ある意味拠点
雪蓮
一刀が呉に厄介になって数日が経った
一刀「ん~~~~~・・・・・いい天気だな~~、こんな天気のいい日は、絶好の鍛錬日和だな」
そう言って一刀はフランチェスカの制服を着て中庭の方へ歩き出した
一刀「・・・・・本当は・・・・・こんな生活に慣れちゃいけないのにな・・・・・」
自分は罪人、今更人並みの生活を求めたところで世間が受け入れてくれるはずが無い
何よりも自分自身がそれを許さない
そんな憂鬱な表情で廊下を歩いていると
冥琳「雪蓮!!どこだ!!?」
穏「雪蓮様~、どこにいるんですか~?」
一刀「あの声は、冥琳と穏か?」
廊下の向こうから聞こえてくるのは呉の大軍師とその弟子の声
一刀「冥琳、穏、何してるんだ?」
冥琳「おお北郷、実は雪蓮を探していてな」
穏「そうなんですよ~、一刀さん、見ませんでしたか~?」
一刀「いや、今日は見ていないけど」
冥琳「そうか、もしかしたら北郷にくっついているものと思ったんだがな」
穏「雪蓮様は、一刀さんを本当に愛していますからね~♪」
一刀「よしてくれよ・・・・・ところで、雪蓮に何かあったのか?」
冥琳「・・・・・恥ずかしい話なのだが、仕事中ちょっと目を離した隙に逃げ出したのだ」
穏「雪蓮様に判断していただかないといけない文献が山とあるのにですよ~」
一刀「・・・・・分かった、雪蓮を見つけたら冥琳達が探していたと言っておくよ」
冥琳「それはよせ、よけいに逃げられてしまう」
一刀「じゃあどうすれば?」
冥琳「力ずくで押さえつけ、部屋に連れてきてくれ」
一刀「・・・・・容赦ないな」
冥琳「わたしが許可をする・・・・・それに、それくらいしないとあの天真爛漫娘は言うことを聞かないからな」
一刀「・・・・・分かった、出来る限りやってみるよ」
穏「よろしくお願いしますね~」
冥琳「頼んだぞ、北郷」
そうして一刀に押し付けるようにして二人は行ってしまった
一刀「・・・・・って!俺ってもしかしてとんでもない約束しちゃった?」
後で面倒なことになるんじゃないかと思う一刀であった
一刀「・・・・・さてと、雪蓮はどこにいるかな?」
中庭にやってきて一刀は辺りを見回した
一刀「闇雲に探しても時間の無駄だしな・・・・・よし」
目を瞑り一刀は集中する
一刀「はああああああああああああ!!」
いきなり気合を入れ
一刀「・・・・・・・・・・」(キョロキョロ)
再び辺りを見回す
そして
一刀「ふぅ~~~~・・・・・こんな使い方してすまないな、華佗・・・・・そんなところで何やってるんだ?雪蓮」
雪蓮「げっ!?」
そこには、酒壺と共に木に登り杯片手に一杯やっている雪蓮の姿があった
雪蓮「今いったい何をやったの?一刀?」
一刀「今のは、華佗から教えられた五斗米道(ゴットヴェイドー)の病魔を見つける時の技を逆用したものなんだよ」
雪蓮「つまり?」
一刀「これを使えば健康な人が身に纏っている氣を正確に見ることができるんだ」
雪蓮「あたしは?」
一刀「ご心配なく、健康そのものだよ」
雪蓮「やっぱり♪ふふふふ♪そりゃそうよね~♪あたしみたいな容姿端麗、頭脳明細、一騎当千の英雄が病気なんかになるわけ無いもの♪」
一刀「自分で言うかぁ~~~?」
雪蓮「だってそうなんだも~~~ん♪」
一刀「やれやれ、冥琳達が苦労するのも分かる気がするな」
雪蓮「あ~~~、ひど~~~い、そんな事言うんだ~~~~」
雪蓮は膨れっ面になり拗ねる
一刀「悪かったよ・・・・・それよりさっき冥琳と穏が探していたぞ」
雪蓮「げっ!もしかして怒ってた?」
一刀「冥琳は特に」
雪蓮「ひぇ~~~~~、お願い一刀ぉ~~~~、後でちゃんと仕事するから匿ってぇ~~~~」
一刀「・・・・・怪しいな」
雪蓮「お礼にあたしのお酒分けてあげるから」
一刀「・・・・・美味いのか?」
雪蓮「もち♪」
一刀「・・・・・分かったよ」
雪蓮「やった♪それっ♪」
一刀「お、おいっ!?」
雪蓮は、酒壺を抱えながら木から飛び降りた
バサッ!
一刀は、腰から落ちてきた雪蓮をキャッチした(お姫様抱っこ)
雪蓮「あはははっ♪あたしも一刀に抱っこしてもらっちゃった♪」
一刀「ったく、心臓に悪いぞ雪蓮」
雪蓮「いいじゃない♪・・・・・それにしても流石ね」
一刀「?・・・・・何のことだい?」
雪蓮「結構高いところから飛び降りたのに、お酒を一切零さずにあたしを受け止めたじゃない」
一刀「あ、ほんとだ」
雪蓮「・・・・・ほんと、今のあたしと一刀の実力の差を感じちゃうな~~~」
一刀「雪蓮だって強いだろう」
雪蓮「どの口がそんな事言うかな~~~?あたしを含めた呉の将達をいっぺんに相手にできるくせに」
一刀「・・・・・雪蓮、俺はこの世界に来て初めて人を斬っているんだ」
雪蓮「・・・・・・・・・・」
一刀「俺は、唐突にこの世界に来たんだ、その前に住んでいた世界では想像だにしていなかった、こんなことになるなんて」
雪蓮「・・・・・・・・・・」
一刀「俺は、もともと強い人間でもなんでもない、ごく普通の一般人だよ」
雪蓮「・・・・・一刀」
一刀「なんだい?ん!?」
お姫様抱っこをしている状態で雪蓮は一刀にキスしてきた
雪蓮「ちゅんん・・・・・ちゅ・・・・・は・・・・・」
一刀「ん・・・・・ちゅ・・・・・んん・・・・・」
しばらく中庭の中で小さな甘く切ない愛の営みが続いた
雪蓮「・・・・・っはぁ~~~~・・・・・」
一刀「はぁ・・・・・雪蓮」
雪蓮「一刀、あなたは自分のことを過小評価しすぎ・・・・・あたしは今まで何度もあなたに助けられた・・・・・呉の王に数え切れないほどの貸しを作れる一般人なんて聞いたことも無いわ・・・・・だから一刀、自分のやったことに誇りを持ちなさい、あなたはそれだけのことをできる実力と能力を持っているんだから」
一刀「・・・・・雪蓮」
雪蓮「ん・・・・・ん!」
一刀「ん!?」
雪蓮はお酒を口に含み一刀に口移しで飲ませた
雪蓮「ん・・・・んん・・・・・ん・・・・・」
一刀「んん・・・・・んん・・・・・(コクコク)」
雪蓮「っはぁ~~~~~・・・・・どう一刀、おいしい?」
一刀「・・・・・雪蓮」
雪蓮「もう!美味しいの?美味しくなかったの?」
一刀「・・・・・美味しいに決まっているだろ、こんな美人にこんな風に飲まされれば」
雪蓮「・・・・・///////////」
一刀「??・・・・・どうしたんだ?」
雪蓮「・・・・・ばか///////」
一刀「???」
鈍感もここまでくれば神がかりである
雪蓮「一刀に抱っこされていると暖かいなぁ~~~・・・・・一刀、もうしばらくこのままでいいかしら?」
