No.207864

真・恋姫†無双~赤龍伝~第44話「赤斗の帰還」

さん

ついに赤斗が呉に帰還しました。だけど思春に疑われて…。

この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。

2011-03-24 01:32:03 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:4171   閲覧ユーザー数:3648

真・恋姫†無双~赤龍伝~第44話「赤斗の帰還」

 

 

 

小蓮「あっ、見えてきた♪」

 

藍里「やっと着きましたね」

 

建業の城壁が見えて、嬉しくなった小蓮と藍里が思わず声を出した。

 

赤斗「…………」

 

嶺上「どうした?」

 

赤斗「あ、いや。何でもない」

 

小蓮「もしかして、赤斗。帰ってこれたのに嬉しくないの?」

 

赤斗「そ、そんなことないよ。とても嬉しいよ。ひさしぶりに皆に会えるしね」

 

小蓮「そうよね。私も早くお母様やお姉ちゃんたちに会いたいもの♪ 早く行こう!」

 

赤斗「ああ、早く帰ろう」

 

恋「(コクン)」

 

藍里「はい!」

 

嶺上「応っ!」

 

そう言って、五人は建業に向かっていった。

 

 

――――建業――――

 

小蓮「着いたーーっ♪」

 

小蓮が建業に入って、大きな声で喜びを爆発させる。

 

赤斗「…………」

 

嶺上「さて、これからどうする?」

 

藍里「まずはお城に戻って、雪蓮様や蓮華様たちに帰ってきたことを報告するべきでしょう」

 

嶺上「そうだな」

 

小蓮「じゃあ、早くお城に行きましょう!」

 

藍里「はい」

 

赤斗「…………」

 

恋「……赤斗?」

 

赤斗「ん?」

 

恋「大丈夫?」

 

赤斗「ああ、大丈夫だよ。早く僕たちも行こう」

 

恋「……うん」

 

 

――玉座の間――

 

小蓮「お姉ちゃーーん!」

 

玉座の間に入った小蓮が蓮華に抱きついた。

 

玉座の間には、蓮華の他に思春がいた。

 

蓮華「小蓮っ!!」

 

小蓮「ただいま。お姉ちゃん!」

 

蓮華「しゃおれーーんっ!! あなた一体、今までどこに行ってたの!! 藍里、嶺上!」

 

藍里・嶺上「は、はいっ!」

 

蓮華「あなたたちがついていながら、これは一体どういうことなの?」

 

嶺上「そ、それは……」

 

嶺上は蓮華の迫力に押される。

 

藍里「蓮華様。申し訳ありません。私からご報告させていただきます」

 

蓮華「……わかった。説明を聞こうか」

 

藍里「私たちは小蓮様の護衛役として、許昌まで行ってまいりました」

 

蓮華「な、何、許昌だと!?」

 

藍里「はい。目的は…」

 

小蓮「シャオたちは、お姉ちゃんたちの代わりに赤斗を迎えに行っただけだもん!!」

 

藍里「小蓮様!」

 

小蓮「それなのに、そんなに怒らなくてもいいじゃない!」

 

蓮華「何だと、小蓮! あなたって子は、いつも勝手なことをして、いい加減にしろ!」

 

小蓮「何よー! シャオだって、呉のために頑張ってるのに!」

 

蓮華と小蓮は姉妹喧嘩を始めてしまった。

 

藍里「あのぉ、蓮華様、小蓮様……」

 

嶺上「あーあ、始まってしまったな。せっかく藍里が上手く説明しようとしてたのに、姫様たちもせっかちだな」

 

 

蓮華「ちょっと待て! 赤斗を迎えに行っただと! ということは……」

 

藍里「はい。赤斗様も一緒に帰ってまいりました」

 

蓮華「!!」

 

思春「…………」

 

その時、玉座の間に赤斗が入ってきた。

 

蓮華「……赤…斗」

 

赤斗「蓮華。ひさしぶりだね。元気だった?」

 

蓮華「赤斗っ!」

 

蓮華が赤斗に向かって駆けだした。

 

思春「お待ちください、蓮華様!」

 

蓮華と赤斗の間に思春が割って入る。

 

蓮華「思春?」

 

赤斗「やあ、思春。ひさしぶり」

 

キッ

 

赤斗「うっ」

 

思春は赤斗を鋭い視線で睨みつける。

 

思春「まだ、この者が曹操の刺客でないとは限りません」

 

蓮華「思春、何を!?」

 

