人様!!」

 

 突然愛紗に呼び止められた。

 

 「相手は大型モンスターですよ!?今までの雑魚とはわけが違います!!ここは私が・・・」

 

 「大丈夫だって。道具も大量に持っていくから。それに、モンスターの知識はちゃんとある。油断はしないよ」

 

 「しかし・・・!!」

 

 「それに、もし失敗してもちゃんと安全は確保されますよね?教官?」

 

 俺が教官にそう質問すると、教官はこくりと頷いた。

 

 「うむ!もしクエストが失敗したのならこの特殊発煙筒を打ち上げろ!!この煙はモンスターが大嫌いな臭いを発するからな!!ドスギアノス程度なら追い払えるはずだ!!その後アイルーの救助隊にベースキャンプまで運んでもらうといい!!」

 

・・・とのことらしい。だからもしクエスト続行不可能になっても大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 まあ絶対という保証は無いけど・・・。

 

 

 「・・・そういう訳だ、大丈夫だよ、愛紗」

 

 「・・・分かりました、信じましょう」

 

 と、愛紗は言っているものの、未だに心配そうな表情をしている。

 

 他の皆も、愛紗と同じように心配そうに俺を見つめている。いつも素直じゃない詠と桂花すらも俺を不安げに見つめている

 

 「ふっ、一刀、彼女達にこんな顔をさせているのだ、必ず生きて帰ってこなければならんぞ!!」

 

 「そうですね、もし死んだら、それだけで愛紗達に恨まれそうですから」

 

 教官の言葉に俺は苦笑いすると、そのまま竜車に飛び乗った。

 

 俺が乗ったことを合図に、竜車ががたごとと動き出す。

 

 

 

・・・と、後ろからみんなの叫び声が聞こえた。

 

 

 

 

 「ご主人様~~~~!!絶対に、絶対にかえってきてくださーい!!!」

 

 

 「お兄ちゃ~~~~ん!!!負けちゃ駄目なのだ~~~~!!!」

 

 

 「ご主人様~~~~!!!頑張ってくださ~~~い!!!」

 

 

 「一刀~~~~~!!!勝手に死んだら許さないんだから!!!」

 

 

 「一刀~~~!!!帰ってきて!!あなたの事、大好きだから!!!」

 

 

 愛紗、鈴々、朱里、華琳、蓮華を初めとする皆の声が響き渡る。

 

 

 

 

 

・・・っていうか蓮華!?最後になんかものすごい爆弾発言しなかった!?

 

 

 

 

 

 「な!?れ、蓮華!?なんという抜け駆けを!!」

 

 「にゃ~~~~!!!鈴々もお兄ちゃんのこと大好きなのだ~~~!!」

 

 「り、鈴々!?お、お前まで!?」

 

 「わ、私もご主人様がだ、だいしゅきでしゅ!!」

 

 「しゅ、朱里まで!!?」

 

 「わ、私も、ご、ご主人様が、だ、だだ、大好きよ!!!」

 

 「か、華琳!?け、結局私が最後に!?ううう~~~~!ご主人様~~~!!愛しております~~~~!!!」

 

 

 

 

 

・・・やれやれ、これは帰ったら一騒動ありそうだな。

 

 

 

 俺はそんなことを考えながら、竜車に揺られていた。

 

 

 

 

 竜車に揺られて一時間、ようやく雪山のベースキャンプについた。

 

 「さて、支給品は・・・、と」

 

 支給品ボックスを開けてみると、様々な道具が整頓されて置かれていた。

 

 俺はそれら一つ一つを手にとって確認する。

 

 「この緑色の液体の入った瓶は応急薬、この缶詰みたいなのは携帯食料、そしてこのピンク色の玉がペイントボール、か・・・」

 

 それ以外にも支給用の閃光玉、しびれ罠、捕獲用麻酔玉、そして解氷剤があった。

 

 さらに大タル爆弾に小タル爆弾まであったが、こんなでかいもの、どうやって運ぶんだか・・・。

 確か荷車に乗せて運ぶとか言ってたけど、そんなので雪山山頂まで行けるのやら・・・、マジで心配だ・・・。

 

 とりあえず爆弾以外のアイテムをアイテムポーチに入れて、俺はベースキャンプを出発した。

 

 

 

 

 

 エリア1・・・、ここにはギアノスは居ない・・・、当然か。

 

ポポが三頭いるけど無視しておこう。無駄に生き物を殺してはならない、それがハンターの掟だし、俺自身無意味に生物を殺したくは無いからな。

 

 俺はそんなことを考えながら、段差をよじ登り、崖にぽっかりと開いた穴からエリア4に移動した。

 

 

 

 

 

 エリア4、ここにもモンスターは居ない・・・・、んだが寒い!!!

