No.206173

真・恋姫†無双 ー紅白の天ー ホワイトデー前日編

黒山羊さん

ホワイトデーが近づいてきたので、作品を書きました。
時間軸的には拠点3のジェネシス編直後ということで。

拠点3 ジェネシス編
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2011-03-12 22:02:48 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:2611   閲覧ユーザー数:2329

この物語は真・恋姫†無双という外史に、

CRISIS CORE FINAL FANTASYⅦのジェネシス・ラプソードスが来たいう設定です。

作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、(CCFF7:現在4周目のジュノン前)

登場人物を原作通りにしたつもりです。

ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。

また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、

セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。

あらかじめご了承ください。

読者の皆様が楽しめたら幸いです

 

 

 

 

視点:一刀

 

今日は3月13日。

俺の世界で3月13日と言えば、

3に1が挟まれているという意味でのサンドイッチデーや

新鮮組が正式に発足した新鮮組の日等と言われている。

 

だが、今問題はそれでは無い。

 

そう、ハーレム属性の主人公で最大の厄日。ホワイトデーの前日なのだ。

 

ハーレム属性がなくてもホワイトデーにはバレンタインデーのお返しを3倍にして返さなければならない故に結局は俺の財布にとって厄日である。

 

何故、日本のお菓子メーカーの陰謀の日を知っているかと言うと、バレンタインデー前々日にした酒宴で桃香達に話したからで、何故、話したかというと俺の世界の祭りについて盛り上がったからだと、星が教えてくれた。

 

酔っ払って、記憶に無い。

 

少し、あの壮絶なるバレンタインデーの前日と当日のことを話そう。

 

 

 

 

― 回 想 ―

 

 

本日は2月13日。本日の通常の政務がほぼストップした。

なぜなら、突然、桃香達6人が休日届を出してきたのだ。

最初は1人だけかと思いきや。ゾロゾロ来て、最初の方だけ受理して他を追い帰すのはどうかと思い、最後の桃香の休日届を受理した。

 

原因は不明。

心当たりはないと思う。

昨日は酒を飲み過ぎて記憶が無い。

 

桃香、朱里、雛里は執務室に来ないし、

愛紗は俺を避ける。

鈴々と星は町に行ってしまった。

 

だから、執務室には侍女さん達が大量の竹簡を持ってきて、山積みになっている。なんとかして、二日酔いと格闘しながら、午前中の政務が終わった。

俺は昼食をとるために、厨房に向かう。

 

ガチャ

 

厨房の扉を開くと、そこには朱里と雛里と桃香が料理をしていた。

厨房の片隅ではジェネシスさんが椅子に座りLOVELESSを読んでいた。

そして、時々誰かがジェネシスさんに話しかけている。話しかけられたジェネシスさんは本を閉じ、その話しかけた相手の後ろについていく。

そして、何か指示を出しているようだ。

俺は気になって聞いてみた。

 

「皆何してるの?」

 

「はわわ! ご主人様!」

 

「駄目だよ。ご主人様。此処に来ちゃ。」

 

朱里と桃香が近づいてきて、俺の背中を押して、厨房から追い出そうとする。

俺は必死に食い下がるが。

 

「ジェネシスさん、お願い。」

 

桃香は俺の背中を力いっぱい押しながら後ろにいるジェネシスさんに言う。

ジェネシスさんは俺の肩を掴むと

 

 

 

 

「街に行くか。」

 

と言うと城門に向かって歩いていく。

俺はジェネシスさんが教えてくれると思い、ついていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2分ほど歩くと街へと出た。

 

俺は腹がすいていたので、ジェネシスさんに屋台で昼食をとりたいと言うと、ジェネシスさんは了承してくれた。

俺は行きつけのラーメン屋に入ると、店主は一瞬ジェネシスさんを見て驚くが、俺たちをいつも俺が座っている席に案内してくれた。

俺が何時も座っている席は入り口から近くて、厨房が覗ける特等席だ。

 

俺はいつものを頼む。

 

「純チャ出来コテ出来ネギ多で」

 

今の呪文は簡単に言うと『純粋な豚骨チャーシューメンの出来るだけコッテリで出来るだけネギ多め』というのを約して言ったものだ。

純粋でない豚骨チャーシューメンとは魚出汁が半分入った豚骨チャーシューメンのことである。

 

ジェネシスさんは豚まんと餃子を頼む。

そんなに腹が減っていないらしい。

 

俺はジェネシスさんに聞く。

 

「で、俺は何で厨房から追い出されたのですか?」

 

「明日は何の日か知ってるか?」

 

「明日ですか?」

 

何だろう?