藍里「思春ちゃん!?」

 

小蓮「ちょっと思春。何を言ってんのよ!」

 

嶺上「まあ、確かに可能性がないわけではないな。たが、思春! 本当にそう思っているのか?」

 

思春「可能性がある以上、蓮華様に近づけるわけにはいかない」

 

赤斗「…………」

 

 

蓮華「思春。いい加減にしなさい! 仲間を赤斗を疑うつもり!」

 

思春「……はい」

 

蓮華「…………」

 

赤斗「…………」

 

藍里「では、どうすれば赤斗様の疑いは晴れるの、思春ちゃん?」

 

思春「決まっています。……私と立ち合え!!」

 

蓮華「思春っ!!」

 

藍里「思春ちゃんと赤斗様が戦って、どうして赤斗様の疑いが晴れるの?」

 

思春「…………」

 

藍里「思春ちゃん。どうなんですか?」

 

思春「…………」

 

蓮華「思春っ! 何か言いなさい!」

 

赤斗「いいよ。僕が思春と立ち合うことで、疑いが晴れるなら戦おう」

 

蓮華・小蓮「赤斗っ!」

 

藍里「よろしいのですか?」

 

赤斗「ああ。……で、どこでやる? まさか、玉座で戦うわけにはいかないだろ」

 

思春「……以前、お前と戦った親衛隊の訓練場でどうだ?」

 

赤斗「あそこか。僕はかまわないよ」

 

思春「ならば行くぞ」

 

 

赤斗たちは親衛隊の訓練場までやってきた。

 

訓練場の舞台の上には、赤斗と思春、審判役の嶺上が上がっていた。それを蓮華、小蓮、藍里、恋が見守っていた。

 

玉座の間から訓練場までの間に、待たせていた恋と合流した。

 

恋を見た蓮華と思春は、かなり驚き警戒していたが、藍里がなんとか説得してくれた。

 

嶺上「二人とも準備はいいな」

 

思春「(コクン)」

 

赤斗「…………ぅ」

 

嶺上「赤斗?」

 

赤斗「ああ……悪い。僕ならいつでも平気だよ………」

 

嶺上「そうか。………なら、始めっ!」

 

ザッ

 

思春が鈴音を抜いて、赤斗に迫った。

 

しかし、赤斗は動かない。そして、そのまま思春に身体を預けるように倒れた。

 

思春「な、何を!?」

 

思春は反射的に赤斗の身体を受け止める。

 

思春「……お、お前!?」

 

思春は驚いた。赤斗の身体が燃えるように熱くなっていたからだ。

 

蓮華・小蓮「赤斗っ!」

 

藍里「赤斗様っ!」

 

思春「なりません!!」

 

蓮華たちが舞台に上がって駆けよってくるのを、思春が制止した。

 

蓮華「えっ?」

 

思春「流行り病かもしれません。だから、それ以上近づいてはなりません」

 

藍里「けど……」

 

思春「看病なら、私が……」

 

嶺上「ふうーん」

 

藍里「蓮華様」

 

蓮華「分かったわ。思春。お願いね」

 

思春「はい」

 

赤斗を担いで思春は、医者のもとに向かった。

 

 

――火蓮の屋敷――

 

火蓮「よく戻ってきた」

 

藍里「はい。遅くなって申し訳ありませんでした」

 

火蓮「よい。藍里も嶺上もよくやってくれた。それで赤斗の容体はどうなんだ?」

 

藍里「医者の診立てでは、過労による発熱だとの事です。二、三日ゆっくり休めば良くなるそうです」

 

火蓮「過労……か」

 

藍里「魏から呉に帰って来られ、気が緩んだのかもしれません。今は思春ちゃんが付きっきりで看病をしています。部屋の外では呂布さんが動きません」

 

火蓮「そうか。それにしても、呂奉先まで連れて帰ってくるとは思わなかったぞ」

 

藍里「蓮華様に説明するのに苦労しました。しかし、彼女は孫呉についたのではなく、あくまで赤斗様についてきただけですので……」

 

火蓮「はは……赤斗に懐いたか。まるで犬猫だな。これは戦力として当てにしない方がいいな」

 

藍里「それがよろしいかと」

 

火蓮「もうすぐ雪蓮たちも、豪族たちの反乱を収めて戻ってくる。これで久方ぶりに皆揃うな♪」

 

藍里「はい♪」

 

 

 

つづく


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
25
3

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択