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真・恋姫†無双~赤龍伝~第36話「徐州脱出 前篇」

さん

この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。
赤斗が曹操の保護下に入ったので、ただ今は魏√に脱線中です。
主人公も含めてオリジナルキャラクターが多数出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。

2011-03-01 16:07:58 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4356   閲覧ユーザー数:3810

真・恋姫†無双~赤龍伝~第36話「徐州脱出 前篇」

 

 

 

司馬懿(何故、術が効かなかったのだ…………)

 

自分の部屋で司馬懿は、赤斗に傀儡の術が効かなかったことを思い出した。

 

張遼には効いた傀儡の術が、赤斗には効かなかった。それは何故か、天の世界からきたからか。それとも他に理由があるのか。司馬懿は考えた。

 

玄武「失礼いたします。仲達様」

 

司馬懿「何か用か?」

 

部屋に入ってきた玄武に、司馬懿は不機嫌に言った。

 

玄武「申し訳ありません。風見赤斗の件ですが……」

 

司馬懿「風見赤斗がどうしたのだ?」

 

玄武の言葉を聞いて、司馬懿はさらに不機嫌になり、玄武を睨みつけた。

 

玄武「…………私が風見赤斗を殺しましょう」

 

司馬懿「何だと……」

 

玄武「もはや、あの者を見過ごす訳には参りません。仲達様の命令さえあれば、私がこの手で……」

 

司馬懿「………お前の好きにしろ」

 

玄武「はっ!」

 

司馬懿「もしやと思っていたが、あの時の孺子が生きていたとは……な」

 

赤斗が疑っていたように、赤斗や赤斗の師匠の虎徹を襲撃した黒ずくめの男の正体は、司馬懿だった。

 

その司馬懿も、赤斗がこの世界に来ていたことを知らなかった。来ていることに気がついたのは、反董卓連合の軍議であった時だった。

 

玄武「あの時?」

 

司馬懿「お前には関係のないことだ」

 

玄武「…………」

 

司馬懿「さあ、もう行け」

 

玄武「はっ……失礼いたしました」

 

玄武は仲達の部屋を出て行った。

 

 

数日後………。

 

赤斗「ふわ~」

 

大きなあくびをしながら、赤斗は典韋と廊下を歩いていた。

 

典韋「赤斗さん、大丈夫ですか?」

 

赤斗「さすがに、眠いな……」

 

その夜、部屋で眠っていた赤斗は、典韋に起こされた。

 

大至急、玉座の間に集合してほしいとのことだっだ。

 

赤斗「こんな時間にどうしたんだろ?」

 

典韋「さあ、私も理由は分かりません」

 

赤斗「いったい何の用だろ」

 

そう言って赤斗は、典韋と一緒に玉座の間に入った。

 

赤斗「あれ、呼ばれたのは僕だけじゃないんだ」

 

玉座の間には、曹操軍の主要な面々が揃っていた。もちろん司馬懿もその中にはいた

 

張遼「やっほー、赤斗ーー♪」

 

赤斗が玉座に入ってきたのを見て、張遼が手を振ってきた。

 

赤斗「やあ張遼。元気だね」

 

張遼「そういう赤斗は、元気がないんとちゃう?」

 

赤斗「まあ、夜中だから、元気いっぱいとはいかないかな」

 

荀彧「そこ! うるさいわよ!」

 

赤斗・張遼「へーい」

 

そこに曹操たち三人が入ってきた。

 

曹操「全員揃ったわね。急に集まってもらったのは、他でもないわ。秋蘭」

 

夏候淵「先ほど早馬で、徐州から国境を越える許可を受けにきた輩がいる」

 

張遼「……何やて?」

 

曹操「入りなさい」

 

関羽「……は」

 

楽進「……な!」

 

赤斗「え……!?」

 

張遼「何やて……!」

 

荀彧「関羽……!?」

 

 

曹操「見覚えのある者もいるようだけど、一応、名を名乗ってもらいましょうか」

 

関羽「わが名は関雲長。徐州を治める劉玄徳が一の家臣にして、その大業を支える者」

 

張遼「なんで関羽がこないな所に……」

 

関羽「ん? ……お主は。……どうして曹操殿のところに? 寝返ったのか?」

 

赤斗「違う! 訳あって曹操のところにいるだけだ。……袁紹が徐州に攻め入ったとは聞いていたけど、君がここに居るってことは、曹操に助けを求めにきたのか?」

 

曹操「残念だけれど、少し違うわね。説明してくれるかしら?」

 

関羽「……私は、曹操殿の領地の通行許可を求めに参りました」

 

赤斗「袁紹から逃げるため、曹操の領地を抜けて益州に行くつもりか!」

 

関羽「……その通りだ」

 

楽進「なんと無謀な……」

 

李典「けど、まともに袁紹の大軍と正面からぶつかるよりは、マシやけど思うで」

 

赤斗「火れ…いや、孫堅には助けを求めないのか?」

 