一刀「しょうがない王様だな、その代わりちゃんと後で仕事するんだぞ」
雪蓮「分かっているわよ♪」
一刀「・・・・・・・・・・」
雪蓮「・・・・・すぅ~~~、すぅ~~~」
一刀「・・・・・寝ちまったか」
お姫様抱っこされた状態でよく眠れるなと一刀は感心していた
雪蓮「すぅ~~~・・・・一刀ぉ・・・すぅ~~~・・・・好きぃ・・・・すぅ~~~・・・・愛してるぅ・・・・・すぅ~~・・・・」
一刀「・・・・・・・・・・」
一刀は雪蓮の寝言を聞いて嬉しいと同時に複雑だった
自分はこんなにも汚れているのにどうして雪蓮はこんなにも嬉しいことを言ってくれるんだろうと
それからしばらく中庭の中には、白銀の衣を纏った飛天が桃色の髪の天女を抱いているような光景があった
約一刻後
冥琳「まったく、どこにいるんだ雪蓮のやつは」
穏「ここまでくると、町に繰り出したんじゃないでしょうかね~」
蓮華「本当にすまないわね冥琳、あんな姉で・・・・・」
冥琳「いいえ、今に始まったことではありません」
百合「流石は冥琳様、雪蓮様にずっとついてきただけありますね~」
小蓮「仕方が無いよ、あれがお姉ちゃんだもん」
冥琳と穏は雪蓮を捜している間に蓮華、小蓮、百合と合流し、一緒に雪蓮の捜索を行っていたのである
百合「あれ~?あれって一刀君じゃないですか~?」
蓮華「一刀?」
冥琳「ちょうどいい、北g・・・・・」
冥琳は一刀を呼ぼうとしたが、その光景を見て黙り込んでしまった
そこには
冥琳「・・・・・これは////////」
穏「あらあら~~♪///////」
蓮華「おおおおおお姉様!?////////」
小蓮「わぁ~~~~//////」
百合「・・・・・//////」(ポケ~~~~~)
一刀「・・・・・・・・・・」
雪蓮「すぅ~~~、すぅ~~~」
日の光を浴びて一刀にお姫様抱っこされ幸せそうに眠る雪蓮の姿があった
それはどこまでも御似合いのつがいであった
冥琳「(まったくしょうのないやつだ)///////」
穏「(憧れます~~♪)//////」
蓮華「(お姉様、羨ましいです)///////」
小蓮「(お姉ちゃんずるい~~~~)///////」
百合「(一刀君~、わたしにもだっこしてくれないかな~~)///////」
五人が仲睦まじい一刀と雪蓮の姿を見て赤面していると
一刀「・・・・・ん?あ!みんな!?」
雪蓮「んん~~~~、どうしたの一刀~~?・・・・・って!冥琳!?」
四人の気配に気付いた一刀の声によって雪蓮も起きた
冥琳「雪蓮、ずいぶんと仕事をサボってくれたな、それとずいぶんと幸せそうだな」
雪蓮「あ、もしかして冥琳達も一刀にしてほしいとか♪」
冥琳「な!?何をいきなり!/////////」
蓮華「そそ、そ、そんなふしだらな事!!////////」
穏「いいんですか~~♪一刀さん~~♪/////////」
小蓮「一刀~~♪シャオにもして~~~~♪」
百合「わたしもしてほしいです~~♪////////」
その後、雪蓮は冥琳の監視の下デスクワークにかかりきりになり、一刀は噂を聞きつけた人達にからかわれるやら自分もしてほしいやらでしっちゃかめっちゃかにされた
ある意味拠点
冥琳
雪蓮「はあああああああああ!!!」
思春「うおおおおおおおおお!!!」
明命「せやーーーーーーー!!!」
純夏「でりゃあああああああ!!!」
星「はい、はい、はい、はいーーーー!!!」
凪「はあああああああああ!!!」
一刀「はぁーーーーーーーーー!!!」
ガキーーーーーーーーーン!!ゴキーーーーーーーン!!バチーーーーーーーーン!!キイーーーーーーーーーーン!!
ガキャーーーーーーーーン!!カアーーーーーーーン!!ギュイーーーーーーーーン!!
冥琳「・・・・・まったく見事なものだな」
穏「これだけの将がいっぺんにかかっているのに掠り傷一つ負わないんですからね~」
沙和「沙和、速過ぎて見えないの~」
祭「あの氣の練度、まさに芸術的だな」
真桜「ウチも凪と一緒に氣の鍛錬しとったけど、一刀はんには遠く及ばんわ~」
小蓮「流石に汜水関と虎牢関で董卓軍の全指揮権を任されていただけあるわね~~」
雛里「一刀さん、本当にお強いです」
亜莎「これが一刀さんの実力なんですね」
蓮華「・・・・・一刀///////」
中庭では一刀が全身に氣を纏い雪蓮、思春、明命、純夏、星、凪を相手に稽古をしていた
風「いえいえ~、あれでもお兄さんは実力を出し切れていないと思うのですよ~」
冥琳「なんだと!?」
稟「一刀殿はあの忠久という細い剣と金剛刀という大剣を同時に使っていたという話ですからね」
穏「あの山賊狩りの象徴の大剣ですか~・・・・・」
零「今は呂布が持っているけど、あれを同時に使ってこそ北郷の実力は始めて発揮されるわね」
小蓮「ということは、今の一刀の実力はまだまだ片鱗でしかないというわけか~」
亜莎「・・・・・信じられません」
一同は、改めて一刀の武のレベルの高さに感心した
ちなみになぜ魏の将達が呉の将達と一緒に鍛錬の見学をしているのかというと
呉の武将達が一刀に鍛錬に付き合ってくれと頼み込み、一刀は魏と蜀の将達を呼んでくることを条件として了承したのである
風「お兄さんのお心遣いには、感謝しなくてはいけませんね~」
穏「魏と呉と蜀の軍師がこうやって肩を並べて見学できるのは、一刀さんの仲介あってこそですからね~」
冥琳「我らが王がお主達を許しているのだ、我ら家臣が許さなくてどうするのだ」
稟「こちらも手違いだったとはいえあのような暴挙に走ってしまったことは、深く反省しております」
亜莎「自分達の兵士達を完全に管理することは出来ないということなんですね、今回の事で一つ教訓を得ました」
祭「軍律厳しいと噂される曹操軍でさえ、あのような有様になってしまったのだからのう」
雛里「わたくし達蜀も、今後気をつけなければいけませんね」
零「国全体を完全に管理できる王なんていないということね」
改めて国を維持することの難しさを痛感する一同
そんな中
冥琳「お、終わったようだな」
雪蓮「はぁ~~~~~、まだ敵わないわね~~~」
思春「くっ!・・・・・まだまだ鍛錬が足りん」
明命「全然敵いませんでした~~」
純夏「情けないわね、これだけの数でいって触れられもしないなんて」
星「まったくだ」
凪「・・・・・・・・・・」(キラキラキラキラ)
百合「皆さんお疲れ様です~、はい、お手拭とお水です~」
百合から渡された手拭いで汗を拭き、竹筒で喉を潤す
雪蓮「それにしても、一刀も連合の戦いの時と比べると強さにさらに磨きがかかっているわね~」
凪「はい、虎牢関の時よりも氣の煉度が増しています」