 

 

 

 マジで寒い!!!何度も来ている筈だが全く慣れない!!え~~~と、ホットドリンクホットドリンク・・・。

 

 

 

 「ぐ・・・やっぱり辛れえ・・・」

 

 

 

 俺はホットドリンクの辛さにげんなりしながらも、なんとか一瓶飲み干した。

 

 このホットドリンクなんだが唐辛子を材料に使っているせいかかなり辛い。

 

 最初は余りの辛さに涙流したっけ・・・。鈴々と朱里と季衣は全く飲めなかったな・・・。最終的には水と交互に飲んでたっけ・・・。

 

 まあその辛さも段々和らいできて、次第に体がぽかぽかと暖かくなってきた。

 

 「よし、行くか・・・」

 

 気を取り直して俺はエリア5に繋がる段差を上り、エリア5に移動した。

 

 

 

 

 

 エリア5・・・、ガウシカが3頭、か・・・。どうするか・・・。

 

 今のところこちらに気付かずに地面に僅かに生えた草を食べているけど・・・。

 

 

 

 「・・・無視していくか」

 

 

 

 俺はガウシカを刺激しないようにさっさと通り過ぎた。

 

 ガウシカも初めは俺を警戒していたようだがこちらが敵意がないと気付くと、再び草を食べ始めた。

 

 俺はホッと息を吐いて、エリア6の入り口の前に立った。

 

 

 

 ここからは敵の領域、気を引き締めていこう。

 

 

 

 俺は右手を片手剣「ルーキーナイフ」に添えながら、吹雪の真っ只中に飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

 エリア6、そこは吹雪が吹き荒れる白銀の世界。

 

 

 

 吹き荒れる雪が、風が、俺から体温を奪っていく。今のところホットドリンクで耐えられるが、それも何分続くか・・・。

 

 

 

 生身の人間では数分と持たないであろうこの世界に、その生物は存在していた。

 

 

 

 「・・・ギアノスか」

 

 

 

 実在の恐竜ヴェロキラプトルに良く似た姿、全身を覆う白と青の縞模様の鱗と皮、この雪山特有の肉食モンスター、ギアノスだ。

 

 

 

 こいつの厄介なところはその敏捷性と集団戦法である。

 

 実際俺も始めて訓練で戦ったとき、こいつの素早さには手を焼かされた。

 

 だが今では大体動きは分かっている。一頭づつなら怖くは無い。

 

 

 

 さて、今居るギアノスは・・・。

 

 

 

 「三頭、か・・・」

 

 

 

 今のところここにドスギアノスは居ないが、いつ来るか分からない。

 

 

 

 

 

 今のうちに全滅させる・・・・!!

 

 

 

 俺は腰にさしたルーキーナイフの柄を右手で掴み、一番手前のギアノス目掛けて駆け出した。

 

 ギアノスも走ってくる俺に気が付いてこちらを振り向いたが・・・、遅い!!

 

 「せやああああああああ!!!!」

 

 俺はルーキーナイフを抜き放ちながらギアノスの首筋を斬りつけた。

 

 

 

 血は出た、が、浅い!!

 

 

 

 「ギャアアアアアアア!!!」

 

 

 

 いきなり斬りつけてきた俺に激怒したのかギアノスが叫び声を上げて俺に喰らいつこうとする。

 

 

 

 だけど・・・、遅い!!

