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真・恋姫†無双 武と知の2人の御遣い伝 第20話

黒山羊さん

どうも、黒山羊です。
反董卓連合・ジェネシス編です。

次回は一刀編です。

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2011-03-27 18:49:29 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3401   閲覧ユーザー数:2983

この物語は真・恋姫†無双という外史に、

CRISIS CORE FINAL FANTASYⅦのジェネシス・ラプソードスが来たいう設定です。

作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、登場人物を原作通りにしたつもりです。

ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。

また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、

セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。

あらかじめご了承ください。

読者の皆様が楽しめたら幸いです

 

 

 

 

視点:ジェネシス

 

汜水関を出て3日目。

 

俺達は北上し、洛陽に向かっている。と言っても、もう目の前だ。

距離にして4・5kmと言った所。時刻は夜9時を過ぎたぐらいだ。現在の服装はこの世界の民のモノだ。昨日襲ってきた賊から好意で貰った。断じて、軽くぼこって、泣きながら土下座させて謝罪させた後に、奪ったものではない。

ついでにその他のモノも好意で貰った。金、履物、武器、食糧等など。

そして、先ほどまで来ていた服は背負えるタイプの竹籠に入れた。

当然この竹籠も好意で貰ったものだ。

繰り返すが、好意で貰ったものである。

 

 

鳳統も甘寧も周泰もそんな格好だ。洛陽の人間に何か聞かれたら、俺達は旅芸人で、俺達の関係は賊に襲われた村の生き残りと説明することになった。

これなら、不自然ではない。

 

 

それから、俺の正体がばれると董卓が殺されかねない。そのため、俺の偽名も考えた。

性は林、名は豪、字は孔正、真名は紅月と言うことになり、洛陽の中で誰か周りに居る時はこの呼び方になった。

俺達しかいない時は基本的に雛里からは『ジェネシスさん』と、甘寧と周泰からは『武の御遣い』と呼ばれるようになった。

 

髪型も変えた。

髪を全て後ろに流す。要するにオールバックだ。そして、ヘアバンドを着ける。

違和感がある……気持ち悪い…………。

 

 

それから、周泰と甘寧が董卓の調査と場合によっては救出保護の手助けをしてくれることになった。

俺が昨晩川に水を汲みに行っている間に雛里が説得したらしい。

さすが、軍師と言うだけはある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてどうしましょう?」

 

雛里は目の前の洛陽の城壁を触り、上を向いて言う。

周泰と甘寧も上を見る。

雛里は振り向き言う。

 

「洛陽に入る方法は2つです。

1つ目は明日の開門時間に此処から1番近い門に行き、正規の方法で洛陽に堂々と入る。

2つ目はこの城壁を昇り侵入する方法です。

私は後者が良いと思います。

前者の方法を取り、門番が張譲の手の者だった場合に、荷物を検査されたら、ジェネシスさんの服装から我々の正体がばれてしまいます。そうなると張譲が逃げてしまい、董卓が殺される可能性があります。

後者の場合、荷物検査が無いので、侵入してしまえばこっちのモノです。」

 

これを聞いた周泰は反論する。

 

「しかし、この城壁の頂上で張譲の手の者が見張りをしている可能性もあります。その場合、我々の侵入が見つかってしまう恐れがあります。

だったら、門番に袖の下をして、門から堂々と入る方法がよろしいのではないですか?」

 

「それも考えましたが、戦をしている時に片方の軍の本拠地である洛陽に袖の下で侵入しようとするのは敵軍の者と言っているようなものです。

賄賂の通じる相手なら問題ありませんが、そうとは限りません。」

 

「確かにそうだな。」

 

周泰の反論に隙のない再反論する雛里、そして、雛里の言葉に甘寧は頷き納得する。

俺も後者の方が好ましいと思うので、雛里の意見に賛成だ。

 

「そして、この侵入に関して最も重要な事は侵入の際に見つからないことです。

まず、誰かにこの城壁を1人で昇ってもらい、城壁の上の安全確認と確保をしてもらいます。

見つかった場合は洛陽の反対側まで敵をひきつけて、そのまま逃走してもらいます。」

 

「要するに最初の一人は囮だな。」

 

「……言い方を変えればそうです。」

 

 

「「…………。」」

 

甘寧と周泰は露骨に嫌そうな顔をする。

 