一刀「それを言ったら凪だって大したものだよ、あれからあまり時間は経っていないのにかなり上達しているからな・・・・・やっぱり俺の目に狂いは無かったな」
凪「そ、そんな!それもこれも一刀様が教えてくださった鍛錬法のおかげです!」
一刀「俺が教えてことを実践してくれてるんだな、偉いぞ凪」
なでなでなでなで
そう言いながら一刀は凪の頭を撫でであげた
凪「あううう~~~~~~////////////」
凪は耳まで真っ赤になってしまう
もし尻尾が付いていたら千切れんばかりに振っていたであろう
純夏&明命&雛里&零「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」(じ~~~~~~~~~~~~)
一刀「・・・・・ん?純夏、明命、雛里、仲達、どうしたんだ?」
純夏「な、なんでもないわよ!////////」
明命「はうあ!?な、なんでもないです!/////////」
雛里「あわわ、なんでもないでしゅ!//////」
零「そ、そうよ!自分もしてほしいなんて思ってないわ!/////////」
一刀「え?」
風「零さん~?」
稟「零殿!?」
零「はっ!?・・・・・いいいい今のは言葉のあやよ!忘れなさい!///////」
一刀「あ、ああ分かった・・・・・」
風「・・・・・なんだか今ので、零さんの知られざる一面を見た気がします~」
稟「奇遇ですね、わたくしもそんな気がします」
真桜「ウチもやわ」
沙和「沙和もなの~♪」
零「//////////////」
そんなある意味漫才みたいなことをしている一同
星「ところで、話は変わりますが、一刀殿」
一刀「なんだい、星?」
星「桃香様から聞いたのですが、一刀殿は二胡を弾けるらしいですな」
蓮華「え!?」
冥琳「・・・・・・・・・・」
沙和「あ~!沙和も月様から聞いたことあるの~」
星「おまけに、この世のものとは思えないくらいの美麗な歌声で歌うとか」
小蓮「え~~~~~!!!シャオ聞きたい~~~♪♪♪」
零「それについては雫と菖蒲が耳にたこができるくらい・・・・・ほんと自慢話のように喋っていたわね」
一刀「・・・・・よしてくれよ」
雪蓮「でもかなり興味があるかも・・・・・一刀♪弾いてみせてよ♪」
一刀「そんなこと言われても、ご覧の通り何も持ってきていないんだから」
星「それなら心配要りませんぞ、ほら」
そう言って星はどこから取り出したのか、一刀の二胡を出した
一刀「・・・・・それ、どこから持ってきたの?」
星「どこからと言われても、一刀殿の部屋から持ってきましたゆえ」
一刀「・・・・・まいっか、せっかくだし弾いてみるか」
一刀は星から自分の二胡を受け取り
♪~~~♪~~・・・・・♪~~~~♪♪~・・・・・♪~~♪♪~~~・・・・・♪~~~~~♪・・・・・・・・
ただいまチューニング中
「・・・・・・・・・・」
一同は、一刀を取り囲み演奏を今か今かと待ち望んでいた
一刀「・・・・・それでは、北郷一刀、一曲弾かせていただきます」
そして二胡に集中しだす一刀
一刀「森が詩を書き~♪海が曲をつけて~♪そして~星が口ずさめば世界中がコーラス~♪ 同じハーモニーで~♪同じ言葉で~~~♪」
「・・・・・・・・・・」
一同は呆然とした
普段とあまりに違う一刀の声に
一刀「子供の時はちゃんと~♪話していたというのに~♪今は忘れてしまった~♪言葉があるという~♪赤ちゃんの時は~♪みんな母にむかって~♪本当の気持ち歌いかけている~♪森が詩を書き~♪海が曲をつけて~♪そして~星が口ずさめば世界中がコーラス~♪ 同じハーモニーで~♪同じ言葉で~~~♪」
雪蓮「(凄い)/////」
蓮華「(なんて素敵な歌声)////////」
小蓮「(わぁ~~~~~♪)////////」
純夏「(一刀ぉ~~~)////////」
明命「(なんという美声でしょう~~~)//////」
思春「・・・・・むぅ////////」
祭「(このような)///////」
穏「(素敵です~~~)///////」
亜莎「あううぅ~~~////////」
呉一同は二胡を弾きながら余りに綺麗な声で歌う一刀に魅入った
亜莎はそんな一刀が眩しすぎて直視できなかった
しかし
冥琳「・・・・・・・・・・」
冥琳はそんな一刀を違った眼差しで見ていた
一刀「あなたが泣き出すと~♪世界は暗闇になり~♪あなたが眠るときは~♪花弁が囁く~♪雨が降っても~♪涙の空はやがて~♪太陽顔出し~♪笑って歌った~♪あなたは覚えてますか~♪確かあれはこんなメロディ~♪も一度思い出してよ~♪奇跡のようなあのメロディ~♪」
星「(桃香様と愛紗が言っていたことは真であったか)///////」
雛里「あわわ~~~////////」
一刀「だけどそれも~♪遠い話になって~♪大人になると~♪歌を忘れる~♪森が詩を書き~♪海が曲をつけて~♪そして~星が口ずさめば世界中がコーラス~♪ 同じハーモニーで~♪同じ言葉で~~~♪」
風「(お兄さんにこんな特技があったとは)////////」
稟「(驚きです)//////」
凪「・・・・・///////」(ポ~~~~~~)
沙和「(凄いの~)///////」
真桜「(あかん、ウチ惚れてまう)///////」
零「(これは拙いわね)///////」
そして演奏は終わり、一刀は一礼をした
雪蓮「最高だったわ一刀♪もっと聞かせて~♪」
蓮華「素敵だったわ、一刀♪///////」
小蓮「シャオ♪もっと一刀の歌聴きたい~♪」
純夏「も、もう一度聞かせてくれないかしら、一刀//////」
思春「・・・・・これだったら聞いてやらんでもない//////」
穏「もっと聞きたいです~♪」
明命「はぁ~~~、素敵でした~~//////」
祭「これほどの歌声、なかなか出せるものではないぞ//////」
亜莎「・・・・・////////」(ポ~~~~)
星「一刀殿にはとことん驚かされますな~///////」
雛里「あわわわ~~~////////」
風「お兄さん、風はもっと聞きたいのです~//////」
稟「かかかか一刀殿、もっと他にないのですか?///////」
凪「一刀様///////」
沙和「凄いの凄いの~♪沙和もっと聞きたいの~♪」
真桜「一刀はん、もっと聞きたいわ~/////」
零「これは・・・・・さらに聞く価値ありね///////」
それぞれがアンコールする中
冥琳「ちょっと待った」
いきなり待ったをかける冥琳
雪蓮「どうしたの?冥琳」
冥琳「しばらく待ってもらえないか?」
そう言って冥琳は中庭を後にした
「???」
