No.216090

真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝 拠点4 前半

黒山羊さん

へぅ( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。
このサイトを利用してもう、3カ月が経とうとしています。
早いものですね。

でも、物語の進行遅えええ!

続きを表示

2011-05-10 20:56:07 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2505   閲覧ユーザー数:2164

この物語は真・恋姫†無双という外史に、

CRISIS CORE FINAL FANTASYⅦのジェネシス・ラプソードスが来たいう設定です。

作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、登場人物を原作通りにしたつもりです。

ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。

まあ、CCFF7が分からなくても楽しめるように書いたつもりです。

また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。

あらかじめご了承ください。

読者の皆様が楽しめたら幸いです。

 

 

 

 

ジェネシス×朱里&雛里

 

視点:朱里

 

月さんの薬と華雄さんの薬の材料にめずらしい薬草が必要なので、薬屋さんで探してみたのですが、売ってなかったので、ジェネシスさんと2人で探しに来ています。

 

月というのは董卓さんの真名だそうです。

暴君董卓は死んだことになっているので、董卓さんと呼んではバレテしまうので、真名で呼ぶことになりました。

 

運よく薬草はすぐに見つかり、取りにくい所になったので、ジェネシスさんに採って貰いました。

 

「これで、終わりです。戻りましょうか。ジェネシスさん。」

 

「一雨来そうだ。どこかで雨宿りしていこう。」

 

ジェネシスさんは空を見ます。

確かにさっきまで晴れていたのに、急に空は暗くなってきました。

雲の形や大きさから考えて夕立のみたいです。

 

ザアアアアアア!

 

いきなり降ってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?

凄い雨の音はしますが、私は濡れていません。どうして?

私は疑問に思い、上を見ました。

私の上には真っ黒の翼が広がっていました。

この翼はジェネシスさんの翼。

私はジェネシスさんの方を見ます。

ジェネシスさんは雨で濡れています。

 

「朱里、ここから少し歩いた所に小さな洞窟があったはずだ。

あそこで雨宿りをしよう。」

 

「はい。」

 

それから、少し歩いた所にジェネシスさんの言う小さな洞窟がありました。

私達は雨宿りします。

 

「ジェネシスさん、早く体を拭かないと…。

あ、私羽拭きますね。」

 

「大丈夫だ。鳥の翼には油が有ってな、水を弾くから。」

 

翼を数回羽ばたくと水滴が飛び、いつもの翼がそこには有りました。

そして、ジェネシスさんは雨でぬれたビショビショの服を脱ぎはじめました。

私は咄嗟に顔を背けます。

 

ビシャビシャアアアア。

 

脱いだ服を絞っているみたいです。

 

「もういいですか?」

 

「いいが、そもそも何故お前は後ろを向いている?」

 

「ジェネシスさんが服を脱ごうとしたからです。」

 

「なるほど。

男の裸を見慣れていないという訳だな。安心しろ。今は下着は穿いている。

それに、翼で体を隠せるから問題ないだろう。」

 

「そうですか…。」

 

「それより、朱里。何か燃やせるものは無いか?」

 

私は辺りに何か燃やせる物を探します。

何故か、薪が落ちていました。

以前に誰かが此処でたき火をしたと思われる跡もありました。

 

「有りましたよ。

でも、私火打ち石持ってませんよ。」

 

「大丈夫だ。」

 

そう言うとジェネシスさんは薪を握ります。

薪を握った手は淡い緑色に光り出します。そして、握った個所が強く光りました。

 

ドォォォォン

 

音がした瞬間私は吃驚して目を瞑ります。

その後、目を開けると、薪が燃えていました。

 

「今のは妖術ですか?」

 

「まあ、そんなものだ。」

 

「使った所を誰かに見られましたか?」

 

「今の所見たのは雛里と死んだ張譲、そして今見た朱里ぐらいだ。」

 

「これが雛里ちゃんの言っていた術ですか。

他の人にも見せては駄目ですよ。

平原に妖術使いが居ると思われると攻められる口実を与えているようなモノですから。」

 

「分かっている。」

 

「でも、便利ですね。

火打石がなくても、火を灯すことができるなんて。」

 

「だが、人も殺せるぞ。」

 

「どんな物も使い方次第では人殺しの道具になります。でも、大丈夫です。」

 

「何故そう言いきれる。」

 

「だって、その術を使っているのはジェネシスさんだからです。」

 

「そういうものなのか?」

 

「そういうものです。

術も道具も使用者の心掛け次第。

ジェネシスさんはその術を雛里ちゃんを助けるのに使用した。でも、前の世界では世界を破壊するために使いませんでしたか?

