No.213776

√蜀続き3(前篇)

ryuさん

第三話目です
今回は長くなりそうなので分けました
愛紗としか絡んでません
批判はしないでください

2011-04-27 21:52:21 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:4816   閲覧ユーザー数:3958

男子寮 一刀の部屋

次の日

「・・・・・ま!おき・・・・・い!!」

「ん・・・」

「あ・・す!おき・・く・・い!!」

何時も通りの朝の声

「んん・・・・・もう少しだけ」

何時も通りの返事

「ご主人様!!起きてください!!もう朝です!!!」

「!!!・・・・愛紗 おはよう・・・・・・あれ?」

一刀は違和感を感じた

天蓋付きの寝具ではなく布団

ごつい政務机ではなくどかされたこたつ机

そして台所に見えるコンロや流し台

彼にとっては知ってるけど三国時代には無い物

しっくりくるのは目の前の愛紗だけ

「・・・・・・・あ!そうだ、戻って来たんだっけ」

頭が動き出してやっと自分が非日常になっていた日常に戻ってきたことを思い出した

同時に自分の中で非日常が日常になっていたことを改めて実感した

「おはようございます ご主人様」

「うん、おはよう・・・っと今何時だ?・・・・・・まだ六時か」

彼としては二度寝したい だが目の前の彼女が許さないだろう

「はぁ・・・・・着替えて朝食にしよう」

「朝食なら私が!」

「作れないでしょ?器具の使い方知らないんだから」

「あ!・・・・はい」

「そうだ!どうせ時間あるんだ!器具の使い方教えるよ!」

「え?ありがとうございます」

「(勝手にやられて爆発でも起こされたら困るしね)」

さあ動こうとした時

「「むにゃ・・・」」

「あ・・・」

一刀は桃香と鈴々も居ることは思い出していた

が、近くで寝ていることを忘れていた

ちなみに桃香はパジャマ(前ボタン式)、鈴々はTシャツにハーフパンツ、両方とも一刀が貸したものだ 愛紗も今は何時もの格好だが、桃香同様のパジャマで寝ていた

「///桃香・・・」

が、寝像が悪いのか一人部屋に四人で寝たせいか着衣が乱れていた 桃香の場合かなり刺激的だった

「///桃香様!」

愛紗も気付いて急いで直す

その間に一刀は鈴々の方を直す

こっちはわんぱくの元気一杯という印象しか受けない

「・・・・・むにゃ・・・お腹いっぱいなのだ」

「ははは」

台所

「これはコンロって言ってこうやってつまみを回すと」

ボッ

「火が付く・・・・・それに空気を送る必要がないんだ」

「やはり・・・信じられませんね こんな簡単に火が起こせるなんて」

「そうだね」

言いながら一刀はフライパンを取り出した

「それは?」

「これはフライパンって言って平べったい物を焼くときに使うんだよ」

「で、何を作ってるんですか?」

「ああ!これは目玉焼き」

「目玉を焼くんですか!?」

「いやいや!そうじゃなくて・・・ほらこうやって見ると黄身が目玉に見えるだろ?この状態で焼くから目玉焼き」

こうしてコンロとフライパンとついでに冷蔵庫を教えながら朝食を作った

一時間半後

「それじゃあ、俺は学園に行くから」

「私もお供します」

「いや駄目だよ!それは!!」

「どうしてですか!!」

「君達は部外者だからまずいんだよ」

「ですが!それではご主人様の身を守れません」

「大丈夫だよ!こっちはそんなに物騒じゃないから だから留守番してて」

「ですが!!」

「大丈夫だって!じゃ、行ってくる」

「あっ・・・・・・」

一刀は学園に行った

十分後

「・・・・・・・・暇だ」

調練もなく政務もない

ようするに暇なのだ

本は文字が読めない

テレビはない

ラジオは使い方が分からない

二十分後

「ご主人様は何してらっしゃるのだろうか・・・・まさか!またその辺で女性と仲良くやってるのでは!?」

結局やれることと言ったら愛する主人のことを想うことだが、あらぬ方向に向かってるような

尤も出かけて二十分しか経ってないから、本人はひたすら歩いてるだろう

三十分後

「ああ!もう心配だ!!そうだ!そうではないか!!私はご主人様を守る役目があるではないか!今行きます!ご主人様!!」

こうして愛紗も出かけてしまった

桃香と鈴々を残して