一同が頭に?マークをう影手いる中
雪蓮「(あ、もしかして)」
雪蓮だけは理解したようである
しばらくして
冥琳「待たせたな」
雪蓮「やっぱり♪冥琳も弾きたくなったのね♪」
冥琳「ふっ♪あんなものを見せられては弾かないわけにはいくまい♪」
冥琳は琴を片手に中庭に戻ってきた
沙和「えっと~~・・・・・周瑜さんも弾けるの~?」
雪蓮「ええ♪冥琳の琴は天下一品なんだから♪」
一刀「・・・・・・・・・・」
冥琳「北郷よ、二胡を弾かないでさっきの歌をもう一回歌ってみてはくれまいか?」
一刀「・・・・・ああ、分かったよ」
そして一刀は歌だけに集中し、冥琳は琴に集中する
♪♪♪♪♪~♪~♪♪♪♪♪♪~♪~♪♪♪♪♪♪~♪~♪
「・・・・・・・・・・」
一刀を含めた一同が冥琳の伴奏に釘付けになる
一刀も冥琳のことに合わせて歌いだした
一刀「森が詩を書き~♪海が曲をつけて~♪そして~星が口ずさめば世界中がコーラス~♪ 同じハーモニーで~♪同じ言葉で~~~♪」
♪♪♪♪~~~~~♪♪~~~~♪♪♪♪♪~~~♪♪♪
一刀「子供の時はちゃんと~♪話していたというのに~♪今は忘れてしまった~♪言葉があるという~♪赤ちゃんの時は~♪みんな母にむかって~♪本当の気持ち歌いかけている~♪森が詩を書き~♪海が曲をつけて~♪そして~星が口ずさめば世界中がコーラス~♪ 同じハーモニーで~♪同じ言葉で~~~♪」
雪蓮「(ちょっとちょっと、いい感じじゃない、ちょっと妬けちゃうかも)」
蓮華「(初めて一緒に演奏するはずなのに)////////」
小蓮「(二人の相性ぴったりなんじゃないの~?)」
純夏「(なんだか、完全に冥琳に一刀を取られた気分だわ)」
思春「(・・・・・・・・・・)」
明命「(魅力的です~)/////////」
穏「(冥琳様と一刀さんもかなりお似合いですね~♪)」
祭「(冥琳と北郷の組み合わせもなかなかじゃの~)」
亜莎「(冥琳様~~一刀様~~)//////////」
星「(むぅ、流石は呉の大軍師)」
雛里「(あわわわ~~~~~)」
風「(これならあの張三姉妹と対抗できますね~)」
稟「(これを機会に、わたくしも自分だけの楽器を真桜に作ってもらいましょうか)」
凪「(凄い)」
沙和「(なんだか踊りたくなってくるの~♪)」
真桜「(ほわぁ~~~~~~~)」
零「(・・・・・何なの、この気持ち)」
一同は一刀の歌と冥琳の琴の音色に聞き入った
一刀「あなたが泣き出すと~♪世界は暗闇になり~♪あなたが眠るときは~♪花弁が囁く~♪雨が降っても~♪涙の空はやがて~♪太陽顔出し~♪笑って歌った~♪あなたは覚えてますか~♪確かあれはこんな、メロディ~♪も一度思い出してよ~♪奇跡のようなあのメロディ~♪」
♪♪♪♪♪~~~~♪♪♪♪♪♪~~~~♪♪♪♪♪♪~~~~♪♪♪~~~~♪♪♪♪
一刀「だけどそれも~♪遠い話になって~♪大人になると~♪歌を忘れる~♪森が詩を書き~♪海が曲をつけて~♪そして~星が口ずさめば世界中がコーラス~♪ 同じハーモニーで~♪同じ言葉で~~~♪」
その後中庭は一刀と冥琳の演奏会会場も同然となり、一同は夕方になるまで聞き入っていた
そして夜、一刀の部屋
一刀「はぁ~~~~~~、かなり歌ったな~~~~、もう喉がガラガラだ」
歌の歌いすぎで一刀は掠れた声しか出せないでした
一刀「・・・・・それにしても・・・・・」
一刀は冥琳の事を思い出していた
一刀「冥琳か・・・・・やっぱり彼女はあの美周朗なんだな」
史実の周瑜も音楽にはかなり精通していたと言われている
あの琴の腕はまさしく周瑜そのものである
しかし
一刀「・・・・・周瑜・・・・・か・・・・・」
また一刀は史実を思い出す
周瑜は、赤壁の戦いで孫呉を魏の大船団に勝利させた後、結核によってすぐにこの世を去ってしまう
一刀「冥琳も、史実の周瑜と同じ運命を辿るのか?」
そんな風に冥琳の心配をしていると
冥琳「北郷、起きているか?」
扉越しに冥琳が一刀に呼びかけてきた
一刀「冥琳か」
一刀は自分で扉を開けて冥琳を出迎えた
一刀「こんばんわ、冥琳」
冥琳「なんだ、酷い声だな」
一刀「そりゃ、あれだけ歌えばこうもなるさ」
冥琳「それはすまないことをしたな」
一刀「気にしなくていいよ、どうぞ入って」
冥琳「失礼する」
一刀は冥琳を中に招き入れた
一刀「どうしたんだい?」
冥琳「いやなに、北郷はかなりの歌唱力を持っているんだな、それに二胡の腕もなかなかだったぞ」
一刀「俺が本格的に歌を歌い始めたのはこの世界に来た時からなんだ」
冥琳「と、言うと?」
一刀「俺は、その時から賊を討っていて、なかなか心休まる時間が無かったんだ」
冥琳「・・・・・・・・・・」
一刀「だから、俺が歌い始めたのは自分自身の心を癒すためだったんだ」
冥琳「・・・・・そうか・・・・・それはそうと、さっきの歌詞の中に聞きなれない言葉があったが・・・・」
一刀「あれは、俺が前にいたところで日常的にあった言葉だよ」
冥琳「それはつまり、天の世界の言葉か!?」
一刀「俺は天の御遣いでもなんでもないけど・・・・・そういうことにしてくれていいよ」
冥琳「・・・・・・・・・・」
一刀「それにしても、冥琳のあの琴は凄かったな~」
冥琳「ん、ああ・・・・・わたしも琴は小さい頃から嗜んでいたからな」
一刀「流石は美周朗と謳われているだけあるな」
冥琳「・・・・・北郷」
一刀「なんだい?」
冥琳「わたしは、北郷には感謝してもし足りない」
一刀「・・・・・・・・・・」
冥琳「特に雪蓮を救ってくれたことには、礼の言葉だけでは話にならない」
一刀「・・・・・冥琳、雪蓮を助けることができたのはたまたま雪蓮が俺を見つけたからなんだ、そんなたいしたことはしていない」
冥琳「・・・・・北郷」
一刀「なんだい、冥r!?」
冥琳は、一刀の顔を自分の胸に押し付けるような形で抱き締めた
一刀「//////////」
冥琳「北郷、お前はいくらなんでも損な性格が過ぎるぞ・・・・・このままでは、お前は壊れてしまう・・・・・お前は雪蓮を救ってくれた、ならば今度はわたしがお前を救おう」
一刀「・・・・・冥琳、ん!?」
一刀が何か言おうとした時
冥琳「・・・・・ちゅ・・・・・・んふ・・・・・ちゅぶ・・・・・・・ん」
冥琳が一刀の口を自分の口で塞いだ
一刀「・・・・ん・・・・・・ちゅ・・・・・ちゅ・・ん・・・・・・んん・・・・・」
冥琳「・・・・・北郷、これはわたしがおまえにする最低限の謝儀だ」
一刀「・・・・・冥琳」
冥琳「そして、これが・・・・・」
そう言って冥琳は自分の服に手をかけた
しかし
一刀「っ!」
ガシッ!
