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真・恋姫†無双~赤龍伝~第37話「徐州脱出 中篇」

さん

この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。
赤斗が曹操の保護下に入ったので、ただ今は魏√に脱線中です。
主人公も含めてオリジナルキャラクターが多数出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。

2011-03-03 04:43:06 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4566   閲覧ユーザー数:4007

真・恋姫†無双~赤龍伝~第37話「徐州脱出 中篇」

 

 

 

―――劉備の本陣―――

 

劉備「曹操さん」

 

関羽の案内のもと劉備の本陣へと訪れた赤斗や曹操たちを、劉備が諸葛亮や張飛と共に出迎えた。

 

曹操「久しいわね、劉備。連合軍の時以来かしら?」

 

劉備「はい。あの時はお世話になりました」

 

張飛「あーー! 赤いお兄ちゃんなのだ!」

 

張飛が赤斗に気が付いて大声をあげる。

 

劉備「え? 風見さん?」

 

赤斗「お久しぶりです、劉備さん。今は訳あって、曹操のところで世話になっています」

 

曹操「それにしても、今度は私の領地を抜けたいなどと……また、随分と無茶を言ってきたものね」

 

劉備「すみません。でも、皆が無事にこの場を生き延びるためには、これしか思いつかなかったので……」

 

曹操「まあ、それを堂々と行うあなたの胆力は大したものだわ。……いいでしょう。私の領を通る事を許可しましょう」

 

劉備「本当ですか!」

 

夏候惇「華琳様!?」

 

郭嘉「華琳様。劉備にはまだ何も話を聞いておりませんが……」

 

曹操「聞かずとも良い。……こうして劉備を前にすれば、何を考えているのかが分かるのだから」

 

劉備「曹操さん……」

 

曹操「ただし街道はこちらで指定させてもらう。……米の一粒でも強奪したなら、生きて私の領地を出られないと知りなさい」

 

劉備「はい! ありがとうございます!」

 

曹操「それから通行料は……そうね。関羽でいいわ」

 

劉備「………え?」

 

話がとんとん拍子で進んでいたので、曹操の言葉に劉備が固まってしまった。

 

 

曹操「何を不思議そうな顔をしているの? 行商でも関所では通行料くらい払うわよ? 当たり前でしょう」

 

劉備「え、でも、それって……!」

 

曹操「あなたの全軍が無事に生き延びられるのよ?もちろん、追撃に来るだろう袁紹はこちらで何とかしてあげましょう。その代価をたった一人の将の身柄であがなえるのだから……安いものだと思わない?」

 

関羽「……桃香様」

 

劉備「曹操さん、ありがとうございます」

 

赤斗「!?」

 

諸葛亮「桃香様っ!?」

 

張飛「お姉ちゃん!」

 

劉備の言葉に一同が驚く。

 

劉備「………でも、ごめんなさい」

 

曹操「あら」

 

劉備「愛紗ちゃんは大事な私の妹です。鈴々ちゃんも朱里ちゃんも……他の皆も、誰一人欠けさせないための、今回の作戦なんです。だから、愛紗ちゃんがいなくなるんじゃ、意味がないんです。こんな所まで来て貰ったのに……本当にごめんなさい」

 

そう言って劉備はぺこりと頭を下げた。

 

赤斗「……劉備さん」

 

曹操「そう。……さすが徳をもって政をなすという劉備だわ。……残念ね」

 

赤斗「…………」

 

曹操「不服そうね、赤斗」

 

赤斗「そりゃまあね。………正直言って………劉備さんの力になってあげたい。でも、今の僕の立場では………」

 

曹操「ふーーん」

 

 

関羽「桃香様……私なら」

 

劉備「言ったでしょ? 愛紗ちゃんがいなくなるんじゃ意味がないって。朱里ちゃん、他に経路がないか調べてみて」

 

諸葛亮「……はい、もう一度候補を洗い直してみます!」

 

曹操「劉備」

 

劉備「……はい?」

 

曹操「甘えるのもいい加減になさい!!」

 

劉備「……っ!」

 

曹操「たった一人の将のために、全軍を犠牲にするですって? 寝ぼけた物言いも大概にすることね!」

 

劉備「で……でも、愛紗ちゃんはそれだけ大切な人なんです!」

 

曹操「なら、その為になら他の将……張飛や諸葛亮、そして生き残った兵が死んでも良いというの!?」

 

劉備「だから今、朱里ちゃんに何とかなりそうな経路の策定を……!」

 

曹操「それがないから、私の領を抜けるという暴挙を思いついたのではしょう? ………違うかしら?」

 

劉備「……そ、それは……」

 

曹操「諸葛亮」

 

諸葛亮「はひっ!」

 

曹操「そんな都合の良い道はあるの?」

 

諸葛亮「そ……それは……」

 

曹操「凛。この規模の軍が、袁術の追跡を振り切りつつ、安全に益州辺りに抜けられる経路に心当たりはある?」

 