明日は2月14日。

イギリスのクローン羊ドリーが死んだ日だったと思う。

それ以外は……。

 

 

「もしかして、バレンタインデーですか?」

 

「そうだ。」

 

「でも、俺が厨房から追い出された原因とどう関係が?」

 

「水鳥は優雅に水面を進むが、水の下で必死に水をかいているのは見せないだろ。

それと同じだ。」

 

「ようするに、どういうことですか?」

 

ジェネシスさんはため息をつくと、答えてくた。

 

「分からないか。鈍感だな。

お前に渡したいモノを必死に作っている姿を見せたくないってことだ。」

 

「へえ?」

 

俺は間抜けな声が出てしまう。

おそらく、顔も豆が鳩鉄砲…じゃなくて、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているだろう。

今思ったが、鳩鉄砲ってどんな武器だろう?   少し想像してしまったが、あり得ない図だった。

 

それより、厨房に居た3人は俺の為にお菓子を手作りしているだと?

うれしさのあまり涙が出てきた。

ラーメン鉢の中に涙が落ちる。

 

「御遣い様…。涙を流しながらラーメン食べる姿は異様です………。

もう1人の御遣い様は席を離して、向こうを向いて食べてますよ。」

 

と店主が苦笑いしながら言ってくる。

隣に座っていたはずのジェネシスさんは2つ程席を移動して、俺に背中を向けて肉まんを食べている。

 

ごめんなさい。店主さん。ジェネシスさん。

俺嬉しかったんです。

だから、湯も凍りそうなぐらいの冷たい目でこっちを見ないで!

お願いだから…。

 

俺は気になったことをジェネシスさんに聞いてみた。

 

「ねえ、ジェネシスさん。

もしかして、愛紗が余所余所しかったり、鈴々、星が街に行ってしまったのもそういうこと?」

 

「おそらく、そうだろうな。」

 

ジェネシスさんはこちらを向かず、背を向けたまま答える。

 

「おそらく?」

 

「ああ、桃香は俺にバレンタインの為のお菓子作りを教えてくれと言ってきたし、朱里と雛里は俺の国のお菓子を知りたいと言ってきたが、

関羽、鈴々、星は何も言ってきていないから、知らないだけだ。」

 

なるほど。

俺はクッキーぐらいなら知っているが、その程度。

 

ジェネシスさんは料理に詳しく、頭の中のお菓子のレシピは20はあると言う。そして、この世界の果物や茶を使えば、新しい組み合わせが出来るからレシピは30近くになると言う。

それだけレシピがあったら、料理初心者の桃香も料理が得意で好きな朱里と雛里は気になるだろう。

 

愛紗は料理が好きだが、ジェネシスさんと仲悪いままだ。

愛紗はジェネシスさんが居ない今、厨房を使っているのだろうか?

 

鈴々は作る側の人じゃない。

おそらくお菓子を当日買うための下見に行っているのだろう。

 

星はどうするんだろう?

さすがに今回メンマは無いだろう。

メンマのお菓子なんてあるわけないしww

あったら怖いわww

 

俺は皆が今日休日にした理由が分かり、安心する。

 

「分かりました。」

 

俺はラーメンを食べ終わると、立ち上がる。

 

「教えてくれてありがとうございます。ジェネシスさん。

俺、皆の為に今から政務頑張ってきます。」

 

俺はジェネシスさんに礼を言うと、ラーメン代をカウンターに置き、店から走って出た。

 

行き先は執務室。

 

 

 

 

 

俺今日はサボらずに頑張ろう。

皆明日俺にお菓子を渡すために頑張ってるんだ。

だったら、俺は皆の為に政務をしよう。

 

いつも4人がかりでしている政務を今日は俺1人で頑張った。

いつも、手伝ってくれる朱里と雛里は頭の回転が速いので仕事の効率が良いから、日が暮れる時には終わっている。

 

しかし、今日は1人。

 

今日の政務が終わったころには、今日が昨日になり、2月14日は今日になっていた。

朝日がまぶしい。

俺は昨日の…2月13日の執務が終わった瞬間眠くなり、自室に行くと寝台に倒れ込んだ。

 

 

 

 

「………じ……ま。」

 

何か聞こえる。

誰かが俺を呼んでいる?

