No.216419

真・恋姫 呉伝 -為了愛的人們-第十六話

獅子丸さん

第十六話


今回は拠点っぽい感じ。

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2011-05-12 21:39:43 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:21445   閲覧ユーザー数:17019

 

― 凌統Side ―

 

 

 

 

 

俺の主はたまげた男だ。

憧れの貂蝉様がご主人様と言うだけの事はある。

まず細作に関して。

一刀様は情報を得る事が一番重要だと言っていた。

まぁ、確かに情報は重要だ。

相手の動きが事前にわかればそれだけこちらは有利に動ける。

孫家に関して言えば他の国よりも情報を重視している為細作部隊はかなり優秀だろう。

だがそれじゃ足りないらしい。

一刀様曰く情報を手に入れてもそれが届く早さに問題があると言ってたな。

その早さを得る為の方策としてこの大陸各国。

大きな街ではなく小さな村に細作を忍ばせる。

理由としてはこうらしい、大きな街を基点にするとそれだけ警備も厳しい。

その点、今のこの大陸は各村に対しては無頓着なのが現状。

その警備が皆無な場所に配置した細作は、街や城などに忍び込んだ細作から情報を受け取る。

後は簡単だ。

情報を貰った細作は、あらかじめ決められた順序で次の村に配置された細作に渡す。

それを繰り返す事によって細作や馬などの力を最大限生かせると言うことらしい。

最大限の速度で馬をつかっても届ける距離は短いから乗りつぶす事もなくなる。

それに加え距離が短ければ直ぐ次の情報を得るため、配置された場所に戻る事が出来る。

簡単に言えばこうだ。

短距離を全力で走らせる。

一刀様曰く『りれー方式』というらしい。

だが、そこで問題となるのは伝える為の手段だ。

人から人へと口で伝えるのは簡単じゃない、噂が広まるのと同じようなもんだ。

それをなくす為に一刀様が考えた方法はひどく単純な物、暗号だ。

それもとっておきの暗号。

この暗号を知る人間は北郷隊では一刀様と俺、細作隊の中から俺が選び出した数人、そして孫家の上層部の軍師陣のみ。

なんでもこの暗号は『カタカナ』と言うらしい。

たかが数十個の文字で全ての言葉を書けるという優れた物だ。

天の国は計り知れない・・・・・・。

必然的にこの暗号を使える者が潜入することとなる。

今はまだ数が少ないが今後育て上げた細作の中から優秀な者を順次引き抜いていく予定となっている。

一刀様の国では細作の事を『忍者』と言うらしく暗号を使える者を『上忍』そのほかのものを『下忍』と呼ぶこととなった。

俺は一刀様の子飼いの細作部隊を率いる『忍頭』と言う役職とは別に北郷隊の副隊長も兼任する事となっている。

そして、それ以外にも細作の仕事をするのに役立つ道具なども教えてもらった。

更に驚いたことがある。

一刀様から、

 

『隊に教え込む陣を考えた副隊長として意見をくれないか』

 

と言われ話を聞いた。

最初はけったいな陣形だといぶかしんだんだが詳しい話を聞くうちに身の内から何かが這いずり回るような感覚が全身を駆け巡った。

すぐさま一刀様の指示に従い調練を開始、陣形の動きを徹底的に教え込んだ。

そしてお披露目の演習。

前衛の盾部隊(壁盾と言うらしい)で相手の視界を完全に遮りつつ中衛、後衛の部隊で後ろから盾をこじ開けるように突撃する。

相手からすれば何処からその攻撃の手が伸びてくるのか予想出来ないのだ。

前衛の者達は盾で敵を、そしてその攻撃を防ぐ事だけを目的としている。

そのため守る事に全力を傾ける事が出来るのだ。

今回の演習は北郷隊のみで構成された陣だったため、やっつけの攻撃部隊だったがあの結果だ。

今後孫家の全部隊と連携できるようになれば孫家の将率いる各部隊がその役目を担うと言うのだから末恐ろしいこった・・・・・。

北郷隊は相手の陣形に対して流れるように形を変える。

今回のように、鶴翼を食い破る目的の『連弩』盾である前衛を弓にに見立て、中にいる者達を矢に見立てる。

他にも魚鱗を砕く『連山』などだ・・・・・。

こりゃ、俺も負けてらんねぇな・・・・・・。

こんな将軍の下で働けるんだ、俺自身の武が守りとはかけ離れちゃいるが、今からでも遅くはない・・・・・・・・。

守りを極めてやろうじゃないか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

― 韓当Side ―

 

 

 

 

一刀の隊のお披露目って話で演習があったんで見に行ってみたがたまげたわ。

あの玲の隊があっさりと食い散らかされるなんて誰も思って居なかったと思うぞ・・・・・。

 

 

「玲、少し話し聞かせろ!!」

 

「あ~、嵩ちゃんみてたのね。聞かせろっていっても見たまんまだとおもうよ?」

 

 

いや、見たまんまって・・・・・・。

 

 

「なんかもっとあるだろ!?こう、なんかよ?」

 

「う~ん、そうねぇ、ぶつかった瞬間はあら?って感じだったかしらねぇ」

 

「なんだよあら?って!!何があら?なんだ!?」

 

 

あーもう!!