「俺が行こう。城壁を昇って安全確保すれば良いだけだろう。

安全確保できたら石を落とす。

それを合図に甘寧と周泰は登って来い。甘寧か周泰が上で見張りを俺と交代。俺は下に雛里を迎えに行く。

それで良いな。」

 

「お願いします。ジェネシスさん」

 

俺は少しかがむと垂直跳びをする。俺1人ならこの高さぐらい簡単なモノだ。

俺は城壁の上に着地する。城壁は幅およそ6mほど。見張り小屋は暗いうえに遠くて見えない。

見張りが巡回していない事も分かった。本陣がこんなお粗末な防衛で大丈夫なのか?まあ、侵入する側としては楽出来てうれしい限りだ。

城壁の内側の洛陽にも誰も居ない。そして、明りらしいモノは一か所を覗いて見えない。おそらくあそこが洛陽の宮殿なのだろう。

この近辺は腐臭が漂っている。感覚の鋭い俺には耐えがたい匂いだった。

 

俺は城壁から階段を使って城壁の内側に降りていく。

人の気配が全くと言っていいほどない。

俺は地面に落ちている石を拾い、再び城壁を登る。

さっき外側から跳んだ時に着地した所は……

 

 

 

 

此処だ。

俺は外側に石を落とす。数秒後石が地面に当たる音が聞こえた。

俺はその場で見張りを続ける。

最初に登ってきたのは甘寧だった。甘寧は両手の甲にかぎ爪を装着していた。なるほど、城壁の凹凸にかぎ爪を引っ掛けて城壁を登ってきたわけだな。

 

「見張りを頼む。と言っても、ここまで人気が無いとなると必要無いかもな。」

 

「そのようだな。」

 

俺は城壁から外側に飛び下りる。

着地した所には雛里が居た。

 

「上はどうでしたか?」

 

「巡回している兵は居ないようだ。」

 

「そうですか。

ジェネシスさん、私をどうやって城壁に運ぶのですか?」

 

洛陽の城壁は高く、ゆうに25mはある。さすがのソルジャークラス1stでも雛里を抱えて25mの垂直跳びは無理だ。

翼を使えば楽だが、俺が妖の類だというのが甘寧と周泰にバレテしまう。翼は絶対にNGだ。

剣の上に雛里に乗ってもらい討ちあげると言う方法も考えたが、雛里が着地の受け身を取れるとは思えないので却下。

 

俺は雛里を抱えると、助走をつける為に城壁から離れる。

 

「あのー、ジェネシスさん?」

 

雛里は何かを察したのか顔面蒼白になる。

そして、俺は城壁に向かって全力で走る。雛里が俺の腕の中でジタバタ暴れているので、俺は腕に力を入れる。

城壁に向かって弧を描くように走る。正面からぶつかるように走っては助走の意味が無くなってしまう。そのため、高跳びをするように弧を描いて助走をつける。

そして、その勢いで城壁を斜めに走り抜く。空中で体を反転させ、フィギュアスケートのような着地態勢を取る。

 

ザザーー

 

着地成功。だが、着地地点が甘寧と周泰が居る場所から200mほど離れてしまっている。

雛里は泡を吹いて白目をむきながら痙攣している。一度降ろして頬を指でつついてみるが、反応は無い。心音あり、呼吸あり。どうやら失神しているようだ。

 

「事前に説明しておくべきだったか?」

 

事前に説明したところでかえってビビらせることになってしまうのだから、言わない方がいいと思ったのだが……。

俺は雛里をおぶって甘寧と周泰に合流する。

 

「周泰も無事来れたようだな。」

 

「……。」

 

「おい、聞こえているのか?」

 

「はい!」

 

「声が大きいぞ、明命。」

 

「すみません……。

ところで、武の御遣い様、どうやって城壁を登ったのですか?」

 

「1回目は跳躍で、2回目は全力疾走で城壁を走っただけだが、」

 

「「……。」」

 

甘寧と周泰は唖然としている。

俺は2人の眉間を指で軽く押すと2人は反応した。

 

「いつまで此処にいるつもりだ?移動するぞ。」

 

「そうですね。」

 

「だが、何処に行くつもりだ?」

 

「廃屋でも探して、そこで朝を待つ。

朝までに雛里が目を覚まさなかったら2人は張譲と董卓の情報収集を頼む。俺は雛里の様子を見ている。」

 

