それから、一刀は近くの村にたどり着き、村人に話を聞いて唖然とした。
まず、この国が中国であること。
(今の今まで日本にいた俺が、何故いきなり中国にいるんだ?)
そんな事を考えた一刀だったが、更に驚く事となった。
それは、今が漢王朝、いわゆる霊帝の治める時代だったと言う事だ。
(俺の知り合いに、顔のでかい天才発明家はいないはずだが・・・・)
「「「猫型ロボットじゃねえのかよ!!!」」」
と突っ込まれそうではあるが、まあこの際置いておこう。
普通は信じられない話だが、一刀は思いのほかアッサリ信じた。
さっき襲ってきたやつらも銃やナイフで脅して来なかったし、道路や車もない。
そして、何より自分が今しないといけないことはそんな事の確認ではない!
それは・・・・・・
(生活費を稼ぐことだ!!)
現実的な男であった・・・・・・
そして、一刀の選んだ金の稼ぎ方は
「つーかーみーかけたー、あーつーいーうでを・・・・」
歌である。
彼は、カラオケが大得意であり、歌詞もほとんど空で歌えるのであった。
その才能を活かし、旅芸人として国を回ることにしたのだ。
最初、自分の世界の歌がこの時代に受け入れられるか不安であったが、実際歌ってみるとどれもかなり好評であった。
生活に不自由しないくらいの稼ぎはあった。
(歌って偉大だよなあ・・・・・・)
動機はよこしまだが、そんなことを考える一刀だった。
そんな中、ある事件が起こった
「ここはちぃ達の場所よ!他所に行きなさいよ!」
「そんな法があるのか?先に場所取ってたのは俺だ」
ある街で、同じ歌手の芸人と口論になったのだ。
一刀が歌っていた広場は、彼女達が先に見つけていたのだから、この場所は私達の場所だと一番小さい娘が食って掛かってきたのである。
「んなモンないわよ!でもね・・・」
「デモもストも無い。先に歌ってたのはオレだ」
「ア、アンタ・・・・・・」
ワナワナと震える少女。
「ちぃ姉さん落ち着いて」
「でも人和ー!」
「・・・・・・」
芸人たちは3人。どうやら姉妹らしい
さっきから怒鳴り散らしているちびっ娘
そのちびっ娘を抑えようとしているメガネっ娘
そして、一刀のことをじっと見ているロングヘアーの娘である。
こうギャーギャー騒がれては商売にならない。
そこで一刀はこう提案した
「同じ歌い手なら、歌で勝負しようや。勝ったほうがこの場所で歌うってのはどうだ?」
「上等じゃない!ちぃ達の実力を見せてやるわ!」
こうして歌の勝負が始まった・・・・・・
先に歌うのは三姉妹だ。
・・・・・・・・
確かに言うだけの事はある
かなり上手い
一刀も少し感心していた。
が、いかんせん経験不足、そして作詞作曲がイマイチだとも思った。
自分の世界の名曲を歌っている一刀に、後者での負けは無い
そして歌が終わる。
「さあ!次はアンタの番よ!」
「オウ」
そして、一刀が歌い始める。
・・・・・・・・
「はるかー、かなたーのーひかーりにーむーけてーーー・・・・」
ラ〇ナーであった。
歌唱力では互角であったが、やはり曲で差がついた。
おひねりの八割が、一刀の方に行っていた。
一刀の勝ちである
「う、うう~~~~」
チビっ娘が悔しそうに爪を噛む。
「約束だ、オレがここで歌う」
「お、おぼえてなさいよ~~~~~!!」
そう言って、チビっ娘は走っていった。
「ちぃ姉さん!」
メガネっ娘も後を追う
最後に、ロングヘアーの娘はこちらを見て
「また勝負しようね(ニコッ)」
と笑顔で言い残し、二人を追いかけていった・・・・
こうして、先程の勝負で集まってきた客のぶんもあり、いつも以上の収益を上げることに成功した一刀であった。
はい、第二話でした。
どうだったでしょうか?
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
次回も楽しみにしてくださると嬉しいなあ・・・・・
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最初に会う恋姫は・・・・