郭嘉「はい。幾つか候補はありますが……追跡を完全に振り切れる経路はありませんし、危険な箇所も幾つもあります。わが軍の精兵を基準としても、戦闘もしくは強行軍で半数は脱落するのではないかと……」

 

劉備「……っ。朱里ちゃん……」

 

諸葛亮「…………」

 

劉備「そんな………」

 

曹操「現実を受け止めなさい、劉備。あなたが本当に兵のためを思うなら、関羽を通行料に、私の領を安全に抜けるのが一番なのよ」

 

関羽「桃香様……」

 

赤斗「劉備さん……」

 

劉備「曹操さん……だったら……」

 

曹操「それから、あなたが関羽の代わりになる、などという寝ぼけた提案をする気なら、この場であなたを叩き斬るわよ。国が王を失ってどうするつもりなの?」

 

劉備「…………!」

 

曹操「……どうしても関羽を譲る気はないの?」

 

劉備「…………」

 

曹操「まるで駄々っ子ね。今度は沈黙?」

 

劉備「…………」

 

曹操「いいわ。あなたと話していても埒があかない。………ならば劉備、賭けをしましょうか」

 

劉備「……え?」

 

 

曹操「聞こえなかった? 賭けをするのよ」

 

劉備「……賭け、ですか」

 

曹操「そうよ。互いに代表者を一人ずつ出し合って一騎打ちをするのよ。もし、あなたたちの代表者が勝てば、このまま私の領を通過するといいわ。けど、負けたなら関羽を通行料として頂くわ。力づくでもね」

 

劉備「そんな……」

 

関羽「……良いでしょう」

 

劉備「愛紗ちゃん!?」

 

関羽「大丈夫です、桃香様。ようするに私が勝てば良いのですから」

 

劉備「愛紗ちゃん……」

 

曹操「どうやら、関羽のほうが分かっているようね。では、そちらの代表者は関羽で決まりという事で良いかしら?」

 

関羽「ええ。構いません」

 

曹操「なら、こちらの代表者は……」

 

夏候惇「華琳様! 私が代表者に!!」

 

曹操「赤斗!」

 

赤斗「………はい?」

 

関羽「なに?」

 

夏候惇「華琳さまっ!!」

 

曹操「赤斗。あなたが私たちの代表者よ。よろしくね」

 

赤斗「曹操、ちょっと待て! 何で僕なんだ? こういった場合は夏候惇なんじゃないか?」

 

曹操「傷はすでに癒えているのでしょう。それにもし、あなたが勝てば孫堅たちのもとに帰っていいわよ」

 

赤斗「えっ?」

 

曹操「あなたが勝ってくれれば、私は関羽を手に入れることができる。負けてもあなたは残ってくれる。私に損はないのだから」

 

赤斗「…………」

 

劉備「風見さん……」

 

劉備に月や詠たちの借りを返すチャンスであるが、早く火蓮たちのもとに帰りたい気持ちもあり、赤斗は迷っていた。

 

曹操「あら。勝てば孫堅のもとに帰れるのよ。あなたにも悪くない話だと思ったのだけれど……止めておく?」

 

赤斗「いや。やるよ……」

 

曹操「そう。決まりね。……なら早速始めましょう」

 

赤斗と関羽は無言で頷く頷いて、お互いに向かい合う。

 

 

関羽「悪いが、手加減はしないぞ」

 

赤斗「当然でしょう。僕も本気でいきます!」

 

そう言って、二人は武器を構える。

 

他の者たちは黙って成り行きを見守る。

 

曹操「始めっ!!」

 

そして、一騎打ちを開始する声が辺りに響いた。

 

 

 

つづく

 

 

~あとがき~

 

呂です。読んでくださって、ありがとうございます。

 

次回は後篇。赤斗と関羽の一騎打ち。

 

 

真・恋姫†無双~赤龍伝~に出てくるオリジナルキャラクターの紹介

 

オリジナルキャラクター①『風見赤斗』

 

姓 :風見(かざみ)

名 :赤斗(せきと)

字 :なし

真名:なし

武器:花天と月影……二振りの日本刀(小太刀)。赤色の柄で赤銅の鞘に納まっているのが“花天”で、黒色の柄で黒塗りの鞘に納まっているのが“月影”。

 

本編主人公の少年。

身長168㌢。体重58㌔。年齢17歳。黒髪黒眼。

放課後に道場で古武術の達人である先生に稽古をつけてもらうのが日課だったが、ある日道場で黒尽くめの男に襲撃される。

その際、赤い光に包まれて恋姫の世界に飛ばされる。

死にかけていた所を、火蓮によって保護され“江東の赤龍”という異名を付けられる。

古武術 無双無限流を学んでおり、その奥義を使えば恋姫の世界の武将とも闘えることができる。

無双無限流には、『全ての奥義を極めしとき、その身に龍の力が宿る。』という伝承がある。

奥義には“疾風”“浮葉”“流水”“月空”“烈火”“絶影”“龍鱗”“狂神”などがある。

 