前の世界と今のジェネシスさんの違いは心です。

今のジェネシスさん世界の平和を願っているだから、大丈夫です。」

 

「そうか。」

 

「ジェネシスさん、さっきの術に何か名前はあるのですか?」

 

「フラッシュ。」

 

「ふらっしゅ?ですか?」

 

「ああ、光と言う意味だ。

本当なら腕を振りながら使用し、一振りで8つの光の矢が飛ぶ術だ。」

 

「他には何かありませんか?」

 

「3つ程ある。」

 

「もしかして、胸の大きくなる術はありましゅか?」

 

「フフッ。」

 

「何で笑うんですか!ジェネシスさん」

 

「雛里と同じ事を聞いてきたので少しな。」

 

「雛里ちゃんもですか?」

 

「ああ、そんな術は無いと言ったら、すごく落ち込んでいたぞ。」

 

「そうですか…。」

 

「お前達は何故胸の大小にこだわる。」

 

「女として自信が着きそうだからです。」

 

「女としての自信?」

 

ジェネシスさんは燃える薪を見ながら言います。

 

「軍師としての自信は戦いで成功すれば、付いてきます。

だけど、女としての自信はどうやったら持てるか分からないんです。

だから、胸が大きくなれば、自信が持てるかもと思ったんです…。」

 

「無い物ねだりだな。」

 

はう…。

言われてしまいました。

 

「では、どうすれば、私は女としての自信を持てますか?」

 

「そもそも、女として自信を持ってどうしたい?」

 

「ご主人様に振り向いて欲しいです。

でも、ご主人様は星さんや桃香様みたいに胸の大きな人しか見ていないから私も胸が大きくなれば、振り向いてくれるかもしれないから…。」

 

「なるほど。それで胸が大きくなりたいという訳だな。」

 

「はい…。」

 

「女の自信とか云々は分からないが、自分なりに何か行動してみたらどうだ?」

 

「どういうことですか?」

 

「お前の話を纏めると自分は女として自信がない。

だが、戦場で勝ってきたから軍師としては自信をつけ始めてきている。だったら、それと同じように何か行動してみたらどうだ?

自信は自らの行動で持てるものなのだろう?」

 

そうでした。

私は考えるばかりでご主人様に何かをしたわけじゃありません。

策を考え過ぎていました。それも実現可能性の無いものをたくさん。

少し、動いてみないといけませんね。

 

「ジェネシスさん、ありがとうございます。

私少し頑張ってみます。」

 

「俺は何もしていない。単にお前の話を纏めて言っただけだ。

まあ、ともかく応援している。頑張れ。」

 

「はい!」

 

「ところで、朱里。」

 

「何ですか?」

 

「最近雛里が変なのだが何か知らないか?」

 

「具体的には?」

 

「『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからね!』と罵られたり、

『お兄ちゃん、だ―い好き』と赤面で俺に跳び付いてきたり、

『お兄ちゃんには私しかいないから他の女のことなんか見ちゃ駄目!』って言ったり、訳が分からない。

雛里は疲れているのか?」

 

「ジェネシスさん、それはいつからですか?」

 

「確か、雛里が俺の好みの女性を聞いてきた次の日からだ。」

 

「ちなみに好みの女性は何ですか?」

 

「無い。」

 

「ハア…。」

 

「何故ため息をつく?」

 

ご主人様も鈍感ですが、ジェネシスさんも相当鈍感です。

雛里ちゃん頑張って!私も協力するから。

 

「朱里、雨が上がったぞ。服も乾いたし、帰るか…。」

 

「そうですね。」

 

早く帰って、雛里ちゃんに教えないと。

行動も大事だけど、考えることも大事だよ。

このままじゃ、取り返しのつかないことになっちゃう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、某所

 

「うーん、ジェネシスさんの反応は今の所悪いです。

次はどうしよう。

御主人様に書いてもらった『猿人でも分かる萌え妹』を読んでいますが、種類が多すぎです。

 

………あわわ! これをやってみよう。

世話好きな妹!

