No.207049

真・恋姫†無双~赤龍伝~第43話「再会」

さん

この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。今回から呉√に戻っていきます。
また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。

2011-03-19 17:16:59 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4437   閲覧ユーザー数:3862

真・恋姫†無双~赤龍伝~第43話「再会」

 

 

 

――――許昌――――

 

赤斗「さて、これからどうしようか?」

 

恋「……赤斗、お腹空いた」

 

赤斗「ああ、そうだね。まずは何か食べようか。城の厨房から何か貰ってくれば良かったかな」

 

曹操から馬を二頭と呉まで必要であろう路銀をいくらか貰った赤斗たちは、城を出て街中を歩いていた。

 

嶺上「だから、このまま城に殴りこもう!」

 

小蓮「それがいいわ! 今すぐ行きましょう!」

 

藍里「何メチャクチャなこと言っているんですか、二人とも」

 

ある店の前を通りかかった時、物騒な相談をしている懐かしい声が聞こえた。

 

赤斗「今の声……」

 

恋「どうしたの?」

 

赤斗たちは、声が聞こえた店の前で立ち止まった。

 

すると、勢いよくその店の戸が開かれた。

 

小蓮「よし行くわよ、嶺上!!」

 

嶺上「応!」

 

藍里「ちょっと待ってください、二人とも!」

 

店から興奮した小蓮と嶺上。そして、二人を止めようとしている藍里が出てきた。

 

小蓮・嶺上「あっ」

 

赤斗「……やっほー」

 

藍里「せ…赤斗……様?」

 

赤斗「……ひさしぶり、三人とも」

 

小蓮「赤斗ーーっ!!」

 

赤斗「おわっ!?」

 

赤斗に小蓮が抱きついてきた。

 

嶺上「よう、ひさしぶりだな。元気にしていたか?」

 

赤斗「ああ、元気だよ。みんなも元気そうだね」

 

藍里「はいっ! 本当にご無事で良かった……うぅ」

 

藍里の目から涙が溢れ出してきた。

 

赤斗「あ、藍里。泣かないでよ」

 

藍里「す…すみません。けど……うう」

 

赤斗「そ、そうだ、何で三人とも許昌にいるの?」

 

困った赤斗は、無理やり話を変える。

 

小蓮「赤斗を迎えにきたに決まってるでしょ!」

 

赤斗「そ、そうなのか。ありがとう。……藍里。火蓮さんは?」

 

藍里「ご安心ください。火蓮様はご無事です」

 

赤斗「よかった……。家督を譲って隠居したって聞いていたけど、本当かどうか分からなくて、心配してたんだ」

 

心の底から赤斗は安堵した。

 

小蓮「お母様なら元気よ。華佗がお母様を治してくれたのよ」

 

赤斗「華佗って、あの華佗か? 魏じゃなくて、呉にいるのか?」

 

嶺上「あのかどうかは分からないが、火蓮さんを救ったのは華佗という医者だ」

 

赤斗「やっぱり女なのか?」

 

嶺上「いや、華佗は男だぞ」

 

赤斗「……へえ~」

 

赤斗(なぜ、華佗は男?)

 

 

小蓮「赤斗は曹操のところから逃げてきたの?」

 

赤斗「いや。……ちょうどね、これから皆のところに帰ろうと思っていたところさ」

 

藍里「では、一緒に帰れるのですね!」

 

赤斗「ああ」

 

嶺上「なあ、赤斗」

 

赤斗「何だい嶺上?」

 

嶺上「お前の後ろにくっついているのは何だ?」

 

赤斗「後ろ?」

 

赤斗は首から小蓮をぶら下げたまま、後ろへ振り向いた。

 

赤斗「ああ、恋のことか」

 

小蓮「その子も一緒に行くの?」

 

赤斗「ああ、恋も一緒に帰るよ」

 

藍里「そうなのですか? 失礼ですが、今の名前は真名でしょうか?」

 

赤斗「うん。今のは真名で、この子の名前は……」

 

