No.185864

孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝11

Seigouさん






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2010-11-21 22:39:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:35155   閲覧ユーザー数:25271

一刀が月の陣営に着いて3ヶ月余り

 

一刀の発案した政策により天水の治安は瞬く間によくなっていった

 

周囲には賊はいなくなり、その情報を周辺の国々に流したおかげで人が集まってくる

 

しかし、人が集まってくると必然的に様々なトラブルが起こるが、一刀率いる董卓新鋭防衛隊(兵士達の自称北郷隊)がこれらのトラブルを穏便に解決に導き、天水の町は大陸の中でもベスト3に入るほど活気よく、安全な町になっていった

 

さらに一刀の提示した消費税を導入

 

税金が効率的に入ってくるようになり政務の機能も目覚しい勢いで合理化されていく

 

そんな忙しい日々を過ごしていると突然、朝廷から使者が月宛に手紙を届けに来た

 

手紙の内容を確認すると、そこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊帝が死去し十常侍達が権力を振りかざし党錮の禁を起こして好き放題している、これら悪質な宦官達の排除を何進大将軍が推し進めようとしていて、その話に董卓こと月にも協力を要請、是非洛陽までお越しいただきしたい、という内容のものだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

使者は月に手紙を渡すと

 

使者「では、私は大将軍様に手紙を渡したことを伝えにいきます」

 

と言い残しその場を急いで去っていった

 

その後、天水の主な将達は玉座の間に集まり会議を開いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「皆さん、忙しい中集まっていただいて申し訳ありません、このたび朝廷から使者が参られ、このような手紙を残していきました」

 

月は使者から渡された手紙を全員に見えるように広げた

 

「・・・・・・・・・・」

 

全員が手紙を読み終える

 

詠「皆、どう思う?」

 

霞「な~んかうさん臭くないか?」

 

嵐「嫌な臭いがするな・・・・・」

 

菖蒲「はい・・・・・」

 

雫「この手紙、信用できるんでしょうか?」

 

恋「嫌な予感、する・・・・・」

 

音々音「恋殿に賛同ですぞ!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

皆が意見を出している中で、一刀は手紙の内容に違和感を覚えていた

 

一刀「(霊帝が死去?幾らなんでもタイミングが良過ぎやしないか?)」

 

この辺りだけやけにあっさり史実に沿っているところに、かえって疑問が湧いてきたのだ

 

詠「一刀、あんたはどう思う?」

 

一刀「・・・・・何進大将軍という人物は、信用できるのか?」

 

詠「なんともいえないわね、でも、ボクも前に洛陽に行ったことがあるけれど、十常侍達の雰囲気は尋常じゃなかったわ、人を見る目が虫けらを見る目と変わらなかったもの」

 

一刀「この手紙、断ることは可能なのか?」

 

詠「不可能よ、この手紙ご丁寧にも漢の玉璽で印が押してあるのよ」

 

一刀「っ!!?・・・・・と、いうことは」

 

詠「ええ、これは漢の勅命、もし断れば月は逆賊扱い、周りの諸侯全てを敵に回すことになるわね」

 

一刀「選択の余地は無しか・・・・・」

 

一刀は、出来れば月を洛陽にだけは近付けたくはなかった

 

月が洛陽に入れば、ただそれだけで反董卓連合が結成される確率がぐんと上がってしまう

 

しかし、この世界の董卓は一刀の知っている董卓とは似ても似つかない

 

一刀「(もしかして 連合は結成されないかもしれないな・・・・・)」

 

自分としてもかなり甘い予想だと思うが、今の状況ではそう考えるしかなかった

 

月「一刀さん?どうかしましたか?」

 

一刀「いや、この手紙だけど乗ることにしたらどうかな?」

 

霞「一刀!?幾らなんでも軽率やないか?」

 

雫「わたしもそう思います」

 