「いいだろう。」

 

廃屋はすぐに見つかった。

家具は全く無かったが、掛け布団だけはあった。

雛里を俺の背中から降ろし、布団をかぶせる。甘寧と周泰も疲れたのか、布団をかぶり寝始めた。

俺は玄関付近に座りこむと見張りをする。

 

 

 

 

視点:周泰

 

私は朝の光に目が覚めました。

私は今任務で洛陽に来ています。任務の内容は武の御遣いの調査です。

 

 

 

 

現在の調査で分かった事は以下の通りです。

 

赤い服を羽織り、赤い剣を持っています。

髪は茶色。年齢はおそらく雪蓮様より少し年上ぐらい。

馬より速く走り、城壁より高く跳躍し、城壁を走って登るというデタラメな人です。

裏切り、裏切られることが何よりも嫌い。

 

そして、思春様の話によると『画竜点晴』という高速連続回転斬りという技を持っているらしいです。

私も見たかったです。

 

今の所分かっている事はこんなところです。

 

 

 

 

思春様も目が覚めたようです。

武の御遣い様は廃屋の玄関に座りこんでいます。

私は声をかけます。

 

「おはようございます。武の御遣い様。」

 

「周泰か、甘寧は?」

 

「起きているぞ。」

 

「雛里はまだ起きないようだし、洛陽の調査を頼んでいいか?」

 

「いいだろう。

董卓と張譲について調査したら良いのだな。」

 

「ああ、調査方法は任せる。

反董卓連合の総大将があの愚かな袁紹である限り時間はたっぷりあるから安心しろ。」

 

雪蓮様も仰っていましたけど、袁紹ってそんなにおつむの弱い人なのでしょうか?

 

「思春様、そんなに袁紹は頭の弱い人なのでしょうか?」

 

「袁紹は袁術の従姉妹だぞ。」

 

「納得です。」

 

袁術と言えば、飢饉で税を払うどころか、食べ物が無くなり死にそうになっている民に

「米が無いなら蜂蜜を舐めるのじゃ。」

と暴言を吐いた事で孫呉では有名です。

その言葉を雪蓮様から聞いた時はため息が出ました。

 

そんな袁術の従姉妹ならどうせ袁紹も『うましか』でしょう。

 

私と思春様は廃屋を出て、洛陽の街を散策します。

廃屋のある場所は洛陽の中心から南東の方に位置しています。

此処ら一帯は貧困街なのでしょうか?町全体から腐臭が漂っています。でもある店の中を覗いたら腐臭の原因が分かりました。

 

「人が腐っています……。」

 

店主らしき人が椅子に座り、机に体を預けた体勢で死んでいました。

頬はこけ、皺くちゃで、体はゴボウのように痩せ細っているのに、お腹が出ています。

典型的な餓死者といえる状態でした。餓死者のお腹が出るのは排泄物がお腹に溜まるからだそうです。

周りにはハエが飛びかい、蛆が死体を張っています。

他の店を見て回りますが、対して変わりません。

一番驚いたのは痩せ細った人が餓死者の肉を無心に食らっていて、声をかけたらこちらを見て

「美味そうだ。一口だけえ!」

と言って涎を垂らしながら襲いかかってきたのは衝撃的でした。

襲われそうになった私と思春様は全力で逃走し、武の御遣い様の居る廃屋に行きました。

 

「武の御遣い様。ここを拠点に活動するのは困難です。拠点を変更した方が良いと思います。

ここの住民のほとんどは餓死しているので、私達が居ると不自然です。」

 

「そこまで酷いのか?此処は?」

 

「ああ、此処は洛陽では無い。地獄だ。」

 

武の御遣い様の質問に思春様はハッキリと答えます。

その後思春様は武の御遣い様に此処一帯の状況を説明します。あの人に食われそうになったことも伝えます。

 

「分かった。此処より北上して宮殿の近くの町に方に向かい、拠点をそこに移そうか。」

 

武の御遣い様は鳳統様を抱えます。

鳳統様は抱えられたことで気が付いたのか目を覚ましました。

 

「ジェネシスさん……。此処は?」

 

「洛陽の南東の方だ。

此処一帯はほとんど餓死者で情報収集が出来ないから此処から北西に向かって適当な場所に拠点を置くつもりだが、それで良いか?」

 

