No.199598

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part4 華蝶仮面?

見習いAさん

DNAメディアコミックスのアンソロを全巻買って来ました。重かった・・・・

2011-02-04 00:11:42 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5375   閲覧ユーザー数:4859

山道を進む若い男2人

商品は全て売ったのか、荷物の乗っていない荷車を馬に引かせ、意気揚々と村に帰るところのようだ

 

「三将軍様のおかげで籠が飛ぶように売れる、ありがたいよ」

 

「まったくだ、今じゃ竹籠を持たない民はおらんさ」

 

凪たち三人が洛陽で籠を売っていたことは今や語り草となり

三将軍のご利益にあやかろうと魏領では竹籠が大ブームとなっていた

 

「なんでも、曹操様と御使い様、夏侯両将軍も同日同時刻に竹籠をお買い上げになったとか」

 

「聞いた聞いた、その籠をお売りになったのが三将軍様だそうな。まさに竹籠が将軍を生んだのさ」

 

「はは、売れるはずだよ。将軍様のおかげでこうして籠職人の誇りが出来た。俺は竹籠に人生をかけるよ」

 

「ああ、竹籠職人の朝は早い、さっさと帰って作業に戻るぞ」

 

それまで貧しい村民の仕事とされていた籠作りは、華琳と三羽鳥の初対面をきっかけに尊敬の念を持たれるまでになった

二人は籠作りなどつまらないと渋っていたのだが、都での人気を間近で感じると考えが変わったようだった

 

※ 他国では草鞋職人の人気が上がるなど、英雄の行動が各所で影響を与えているようです

 

「・・・・ん?」

 

談笑していた二人の前を突然、武装した一団が進路を塞ぐ

二人の顔色が青ざめて行く

 

「・・・・通行料払ってちょ」

 

「さ、山賊だああああああああ」

 

人気の無い山道に二人の声が響いた

咄嗟に後ろを振り返ったが既に退路も塞がれている

完全に包囲されていた

 

二人は命乞いをするしかなかった

 

「命だけはどうか、どうかご容赦を」

 

「命を助けるかどうかは通行料次第だな」

 

リーダー格の男がニヤリと笑った

全部出すしかないと判断した二人は急いで稼ぎを集める

遠路を旅してやっと売った稼ぎではあったが命に代えられない

 

「これで全部です、どうか命だけは」

 

「・・・・あ~足りねえわ、残念」

 

死刑宣告がされた

二人の命は風前の灯だった

 

「まてぇーーーい!!!」

 

「誰だ!!」

 

大きな木の枝の上から見下ろす1人の女

綺麗な黒髪をなびかせるその顔には奇怪な仮面が

 

「まさか、お前が華蝶仮面か?!」

 

「あんな変態と一緒にするな馬鹿者!私はな・・・・私は・・・・・・・」

 

「・・・・・?」

 

突然考え込む仮面をつけた謎の女

山賊もどう反応したらいいのかわからない

 

「・・・・・は、春蝶仮面だ」

 

「は、春蝶・・・仮面?・・・・それ今考えたろ、ププークスクス」

 

山賊たちは笑いをこらえている

 

「貴様ぁ~~~!三日三晩考えた名前を忘れるなんて三歩歩けば忘れる鶏のようだだとーー!!」

 

「「「「そこまで言ってない!!!」」」

 

「問答無用!!!!!」

あっという間に片付けられた山賊たち

全員漏れなくノックアウトされていた

 

「春蝶仮面様、危険なところをありがとうございます!」

 

「ありがとうございます!ありがとうございます!」

 

命を助けられた二人は喜び、春蝶仮面に最高の礼を払った

 

「はぁ、はぁ、問答無用ーーー!!!」

 

「え、ぎゃーーー!!」

 

「違う、私達は被害者で・・ぐはぁ!!」

 

二人もノックアウトされていた

 

その後、縛り上げられた山賊と被害者2人は春蝶仮面に荷馬車に乗せられ役所に突き出された

引き取った役所は2人の様子がおかしいと気づき、尋問したところ被害者であったことが判明

無事開放となった

 

この事件はあっという間に街に広まった

 

「おい聞いたかよ、今度は黒髪の無差別狩りらしいぞ」

 

「聞いた聞いた、賊だろうとなんだろうと無差別に縛り上げて役所に突き出すらしい」

 

「恐ろしい・・・平和になったと思ったらこれか、これじゃ物騒な世の中に逆戻りだ」

 

「まったくだ、曹操様がいらっしゃった頃は平和だった」

 

山賊を捕まえた功績を考慮して手配はされなかったものの

春蝶仮面のデビューは散々な結果になってしまったようだ


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
38
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択