そして、俺を呼んでいる人は俺の肩を何度も激しく揺すってくる。

俺は寝台に倒れ込んだ状態で服は昨日のままでうつ伏せで倒れている。

俺は眠いんだ。少し寝かせてくれ。

だが、俺は俺を今呼ぼうとしている人の声を知っている。

この声は…

 

 

 

 

桃香?

 

 

 

俺は寝返りを打ち、仰向けになると目を開ける。

うお、眩しい!

寝返りを打って、頭のある場所は日なただったか。

俺は眩しさに耐え切れず、目を瞑り、起き上がる。

起き上がった俺は数度腕で目を擦ると、目を開ける。桃香が目の前に居た。

 

「よかった。愛紗ちゃんの料理でも食べたのかと心配したんだよ。」

 

桃香、お前酷いな。

天然で言っているんだろうけど、愛紗が聞いたら泣くぞ。

確実に。

 

「どうしたの?桃香?俺の部屋に居るってことは俺に何か用事?」

 

「うん。ご主人様がなかなか執務室に来ないから、探してたの。」

 

「ワリィ。昨日1人で政務してて、何とか昨日の分は朝には終わったんだけど、眠くて眠くて…。」

 

「え!昨日の分終わってたの?いつも4人がかりでするあれを?」

 

「ああ。」

 

「すごい…。」

 

「そりゃ、昨日は皆今日の、バレンタインデーの為に頑張ってたんだろう。」

 

「だから、俺が皆からの贈り物を受け取れるように余裕を作っておかなくっちゃと思ってな…。」

 

「ありがとう。ご主人様。」

 

桃香は俺に抱きつく。

俺の背中に手を回し、桃香の顔は俺の左肩の上にあって、俺からは見えない。

桃香良い香りがするし、胸が当たってる。

やばい、頭がくらくらしてきた。

俺は抱き返す。

理性という名前の鎧が外れそう…

 

 

 

バアン

 

 

突然扉が開く。

扉を開けたのは愛紗だった。

 

「ご主人様!バレンタインデーの贈り物をちゅ…しょ……。」

 

愛紗は俺の部屋に入ってきて勢いよく言うが愛紗は抱き合っている姿を見て、言葉が詰まっていく。

わなわなと愛紗の手は震えている。

 

「ご主人様…。」

 

「待て!落ち着け、愛紗!

壺を置け。な、人間言葉があるんだ。話そう。話せば分かる。

力を使うのは最後の手段で相手が話を聞いてくれない時だけだよ。

俺は話聞くよ。愛紗も話しようよ。

そうそう、深呼吸をしよう。

はい、吸ってえーーー。吐いてえーーー。

はい、違うよ。深呼吸はモノを投げる前にするものじゃないよ。

落ち着こう。ね。愛紗さん。

般若みたいな顔をして、壺を持って準備運動しないでお願いだから…」

 

 

考えろ! 北郷一刀!

 

何を言えば、愛紗は落ち着く?壺を置いてくれる?

方法はあるのか?

今の状態だと聞く耳持たずだ。

だったら、どう言えば、聞く耳を持ってくれる?

今桃香と抱き合っている事を説明してもおそらく無理だろう。

 

だったら、全く違う話題を出せば…

 

でも、どんな話題だ?

愛紗が聞く耳持ってくれる話題とは何だ?

愛紗が俺に言われたい言葉を言ってみるか?

その言葉とはなんだ?

 

愛紗が俺に言われてうれしくて真実の言葉…。

 

 

 

 

分かった!

 

この言葉だ!

 

 

「愛紗!」

 

だが、時すでに遅し、俺の目と鼻の先に壺は迫っていた。

 

ガァン

 

「たわう゛ぁ!」

 

俺の眉間に壺は当たる。

それも、野球選手顔負けの剛速球で…

そんなものが俺の頭に当たって俺は無事なはずが無い。

 

クソッ…もっと早く言えば良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛紗、愛してる」と……

 

 

 

でも、よくよく考えれば、桃香を抱きしめている状態で言っても説得力ゼロだな。

つまり、俺は最初からチェックメイトだったわけか。

 

俺は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ガクッ

 

 

 

 

 

 

目が覚めると、さっきまで寝ていた寝台だった。

俺の部屋には朱里と桃香がいた。

朱里は俺の枕元に座っているが、椅子に座ったまま寝ている。

桃香は元々置いてあった俺の机で政務をしている。

俺は体が動かなかった。声も上手く出せない。

俺は必死に朱里を呼んでみた。

 

「じゅ……り………。」

 

「はわわ!