関羽「…………孫堅殿が孫策殿に家督を譲ってから、江東の豪族が反乱を起こした。そのせいで助けには来れないそうだ………」

 

赤斗「豪族が……反乱?」

 

関羽「…………知らなかったのか?」

 

赤斗「……知らなかった。……それで曹操に」

 

楽進「それはそうだが、我々とて別に劉備殿の国と同盟を組んでいるわけではないだろう?」

 

曹操「そういうこと。それに正直、関羽もこの案は納得していないようでね……そんな相手に返事する気になれないのよ」

 

関羽「………」

 

張遼「ほんならなんで、こんな決死の使いを買って出たんや?」

 

関羽「わが主、桃香様の願いを叶えられるのが、私だけだったからだ。それに我々が生き残る可能性としては、これが最も高い選択でもあった」

 

張遼「……主のためやて。どっかの誰かさんみたいなこと言うやん」

 

一同が揃って、夏候惇を見る。

 

夏候惇「わ……私はこんなに愚直ではないぞ!」

 

一同「………」

 

夏候惇「誰か何とか言えよ!」

 

曹操「だから、これからその返答をしに劉備の元へ向かおうと思うのだけれど……。誰か、付いてきてくれる子はいるかしら?」

 

 

結局、城の留守を任された司馬懿以外、玉座の間に居た全員が付いてきていた。

 

荀彧「何で他所者のアンタまで付いてくるのよ」

 

赤斗「別に、ただ……最後まで見届けようと思っただけさ」

 

関羽「……感謝します、曹操殿」

 

曹操「さあ。その言葉は、無事に事が済んでから聞くことにするわ」

 

赤斗「無事に?」

 

関羽「それはどういう……?」

 

夏候淵「華琳様。先鋒から連絡が来ました。……前方に劉備の牙門旗。劉備の本陣のようです」

 

曹操「なら関羽、あなたの主の所まで案内して頂戴。何人か一緒に付いてきてくれる?」

 

荀彧「華琳様! 危険です。この状況で劉備の本陣に向かうなど、危険すぎます。罠かもしれません!」

 

夏候惇「せめて、劉備をこちらに呼び出すなどさせては……?」

 

曹操「でしょうね。私も別に劉備のことを信用しているわけではないわ。けれど、そんな臆病な振る舞いを、覇者たらんとしているこの私がしていいと思うかしら?」

 

夏候惇「ぐっ!」

 

曹操「だから関羽。もしこれが罠だったなら……貴方達にはこの場で残らず死んで貰いましょう」

 

赤斗「曹操!」

 

関羽「ご随意に」

 

赤斗「ちょっ、関羽さんまで」

 

曹操「それで……誰が私を守ってくれるのかしら?」

 

夏候惇「はっ!」

 

許緒「僕も行きます!」

 

典韋「私も!」

 

曹操「なら、春蘭、季衣、流琉、霞……それから、凛と赤斗も来なさい。残りの皆はこの場で待機。異変があったなら、秋蘭と桂花の指示に従いなさい」

 

郭嘉「はっ!」

 

荀彧「華琳様、お気をつけくださいませ。春蘭、絶対に華琳様のことをお守りするのよ!」

 

夏候惇「言われるまでもないわ」

 

曹操「流琉。赤斗にあれを」

 

典韋「はい」

 

赤斗「あれ?」

 

典韋「これです。赤斗さん、どうぞ」

 

典韋が花天と月影を赤斗に手渡す。

 

赤斗「曹操?」

 

曹操「何が起きるか分からないから、それは持っておきなさい。では関羽。案内してちょうだい」

 

こうして、赤斗たちは関羽の案内のもと、劉備の本陣への向かうのであった。

 

 

 

つづく

 

 

~あとがき~

 

呂です。読んでくださって、ありがとうございます。

 

次回は中篇。曹操が劉備に提案を…………。

 

 

真・恋姫†無双~赤龍伝~に出てくるオリジナルキャラクターの紹介

 

オリジナルキャラクター①『風見赤斗』

 

姓 :風見(かざみ)

名 :赤斗(せきと)

字 :なし

真名:なし

武器:花天と月影……二振りの日本刀(小太刀)。赤色の柄で赤銅の鞘に納まっているのが“花天”で、黒色の柄で黒塗りの鞘に納まっているのが“月影”。

 

本編主人公の少年。

身長168㌢。体重58㌔。年齢17歳。黒髪黒眼。

放課後に道場で古武術の達人である先生に稽古をつけてもらうのが日課だったが、ある日道場で黒尽くめの男に襲撃される。

その際、赤い光に包まれて恋姫の世界に飛ばされる。

死にかけていた所を、火蓮によって保護され“江東の赤龍”という異名を付けられる。

古武術 無双無限流を学んでおり、その奥義を使えば恋姫の世界の武将とも闘えることができる。

無双無限流には、『全ての奥義を極めしとき、その身に龍の力が宿る。』という伝承がある。

奥義には“疾風”“浮葉”“流水”“月空”“烈火”“絶影”“龍鱗”“狂神”などがある。

 