一刀は冥琳の手を掴んだ
一刀「止めてくれ、冥琳」
冥琳「北郷・・・・・」
一刀「俺は・・・・・もう、獣なんだ・・・・・今まで散々人を斬り捨てて、これからもそうしていくんだと思う・・・・・だから俺は、冥琳からの謝儀を受け取ることはできない」
冥琳「・・・・・・・・・・・・・・・」
一刀「もちろん、冥琳に女性としての魅力が無いわけじゃない・・・・・魅力的過ぎて、完璧すぎて、眩しすぎて、俺になんか絶対振り向いてくれない・・・・・そう思っていたよ」
冥琳「/////////////」
一刀「けど・・・・・だからこそ、俺は冥琳の謝儀を受け取れない・・・・・」
冥琳「・・・・・すまなかった」
そう言って冥琳は、一刀から離れた
冥琳「しかしだな北郷よ、お前はとんでもない勘違いをしている」
一刀「え?」
冥琳「お前は決して獣ではない、本当の獣なら我らはお前をここに招きはしない、それに・・・・・・・・・・」
一刀「・・・・それに?」
冥琳「わたしはお前に、自らの体を許そうとるすはずがない」
一刀「・・・・・冥琳」
冥琳「んんっ!・・・・・とにかく、わたしを含めた呉のみなは、お前には深く感謝している、そのことだけは忘れるな/////////」
一刀「・・・・・分かったよ」
冥琳「それともう一つ・・・・・わたしも、雪蓮と同じくらいお前を好いている//////」
一刀「・・・・・・・・・・」
冥琳「・・・・・お休み北郷、良い夢を」
一刀「お休み、冥琳・・・・・」
そして冥琳は一刀の部屋を出て行った
一刀「・・・・・呉の大軍師だから、もっと冷酷な人を想像していたけど・・・・・冥琳って可愛いんだな」
冥琳「・・・・・あいつといると、捨てたはずの女の心をまた思い出すようだ//////」
冥琳は、一刀の部屋に一礼して自分の部屋に戻っていった
ある意味拠点
蓮華&思春
凪「はああああああああああああ!!!」
一刀「はっ!しっ!」
バシッ!ガキッ!バババン!!ドカッ!
あくる日、凪は一刀にせがんで稽古をつけてもらっていた
二人とも徒手空拳による乱捕り稽古である
沙和「それにしても凪ちゃん、一刀さんに稽古をつけてもらってから物凄い勢いで強くなっているような気がするの」
真桜「それはウチも感じとるわ、ほんま凪は一刀はんのこと好きやからな」
沙和「きゃ~~~~♪真桜ちゃんそれは言っちゃだめなの~~♪」
沙和と真桜がそんな会話をしている最中でも二人の稽古は続いていく
シュバババ!!
凪「しっ!ふっ!」
凪は一刀の拳を受け流す
一刀「凄いな凪!前あった頃と比べたら雲泥の差だよ!」
凪「ありがとうございます!自分も一刀様から教ていただいた鍛錬方で日々精進していますから!」
一刀「これなら凪が俺を抜いてくれる日もそう遠くないな!」
凪「そ、そんな!!わたしなんてまだまだです!!」
それからしばらく中庭の中で二人の稽古の音が響いていた
そして、それを柱の影から見ているものが一人
蓮華「・・・・・・・・・・」
蓮華は凪と稽古をする一刀の姿に釘付けであった
蓮華「(ああ、一刀ぉ)///////」
一刀が動くたびに長い髪が揺らめき滴る汗がキラキラと輝く
蓮華「//////////」
蓮華はただひたすらに一刀に夢中であった
思春「・・・・・・・・・・」
その更に後ろで思春がそんな蓮華を見つめていた
穏「ねえねえ一刀さん~♪天の世界にはどのような書物があるのですか~♪」
一刀「またそんなことを言う、だから俺は天の御遣いでもなんでもないんだって」
穏「そんなことを言っても誤魔化されませんよ~♪ねえねえ教えてくださいってば~♪」
亜莎「わたくしもかなり興味があります、なんでも魏と蜀は一刀様の政策でかなりよい国になっているらしいですからね」
一刀「・・・・・まぁどんな書物があったかは、あまりにありすぎて何から話せばいいか分からないけど、俺の国がどんな国でどんな政策をしていたかは話せるよ」
穏「それだけでも大収穫です~♪ぜひ教えてください~♪」
亜莎「よろしく御指導鞭撻のほどをよろしくお願いします!」
一刀「大袈裟だよ・・・・・そうだな、まずは・・・・・・・・・・・・」
蓮華「・・・・・・・・・・」
今までの自分はどこへやらである
今までの自分は、素性の知らないものを近づけない、甘言を弄するものを近づけない、金玉に執着しない
この三つを守ってきたはずなのに一刀の前ではそんなものは紙屑になってきている
蓮華「(どうしてしまったの、わたしは)」
一刀が他の女の子と仲良くなっている事がこんなにも自分を動揺させる
そもそも何故、自分はこんなにも一刀に固執するのか
山賊狩りとしての一刀は知っているつもりだが、それでも一刀は連合の時に始めて知り合っている
その時に詫びとはいえ、自分の真名を呼ぶことを許している
もちろん姉を助けて貰ったのも要因の一つであろうが
蓮華「・・・・・・・・・・」
一刀が穏と亜莎と仲良さそうに話しているのを柱の影から見て、蓮華はただただ自分の中の感情に困っていた
思春「・・・・・蓮華様」
そして夜、一刀の部屋
一刀「それにしても、穏と亜莎には驚いたな~~、あんなに熱心に聞かれたらこっちも応えてあげたくなっちゃうもんな~~」
二人の知への情熱は一刀にとっては熱すぎるくらいである
一刀「凪の奴もかなり強くなっていたしな~~」
凪の氣は連合で戦ったときよりも格段に上がっていた
いつ自分を追い越してもおかしくないほどの上達振りである
一刀が将達の向上心に感心していると
バンッ!!!!
思春「北郷一刀!!!」
一刀「な!!?」
いきなり思春が扉をこじ開けて一刀に怒鳴りかかってきた
一刀「なんだなんだ!?・・・・・甘寧!?」
思春「北郷一刀!!貴様に決闘を申し込む!!」
一刀「ええええ!!!?」
なぜ?どうしてそうなるのか?
一刀は、思春に何か悪い事をしたのかと思い頭の中で順に今までの事を整理していくが、まったく記憶に無かった
一刀「どういうことだよ!!ちゃんと説明してくれ!!」
思春「五月蝿い!!自分の胸に聞いてみろ!!」
一刀「・・・・・・・・・・」
一刀は、自分の胸に手を当ててもう一度考えるが
一刀「・・・・・うん、まったく身に覚えが無い」
思春「・・・・・明日お前を殺す」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
一刀「ちょっと待て!!だからなんでそうなるんだ!!?」
思春「黙れ!!!明日の朝中庭に来い!!!来ないと明日の昼を拝めないと思え!!!」
一刀「・・・・・・・・・・」
これは本気だ
従わなければいつ寝首をかかれるか分からない
一刀「わ、分かった、ちゃんと行くから」
思春「ふんっ!!」
バンッ!!!