 

 

 

 俺はギアノスの横に回りこみ、再びギアノスの首にルーキーナイフを叩き付ける。

 

 

 

 刃はギアノスの首を切り裂き、頚動脈を断ち切った。

 

 

 

 ギアノスの首から大量の血が噴出し、その体が地面に倒れる。

 

 

 

 ようやく一頭・・・、だがまだ二頭居る、しかも今の戦闘で気付かれたか・・・。

 

 

 

 俺は息を着く暇も無く、再び武器を構えた、が、その時・・・・

 

 

 

 「ギャオオオオオオン!!!」

 

 

 

 ギアノスのものと似た、だがそれよりも遙かに甲高い雄叫びがエリア6に響き渡った。

 

 

 

 「・・・・まさか!!」

 

 

 

 俺は雄叫びが聞こえた方向を振り向いた。

 

 

 

 俺の視線の先、エリア8の入り口に、そいつは立っていた。

 

 

 

 

 そのモンスターの外見は、一見するとギアノスに似ていた。

 

 

 

 が、そいつをよく見れば、他のギアノスとの違いがよく分かるだろう。

 

 

 

 まず頭部だが、他のギアノスと違い緑色の立派なとさかを生やしている。

 

 

 

 次に前足と後ろ足だが、どちらにも他のギアノスよりも発達した緑色の爪が生えている。

 

 

 

 そして極め付けが他のギアノスの倍はある巨体。これらの特徴から、俺はそいつが何なのか瞬時に判断できた。

 

 

 

 「・・・ドスギアノス、か・・・」

 

 

 

 そう、今回の狩猟ターゲット、ドスギアノスだ。

 

 

 

 ようやくギアノス三体のうち一体を倒したばかりだというのに、タイミングが悪い。

 

 

 

 だが、そんな状況を嘆いても仕方がない、俺は武器を構えた。

 

 

 

 「ガアアアアアアアアアア!!!」

 

 

 

 ドスギアノスが俺に向かって飛び掛ってくる。それを俺は横にステップして回避し、がら空きの腹部にルーキーナイフを叩き付けた。

 

 

 

 刃は通った、だが、硬い!!

 

 

 

 通常のギアノスよりも硬い表皮に、俺は一瞬驚いた。これではあまりダメージは入っていないだろう。事実、ドスギアノスはあまり堪えた様子も無く、俺に向かって方向転換してきた。

 

 「ちっ!!」

 

 俺は瞬時に反応してドスギアノスの横に回避する。するとドスギアノスは、さっきまで俺が居た方向に向かって白い煙のようなブレスを吐き出した。

 

 

 

 あれがドスギアノスの氷結ブレス、か・・・。

 

 

 

 やっかいだが・・・、隙もでかい!!

 

 

 

 俺はドスギアノスの腹部に再び斬りつけた。そして俺が斬りつけた傷を狙って何度も斬る!斬る!!斬る!!

 

 

 

 「ギャアアアアアアアアア!!!」

 

 

 

 さすがのドスギアノスもこれは効いたのか叫び声を上げて怯んだ。

 いける!!そう考えた俺は再び攻撃を続行しようとした、が・・・・・。

 

 

 

 「ギャオオオオオオオ!!!」

 

 

 

 「!?な、しまった!!」

 

 

 

 突然生き残っていたギアノスが俺に向かって飛び掛ってきた。俺は瞬時に盾を構えて攻撃を防いだものの、態勢を崩され、攻撃も中断させられてしまった。

 

 

 

 「くそ!!邪魔するな!!」

 

 

 

 俺はルーキーナイフを薙ぎ払い、ギアノスを追い払おうとする、が、その一瞬、完全に隙だらけとなってしまったことに気が付いた。

 

 

 

 「ギャアアアアアア!!!」

 

 「!!しまっ・・・・」

 

 

 

 ドスギアノスの口から放たれたブレスが、完全に無防備となっていた俺に直撃した。

 

 ブレスを喰らった俺の体は、段々と凍り付いていき、わずか数秒で、全身が氷まみれになってしまった。

 

 「くそっ!!これが雪だるま状態かよ!!」

 

 正直雪だるまとは似ても似つかないが・・・、まあそんなことはどうでもいい。

 

 腕が凍り付いて動きが鈍い!!それに間接を上方向に動かせない!!

 

 これじゃあ回復アイテムを使用することも、武器を使用することもできない!!