これでジェネシスさんを悩殺です。」

 

 

 

 

ジェネシス×華雄

 

視点:ジェネシス

 

朱里と薬草を取りに行ってその帰りに月と華雄の病室に寄った。

2人共順調に回復している。

朱里の話によると華雄は10日後には生活に支障が無いぐらいになるだろうとの話だ。

 

「今はじっとしていて下さいね。ここで無理をすれば、寝台に絶対安静に逆戻りですからね。」

 

「わかった。軍師殿一つ頼みがあるのだがいいか?」

 

「なんですか?」

 

「『らぶれす』の続きを読ませてくれ。先日軍師殿から借りた1章をもう少ししたら読み終わりそうなんだ。」

 

「早いですね。」

 

「絶対安静だとやることがないからな。」

 

「なるほど。分かりました。今から取ってきますね。」

 

朱里は椅子から降りると病室から出て行った。

俺は『LOVELESS』を読んでいる。俺は読書中にも関わらず華雄は聞いてくる。

 

「武の御遣い、礼を言っていなかったな。董卓様を救ってくれてありがとう。」

 

「北郷達が救いたいと言ったから、手を貸しただけだ。礼を言われるようなことはしていない。」

 

「それでも、張譲の屋敷の地下から董卓様を救ってくれたのはお前だ。

お前以外に誰に礼を言えば良い?」

 

「礼は北郷にでも言ってろ。」

 

「北郷には『俺は月の救出を武の御遣いに頼んだだけだから、礼は武の御遣いに言ってくれ』と言われたぞ。

この場合、誰に礼を言えば良いのだ?」

 

「知らん。俺に聞くな。」

 

「だが、礼は言わせてくれ。

敬愛する董卓様を救って貰ったのだ。これで何もしないと私の気が治まらない。」

 

「好きにしろ。」

 

「ありがとう。

本当に董卓様を救ってくれてありがとう。心から感謝する。」

 

華雄は寝台の上で土下座をする。

 

「私はもっと力が欲しい。董卓様を護る力が。

どうすれば、強くなれる?教えてくれ。」

 

「夢を持て、強くなりたければ、夢を持て。そして、誇りもな。」

 

アンジールの言いそうな事を俺は言う。

俺はただがむしゃらに鍛錬と経験積んだから今の強さがある。

だが、そんな事を言っては華雄の鍛錬に付き合わされるかもしれないから、適当な事を言う。

 

「ああ…。」

 

「お前の夢は何だ?」

 

「私の夢は董卓様の夢を叶えること。私の誇りは董卓様に自らの武を認められたことだ。」

 

「なら、そのために努力を惜しむな。」

 

「そんな抽象的なことでは困る。

私にもわかるようにどうすればいいのか具体的に教えてくれ。」

 

俺はあの世界でソルジャー・クラス1stだったが、読書の時間を邪魔されたくなかったから2ndや3rdの指導をしていなかったため、どうすればいいのか分からない。

以前、公孫瓚に軍を強くするにはどうしたらいいかと聞かれた時に適当にバンジージャンプでもして度胸をつけろと言ったが、華雄はしつこそうだ。嘘を教えると後々面倒な事になりそうだ。

 

「俺より関羽や星、鈴々に聞くと良い。

俺の戦い方とお前の戦い方には大きな差があるから、俺が戦い方を教えるとかえって弱くなる恐れがある。

戦い方の近くて自分より強い人間に聞くと良い。」

 

「なるほど。」

 

華雄は納得しているようだ。

良し。これで俺の読書時間は守られた。

 

「だが、自分が強くなったかどうか試す時は頼むぞ。」

 

前言撤回。

俺の読書時間は守れそうになさそうだ。

どうすれば俺の読書時間を確保できる?