玲と話する時は毎回こうだから困る!!

 

 

「なんて言うのかしらねぇ・・・・・あ『硬い』だわ」

 

「そりゃ硬いだろ盾持ってんだから・・・・・・」

 

「そうなんだけど、地面から動かないのよねぇ。

押してこじ開けようとしても動かない・・・・だから隙間を探してそこを突き崩そうと思って探してもないのよ。

唯一あった隙間は盾の表面にあった細かい小さな穴・・・・・・覗き穴くらいかしらね~。

上から攻めようにも盾はものすご~く大きいし、そのせいで相手の動きは見えないしで八方塞だったわ」

 

 

なるほど、盾をびっちり並べてるってわけか。

そしてあの馬鹿でかい盾で相手の視界をさえぎって陣内の様子を悟らせないようになってるんだな。

 

 

「それで、玲はどうしようとしたんだ?」

 

「打つ手がないからいったん引いて立て直そうとしたの・・・・・ところがどっこ~い、引こうとした瞬間に盾が割れてそこからどーん。

あっという間に一刀ちゃんの兵に後ろを取られちゃったの。

それに対処しようとしたら今度は両翼が攻められ始めちゃって兵たちはもう大混乱よ~。

それだけじゃ終わらずに次から次に、いろんな所から一刀ちゃんの兵が飛び出してくるからあっという間に終わっちゃった~」

 

「なるほどなぁ~、何処から攻めてくるかわからないなら対処のしようがないもんなぁ・・・・・・。

あれか、陣の中に伏兵が潜んでるみたいなもんなのかもな」

 

「あぁ~、まさしくその通りかも~」

 

 

そういえばあの後冥琳が、各将の部隊があの陣の中に組み込まれるって言ってたなぁ。

ってことは、あたしらがその伏兵になるってことか・・・・・。

でも、向こうからこっちが見えないならこっちから向こうを正確に把握するのは難しいんじゃないのか?

まぁ、あんな物を考え出した一刀のこったそれについても何かしら手を打ってんだろうしな。

いいねぇ!!燃えてきた!!!!!

一刀があたし達の盾になってくれるって言うんなら、あたし達は剣に徹するのみ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

― 雪蓮Side ―

 

 

 

 

 

 

 

なんか最近、冥琳がものすご~く楽しそうなのよねぇ・・・・・・・・。

まぁ、原因はわかってるんだけどさぁ。

今日も一刀の隊のお披露目演習があるとかでニヤニヤしながら見に行っちゃったし・・・・。

あれ?

なんか最近あたしの影薄くない!?

 

 

「きぃー!」

 

 

それもこれも原因は一つだわ!!

一刀が原因に違いないもん!!

そりゃ、ちょっとは認めても良いとは思うけど・・・・・・。

一刀の助けがあったから母様が帰ってきたわけだし・・・・・。

一刀の機転があったから家臣を呼び寄せる事ができたわけだし・・・・・・。

なんかちゃっかり蓮華が落ちちゃってるし・・・・・・。

蓮華だけじゃなくて思春に加え祭まで・・・・・・。

あんな男の何処が・・・・・・・・・あれ?・・・・・冷静に考えたら・・・・・・・・・・・あれ?

 

 

「よくよく考えてみたらかなりいい男なんじゃ・・・・・・?」

 

 

っは!?

ダメダメ!!

何惑わされてんの!

孫伯符!!しっかりしなさい!!

 

 

「よし、冥琳も居ない事だしお酒でも飲んで紛らわそーっと」

 

 

ん?

何を紛らわすんだろ?

 

 

「ま、いっか・・・・・・よし、飲むぞ~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがきっぽいもの

 

 

 

陣形が以外に好評っぽくて驚いてます獅子丸です。

さて、今回は拠点っぽくまとめてみました。

っていうか獅子丸の書く話は、拠点で構成されているようなもんですけどw

15話の補足的な説明と細作部隊に関しての話になっています。

細作部隊に名前をつけようと思ったんですけど細作なのに名前が存在するのはどうかと思って

部隊のランク付けだけ忍者の階級を用いるだけに留めました。

 

嵩さんに関してですがなんだか書くのが難しいw

早くなれないといけないなぁって思いました。

 

っていうか、雪蓮!!

いつになったら素直になるんだよ!!

 

 

 

とまぁ、今回はこの辺でw

次回も

 

生温い目でお読み頂ければ幸いです。

 

 

 

 

 

 


 
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