No.201562

変態司馬懿仲達物語 反董卓連合 2

傀儡人形さん

どうも傀儡人形です。

かなりの駄文。キャラ崩壊などありますのでご注意ください
オリキャラが多数出る予定なので苦手な方はお戻りください

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2011-02-14 16:52:02 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2153   閲覧ユーザー数:2003

何進の死と十常侍暗殺。その知らせは瞬く間に大陸に広まっていき、大きな事件として知れ渡った。

先の黄巾党との戦いで大将軍として参戦した肉屋のせがれで妹が皇帝の妻という何の才もない無能な男、何進と政権を握ってやりたい放題に政治を行なっていた漢王朝の裏の支配者、十常侍による水面下での戦いも何進暗殺で幕を閉じるかと思いきや、何進暗殺の為に洛陽に招かれていた董卓の手によって十常侍及び好き勝手に政治を行なおうとした宦官たち全てが暗殺されるという前代未聞の出来事を経て、ようやく洛陽は落ち着きを取り戻した。

董卓はまだ幼い劉協を支える立場として洛陽に留まり、荒れた洛陽を立て直す為に尽力を尽くしているという話であった。

しかし、それを面白くないと思う人物は必ずいる。その一人として名が挙がるのは袁本初。名門袁家の出で自身は司隷校尉という高い地位に付いており、率いる兵も五万という大陸でも上から数える方が早い勢力の一つである。

袁紹は政務などの面倒な仕事は補佐の顔良に全て投げ、暇だ暇だと退屈そうにしていたのだが、董卓の噂を聞くとむきぃー、と苛立った様にジタバタした後、「皆をここへ呼びなさい! 田舎太守などに遅れを取る事は許しませんわ!」と兵士に告げた。

重臣たちはすぐに話し合い、董卓を悪として連合を組むように提案し、袁紹はその策に乗った。

それは瞬く間に反董卓連合という名で大陸中に広まっていった。

それは許昌で政務に打ち込んでいる司馬懿の下にも届き、連合参加を表明して軍備を整え始めた。

と言っても、司馬懿の場合これを予想していており、既に軍備は整い、余裕を持って許昌の街を後にして集結地に向かう途中であった。

 

「尻が痛い……」

「情けないったらないわね。シャキッとしなさいよ、男でしょ?」

「そんなこと言われても、慣れてないんだから仕方ないだろ」

 

ぎこちない乗馬でとても危なっかしい一刀を荀諶がいじめる。同じような会話を司馬懿は聞きながら集結地を目指して軍を進めていた。

司馬懿たちがいるのは軍の中心部分で、前方を姜維が勤めている行軍である。

司馬懿は少し前を行く一刀と荀諶を楽しそうな微笑を浮かべて眺めており、決してその会話に割り込もうとはしなかった。

面白いからである。どれだけ罵倒されても落ち込むが相手を悪く思わない一刀を観察しているとその懐の大きさが測れ、荀諶を観察しているとつい悪口を言ってしまう世話好きの女の子のように見えて想像が膨らんでいくのだ。

今、荀諶のほうによろめいた一刀を彼女が「寄るな!」の一言を載せた拳で態勢を立て直させた。本当に見ていて面白い二人である。

 

「藍花さんは一刀くんが気になっている様子……一刀くんは分かりづらいですね。しかし、意識はして

いるはずです。何せ四六時中とは行きませんが半日程度は一緒にいる間柄なのですから」

 

教育係を託(かこつ)けて一緒になるように仕向けたのは他でもない司馬懿本人である。最初は荀諶を引き止める方法として考えていたが、思った以上に成果があったのでそのまま部屋も隣にしていい雰囲気を作らせようとしたのだが、結局何も進展せずに今に至っている。

けれど問題はない。人生はこれからである。まだまだ何があるかはわからない。

 

「……楽しそうですね。とても不安になる表情をしていますよ」

 

司馬懿の隣で同じく馬に股が駆る徐庶が呟いた。彼女の問いかけに満面の笑みで「ええ、とても」と答えて彼女を更に不安にさせたのは言うまでも無い。

行軍中というのは緊張感はあるものの暇なのだ。警戒は前方の姜維が全てしており、中央の司馬懿たちはのんびりとした行軍をすることができるのである。

そうしたら自然と雑談が増え、司馬懿たちのまわりは笑い声と一部ため息とが混ざり合ったのほほんとした雰囲気となっていた。

 

「司馬懿さま、姜維さまより伝令です。目的地まであと少しなので前方への移動をお願いしたいとのこと」

「わかりました。では彗里、行きましょう。一刀くんと藍花さんは後続の指揮をお願いします」

 

司馬懿と徐庶は馬を走らせ姜維の下に急いだ。

 

「止まってくれる? そうそう、ありがと」

 

そう言われて司馬懿は行軍を停止した。

 