そうだ。

 

「まず、鈴々を倒せるようになったらな。」

 

「ああ。」

 

よし。

これで読書の時間は100%守られた。

 

 

 

 

ジェネシス&一刀×月&詠

 

視点:詠

 

以前の月と今の月が何か違う気がする。しいて言うなら、以前の明るさが今の月には無い。

話しかけても、『うん』としか答えてくれないし、ずっとボーっとしている。

どうしたらいいの?

 

コンコンコン

 

扉が数度叩かれる。

どうやら、来客みたい。確か『のっく』って言ったわね。来客を知らせる合図で、知の御遣いの世界の風習らしい。

 

「いいわよ。」

 

部屋に入ってきたのは、朱里と武の御遣いと知の御遣いの3人だった。

そう言えば、薬の時間だったわね。

 

「月、薬の時間よ。」

 

「うん。」

 

月は気だるそうに体を起こす。

 

「月?大丈夫?」

 

「……大丈夫だよ、詠ちゃん。」

 

月は力なく答える。痛々しかった。

 

「月、もしかしたら。」

 

知の御使いが1人で納得している。

ボクも月もコイツら真名を預けている。そして、桃香達からも真名を貰った。

知の御遣いと武の御遣いは真名が無いらしく、ボクは知の御遣いを『アンタ』と呼び、武の御遣いをそのまま『アンタ』と言っている。

武の御使いには真名と同等の意味をなすものがあるらしいけど、教えられていない。

一方、月は知の御遣いのことを桃香たちみたいに『ご主人様』と呼び、武の御遣いを桃香たちみたいに名で呼びたくても発音が難しいので、今は『武の御遣い様』と呼んでいる。

 

「ちょっと、アンタ。どういうことよ。」

 

ボクは月には聞こえないように知の御遣いに聞く。

 

「俺は医者じゃないからハッキリとは言えないが、もしかしたら、月はうつ病なのかもしれない。」

 

「うつ病?それ、どんな病気よ?治るんでしょうね?」

 

ボクは初めて聞く病気に少し戸惑いを隠せなかった。

 

「ああ、うつ病は気分障害の一種で、症状は過食もしくは食欲低下、抑うつ気分や不安、焦燥、精神活動の低下、過眠もしくは不眠症だったはず。

今の所そんな症状は出ていないか?」

 

「うん。

いつもより食欲があるし、いつもボーッとしているし、いつも眠たそうにしているわ。」

 

ボクは月の方をチラッと見ながら答える。

 

「そうか。

それに月は地下で隔離されていたはず、日光も浴びていないかったのもあるだろう。」

 

「で、どうやったら治るの?」

 

「内因性うつ病はまず、患者本人や周辺の近しい人に病気を認知させて、無理せず、養生して治す必要がある。

注意しなければならないのは、患者に『頑張れ』とか『さぼるな』、『気持ちの持ちようではないか』とか『旅行に行って気分転換してみてはどうか』という言葉適切じゃない。

病気である患者本人にこれらの言葉は重く圧し掛かる。

だから、気長に病気と向き合う必要がある。

この世界で俺でも一緒にできる治療法は断眠療法、光療法、運動療法かな。

断眠療法は夜寝ない様にすることで治す方法。

光療法は日光を浴びて生体リズム、まあ…気の流れみたいなものを改善していく療法。

運動療法は有酸素運動、長時間掛けて行う軽い運動をするという方法。

俺が覚えてるのはこんなところかな?」

 

「詳しいわね。」

 

「ああ、昔読んだ本に書いてあって、気になったから自分なりに調べてみたんだ。」

 

「ふーん。」

 

ボクと知の御遣いが話している間に、月はお粥をたくさん食べていた。

普段の月からは考えられないぐらいたくさん。

食べ終わった月にボクは月の病気について話す。

月は驚いて必死に自分が心の病気であることを否定しようとする。

でも、月の考えている事や今の状況を話して何とか説得できた。

 