 

 「ちっ、こうなったら・・・」

 

 俺はかじかんだ腕で腰のアイテムポーチを弄り、青白い液体の入った瓶を取り出すと地面に叩き付けた。

 

 瓶が割れると同時に真っ白い気体が俺を覆い尽くし、俺の体中についた氷を残らず溶かしてくれた。

 

 

 

 解氷剤、こんなこともあろうかと持っておいてよかった・・・。これがなかったらマジでやばかった・・・。

 

 

 

 「ギャアアアアアアア!!!」

 

 

 

 「っと!!考え事をしてる場合じゃないな!!」

 

 飛び掛ってくるドスギアノスとギアノスをかわしつつ、俺は態勢を整えた。

 

 俺は連中から少し離れると、アイテムポーチに手を伸ばす。

 

 俺が動きを止めたのを見たドスギアノスとギアノスは、一斉に俺目掛けて襲い掛かってくる、が・・・・。

 

 

 

 「これでも、喰らいやがれ!!」

 

 

 

 俺は瞬時に目を閉じ、アイテムポーチから取り出した球状の物体を、地面に叩き付けた。

 

 

 

 その瞬間、ドスギアノス達の凄まじい悲鳴が響いた。俺がゆっくりと眼を開くと、そこには、眼を晦まして棒立ちになっているドスギアノス達がいた。

 

 

 

 ハンターの必需品の一つ、閃光玉。

 

 

 

 これを地面に叩き付けると、凄まじい閃光が放たれて、モンスターの目を眩ませる。

 

 ゲームと違うのは、閃光玉を叩き付ける瞬間、ハンターも目を閉じないと、一緒に眼を眩まされてしまう、というところだ。

 

 まあそれ以外では便利なアイテムだから、これからお世話になるだろうな。

 

 

 

 俺はドスギアノスを見据えると、再び腰からルーキーナイフを引き抜きつつ、ドスギアノスの腹部の傷目掛けて斬りつける。

 

 「はあっ!!せいっ!!っらあ!!せいやああああああ!!」

 

 斬り下ろし、横切り、剣盾コンボ、ラストに回転切りの連続コンボを、ドスギアノスに叩き込む。

 

 ドスギアノスの傷口からさらに大量の血液が溢れ出す。

 

 一方のドスギアノスは、閃光玉の効果が効いている内は無抵抗のままであったが、やがて閃光玉の効果が切れると、俺の方を振り向き、喰いつこうとする。

 

 

 

 「うおっ!?」

 

 

 

 俺は焦ってそれをかわした。危なかった・・・・。

 

 もしあと少しと欲張っていたら喰らってたな・・・。

 

 俺はそう考えながら状況を確認する。

 

 

 

 既にドスギアノス、ギアノス2頭共に視力は回復している、か・・・・。どうしたものか・・・。

 

 と、突然ドスギアノスがエリア8の入り口の方を向くと、一気に駆け出した。

 

 エリア移動・・・、回復する気か!!

 

 あと少しだ!!

 

 「おおおおおおおおおっ!!!」

 

 俺はドスギアノス目掛けて突進する。当然ギアノスは俺に襲い掛かってくる、が・・・。

 

 「邪魔だ!!」

 

 俺は片手に持ったルーキーナイフを振り回してギアノス達を威嚇する。が、ギアノスは恐れずに向かってくる。

 

 「くっ!!」

 

 俺はルーキーナイフを握り締め、手前にいるギアノスに向かって斬りつける、が、さっと避けられ逆に喰いつかれそうになる。

 

 それをかわした俺は再びギアノスの横っ腹に斬りつけるが、またかわされ、今度はもう一匹のギアノスに飛び掛られる。

 

 「くそっ!!ちょこまか動きやがって!!」

 

 そうこうしている内にドスギアノスは別エリアに逃亡してしまった。なんてこった・・・。

 

 このままギアノス共の相手をしている暇はないが・・・。

 

 「ギャア!!ギャア!!」「クアア!!クアア!!」

 

 帰してくれる雰囲気じゃなさそうだな・・・。

 

 「仕方がない・・・。相手をしてやるよ!!」

 

