私の家の中の世界しか見る事が出来なくなった君。
それは鳥籠の中の鳥のようで、永遠に外の世界に羽ばたく事は出来ない。
いや、させないって言った方がいいかな?
まぁ結局、君は私だけの物ってわけなんだけど……
「ねぇ……君は今、しあわせ?」
私はね、すっごく幸せなんだよ。
大好きな人と一緒にいられる。その事実は私の心を温かく満たしてくれる。
そして、君がもう何処にも行けない。
誰にも見られないし、誰も見ない。
私だけの所有物。
そんな現実が私を幸せにしてくれる。
だけど、君はどうなのかな?
食べる物にも寝る所にも困らない。そして性欲にも困らないよね?
つまり……幸せってことでいいのかな?
「……」
そっか。そうだよね。君も幸せを感じてくれてるよね。
愛される事への喜び、生きる事への喜び。
それを感じれるのはきっと、幸せなことなんだよね?
よかった。実は少しだけ不安だったんだよね。
私ばかりば幸せな思いをして、君は幸せを感じてないんじゃないかって。
だけど、それは私の思いすごしだったみたいだね。
「えへへっ♪ だ~い好きだよ」
「…………」
世界中の誰よりも君が好き。
君さえ居れば他に何もいらないくらい君が好き。
ねぇ、君はどうかな? 私のこと好き? 愛してる?
「……」
あはは♪ ありがと。
君にそこまで言ってもらえて私、嬉しいな。
私達ってほんと、相思相愛なんだね♪
「あ、そうだ。ご飯とお風呂、どっちにする?」
「………………」
「うん、分かったよ。まずはご飯なんだね」
今日も君が満足するようなご飯を作るから待っててね。
「……」
え? 君の嫌いな物を入れないで欲しいって? ダメだよ。嫌いな食べ物もきちんと
食べられるようにならないと。
好き嫌いはよくないんだよ。
だから、頑張って嫌いな食べ物を克服しようね。
「…………」
あはは♪ そうだね。君がちゃんと食べられたらご褒美をあげるよ。
今日もたくさん私の身体を可愛がっていいからね♪
もう、ほんと君はエッチなんだから。
でも、そんなところも好きなんだよね。
さてさて、それでは張りきって美味しいご飯を作りましょうかね。
最初は家族ごっこのような感じのやり取りだったけど、今はもう完全な家族だ。
私と君……そして、もうすぐ生まれてくる赤ちゃん。
私達、幸せな家庭を築けるかな?
ううん。違うよね。絶対に幸せな家庭を築くんだよね。
大丈夫。私達ならきっと大丈夫だよ。
だって、私達は世界一のベストカップルなんだから。
そう。この鳥籠の中に居るうちは、世界一幸せなんだから。
君もそう思うよね?
Tweet |
|
|
2
|
0
|
追加するフォルダを選択
最終話ですぞ。
一応のハッピーエンドです。