「大丈夫だよ。月。ボクが一緒に居るから、それに張譲は居ないし、ボク達は命を狙われることは無いから、安心してゆっくりできるよ。」

 

「うん。詠ちゃん。ごめんね。」

 

「謝らないでよ。月」

 

「私頑張って治すよ。」

 

「無理する必要はないわよ。月。ボク達には時間があるんだから、焦らなくて大丈夫よ。」

 

「詠ちゃん」

 

ボクは月と抱き合う。

それから、月と知の御遣い、朱里、ボクの4人で治療について話し合ってみた。

今日は天気が良いので、光療法をすることになった。

月は体力が著しく低下していて中庭まで歩くことが困難だったから、武の御遣いが月を抱えることになった。

朱里は軍師としての仕事があるからと言って参加できないらしい。

ボク達4人は外に出る。

 

外は快晴だった。

日差しが強すぎるからボク達は中庭で一番大きな木の下に座る。ここなら、直射日光が当たらないので、心地いい。

それから、いっぱい話をした。

ボク達の出身地涼州の話や、どうして月を君主にして立ちあがったのか、と言ったボク達のこれまでの話や、好きな食べ物や、霞や恋、ねねと言った個人的な話をした。

何故か武の御遣いが居ないことに気が付く。

 

「ちょっと、アンタ。武の御遣いがいないんだけど?」

 

「ああ、そういえば、いないね。」

 

「いないね、じゃないわよ!

話をしているのに何でどっか行くのよ!」

 

ボクは腹が立った。

 

「まあ、あの人だし?」

 

「武の御遣いってどんな奴なのよ?」

 

「基本自由人。

普段から仕事はしないし、フラッと何処か行ったかと思うと10日ぐらい帰ってこないことなんて普通。

趣味は林檎料理と読書。読書と言っても『LOVELESS』って本しか読まない。

『LOVELESS』が好きで会話の中に入れてくるぐらい。」

 

「『らぶれす』ってあの華雄が読んでいる本?」

 

「ああ、そうそう!」

 

「ふーん」

 

臣下としては使いにくい奴そうね。

こっちの命令お構いなしに勝手に行動するなんて華雄みたい。

 

「俺の悪口か?」

 

「「「!!!」」」

 

 

 

 

視点:月

 

「俺の悪口か?」

 

「「「!!!」」」

 

私は後ろから武の御遣い様の声が突然聞こえたので、驚きました。

ご主人様も詠ちゃんも驚いているみたいです。体がビクッとなっていましたから。

 

「悪口なんて…。そんなこと言ってませんよ、ジェネシスさん!なあ、詠!」

 

「ええ!そ…そうよ!アンタの悪口なんてボクは言っていないわよ!

ただ、コイツにアンタがどんな奴なのか聞いたら、コイツが勝手に言っただけ!

本当にそれだけなんだからね!」

 

「それって悪口は俺が言っていましたって言っているのか、詠?」

 

「ボクは事実を言ったまでよ!」

 

「俺、悪口言ってねえよ!」

 

「ボクもアンタが悪口言ったなんて言ってないわよ!」

 

「うぐっ!」

 

ご主人様と詠ちゃんは言いあっている。

私は戻ってきた武の御遣い様を見る。武の御遣い様はお盆に急須と湯のみを3つ、さらに

 

「お酒と御猪口ですか?」

 

「ああ!またジェネシスさん昼から飲むんですか?」

 

「今日の仕事は終了だ。」

 

武の御遣い様は私の横に座られた。

 

「ジェネシスさん、仕事してるんですか?」

 

「お前達がサボらないか見るのが仕事だ。」

 

「そんなに俺サボってませんよ。」

 

「今月に入ってから7日しか経っていないのに4回何処かに行こうとして俺に捕まったよな。」

 

「うぐっ!俺は悪くない!週休1日の政務が悪いんだ!」

 

「お前の知識が平和へと導くのだ。頑張れ、知の御遣い様。」

 

武の御遣い様は御主人様に向かって笑いながら言う。

 

 

 

「武の御遣い様は普段何をなさっているのですか?」

 