 俺はルーキーナイフを握りしめ、飛び掛ってくるギアノス達を迎え撃った。

 

 

 

 

 

 

 「やれやれ、ようやく追いついたか・・・」

 

 ギアノス二頭を狩猟した俺は、エリア7にてようやくドスギアノスを発見した。

 

 どうやら奴は、逃走中に体力を回復したらしい。傷口の血が止まっている。

 

 奴は怒りに満ちた目つきで俺を睨み付けている。散々体を切り刻んだからな。当然だな・・・。あと自分の子分のギアノスを殺されたことも怒りの理由だろうな。

 

 だが、俺はそれに付き合う気はない。

 

 「さあ、いくぞドスギアノス!!決着をつけるぞ!!」

 

 「ギャアアアアアアアア!!!」

 

 俺の叫びに呼応するかのようにドスギアノスが絶叫を上げて飛び掛ってくる。

 

 俺は瞬時に横に跳び、ドスギアノスの飛び掛りを回避する。そしてそのがら空きになったわき腹に、ルーキーナイフを振りかざした。

 

 が、敵はその攻撃を学習したのか、瞬時に方向転換し、俺に喰らいついてくる。

 

 俺はその攻撃を腕の盾で受け流す。瞬間、俺の腕がわずかに痺れた。

 

 俺はすぐ横に移動し再び側面から攻撃を仕掛ける、が、またかわされた。何故かドスギアノスが得意げな顔をしている・・・、ように見える。「その攻撃、覚えたぞ」とでも言いたいのか?

 

 「なめるな!!」

 

 俺はまっすぐドスギアノスに近づき、ルーキーナイフを振りかざす。ドスギアノスはチャンスとばかりに氷結ブレスを吐こうとする・・・・が、それが俺の狙いだ!

 

 俺は氷結ブレスを吐こうとするドスギアノスの真横に回りこむ。ドスギアノスはまっすぐにしかブレスを吐けない。しかもブレス中は完全に無防備だ。

 

 俺は無防備なドスギアノスの首筋めがけて、ルーキーナイフを振り下ろす。

 

 

 「ギャアアアアアアア!?」

 

 

 まったく予期していなかった攻撃にドスギアノスは驚愕の叫びを上げる。

 

 俺はそれにかまわずルーキーナイフを首筋めがけて振り続ける。首が斬られるたびに血が大量に飛び散る。

 

 俺は敵が体勢を立て直したのを確認すると、すぐに離脱した。

 

 ドスギアノスは、再び弱ってきたのか今度はエリア6に逃げようとする。だが・・・、

 

 「ギャアアアアアアアアア!?」

 

 エリア6の入り口に仕掛けられてあった円筒形の金属盤を踏んだ瞬間、悲鳴を上げて動けなくなった。

 

 今回支給された、支給専用シビレ罠だ。

 

 支給用といえども、その威力は通常のシビレ罠となんら変わりはない。

 

 万が一逃げ出す場合に備えて、エリア6への道に仕掛けておいたのだ。

 

 

 

 ドスギアノスは移動の際にエリア2に行くことは無い。ならば移動する場所はエリア6か8に限られる。今回ドスギアノスはエリア8からエリア7に移動してきた。俺の知る限りドスギアノスはエリアを回るように移動する習性のはずだ。だから次に移動するのはエリア6だろうと予想し、エリア6の入り口にシビレ罠を仕掛けたのだ。

 

 

 

 まあゲームの知識だからうまくいくか分からなかったが、今回は上手くいって良かったよ。

 

 

 

 で、弱ったモンスターが罠にかかった、そこでやることは二つ、

 

 

 

 一つ目はこのまま止めを刺す。もっとも俺は今回この選択肢を選ぶ気は無い。俺が選ぶのは二つ目・・・・。

 

 

 

 俺はアイテムポーチから赤い玉を取り出すと、シビレ罠にかかっているドスギアノス目掛けて二発投げつけた。

 

 

 

 玉が命中するたびに、玉は破裂し、中から白い煙が出てくる。そして二つ目が命中した瞬間・・・。

 

 

 

 「グルル・・・グオオオオオ・・・・・」

 

 

 