「分かりました。では、それでお願いします。

それから、ジェネシスさん……。」

 

「何だ?」

 

「あのような方法で城壁を登るのならあらかじめ言って下さい。

今度やったら許さないです。」

 

「悪かったな。

でも、言った所でお前が怯えるだけだろ。」

 

「それはそうですが、心の準備はできます。」

 

「分かった。今度から雛里が驚くようなことがある時はあらかじめ言うぞ。」

 

「お願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

バキッ

 

 

突然廃屋の玄関から轟音が聞こえました。

私は後ろを見ると、

 

「美味しそうな奴は此処か?」

 

痩せ細った人が10人ほどで徒党を組んで、私達と言う食料を確保するためにこの廃屋を襲撃してきました。

 

「おい!」

 

武の御遣い様の方を見ると鳳統さんは武の御遣い様の腕の中で脱力しきっていました。

また気を失ったようです。

 

「林豪様、甘邦様、裏口から逃げましょう。

私が先導します。」

 

甘邦とは思春様の偽名です。

洛陽潜伏中に張譲に私達の存在が知られると大変な事になりかねないので偽名をつけました。

私の偽名は周平です。

私は裏口から出ようとします。

 

 

 

 

 

 

 

「ざーんねーーん!」

 

裏口にも10人ほど居て私達を襲ってきます。

逃げ場がありません。もうこの人達を倒していくしか、ありませんが、此処まで人が密集していると襲ってくる人達だけ斬るのは難しいです。

 

「周平、甘邦、2階へ行くぞ。」

 

武の御遣い様は階段をゆっくり上ります。私も思春様も続きます。

 

「急げ、もたもたするな!」

 

「慌てるな。甘邦!

アイツラは腹が減って動きが遅い。十分に引き付けて俺達が窓から脱出すれば、あいつらも釣られて窓から飛び下りる。

あそこまで体力が無いと落ちた衝撃に耐えきれないだろう。そうなれば、追われるおそれは無いだろう。」

 

確かに追いかけてくる人達は足が遅く、歩いても逃げ切れそうです。

ですが、囲まれて追われる以上この手段しかありません。

 

私達は2階の窓で追いかけてくる人達を引き付けます。2階に登ってきたのは12人。

8人来ませんでした。

たぶん、階段から落ちたのでしょう。轟音が聞こえましたので、

 

「へへへ、めーーしーーだーー。」

 

私達を襲ってきた賊は皆、飯だの肉だの美味そうだの口々に言います。

無い胸でも美味しく見えるのか、と内心喜びます。

 

「あ、ジェネシスさん……。」

 

鳳統さんは目を覚ましたようです。

しかし、

 

 

 

 

 

 

 

 

「雛里、目が覚めたか?飛び下りるぞ。」

 

「え?」

 

襲ってきたのと同時に私達は窓から飛び降ります。そして、襲ってきた人たちも窓から飛び降ります。

私達は着地に成功しますが、追ってきた人達は落下の衝撃に耐えきれない。

頭を打って死ぬ者。足から着地したものの骨が折れて骨が飛び出る者様々です。

武の御遣い様は鳳統さんに見えない様に体でこの光景を隠します。

 

「いきなり飛び下りるなんて怖かったです…。」

 

「だが、事前に言ったぞ。」

 

「直前すぎます。」

 

鳳統さんは涙目になって武の御遣い様に訴えます。

 

「泣き言は後で聞いてやるから、行くぞ。」

 

私達は洛陽の中心を縦に貫く大通りに向かいました。

 

 

 

 

視点:雛里

 

酷いです。洛陽に来てから碌な事がありません。

最初は城壁を走って登り、次に起きた時には凄い痩せ細った賊の顔が目の前にあり、最後には気が付いた次の瞬間には窓から飛び降りるとその都度気絶しています。

ジェネシスさん……酷いです。

 

今私は洛陽の大通りに来ています。ここは比較的に人がいます。先ほどまで歩いていた町は酷かったです。

今はこの洛陽の拠点を探さないといけません。

 

「まず、洛陽における拠点を探しましょう。拠点があれば集合もしやすいです。

私達が拠点を置くなら此処辺りが良いかと思います。

ここに居る限り私達は目立ちません。木を隠すなら森の中と言う言葉があります。」

 