皆さん、ご主人様が目を覚ましました!」

 

「本当!?」

 

「ど……う…が」

 

俺は上手く体が動かない。

聞き取りは出来るが、上手く話せない。

どうした俺の体!?

 

「ご主人様。無理をしないでください。落ち着いて聞いてくださいね。」

 

朱里はそう言うと、泣き始めた。

涙は滝のように目から俺の布団へと落ちる。

そして、腕で涙を拭う。そして、朱里は深呼吸をし、必死に涙を止めようとする。

涙が止まった朱里は言う。

 

「医者の話によると頭に何らかの衝撃が与えられて、頭の中で内出血しているそうです。

命には別状ないのですが、もしかしたら、一生このまま不自由の体かも知れません。」

 

朱里はそう言うと号泣し始めた。

号泣する朱里を桃香は椅子から立ち上がり朱里の元に駆け寄ると、朱里を静かに抱きしめる。

桃香も泣いている。

 

 

え?

俺一生、このまま?

俺体が不自由なまま一生をすごさなければならないの?

嫌だ。俺は未だこの世界を平和に導いていない。

たくさんの民を助けていない。

民を助けようとする桃香達の支えとなっていない。

嫌だ。動いてくれ。

 

俺は涙腺から涙が流れる。

 

しばらくして、鈴々、雛里が来る。

 

「おにいちゃん……。

鈴々がこれからも守ってあげるのだ。だから…大丈夫なのだ……。」

 

鈴々はそう言うが声に力が無い。

 

「ご主人様…。」

 

雛里は動かない俺の右手を力一杯握ってくれる。

手が温い液体で濡れてくる。そうか、雛里。君も俺の為に泣いてくれるのか。

 

しばらくして、星が俺の部屋に駆け込んできた。

星は息を切らしながら言う。

 

「桃香様。愛紗を止めてください。」

 

「どうしたの?星ちゃん!?」

 

「愛紗が城壁から身の投げようとしています。

今は兵たちが阻止しようとしていますが、押えきれません。

飛び下りるのも時間の問題かと…。」

 

「えぇ!どこの城壁?」

 

「東の城壁です。」

 

愛紗が自殺しようとしている!?

桃香は執務室を飛び出した。

待ってくれ。俺も愛紗に言いたい事がある。

俺は必死に星に言う。

 

「ぜい!…。お゛れを……じょ…へきに……づれて…い…でぐ……れ………。」

 

星に俺の気持ちが伝わったのか、星は俺を起こしてくれた。そして、肩を貸してくれる。俺は星に支えられて、城壁へと向かった。

 

城壁には泣きながら、暴れる愛紗が居た。

俺は星に愛紗の所に連れていくように頼む。星には俺の意思が伝わったのか。

愛紗の目の前に来ると、俺を愛紗に向かって押した。

俺は体が不自由なので、地面に倒れかけるが、愛紗が受け止めてくれる。

俺は愛紗の肩に頭を乗せ、耳元に口を持っていき、愛紗に想いを伝える。

 

「あ゛いじゃ…。おで…どうがも…ずき…だげ…ど………、あい…じゃも…ずき……だが…ら……じ…ぬ………なん…でい゛う゛ぁ…なヴぃ……で。」

 

「ごめんなさい。ご主人様。」

 

愛紗は泣きながら、俺を抱きしめてくれた。

愛紗は半刻程誤りながら泣き続けた。そして、愛紗は泣き疲れたのか、俺を抱きしめたまま寝始めた。

 

 

その後、俺はジェネシスさんに、愛紗は星に抱えられて、俺の部屋に行った。

 

 

 

 

 

そして、愛紗が目を覚ましてから、桃香の提案でバレンタインデーの贈り物をする事になった。

 

 

始めにくれたのは桃香だった。

桃香は卵の白身を泡立てモノであるメレンゲにクルミを入れて焼いたものを俺とジェネシスさんにくれた。

このお菓子はジェネシスさんに教わったという。

桃香は俺に食べさせてくれる。このお菓子はサクサクしていてほのかに甘く、クルミの香ばしい感じがした。

 

 

次にくれたのは鈴々だった。

鈴々は昨日、街中のあんまん屋を周り一番おいしかったあんまんを2つ買ってきてくれた。

1つは俺にもう1つはジェネシスさんに渡した。

 