 ドスギアノスは地面に倒れこみ、鼻提灯を膨らませながら眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 俺の選んだ第二の選択肢、それは捕獲だ。

 

 弱ったモンスターを罠にかけた後、捕獲用麻酔玉を投げつけて捕獲してしまうというやり方だ。

 

 討伐よりも早い時間で終わり、さらに剥ぎ取りでは手に入らない報酬も手に入ることがあるため、ゲームでもよく捕獲をしていたが・・・・、まさかこの世界で始めての狩猟を捕獲でしめる事になるとは、ね・・・。

 

 

 

 まあとりあえず・・・・

 

 

 

 「クエストクリア、だな」

 

 

 

 そう呟いて、俺は疲労の溜まった体を雪の上に投げ出した。

 

 

 

 俺の体には、なんとも言えない達成感が満ち溢れていた。

 あとがき

 

 皆さん、こんにちは。狩人†無双 第五話、投稿完了いたしました。

 

 今回はかなり早めに投稿できまして自分自身驚いております。

 

 今回はじめての大型モンスター狩猟となります!!

 

 なんとかリアリティをだそうと色々苦心したのですが・・・。戦闘描写といい狩猟描写といい自身の未熟さを感じてしまいます。

 

 ですがこれからも頑張って書いていきますのでどうか応援よろしくお願いします!!

 

 そしてなにかアドバイス、意見等ございましたら是非ともコメントをお願いいたします!!待っていますので!!

 

 で、次回ですが村への帰還と訓練所卒業です!!どうかお楽しみに!!

 

 

 

 追伸、最後におまけがございますのでどうかお楽しみを

 

 

 おまけ

 

 古龍観測所職員 海皇報告書

 

 

 この報告書には、私が独自に調査した余りにも特異な生態、起源を持つモンスターについて書かれている。

 あまりにも特異かつ珍妙であるため、周囲の人間からは珍奇の眼で見られたこともなんどもあった。

 が、私の長年に渡る調査の結果、約三種類のモンスターが実在のものであると判明したため、現在確認された三種の新種についての報告書を記すものとする。

 このモンスターたちは、それぞれ様々な逸話が存在しており、今後の研究にますます期待が持てる種族である。

 

 

 ミンメクルガ  飛竜種

 

 ある伝承では、猫好きが高じ、あらゆる猫をモフモフしたいがために進化した、とある武人のなれの果てとの事。その伝承どおり、猫、アイルー、メラルーをモフモフすることを好み、その姿を見るや否や、肉眼では視認することも不可能な素早さで襲い掛かり、確実にモフモフしていく。過去、とある集落にいた全てのアイルー、メラルーがこのモンスターに襲撃され、モフモフされつくしたことがあるという。

 

 

 

 ハムナズチ  古龍種

 

 とある伝承によると、余りに残念で、個性が無く、普通で、だれからも忘れ去られてしまった武人の成れの果てらしい。だが、その姿を完全に確認した者は今のところ私以外ではかなり少ない。その理由は、オオナズチをも上回るステルス性能と余りの存在感の無さである。路傍に石ころがあっても誰も気にしないように、この古龍が近くにいても誰も気にしない。これがこのモンスターの姿が今まで確認されなかった理由である。また、この古龍の攻撃を受けると、その人物は普通になってしまうらしいが、詳細は不明。

 

 

 

 カユガンキン 獣竜種

 

 とある伝承によると、強さを極め、出番を作ろうと考え火山に篭り続けた武人の成れの果てとの事。片腕に斧上の鉄塊を握り締めているのはその名残との事らしい。長年火山に篭り続け、お守り、鉱石を掘り続けた末、全身を鎧のような鉱石、護石で覆われたモンスターと化してしまったという。何者かハンターが縄張りに侵入してくると「デバンダー!!」と叫びながら襲い掛かってくる。全身が鉱石で覆われており、凄まじい硬さを誇っている上に、大量の護石による複数スキルが発動しているためかなりの強敵、だが、マイナススキルも当然発動しているため、そこをつけば勝ち目はある。鎧の下の姿は見目麗しい、そしてどこか残念な雰囲気の漂う女性とのことだが、真相は不明。

 

 


 
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