そして思春は扉を思い切り閉めて出て行った
一刀「・・・・・ほんとに何したんだっけ、俺?」
そして翌朝
明命「はうあ!!思春殿と一刀さんが決闘ですか!!?」
蓮華「ちょっと!!?どういうことなの!!?思春!!?」
雪蓮「いいじゃない♪面白そうだし♪」
蓮華「どうしてお姉様はそうなんですか!!?冥琳からも何か言ってやって!!」
冥琳「蓮華様、諦めた方がよろしいかと」
蓮華「冥琳!!・・・・・思春!!どうしてなの!!?どうして一刀と決闘なんてするの!!?」
思春「蓮華様、わたくしはこやつの態度が気に入らないのです」
蓮華「一刀!思春に何かしたの!?」
一刀「まったく持って身に覚えが無いんだ」
蓮華「ならどうして!!?」
思春「蓮華様!!どうか邪魔をしないで下さい!!」
蓮華「・・・・・思春・・・・・」
思春の怒鳴り声に蓮華は黙ってしまった
思春「・・・・・申し訳ありません、蓮華様・・・・・どうかこの場は、黙って見守ってくださいませ」
蓮華「・・・・・・・・・・」
思春「それにしても貴様!!あの忠久とかいう剣はどうした!!?」
一刀「甘寧も知っているだろう?俺は素手でも戦える」
思春「・・・・・後で後悔するなよ」
蓮華「・・・・・・・・・・」
蓮華はどうしてこうなってしまうのか、わけが分からなくなってしまった
雪蓮「面白いことになってきたわね♪」
冥琳「お前は楽しければそれでいいだけだろう」
雪蓮「もちよ♪」
純夏「まったく、思春一人で一刀に敵う訳無いじゃない」
明命「心配です」
小蓮「でも、面白そう♪」
穏「まぁ一刀さんなら怪我をさせずに思春ちゃんを倒してくれそうですし、心配ないんじゃないですか~♪」
亜莎「でも思春さん、本気の目をしていますよ」
祭「な~に、北郷なら大丈夫じゃろうて♪」
百合「一刀君~♪頑張ってくださいね~♪」
凪「一刀様が負けるはずが無い」
沙和「でもなんだか雰囲気が怖いの~」
真桜「せやな、甘寧はんの目は本気や」
零「なかなか面白そうな見せ物ね♪」
これから決闘をするというのに周りは噂を聞きつけた人によって、まるでお祭り騒ぎである
思春「(殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す)」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
一刀「・・・・・・・・・・(ほんと何したんだっけ?)」
思春のあまりの殺意に一刀も逃げ出したくなってきた
思春「行くぞ!!!北郷一刀!!!」
一刀「はぁ・・・・・来いよ・・・・・」
思春「(ブチッ)はあああああああああああああああ!!!!」
ブンブンブンブンブンブンブンブンブン!!!!!
一刀の態度に切れた思春は、愛刀鈴音で一刀をなで斬りにしようとする
しかし
一刀「ふっ!しっ!」
スパパパパパパパパパパパパパパパン!!!
一刀は、柔術の体捌きで思春の攻撃をかわし、捌く
明命「・・・・・またあの動きです」
小蓮「そうだね」
雪蓮「え?二人とも知っているの?」
百合「実は、蜀との交渉の時一刀君が魏延さんという将と試合をしたんですが、あれがその時に使っていた動きなんですよ~」
雪蓮「へぇ~~~、面白いわね」
穏「殆ど動いていないはずなのに、よくかわせますね~」
亜莎「全ての攻撃が紙一重でかわされています」
純夏「そういえば亜莎は元武官だったわね、どう?一刀の武芸は」
亜莎「・・・・・はっきり申し上げて、文句の付けようがありません、あれほどの腕ならばすぐにでも一軍の将軍になれます」
祭「まあ実際、あ奴は董卓軍の元将軍だからのう」
雪蓮「正確には客将だけどね♪」
亜莎「・・・・・もったいないです」
凪「・・・・・・・・・・」
凪は、一刀の動きを瞼に焼き付けようとこの決闘を全身全霊で見ようとしていた
沙和「な、凪ちゃんが怖いの~~」
真桜「恐ろしや~~~」
傍から似れば親の敵を睨んでいるような眼差しである
零「・・・・・・・・・・」
ブンブン!!シュバババ!!ブオンブオン!!
攻撃が当たらず苛立ってきたのか、思春の攻撃は単調で雑になってくる
思春「(くそっ!!なぜ当たらん!!?)」
一刀「・・・・・しっ!」
ガシィッ!
思春「ぐあっ!!?」
一刀は思春の鈴音の柄を蹴り上げ真上に舞い上がらせた
思春「っ!くそっ!!!」
獲物が無くなり思春は一刀に殴りかかる
一刀「はっと」
バシッ!グイッ!
思春「ぐっ!うおっ!?」
当身を捌かれ一刀に柔術の押さえ込みで地面にうつ伏せにされてしまう思春
ヒュンヒュンバシッ!
一刀「・・・・・どうだ、これで満足か?」
思春「・・・・・・・・・・くそっ」
空中から戻ってきた鈴音を一刀が掴み思春の首筋に突き付けた
雪蓮「一刀の勝ちね」
冥琳「まあ思春一人では北郷には到底敵うまい」
亜莎「見事です」
凪「・・・・・・・・・・」(キラキラキラキラ)
その後一同は解散し、一刀と蓮華と思春は一刀の部屋に赴いた
蓮華「思春!!どうしてなの!!?なぜあなたは一刀にそこまでするの!!?一刀は姉様の命を救ってくれたのよ!!」
一刀「まぁまぁ蓮華・・・・・でも、俺も聞きたいな、どうして甘寧はそこまで俺を敵視するんだ?」
思春「・・・・・蓮華様がどうしてお前の後を追っているか分かるか?」
蓮華「え!!?」
一刀「・・・・・・・・・・」
思春「貴様も気付いていたんだろう!!蓮華様がずっと貴様の後に付いていたことくらい!!」
蓮華「ま、まさか?思春!!あなたずっとわたしの後を付けていたの!!?それに一刀も知っていたというの!!?」
一刀「・・・・・確かに気付いていた、でも、なんだか声を掛けづらくてな」
思春「わたしは、いつでも蓮華様のお傍に」
蓮華「ううう~~~~~/////////」
なんて情けない、これでは完全に一人芝居ではないかと蓮華は耳まで赤くなった
思春「貴様も蓮華様の気持ちに気付いているのだろう!!ならばそれに応えろ!!」
一刀「・・・・・甘寧、前にも言っただろう、俺は女の人のそういった気持ちには応えることができない」
思春「・・・・・・・・・・」
蓮華「・・・・・・・・・・」
一刀「でも、甘寧の怒りも尤もだ、俺は女性の気持ちには応えることができないけれど甘寧の怒りには正面から応える、これから甘寧が苛付いたらいつでも来てくれ」
思春「・・・・・・・・・・」
一刀「でも、できれば決闘とかそういったことは止めてほしいな、試合だったら俺はいつでも相手になるから」
思春「・・・・・思春だ」
一刀「え?」
思春「わたしの真名だ、お前に預けよう」
一刀「どうしたんだ?急に」
思春「お前が最低限でも人を気遣い、人の気持ちを考えることができる奴だと分かったからだ」
一刀「ありがとう、思春」
思春「わたしは北郷と呼ぶ」
一刀「分かった、これから宜しくな、思春」
思春「ふんっ!・・・・・それと、遅れてしまったが、孫策様を助けてくれたこと、礼を言う・・・・・ありがとう」
そして、思春は一刀の部屋から去っていった
蓮華「・・・・・ごめんなさい、一刀」
一刀「いいんだよ、俺も声を掛けなかったからな」
蓮華「後をつけていたこといつから気付いていたの?」
一刀「凪・・・・・楽進と稽古をしている前からかな」
蓮華「ちょっと!!最初からじゃない!!////////」
ますます恥ずかしい、これでは今は無き母に合わせる顔も無い
蓮華「・・・・・一刀」
一刀「なんだい蓮華!?」
蓮華「ん・・・・・ちゅ・・・・・んん・・・・・はぁ・・・・・」
一刀「・・・・・んん・・・・・ん・・・・・は・・・・・」
いきなり蓮華は一刀を抱き寄せ唇を重ねた
蓮華「一刀・・・・・好き////////」
一刀「・・・・・蓮華」
蓮華「一刀が自分の手が、自分の体が汚れているというのならわたしも同じだけ汚れて見せるわ」
一刀「・・・・・・・・・・」
蓮華「だからあなた一人だけ汚れようとしないで、わたしにも・・・・・いいえ!呉のみんなにもあなたの苦しみを分けて!」
一刀「・・・・・蓮華・・・・・それはだめだ」
蓮華「一刀・・・・・」
一刀「蓮華はこれから雪蓮の後を継ぐんだろう、そんな人がそんなこと軽々しく言っちゃだめだ」
蓮華「・・・・・・・・・・」
一刀「俺は蓮華の女性としての問いかけには応えられない・・・・・だから気持ちだけ受け取っておく」
蓮華「・・・・・・一刀、姉様を助けてくれたことわたしもちゃんとお礼を言っていなかったわね・・・・・本当にありがとう」
そう言って蓮華は名残惜しそうに一刀の部屋を出て行った
一刀「・・・・・どうして呉の人達って、あんな魅力的な人達でいっぱいなんだろう」
ある意味拠点
小蓮
バンッ!