「旗を見る限り許昌の司馬懿、で間違いない? ウチの予想は当たってるとしたらアンタが司馬懿」

「正解です。許昌より司馬懿仲達、四万の兵を従えて参上しました」

「四万……大層な数だこと。流石と言うべきかしら。ま、いっか。これに兵数と将の名前、お願いね」

「将の名まで? 用意周到ですね。それは袁紹さんの指示ですか?」

「まさか。ウチらの提案。アレがまともなこと言うはずないでしょ」

「ふふ、自身の主君を悪く言うとは……名前を窺ってもよろしいですか?」

「郭図(かくと)。告げ口しても無駄よ? そこら辺の事情は子犬ちゃんにでも聞いてちょうだい」

 

郭図と名乗った少女は一団を引き連れて戻っていき、残された兵士が陣の配置を指定するという事で姜維に任せて袁紹への挨拶をしようと馬を下りて天幕に向かった。

途中、後ろをついてくる徐庶が顔を真っ赤にしている事に気がついた。

 

「どうかしましたか? もしかして体調が優れないとか?」

「あ、いえ、あの……そういうのじゃないんです」

 

しどろもどろに答える徐庶に直感で、これは何か面白い事がある、と思った司馬懿は歩みを止めてぐいっと顔を近づけて、

 

「わたしは彗里に隠し事はしません。彗里もわたしに隠し事をしないでほしいです」

「ち、近いです! わ、わかりました! わかりましたからもう少し離れて……」

「おや失礼。それで、どうかしましたか?」

「郭図という先ほどの人の……その……格好が……」

「格好……あぁ、あの大胆な服装ですか。あれは凄いですね」

 

鮮明に思い出してしまったのか徐庶は更に顔を真っ赤にしてコクリと頷く。先ほどの郭図の服装、司馬懿は別に触れるつもりはなかったから何も言わなかったが、目を疑うような格好をしていた。

太もも丸出しの短い着物で、更に特殊な作りなのだろう肩丸出しで美乳と言われるような形のいい適度な大きさの胸の上半分がしっかりと見える大胆な服装で堂々と振舞っていた。

どこか大人びた凛とした態度が印象的であった。

 

「あんな格好なのに堂々としているなんて信じられません。恥ずかしくないのでしょうか」

「もしかしたら袁紹軍ではあのような姿が常識なのかもしれませんよ。彗里、これから袁紹さんにご挨拶するのですから一々赤くなっていては笑われてしまいますよ」

「あ、はい! しっかりします!」

 

気を引き締める徐庶。だが、司馬懿は重要な事を言っていなかった。

袁紹軍から引き抜いた荀諶が普通の格好をしていたという事を。彼女が普通じゃなかったと言えばそれまでだが、そんな話は聞いた事がなかった。

そうこうしている内に天幕までやってきて、そのまま中に入った。

 

「お邪魔いたします。司馬懿仲達、挨拶に参りました」

「あ、あら司馬懿さん、ご、御機嫌ようですわ」

「お久しぶりです袁紹さん。ではこれにて。軍議を開くのなら呼んでください」

「え、えぇ、そうさせてもらいますわ」

 

立ったそれだけを告げて司馬懿は天幕を後にした。

後ろからついてくる徐庶は天幕にすら入らず、そのまま引き返す形で司馬懿に付いていくが、どういうことなのか全く分かっていない様子だった。無理もないだろう。天幕の入り口に入って一度礼をして、一分もしないうちにまた礼をして出てくれば誰だって困惑する。

それを察した司馬懿が説明をはじめた。

 

「袁紹さんとは古い付き合い……と言ってもほとんど関わりはありませんが、家同士の付き合いで何度かお会いした事があるのです。面白い方で、わたしの嘘を間に受けてくれる楽しい人でした」

 

それを聞いて徐庶は納得した。先ほど天幕から聞こえてきた袁紹のものであろう声が引き気味だったのとさっさと挨拶を済ませて帰っても何も言われないのは司馬懿と長く居たくないからだ、と。

確かに長くいると疲れるのは徐庶も知っている。それが子供の頃、手加減を知らない司馬懿を相手にしていれば心に傷を受けて近寄らせたくないと思うのは当然だと結論付けた。

 

「さて、本陣に戻りたいところですが、せっかくなので見て回しましょうか」

「え? いえ、それは危険です。ここは袁紹軍の陣なのですから変に疑われるのは……」

「迷った、とでも言えば大丈夫でしょう。おっと足がふらついて勝手に……」

「あ、待ってください! そっちは駄目ですよ!」

 

ふらふらと歩き出す司馬懿を徐庶が追いかけていった。

 

司馬懿と徐庶は地面に正座させられ、その目の前に仁王立ちする姜維がいた。

上には青い空があり、周囲に視線を遮る物は何もない。その羞恥の沙汰で徐庶は顔を真っ赤にして俯いてしまっている。

そんなことが許されるのかと思うだろうが、まわりで見ている兵士たちは「また司馬懿さまが何か仕出かしたらしい」と既に見慣れた出来事に温かい視線を向けるだけであった。

 

「それで、言い訳はありますか? 勝里さま」

「いえ、特には。強いて言うなら迷ったのです」

 

結局、司馬懿たちは袁紹軍の将の一人に見つかってご丁寧に本陣までの案内をしてもらい帰ってきた。

陣設置に動き回っていた姜維が仕事を終わらせた所に丁度帰ってきたのが運の尽きといえるだろう。先ほどから説教が終わる気配が全くない。

怒られているはずの司馬懿は凛とした正座で場違いなほどに堂々としている。

 