能力値:統率3・武力4・知力4・政治2・魅力4

 

 

 

オリジナルキャラクター②『孫堅』

 

姓 :孫

名 :堅

字 :文台

真名:火蓮(かれん)

武器:南海覇王……やや長めの刀身を持つ、両刃の直刀。派手な装飾はないものの、孫家伝統の宝刀。

 

孫策(雪蓮)たちの母親。

身長173㌢。腰まで伸びる燃えるような赤い髪の持ち主。

血を見ると雪蓮以上に興奮してしまう。

孫尚香(小蓮)には非常に甘い。周りの人間が呆れるほどに甘い。

この外史“赤龍伝”では孫堅は死んでいない。

 

能力値:統率5・武力5・知力3・政治4・魅力5

 

 

 

オリジナルキャラクター③『諸葛瑾』

 

姓 :諸葛

名 :瑾

字 :子瑜

真名:藍里(あいり)

武器:風切羽(かざきりばね)……火蓮から受け取った護身用の短刀。諸葛瑾(藍里)の実力が低いので、あまり役に立っていない。

 

諸葛亮(朱里)の姉。

諸葛亮(朱里)とは違い、長身で胸も大きい女性。髪は金髪でポニーテール。

温厚で気配りのできる性格で、面倒見も良い。赤斗の世話役として補佐につく。

一時は、自分たちとは違う考え方や知識を持つ赤斗に恐怖心を持っていた。

政治、軍事、外交と様々な仕事をこなすが、諸葛亮(朱里)には僅かに及ばない。

 

能力値:統率3・武力1・知力4・政治4・魅力4

 

 

 

オリジナルキャラクター④『太史慈』

 

姓 :太史

名 :慈

字 :子義

真名:嶺上(りんしゃん)

武器:雷電(らいでん)……二本の小型の戟。

 

非常に勇猛かつ、約束に律儀な武将。銀髪レゲエの女性。

孫策(雪蓮)と一騎打ちして引き分けたことがある。

それ以来、孫策の喧嘩友達になっており、よく喧嘩をしている。

また、諸葛瑾(藍里)と仲が良い。

弓の名手でもあり、その腕は百発百中。

 

能力値:統率4・武力4・知力3・政治2・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑤『司馬懿』

 

姓 :司馬

名 :懿

字 :仲達

真名:不明

武器:不明

 

黒尽くめの衣装を身に纏った、曹操軍の軍師。

曹操軍に属しているが、曹操からの信頼はないといっても良い。

色々と裏で暗躍しており、虎牢関では張遼を捕え、術により自分の傀儡にしている。

 

能力値:統率5・武力?・知力5・政治5・魅力?

 

 

 

オリジナルキャラクター⑥『玄武(げんぶ)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:魏軍正式採用剣……魏軍に配備されている剣。

 

司馬懿の部下。

普段は何の変哲もない魏軍の鎧を身に纏い、普通の兵士にしか見えない。

しかし、眼の奥からは異質な気を醸し出している。

虎牢関では、鴉と一緒に張遼を捕えた。

 

能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力2

 

 

 

オリジナルキャラクター⑦『鴉(からす)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:爆閃(ばくせん)……司馬懿から受け取った回転式拳銃。

 

司馬懿の部下。

性格は軽く、いつも人を馬鹿にしているような態度をとる。

司馬懿と同じ黒い衣装だが、こちらの方がもっと動きやすい軽装な格好をしている。

寿春城では、孫堅(火蓮)を暗殺しようとした。

 

能力値:統率2・武力4・知力2・政治1・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑧『氷雨(ひさめ)』

 

姓 :不明

名 :不明

字 :不明

真名:不明

武器:氷影(ひえい)……氷のように透き通った刃を持つ槍。

 

司馬懿の部下。

青い忍者服を着た長い白髪の女。

背中には“氷影”を携えている。戦闘時には全身からは氷のように冷たい殺気が滲み出す。

洛陽で董卓(月)と賈駆(詠)を暗殺しようとした所を、赤斗と甘寧(思春)に妨害される。

 

能力値:統率2・武力4・知力3・政治1・魅力3

 

 

 

オリジナルキャラクター⑨『宮本虎徹』

 

姓 :宮本(みやもと)

名 :虎徹(こてつ)

字 :なし

真名:なし

武器:虎徹……江戸時代の刀工が作った刀。

 

赤斗の古武術の師匠。

年齢は50歳。実年齢よりも、肉体年齢は若い。

赤斗と一緒に、恋姫の世界に飛ばされたと思われる。

最初は河北に居て、それからは用心棒をしながら、色々と辺りを転々としている。

赤斗曰く、『無双無限流の妙技を見せてやるっ!』が口癖で、その実力は呂布(恋)以上。

 

能力値:統率?・武力6・知力5・政治?・魅力?

 

 

 

※能力値は「5」が最高だが、呂布の武力と劉備の魅力は「6」で規格外。


 
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