「なるほど。

では何処か安い宿を探すとしよう。」

 

「それが良いと思います。私達は今旅人と言う身分です。

旅人が廃屋に住んでいたらおかしいですからね。」

 

私達は宿を探し始めます。

宿はすぐ見つかりました。値段は平原の宿屋の半分以下の値段でした。

おそらく旅人が少なく宿屋同士で価格競争になっているのだと思います。

 

「ごめんくださーい。」

 

「はいはい。お客様ですか?」

 

「はい、1カ月ほど泊めて欲しいのですが、4人だとどれぐらいになるでしょうか?」

 

「部屋は幾つ要りますか?」

 

「2つで、」

 

「ではこれぐらいになります。

しかし、ここ最近物価が高いので、食事抜きの値段になります。」

 

「安いですね。平原の半分の値段ですが、これでやっていけるのですか?」

 

私は驚いたように見せ、さっそく情報収集に入ります。

 

「それが、この値段じゃないと客足が途絶えてしまい、さらなる赤字なのですよ。

洛陽に来られる方が減ったので、客が減っても仕方が無いのですが……。」

 

「確かに、昔噂で聞いた花の都洛陽とは思えない様な荒れっぷりですが、洛陽に何があったのですか?」

 

「それが、長安の善政で有名だった董卓様がここ洛陽に来てしばらくの間は税制改革や貧困街での炊き出し等の善政を行っていたのですが、急に態度を変えられて税制は厳しくなり警羅もしなくなってしまい、善政は暴政に代わってしまったのです。

それで最近はひったくりや窃盗が多くて……。

ですが、不思議な事に董卓様の配下の華雄将軍様や張遼将軍様、呂布将軍様、賈駆様に陳宮様は我らに炊き出しを最近はよくしてくれるのです。

暴君董卓は暴政を働きながら、董卓の部下の将軍様達は我らによくしてくれるのです。」

 

「そうだったのですか。貴重な話ありがとうございます。

ところで、この近くに肉屋は有りませんか?道中で鹿を仕留めて干し肉にしたのですが、買い取ってくれそうな肉屋の場所が分からないのです。」

 

「ああ、それだったら………。」

 

宿の主人は懇切丁寧に肉屋の場所を教えてくれました。

 

さっきの宿屋の主人の話からすると、華雄さんの言っていたことは嘘ではなかったようです。

董卓さんが拉致監禁されている可能性も十分にあり得ます。

私は鹿の干し肉を売ると宿に戻り、甘寧さんと周泰さん、ジェネシスさんで会議を始めました。

ジェネシスさんと甘寧さんによると盗み聞きをしている人は居ないようです。

 

「まずは、張譲さんの屋敷と宮殿の警備の調査をしましょう。周泰さんと甘寧さん任せても構いませんか?」

 

「分かりました。では私は張譲の屋敷をしてもよろしいですか?」

 

「うむ。では私は宮殿の方をするとしよう。」

 

「お願いします。

私とジェネシスさんは反董卓や反張譲の義勇軍が洛陽内部に居ないかどうか調査してみます。」

 

「そいつらを利用するのか?」

 

「ええ、今回の袁紹からの反董卓連合の発起は実は張譲によるモノです。そのため、今ここで張譲を暗殺しては真相をしっている袁紹やその部下達は不審に思うでしょう。

ですから、自然な方法で殺す必要があります。」

 

「で、その自然な殺し方と言うのが、民の反乱か。」

 

甘寧さんの言葉に反応したジェネシスさんと周泰さんが甘寧さんの方を見ます。

疑問に思った周泰さんは私に質問してきます。

 

「反董卓派の義勇軍はどうするのですか?」

 

「反董卓派には宮殿を攻めてもらいます。」

 

「え?董卓は助けるのではないのですか?」

 

「はい、ですから、董卓を助けた後に偽物の董卓の居る宮殿を義勇軍には攻めてもらいます。」

 

「偽物の董卓はどうやって準備するのですか?」

 

「張譲の影武者を董卓に仕立て上げるのです。そうすれば、義勇軍は董卓を襲撃するでしょう。

要するに、表のあらすじはこうです。

董卓と張譲は服装が一緒なぐらい仲良しで、共に悪党。

そしてある日、董卓と張譲の暴政に耐え切れず、反董卓派の義勇軍は宮殿を襲撃し、反張譲派の義勇軍は張譲の自宅を襲撃します。

そして、董卓と張譲は仲好くこの世をおさらばします。

 