一刀「なんだ!?」
いきなり開け放たれる扉の音に驚く一刀
小蓮「ねえねえ一刀~♪」
一刀「なんだい?シャオ」
小蓮「これから雪蓮お姉様と純夏さんが試合するんだけど見に行かない~?」
一刀「雪蓮と純夏が?」
小蓮「うんうん♪」
一刀「面白そうだな、行ってみるか」
小蓮「やった♪」(ニヤニヤ)
そして一刀と小蓮は中庭にやってきた
小蓮「お姉ちゃん、純夏さん、連れてきたよ♪」(ニヤニヤ)
雪蓮「お♪ようやく来たわね♪」(ニヤニヤ)
純夏「遅いわよ、一刀」(ニヤニヤ
一刀「ああ、ごめん・・・・・???」
どうしてみんなそろってニヤニヤしているんだろうと一刀は不思議がっていた
「????」
呉と魏と蜀と袁術一同もなぜ三人がニヤニヤしているのか分からなかった
雪蓮「それじゃあ始めましょうか、純夏」
純夏「ええ」
そして二人は南海覇王と紅蓮槍を構える
思春「では・・・・・始め!」
雪蓮「はあああああああああああ!!!」
純夏「でりゃあああああああああ!!!」
ガキーーーーーーーーーン!!ゴキーーーーーーーン!!ガキャーーーーーーーーン!!カアーーーーーーーン!!
ギュイーーーーーーーーン!!バチーーーーーーーーン!!キイーーーーーーーーーーン!!
数合打ち合って雪蓮と純夏の動きは止まり互いに睨み合う
小蓮「・・・・・ねぇ一刀、どっちが勝つか賭けない?」
一刀「え?」
小蓮「外れた方は、勝者の言うことを何でも聞くということで♪」
一刀「・・・・・・・・・・」(じと~~~~~~~~~~~~~~)
怪しそうに一刀は小蓮を見る
小蓮「あ、もちろん不可能なことや理不尽なことや、一刀にここに一生居てとか、そういったことは言わないから」
一刀「・・・・・分かったよ・・・・・そうだな~~・・・・・」
一刀は、睨み合っている雪蓮と純夏を見て
一刀「・・・・・引き分け・・・・・と、言いたいが、純夏が勝つ方に賭けよう」
小蓮「分かった♪じゃあシャオはお姉ちゃんが勝つ方に賭けるね♪(二人とも話は聞いたね♪)」
純夏「(分かったわ♪)」
雪蓮「(ちょっと一刀!何であたしが勝つ方に賭けてくれないのよ!?)」
三人はアイコンタクトで互いの意思を汲み取った
そして
バチーーーーーーーーーーーーーーーン!!!
純夏「うわっ!!」
雪蓮「あたしの勝ちね、純夏♪」
純夏「不覚を取ったわね、でも今度は負けないから」
小蓮「あははは~~♪一刀~~♪シャオの勝ち~~♪」
一刀「・・・・・ああ、シャオの勝ちだ」
小蓮「それじゃ約束通り何でも言うこと聞いて貰うね~♪みんなしばらく待っててね~♪」
一刀「(純夏のやつ、わざと負けたな)」
途中までは二人とも本気で戦っていたようだが、途中から互いの意思を汲み取り純夏が手を抜き出したのは一刀も分かっていた
一刀「(まいいか、不可能なことや理不尽なことは強制されないみたいだし)」
沙和「え~!何何~!?何をするの~!?」
瞳をキラキラさせて沙和が一刀と小蓮の間に入ってきた
小蓮「・・・・・実はね~(ごにょごにょごにょ)」
沙和「ふんふん・・・・・あ~~~♪面白そうなの~♪沙和も手伝うの~♪」
小蓮「なら于禁もこっちに来て♪」
沙和「行くの~♪」
小蓮と沙和は一刀をつれて廊下を歩いていった
「????」
一同はただただ頭の上に?マークを浮かべていた
雪蓮「・・・・・・・・・・」(ニヤニヤ)
純夏「・・・・・・・・・・」(ニヤニヤ)
雪蓮と純夏を除いて
そしてしばらく経ち
小蓮「おまたせ~♪」
沙和「おまたなの~♪」
風「一体何があったのですか~?」
雛里「・・・・・一刀さんはどうしたんですか?」
小蓮「ここにいるよ~~♪♪♪・・・・・ほ~~ら、恥ずかしがってないで出て来る!」
一刀「勘弁してくれ~!!」
「????」
物陰に隠れているらしく一刀の姿は一同には見えない
沙和「ほらほら、羨ましいくらい似合ってるんだから」
そう言いながら沙和も一刀を引っ張り出そうとする
一刀「お、おい!!」
小蓮&沙和「「じゃじゃ~~~ん♪♪♪♪」」
小蓮と沙和が連れ出したのは
「・・・・・・・・・・誰?」
雪蓮と純夏も唖然とする
そこにいるのは、煌びやかなドレスに身を包み化粧をし、凛とした姿で立っている女性だった
風「誰ですか~?この人は~?」
雛里「お綺麗な方ですね~」
沙和「・・・・・えっと~~~・・・・・風様も鳳統さんも気付かないの~?」
風&雛里「「???」」
小蓮「そりゃそうだよね~、シャオも始め見た時、ほんとに一刀?って思っちゃったし」
風&雛里「「・・・・・え?」」
雪蓮「え~~~と・・・・・本当に一刀なの?」
一刀「・・・・・・・・・・そうだよ////////////」
ええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
中庭に一同の声が響き渡る
雪蓮「嘘!!本当に一刀なの!!?」
純夏「信じられないわ・・・・・」
蓮華「か、か、か、か、か、一刀!!?///////////」
思春「・・・・・///////////」
冥琳「////////////」
明命「一刀さん、凄く似合ってます~~♪////////」
穏「いや~~~~ん♪わたくし何かに目覚めてしまいそうです~~~♪/////////」
亜莎「おおおおお綺麗です!かかかかかか一刀様!///////////」
祭「・・・・・なんじゃこの敗北感は」
星「これはこれは・・・・・なんと美しい女人か///////」
雛里「あわわわわ~~~~////////」
風「これを華琳様と悠さんに見せたら拙いことになりそうですね~////////」
稟「かかかかか一刀殿!!!??ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!////////」
ドサッ(倒れた音)
凪「一刀様・・・・・とてもお似合いです///////」
真桜「これはあかんわ~~///////」
零「これほど女装が似合う万夫不当、一騎当千の戦士はこの広い大陸といえども北郷一人しかいないでしょ////////」
美羽「一刀・・・・・綺麗なのじゃ~~////////」
七乃「女装大会を開いたらぶっちぎりで優勝しちゃいそうですね~/////////」
彩「・・・・・これはなんとも////////」
一同が一刀を見る目は文字通り同じであるらしい
一刀「(そんな目で見ないでくれ)/////////////」
しかし、当の本人はそれどころではない
純夏「・・・・・これは、見るべきではなかったかもしれないわね」
雪蓮「ええ、女としての自信が無くなっていくわ・・・・・」
もともと髪の長かった一刀
その髪を油香で綺麗に梳かし、化粧でうまく右頬の傷を隠し、綺麗なドレスを着れば各国の美少女が羨む様な大人の女性の出来上がりである
一刀「・・・・・それにしても、稟は大丈夫なのか?」
凪「え?」
真桜「あ?」
稟「////////////////」(ビクッ!ビクッ!)