私は疑問に思ったので武の御遣い様に聞いてみた。

 

「俺か?酒、散歩、読書、昼寝、もしくはコイツと桃香の監視だ。」

 

「アンタ仕事しなさいよね!」

 

詠ちゃんは武の御遣い様に突っかかる。

 

「仕事は誰かがすれば良い。」

 

「武官なら武官の仕事があるでしょ。兵の鍛錬とか武器の調達とか。」

 

「兵は足手まといだ。」

 

「確かにジェネシスさんの強さなら納得だ。」

 

そういえば、武の御遣い様の話は長安統治時代に聞いたことがある。

なんでも、黄巾党2万を無傷で倒したとか、ねねちゃんは『そんなの嘘なのです!そんな事出来るのは恋殿だけなのです!』って言ってたっけ?

 

「戦場で物をいうのはまず数よ!そんなはずない。」

 

「馬より早く走れて、矢より遠くに跳躍でき、岩を斬ることができる兵が居るなら俺の軍の兵にしてもいいが?」

 

「そんな化け物居る訳ないじゃない。」

 

「俺は出来るぞ。」

 

「はあ!?何て?」

 

「俺は出来るから、出来ない奴に合わせると戦力が落ちる。」

 

「どんな化け物よ…。」

 

詠ちゃんはため息をつく。

詠ちゃんの表情がコロコロと変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフフ」

 

「月?」

 

「だって、詠ちゃんが楽しそうだったから。

詠ちゃんいつも付きっきりで看病していて眉間に皺寄ってる顔してたから…。」

 

「月…。」

 

「ということは、月は本当はうつでは無くて単に詠の心配し過ぎで、さっきのうつ病の診断は誤診だったという訳だな。」

 

武の御遣い様はご主人様の方を見る。

 

「まあ、病気じゃないのは良いことじゃない。

うん、それにあの治療法は薬を使わないから、体にそんなに負担にならないし。

それにまだ体力は戻っていないんだから、まずはリハビリをしよう。病室にこもりっきりは良くないし、日光浴も気の巡りをよくするから良いと思うし…。」

 

「『りはびり』って何ですか?」

 

私は聞きなれない言葉についてご主人様に聞いてみる。

 

「まあ、簡単に言えば、療養生活が長すぎると今の月みたいに体力が落ちてしまうから、普段の生活に向けて軽い運動をすることリハビリって言うんだ。」

 

「軽い運動ですか?どんなことをすればいいんでしょうか?」

 

「まずは散歩から始めようか。」

 

「私、そんなに長い時間歩けませんよ?」

 

「自分が続けて頑張れる程度で良いんだ。リハビリは続けることが大事だからな。」

 

「分かりました。」

 

私は凭れかかっている木に手を置き、ゆっくりと立ち上がろうとする。

でも、手が滑り前にこけそうになる。

 

「危ない!月!」

 

詠ちゃんが叫ぶ。

でも、咄嗟に一番離れたご主人様は私の横に来て倒れそうになる私を右腕で支えてくれました。

 

「ありがとうございます。ご主人様//////。」

 

ご主人様の顔が近いです。へぅ……。

 

「ちょっと、アンタ!月の近くに居るなら月を助けなさいよね!」

 

「北郷が動いたから問題ない。それに…。」

 

「それに?」

 

「……ご主人様…あ、あの、もう大丈夫ですから、放してくれませんか?

そのご主人様の手が私のむ…胸に当たって…へぅ……。」

 

「ゴ、ゴメン!」

 

ご主人様は慌てて手を離します。私は木に手を当てて立ちます。

 

「ちょっと、アンタ!月に何してんのよ!この馬鹿チンコ!」

 

詠ちゃんがご主人様の股間を蹴りあげると、ご主人様は倒れて白目をむき、泡を吹いています。

私は心配になり、ご主人様に駆け寄ろうとしますが、足がもつれて、またこけそうになります。

でも、誰かが後ろから肩を掴んで支えてくれました。

 

「……それに後ろからお前の肩を抱き止めないと下手をするとお前の胸を触って、詠に蹴られるおそれがあったからな。」

 