裏のあらすじは私達が反董卓派の義勇軍と反張譲派の義勇軍を扇動して、宮殿と張譲自宅を襲撃させます。それに乗じて董卓と賈駆を救出するというものです。」

 

「なるほど。

だが、いいのか?自分達の手で張譲を殺したかったのだろう?」

 

甘寧さんは私に聞いてきます。

確かに私は最初に自分の手で張譲を倒したいと言いました。

 

「義勇軍に紛れて、ジェネシスさんが張譲を討ちとれば良い話です。

ね、ジェネシスさん。」

 

「そうだな。それに俺が手をかけずとも日頃の鬱憤の溜まっている民に張譲は襲われるのだ。だたでは死なせてくれないだろう。

縊り、バラし、斬り、殺し。撲殺して刺殺して圧殺して、扼殺し突き殺し、射殺して、鏖殺されるだろう。」

 

「……わかった。明日から私はまず張譲の屋敷付近の地理と屋敷の警備を調べて置く。」

 

「私は宮殿の警備と賈駆の接触をしてみます。」

 

甘寧さんと周泰さんは作戦内容を把握してくれたようだ。

 

「お願いします。

では、今日はご飯を食べて、休みましょう。明日からと言う事にしましょう。」

 

作戦会議が終わると日は暮れていました。私達4人は宿を出て屋台へと向かいました。

2日前に襲ってきた賊から善意で貰った金がたくさんあったので、食べ物に困ることはありませんでした。

入った屋台は繁盛しているのか結構混んでいました。

私達は八半刻ほど待つと席に座れました。

甘寧さんと周泰さんはラーメンを食べ、ジェネシスさんは焼き飯と酒を一杯、私はジェネシスさんと同じ焼き飯を頼みました。

 

私は焼き飯を食べているとある事に気付きました。店の裏口から何人か店に入ってきて、店の奥へと消えていったのです。それも数度です。私が見ただけで、20人は店の奥へと消えていきました。

気になった私は3人に小声で聞きます。

 

「林豪さん、周平さん、甘邦さん。あれって……。」

 

「気付いたか。鳳統。」

 

甘寧さんは一瞬目を会わせますが、ラーメンを食べながら私の本名を言います。本名を呼ぶということはこの会話は誰にも聞かれていないのですね。

 

「さっそく、反董卓派か反張譲派のどちらかの義勇軍と接触できそうだな。」

 

「はい。ですが、接触は下調べをしてからの方が良いでしょう。明日はこの町をジェネシスさんと散策しながら、この店を監視してみます。」

 

私達は食べ終わると、しばらくの間雑談をして店を出て宿へと戻りました。

部屋割は私と甘寧さんと周泰さん、ジェネシスさんの2つ分かれました。

気になる異性と同じ部屋で寝るのは少し恥ずかしいですし、寝られるかどうか不安です。

 

私達は寝台に入ります。

すると周泰さんが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鳳統様は武の御遣い様の事が好きなのですか?」

 

「あわわ/////そ…しょんなこりょらいれしゅ!」

 

私は布団を被り無理やり寝ます。

こんな時は羊を数えるのが良いのでしたね。

羊が1匹、羊が2匹、羊が……。

 

 

 

 

どうも、黒山羊です。

如何だったでしょうか?

 

反董卓連合・ジェネシス編3回目は?

次回は一刀編と行こうと思っています。

 

少し前に桃香した「続・とある愛紗のヤンデレ暗黒日記」は如何だったでしょうか?

また、ヤンデレ暗黒日記を書こうと思っているのですが、誰を主人公として書こうか悩んでいます。3回連続で愛紗が病むと言うのも如何なものかと思いまして。

あ、それとも。一刀が飼育されていた3日間を具体的に書くのも有りですね。名付けて「ご主人様飼育日記」

ここのコメント欄でそれを書いていただけると嬉しいです。

希望が多ければ、実現化しようと思っています。

 

 

と言う訳で、今回の話の感想や「続・とある愛紗のヤンデレ暗黒日記」について書いてくれると嬉しいです。

多くのコメントと支援数が俺の元気の源となります。

ではでは、また次回にお会いしましょう。

 

 


 
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