聖フランチェスカ学園 教室

「この教室も久しぶりだな」

「カズピー!」

「え?・・・・ああ、及川か」

「なんか間があらんかった?」

「気のせいだろ・・・で、新しい女でも出来たか?それとも振られたか?」

「うぐっ・・・カズピーわいがそれしかないと思ってるやろ?」

「違うのか!?」

「そない驚かんでも・・・そういや、昨日はどうしたんや?無断欠席して」

「!・・・・・・・・ちょっと旅に出てた」

「カズピーわてら親友やろ?彼女が出来たんなら言うてや!怒らんから」

「(・・・約二十人の美人とやってたって言ったら血涙出して怒るだろうな・・・・今は三人だけど)・・・彼女に会いに行ってました」

言葉に甘えて嘘をついた

「そうかそうか!カズピーにも春が来たんやな」

「そう・・なのか・・な?・・・ん?さっきから妙に廊下が騒がしくないか?」

「え?ほんまやな」

「北郷!美少女がお前のこと探してるぞ・・・ご主人様って言いながら・・・」

「!!??」

「か、カズピーどういうこ・・・ってカズピー!?」

及川が詰問しようとしたが一刀はそれどころではなかった

廊下

ある場所に人だかりが出来ていた

「ちょっと・・・通して」

「・・・あ!ご主人様!!」

「・・・・愛紗、何で居るの?」

「ご主人様が心配で」

「俺は大丈夫だから留守番しててって言ったよね?」

「はい・・・・・・・・すみませんでした!!」

「ちょっ!愛紗!?」

愛紗はいきなり土下座した

忠誠心の高い彼女にとって主人の言い付けを破るなど土下座でも生ぬるい程だ・・が、

第三者から見れば一刀が美少女にご主人様と呼ばせてその上、土下座させているように見える

同時に一刀は忘れていたかなり大事なことを忘れていた

「あ・・・(こっちでご主人様はいろいろとやばいんだっけ・・・・慣れって怖いな・・・じゃなくって)愛紗!顔を上げて!」

「すみません!!もう二度と破りませんからどうか嫌わないでください!!見捨てないでください!!」

半泣きぎみに言う愛紗

「「「「「「北郷・・・」」」」」

その一言はそれぞれに呆れ、軽蔑、怒りの声で一刀に向かっていた

「お願いだから顔上げて!!」

むしろこっちがマジ泣きだった

ポン

「北郷君?ちょっとこっちで話を聞こうか?そこの彼女も連れて」

挙句、教師に捕まった

「はい」

会議室

「北郷君、確かにうちの学園は自由と自己責任をモットーにしてるから学園に害が及ばない限り君が何をしようが勝手です・・・でもねぇ?」

「先生・・・・・・・・はい、今後は控えます」

完全に悪者扱いだが誤解だと説明できない

一刀は素直に認めることにした

「よろしい!・・・・で、今度はあなたですが」

「!・・はい」

「在籍してる学校は?」

「それは「北郷君は黙ってる!」・・・はい」

「それで?」

「・・・・・・・・ありません」

「では、働いている所は?」

「・・・・・・・・ありません」

「じゃあ住んでいる所は?」

「・・・・・男子寮のご主人様の部屋です」

「・・・・ふぅ・・・もう良いでしょう 好きにしなさい!くれぐれも学園に迷惑のかからないように・・・分かった?」

「・・・はい」

「なら、もういいわ」

「・・・失礼しました」

廊下

「はぁ・・・・・・」

「すみません!何か私のせいで大変なことになってしまって」

「もういいよ!それと・・ご主人様ってのは止めて これ以上面倒なことになっても困るから」

「はっ!・・・え?でも、でしたら何とお呼びすれば」

「うぅ~ん・・・北郷か一刀で良いんじゃない?」

「そ、そんな呼び捨てなんて・・・・では一刀様とお呼びしてよろしいですか?」

「うぅ~ん・・・・・・・・それで良いよ で、桃香と鈴々は?」

「え?寝てたので置いてきましたが」

「残し書きは?」

「・・・・・・・・あ!」

「もうさすがに起きてるよね?二人共」

「ええ、いくら何でももう起きてるでしょう」

「「(嫌な予感がする・・・・・いや、嫌な予感しかしない)」」

教室

「カズピー!!どういうことか「悪い!急用が出来た!今日は早退する!!」・・・行ってもうた」

こうして二人は寮に戻ることにした

 


 
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