稟は、倒れた状態で鼻血を出しながら痙攣していた
凪「わあああああああ!!稟様ーーーーー!!」
真桜「これはあかんでーーーーー!!」
風「稟ちゃん新記録でしたからね~♪」
沙和「そんなこと言ってる場合じゃないの~~!!誰か手を貸してなの~~!!」
星「稟!しっかりしろ!」
稟の鼻血によって混乱する一同
その混乱に乗じて一刀はその場を離脱
女装を脱ぎ、化粧も落としてもとの状態に戻ったのだった
ある意味拠点
穏
穏「これでどうでしょう!!」
冥琳「・・・・・ふっ、甘いな・・・・・ほれ」
穏「ああああ~~~~」
亜莎「やっぱり冥琳様はお強いです」
雛里「あわわ~~」
風「さすがは呉の大軍師さんですね~」
稟「相手の隙を的確に突いていますね」
零「・・・・・・・・・・」
中庭の東屋では魏、呉、蜀の軍師達が将棋をやっていた
まだ割拠の時代は終わっていないのに奇妙な光景である
一刀「何やってるんだ?」
穏「あ、一刀さん」
冥琳「おお、北郷」
雛里「将棋です」
一刀「へぇ~~~~・・・・・で、どっちが勝ってるのかな?」
亜莎「冥琳様の圧勝です」
一刀「・・・・・みたいだな」
盤上を見てみると穏の駒が殆ど無い
ここから挽回することは素人が見ても不可能と分かる
穏「参りました~~」
冥琳「貴様もまだまだ修行が足りないな」
穏「冥琳様が強すぎるんですよ~~!!少しは手加減してくださいよ~~!!魏と蜀の皆さんの前で弟子を袋叩きにして楽しいんですか~~!!?」
膨れっ面になる穏
稟「一刀殿も指してみませんか?」
一刀「将棋か・・・・・すまないけどやったことが無いんだ」
風「それでは風が教えて差し上げましょう~」
そう言いながら風は一刀の膝の上に陣取った
亜莎「あ、わたくしもお手伝いします」
一刀「そうか、なら教えて貰おうかな」
それから半々刻後(約30分後)
一刀「これはこうやって動かして、ここはこうすると」
風「はい~、そうですよ~」
亜莎「一刀様、すごく覚えが早いですね」
一刀「ここがこうして、これをこうやると」
雛里「そうです♪」
一刀「・・・・・大体覚えたかな」
もともと自分の世界にあったチェスと似たようなものだったので覚えるのにそんなに時間はかからなかった
冥琳「では、ためしに穏と一局してみたらどうだ?」
零「面白そうね、天の世界の一手も見れるかもしれないわね」
一刀「だから俺はそんなご大層なものじゃありません」
稟「そう思っているのはもはや一刀殿しかいないかもしれませんよ」
一刀「そんなんじゃないのに・・・・・それじゃあよろしくお願いするよ、穏」
穏「はいはい~♪」
それから半々刻後(約20分後)
一刀「・・・・・ここをこうして」
穏「むぅ・・・・そう来ますか~ではではこうしましょう」
一刀「・・・・・ん」
穏「まあまあ~、そんな切り替えし方をするのですか~」
冥琳「・・・・・これは」
風「なんと~」
稟「一刀殿もなかなか・・・・・」
亜莎「穏様の攻めを凌いでいます」
零「なかなかやるわね」
雛里「(こくこく)」
一刀は盤上で穏の攻めを何とか凌いでいた
しかし
穏「これで、どうでしょう!」
一刀「・・・・・チェックメイトだな、俺の負けだ」
穏「ちぇっく・・・めいと・・・・・ですか~?」
一刀「俺が前居たところでは、将棋で相手の手を完全に封じることをチェックメイトって言うんだ」
穏「ほうほう・・・・・チェックメイトです~♪」
冥琳「それにしても北郷、本当に将棋をやるのは初めてなのか?」
零「初めてにしてはかなり強い方ね」
亜莎「確かに穏様が勝ちましたけど、一刀様は穏様の右陣を制圧していました」
風「陸孫さんがそれを巻き返すのに十手ほど使いましたからね~」
一刀「俺が前居たところにも似たような盤上の遊びがあったんだ、それを思い出しながら打っていたんだよ」
稟「天の世界にも将棋はあるのですね」
一刀「天とかじゃないんだけどな・・・・・」
穏「それじゃあ一刀さん~、3回勝負やりませんか~?」
一刀「ああ、いいよ」
半刻後(約1時間後)
穏「・・・・・これで、チェックメイトです~」
一刀「ふぅ~~~・・・・・一回だけ勝てたな」
勝負は一刀の一勝二敗だった
冥琳「それにしても、ついさっき始めたにしてはなかなか早い上達振りだな」
亜莎「はい、穏様の陣地を制圧している時間がかなり長くなってきましたし」
風「それに陸遜さんの数手先を読んでいましたしね~」
一刀「あんなの偶然だよ、素人の腕なんてこんなもんだ」
風「それでは今度は風と一局お願いします~」
稟「あ!一刀殿わたくしともお願いします!」
冥琳「わたしとも頼むぞ、北郷」
雛里「一刀さん、お願いします~」
零「面白そうね」
一刀「分かった分かった」
それから一同は日が暮れるまで将棋を指していた
どうもseigouです
今回は呉のある意味拠点前編です
文字数が多くてこれだけしか投稿できませんでした
もう後編も出来上がっていますが、しばらくしたら投稿します
では、また
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呉のある意味拠点(前編)
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