「軍師殿、あなたも一緒になって見て回ってどうするのですか。力尽くでも止めなくては」

「ご、ごめんなさい」

 

自分の不甲斐なさに徐庶が小さな体を更に小さくして縮こまった。それを見て司馬懿が、

 

「彗里は悪くありませんよ。悪いのはわたし達を誘った好奇心です。ですから謝罪は場違いです」

「お願いですからその発想こそ場違いだと気付いてください。それと、辰が帰ってきました。まだ言い

 

足りませんが、それは報告の後にしましょう」

ようやく解放されて正座を解き、立ち上がり土を払ってまだ立ち上がらない徐庶に手を差し伸べる。

 

「あ、足が痺れているので、構わないでください」

 

言ってしまって徐庶はハッとして司馬懿を見た。いつもと何ら変わりのない笑みを浮かべる司馬懿がゆっくりと手を伸ばしてきている。その手を撃退しようと身をよじると足の痺れが全身を駆け巡った。

 

「~~~~~~~っっ!!!!」

 

声にならない悲鳴を上げて涙ぐむ徐庶に追い討ちをかけるように悶絶する徐庶の体がふわりと宙に浮いた。いわゆるお姫様抱っこである。

 

「歩けないのなら連れて行ってあげましょう。遠慮はいりません。揺らさないようにしますが、多少の揺れはあるので我慢してくださいね」

「も、もう治りました! ですから下ろして……~~~~~っっ!!!!」

 

治ったといわれたので確認の為に足を撫でると小さく震えて言葉が途切れた。

 

「嘘はいけません。では、行きましょうか」

 

説教を受けていたときなど比べ物にならない羞恥に顔を真っ赤にする徐庶がそれを隠すように司馬懿の胸に顔を埋めた。それを十分に楽しんだ後に司馬懿は鄧艾たちの下へと向かった。

 

少年が空を見つめた。明るかった空も暮れる時刻、そろそろ星が見え出す時間帯である。

ここは汜水関の城壁。反董卓連合が最初にぶつかる難所の一つであり、洛陽へ通じる道として最も利用される場所だ。

両側には絶壁の壁がそびえ立ち、まさに天然の要塞といえるだろう。更に奥には虎牢関があり、洛陽を護る盾としてある場所である。

その汜水関の城壁には複数の旗が風になびいており、そこには少年の旗もあった。

紫紺(しこん)の『李』旗。李儒(りじゅ)。これが少年の名である。

 

「反董卓連合とは名ばかりの権力を欲する諸侯の争い。いい迷惑だ。でも避けられない。月の名は大陸中に広まってしまった」

 

呟く李儒は抱える壷をそっと優しく撫で、小さな笑みを浮かべた。

この中には十常侍をはじめ悪官たちを次々に毒殺した猛毒を持つ蛇が入っており、李儒はそれを武器にここまで生き延びてきた。飼い慣らされた蛇は李儒の言う事は決して逆らわず、闇夜に紛れて目的を達成する誰よりも頼もしい李儒の武器である。

毒蛇など飼い慣らせるのかと思われるが、それにも秘密がある。李儒は懐に手を忍ばせ、一冊の本を取り出した。

 

「これを手に入れる為に黄巾党本隊に潜り込むまではよかった。けど、詠……君は甘いよ。あの時点での上洛がどういう意味か、理解していなかったんだから。おかげでこんな大変なことになっちゃった」

 

本を開いて一部を目で流し読みして本を閉じた。この中には膨大な知識と人智を超えた魔物が封じ込められている。

張角はこれを手にし、黄巾の乱を起こしたのだ。あながち間違ってはいないだろう。

太平要術の書。これはそう呼ばれている。

李儒の手にある経緯は簡単で、黄巾党壊滅の日に李儒は張三姉妹から太平要術の書を盗み出したのだ。

その間に留守にしていた董卓軍が上洛して十常侍の駒となり、反董卓連合が組まれてしまったのだ。

 

「あの二人だけでも逃がさないといけない。素直に逃げて欲しいけど、無理だよね」

 

はぁ、とため息が漏れる。しかし、逃がさなければならない。月と詠、とても大切で大好きな二人の女の子を。

 

「その為なら僕は外道になる。全てを犠牲にしてでも二人を護る。必ず」

 

意を固めて空を見上げた。

夕暮れ時を過ぎて暗くなりつつ空。まるで先のことを暗示しているかのような、そんな気がしていた。

 

 

 

 

 

どうも傀儡人形です。

今回は反董卓連合結成のお話となっています。

新キャラの郭図ですが、エロい感じにしようと思ったらああなってしまいました。

これからも新キャラ出していきますので、苦手な方は申し訳ありません。

さて、今回は投稿が早かったわけですが、春休みって素晴らしいと実感しています。

一日で仕上げちゃったよ、ホントびっくり。

こんなハイペースがいつまで続くかわかりませんが、首を長くして待ってください。

では。

 

 

 


 
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