 

3番目は朱里と雛里だった。

朱里と雛里がくれたモノはシュークリームだった。

シュークリームは大きかったので、朱里はちぎって俺の口に運んでくれた。

何かこそばゆかった/////。

 

それを見た雛里はジェネシスさんにシュークリームで餌づけをしようとするが、最初はジェネシスさんは無視する。雛里が泣きそうになると観念した。

そして、雛里はこちらをちらりと見るとニヤリと笑った。

雛里は楽しそうだ。

ジェネシスさんは雛里になされるがままだった。

 

 

次にくれたのは星だった。

…………最初は何か分からなかったが、良く見ると大量のメンマの乗ったパフェだった。何故、パフェにメンマが乗ってるの?

星は

 

「メンマの園の『超めんまぱふぇ』ですぞ。主。」

 

と言って、蓮華でパフェを掬うと俺の口元に運ぶ。

ハッキリ言って凄かった。メンマ味だった。

ジェネシスさんには『メンマパフェ』が贈られ、ジェネシスさんは無言で食べると、相変わらずだなと言った。

前も食べた事あるの?ジェネシスさん?

 

 

最後は愛紗だった。

愛紗は……

 

 

 

 

 

 

 

 

謎の激甘らーめんだった。

 

 

 

 

 

 

汁がはちみつ8割で魚出汁が1割、謎の物体の出汁が1割の摩訶不思議なデロンドロンで粘りのあるの出汁。

麺はなぜか紫色で固まっている。麺らしさが無かった。

具は生きている魚が乗っていて、ラーメン蜂の中を泳いでいるモノもいた。

愛紗さん。これ何ですか?

 

ジェネシスさんも同じモノが出される。

 

俺とジェネシスさんは固まった。

 

だが、愛紗は俺の口元ににラーメンの麺を運ぶ。

俺は腹を括った。

俺は愛紗の激甘ラーメンを食べる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブフッ

 

 

 

不味い。

 

 

 

 

この一言で全てが片付く、そんな料理だった。だが、この料理には愛紗の気持ちがこもっている。だから、愛紗の麺を運ぶ手を拒否せず、俺は食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

食べ終わったら、鼻血が出てきた。

尋常じゃない量だ。茶碗一杯程の鼻血が出た。

そして、俺は貧血で倒れた。

 

 

 

 

目が覚めたら、朝になっていた。

と言うことは今日は2月15日か…。

俺は体を起こした。

 

 

 

 

え?

体が動く。

俺は寝台の横に座り、上半身を俺の寝台に預けて寝る愛紗に声をかける。

 

「愛紗!愛紗!!」

 

俺は愛紗の肩を揺する。

愛紗は目を覚ますと

 

「ご主人様!大丈夫なのですか?」

 

愛紗は腫れものを扱うかの如く俺の体に触る。

 

「大丈夫。大丈夫だ。愛紗。」

 

俺はそう言うと愛紗を抱きしめた。

愛紗は泣きだした。

 

「ご主人様!良かった!うわああああん」

 

その後俺は執務室に行き、桃香達に挨拶をする。

桃香は心配して、主治医を呼んだが、健康体その物だと言う。

俺の体が治った原因の愛紗の激甘らーめんだが、主治医がこれを見て凄い薬だと褒めちぎっていた。

それを聞いた愛紗は複雑な顔をしていた。

 

 

 

 

― 回 想 終 了 ―

 

 

と言う事がバレンタインデーにあった。

俺はあの時体が一時的に不自由になった俺の為に様々な事をしてくれた。そして、感謝している。だから、俺が出来る精一杯の方法で皆にお返しをしようと思った。

 

よし、明日は頑張るぞ。俺は財布の中身をチェックして街へと出かけた。

 

 

 

 

どうも、黒山羊です。

 

ホワイトデーが近づいてきたので、この作品を書きました。

ところで、ホワイトデーって何ですか?

 

俺知ラナイ。ダカラ、ウィキッテミマシタ。

 

なんだ。お菓子メーカーの陰謀の日か。

俺には関係ないわと言う事で…。

 

あ、でも、俺は自分の作品で愛紗からヤヴァイお菓子を貰ったんだ。

とりあえず、ケーキでも焼いて、パソコンの前にでも飾っておくか。

 

でも、なんかそれって仏壇みたい。


 
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