恋「……呂布」

 

小蓮・藍里「え?」

 

嶺上「何だと?」

 

赤斗「彼女は呂布。あの飛将軍呂布だよ」

 

三人「なーーーーっ!!」

 

 

赤斗たちは呉に向かって街道を進んでいた。

 

嶺上「なあ藍里。あれはいいのか?」

 

藍里「あれとは?」

 

嶺上「もちろん呂布のことだ」

 

嶺上は前を進む赤斗、小蓮、そして恋を見て言った。

 

藍里「どうやって飛将軍呂布を仲間に引き入れたかは分かりませんが、この場合は仕方がないでしょう」

 

嶺上「ふぅん…………そうか」

 

小蓮「感謝してよね、赤斗♪ 忙しいお姉ちゃんたちに代わって、シャオが迎えに来てあげたんだから♪」

 

赤斗「ははっ、ありがとう。シャオ。感謝してるよ」

 

小蓮「へへー♪」

 

赤斗「そうだ、藍里!」

 

藍里「は、はい! 何でしょうか?」

 

赤斗「火蓮さんが雪蓮に家督を譲ってから、豪族たちが反乱を起こしたと聞いたよ。そのせいで、劉備さんたちを助けに行けなかったとも聞いたけど………本当かい?」

 

藍里「はい。……本当です。残念ですが、火蓮様から雪蓮様に家督が譲られたことにより、江東の豪族たちが反乱を起こしました。もちろん、豪族全てではありませんが……」

 

赤斗「…………」

 

藍里「今、雪蓮様たちが再び豪族をまとめようと戦っておられます。……劉備さんたちが呉に助けを求めてきたのは、私たちが呉を出発した後だと思うので詳しくことは分かりませんが、雪蓮様も助けにいく余裕がなかったのでしょう。……劉備さんには気の毒とは思いますが」

 

赤斗「そうなんだ……」

 

嶺上「しかし、よく知っているな。曹操から聞いたのか?」

 

赤斗「袁紹に追われて、徐州を脱出しようとしている劉備さんたちに会ったんだ」

 

藍里「そうでしたか……」

 

嶺上「なるほど直接聞いたのか」

 

赤斗「ああ」

 

 

小蓮「あー、もう暗い話ばかりして! 藍里! 良い知らせもあるでしょう!」

 

藍里「は、はい、すみません!」

 

赤斗「良い知らせ?」

 

小蓮「うん♪」

 

藍里「お喜びください! 赤斗様のお師匠様が見つかったんです!!」

 

赤斗「…………」

 

赤斗は完全に停止してしまった。

 

小蓮「あれ、赤斗?」

 

嶺上「おーーい、どうした?」

 

藍里「赤斗様?」

 

赤斗「…………本当に?」

 

小さな声で赤斗は尋ねる。

 

小蓮「シャオは嘘つかないもーん♪」

 

赤斗「………はは、…………はーっははははは」

 

赤斗は笑いだした。

 

恋「?」

 

小蓮「え、ちょっと赤斗?」

 

嶺上「大丈夫か?」

 

赤斗「はーっははははは……、ごめんごめん。嬉しくて、つい♪ はっははははは……、やっぱり生きてたんだ。はっははははは……」

 

赤斗は笑いが止まらなかった。

 

 

赤斗「はっははははは。で、先生は今どこにいるの?」

 

藍里「それが……」

 

嶺上「現れたと思ったら、すぐに居なくなった」

 

赤斗「居なくなった?」

 

藍里「はい……残念ながら」

 

赤斗「別にいいよ。生きていることが分かればね♪」

 

小蓮「でも、どこに行っちゃったんだろ?」

 

藍里「なにやら調べたいことがあると仰っていましたが……」

 

赤斗「調べたいことって?」

 

藍里「さあ、そこまでは……申し訳ありません」

 

赤斗「いいって、いいって♪ 先生らしい」

 

赤斗はとても上機嫌だった。

 

 

 

つづく


 
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