「へぅ…。」

 

私を抱きとめてくれたのは武の御遣い様でした。

 

「詠。お前が月を支えてやれ。

患者にとって身近な奴が支えてやった方が患者は安心してリハビリが出来るだろう。」

 

「そ、そうね。」

 

詠ちゃんが私の前に来て、私の手を握ってくれる。

武の御遣い様はそっと私の肩から手を離す。

私は自分の手と足でしっかりと立つ。

私はゆっくりと歩き出す。詠ちゃんが支えてくれるから歩くのが楽です。それにずっと武の御遣い様が後ろについてくれるから安心して歩くことに専念できます。

私は中庭を1周したら疲れたので、元居た木陰の所に行き、ゆっくり座ります。

 

「お疲れ様、月。

お茶飲む?暑いし、少し冷めてていいなら今すぐ飲めるけど?」

 

ご主人様が湯のみを渡してきます。

私は喉が渇いていたので、湯のみを受け取りゆっくり飲みます。

 

「ご主人様、もう大丈夫ですか?」

 

「何が?」

 

「ご主人様、さっき泡吹いて倒れてましたよね?」

 

「ああ!あんなんしょっちゅうだから大丈夫。」

 

「そ、そうですか…。」

 

ご主人様の体は何で出来ているのでしょうか?

それより…。

 

「詠ちゃん、ご主人様に謝って。

ご主人様は私を助ける為に咄嗟に手を差し伸べてくれたのだから、故意に胸を触ろうとしたんじゃないんだから。

詠ちゃんは恩を仇で返すの?」

 

「でも、コイツは結果的に月の胸を触った訳で…。」

 

「詠ちゃん!」

 

私は少し詠ちゃんを睨みながら少し強い口調で言う。

 

「う…。アンタ、さっきはごめん。

でも、アンタも悪いのよ。また似たような事があったら、ただじゃおかないから!」

 

「いいよ。それだけ、詠からすれば、月は大事な友達なんだろう?怒るのは当然だって。」

 

詠ちゃんはご主人様に何とか謝る。

ご主人様は許してくれた。

 

「ご主人様、武の御遣い様。」

 

「何、月?」

 

「……。」

 

「さっきは助けて下さってありがとうございます。」

 

「いいよ。俺は月を助けたかったから手を差し伸べただけさ。」

 

「目の前で知り合いが怪我をすれば、目覚めが悪い。」

 

2人の口調は全く違う物だったけど、2人とも優しかった。

それから、4人木陰で茶会が始まった。と言っても、武の御遣い様は林檎酒を飲まれていた。

私も欲しいと言ったが、ご主人様が薬を飲みながら酒を飲むと薬の副作用が出るかもしれないからやめといた方が良いと言われたので、止めた。

だから、元気になったら、武の御遣い様の飲んでいる林檎酒を飲ませてもらう約束をした。

ご主人様も詠ちゃんも飲みたいと言い、偶然通りかかったと言う雛里ちゃんも参加することになり、ご主人様を探しに来たと言う愛紗さんや桃香様、朱里ちゃんも参加することになり、屋台から帰ってきた星さんと鈴々ちゃんも参加することになった。

これだけ参加するのなら普通に宴会をしようと言うことになり、日時は私が完治してからになった。場所は追々決める事になった。

楽しみ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰かを忘れているのは気のせいかな?

 

 

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。長くなりそうだったので、2つに分けました。

今回はジェネシス編と少し一刀編を融合させて載せました。

次回は一刀編の残りです。

 

現在私は『甘露』さんの退院を祝してPC前で飲んでいます。いろんな人からエアーつまみを貰い、紹興酒で飲んでいます。

 

うむ。特に岐阜産アユの甘露煮は美味い。

ありがとうございます。『甘露』さん。何か貴方の退院を祝して飲んでいるのに貰って良かったのでしょうか?

まあ、好意は受けさせて頂きます。

 

グビグビ

 

パクパク

 

いと美味し…。

 

では皆さん次回にお会いしましょう。

それではいつも通り。

御唱和下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°

 

 


 
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