能力値:統率3・武力4・知力4・政治2・魅力4

 

 

 

オリジナルキャラクター②『孫堅』

 

姓 :孫

名 :堅

字 :文台

真名:火蓮(かれん)

武器:南海覇王……やや長めの刀身を持つ、両刃の直刀。派手な装飾はないものの、孫家伝統の宝刀。

 

孫策(雪蓮)たちの母親。

身長173㌢。腰まで伸びる燃えるような赤い髪の持ち主。

血を見ると雪蓮以上に興奮してしまう。

孫尚香(小蓮)には非常に甘い。周りの人間が呆れるほどに甘い。

この外史“赤龍伝”では孫堅は死んでいない。

 

能力値:統率5・武力5・知力3・政治4・魅力5

 

 

 

オリジナルキャラクター③『諸葛瑾』

 

姓 :諸葛

名 :瑾

字 :子瑜

真名:藍里(あいり)

武器:風切羽(かざきりばね)……火蓮から受け取った護身用の短刀。諸葛瑾(藍里)の実力が低いので、あまり役に立っていない。

 

諸葛亮(朱里)の姉。

諸葛亮(朱里)とは違い、長身で胸も大きい女性。髪は金髪でポニーテール。

温厚で気配りのできる性格で、面倒見も良い。赤斗の世話役として補佐につく。

一時は、自分たちとは違う考え方や知識を持つ赤斗に恐怖心を持っていた。

政治、軍事、外交と様々な仕事をこなすが、諸葛亮(朱里)には僅かに及ばない。

 

能力値:統率3・武力1・知力4・政治4・魅力4

 

 

 

オリジナルキャラクター④『太史慈』

 

姓 :太史

名 :慈

字 :子義

真名:嶺上(りんしゃん)

武器:雷電(らいでん)……二本の小型の戟。

 

非常に勇猛かつ、約束に律儀な武将。銀髪レゲエの女性。

孫策(雪蓮)と一騎打ちして引き分けたことがある。

それ以来、孫策の喧嘩友達になっており、よく喧嘩をしている。

また、諸葛瑾(藍里)と仲が良い。

弓の名手でもあり、その腕は百発百中。

 

能力値:統率4・武力4・知力3・政治2・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑤『司馬懿』

 

姓 :司馬

名 :懿

字 :仲達

真名:不明

武器:不明

 

黒尽くめの衣装を身に纏った、曹操軍の軍師。

曹操軍に属しているが、曹操からの信頼はないといっても良い。

色々と裏で暗躍しており、虎牢関では張遼を捕え、術により自分の傀儡にしている。

 

能力値:統率5・武力?・知力5・政治5・魅力?

 

 

 

オリジナルキャラクター⑥『玄武(げんぶ)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:魏軍正式採用剣……魏軍に配備されている剣。

 

司馬懿の部下。

普段は何の変哲もない魏軍の鎧を身に纏い、普通の兵士にしか見えない。

しかし、眼の奥からは異質な気を醸し出している。

虎牢関では、鴉と一緒に張遼を捕えた。

 

能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力2

 

 

 

オリジナルキャラクター⑦『鴉(からす)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:爆閃(ばくせん)……司馬懿から受け取った回転式拳銃。

 

司馬懿の部下。

性格は軽く、いつも人を馬鹿にしているような態度をとる。

司馬懿と同じ黒い衣装だが、こちらの方がもっと動きやすい軽装な格好をしている。

寿春城では、孫堅(火蓮)を暗殺しようとした。

 

能力値:統率2・武力4・知力2・政治1・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑧『氷雨(ひさめ)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:氷影(ひえい)……氷のように透き通った刃を持つ槍。

 

司馬懿の部下。

青い忍者服を着た長い白髪の女。

背中には“氷影”を携えている。戦闘時には全身からは氷のように冷たい殺気が滲み出す。

洛陽で董卓(月)と賈駆(詠)を暗殺しようとした所を、赤斗と甘寧(思春)に妨害される。

 

能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑨『宮本虎徹』

 

姓 :宮本(みやもと)

名 :虎徹(こてつ)

字 :なし

真名:なし

武器:虎徹……江戸時代の刀工が作った刀。

 

赤斗の古武術の師匠。

年齢は50歳。実年齢よりも、肉体年齢は若い。

赤斗と一緒に、恋姫の世界に飛ばされたと思われる。

最初は河北に居て、それからは用心棒をしながら、色々と辺りを転々としている。

赤斗曰く、『無双無限流の妙技を見せてやるっ!』が口癖で、その実力は呂布(恋)以上。

 

能力値:統率?・武力6・知力5・政治?・魅力?

 

 

 

※能力値は「5」が最高だが、呂布の武力と劉備の魅力は「6」で規格外。


 
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