一刀「詠も言っていたように、月を逆賊にするわけにもいかない、もし何進大将軍が言っているように洛陽の都が十常侍達によって悲惨な目に合わされているとしたら、奴らを捕まえて次期皇帝の前に突き出せばいい、皇帝を味方に付けることが出来ればこちら側に有利になってくるからな」

 

詠「一刀?あんた洛陽の都には行ったことがないの?」

 

一刀「?・・・・・ああ、そうだけど」

 

菖蒲「何故、この国の中心とも言える洛陽に足を運ばなかったんですか?」

 

一刀「賊の情報を集めながら討ち続けていて、その道筋が自然と河北から荊州、長安と続いてここに行き着いただけだ・・・・・それより、洛陽がどうしたって?」

 

月「一刀さん、わたくしも以前、洛陽の都に行ったことがありますが、その時でも都の中は酷い有様でした」

 

一刀「なに!!?」

 

詠「月の言う通りよ、道端に人の死体があるのは当たり前、商人も遠ざかってしまい税収も落ちる一方、それを補うために民に重税を課すという悪循環・・・・・とても行政の中枢として機能しているとはいえないわね・・・・・」

 

一刀「・・・・・まじか」

 

漢王朝に対する自分の考えが今になってそうとう甘いと思い知らさせた

 

一刀「なら、一刻も早く洛陽に行き皇帝を押さえ、その勢いで洛陽の町を徹底的に改善するんだ、そしてそのことを各諸侯に喧伝すれば全て丸く収まるかもしれない」

 

詠「かなり危ない橋ね・・・・・」

 

一刀「すまない、しかし今の状況ではあまりに選択肢が少ない、なら素早く行動して状況を早く好転させた方がいいんじゃないか?」

 

自分としても分かっていた

 

今自分のやっている賭けは、あまりに分の悪い賭けだ

 

しかし、このままでは座して死ぬことになりかねない

 

なら今すぐにでも行動を起こすことによって、状況を良い方向にもって行けば何とかなるかもしれない

 

詠「・・・・・それしかないか・・・・・一刀、この天水の治安はどれくらい良くなっているの?」

 

一刀「最近では、警邏の回数はかなり少なくなってきている、割れ窓理論がうまく機能してきているからな、巡回回数を少なくしても治安を維持できるようになってきている」

 

詠「なら、少しくらい多く兵を連れて行っても問題ないわね、兵は5万人連れて行きましょう、特に騎馬隊を重点的に」

 

雫「そうですね、一刻も早く洛陽に到着するためには馬に頼るしかありませんから」

 

一刀「霞、鐙はもう行き渡っているか?」

 

霞「おう!全軍馬に装備完了済みや!」

 

一刀「なら、天水には代理を残していくか」

 

菖蒲「徐栄さんと張済さんですか?」

 

一刀「いや、あの二人は洛陽での治安維持にはどうしても必要だ、だから代理選びは雫と菖蒲に任せよう」

 

雫「分かりました」

 

菖蒲「はい」

 

詠「ちょっと待って一刀!まさか主要な将全員連れて行く気なの!?」

 

一刀「仕方ないさ、向こうでの仕事はここに居る全員でやらなければとても間に合わない、最悪後手後手に回って月の評判が悪くなるかもしれないんだぞ」

 

詠「・・・・・そうね」

 

一刀「とまぁ、これはあくまで俺個人の意見だから、最終的な判断は月に任せるけど」

 

月「はい、わたくしもそれが現状では最良の手段だと思います・・・・・では出発は明日の明朝にしましょう、兵は神速を尊ぶといいます、道中の長安には泊まらずに野宿覚悟で洛陽に向かいます、皆さん、準備を始めて下さい」

 

詠「わかったわ!」

 

霞「よっしゃ!」

 

嵐「うむ!」

 

菖蒲「はい!」

 

雫「わかりました、月様!」

 

恋「(コク)」

 

音々音「わかったです!」

 

一刀「わかった!」

 

それから一刀達は出発の準備を夜まで休み無しで進めた

 

出発の方法は霞の騎馬隊を中心とした董卓新鋭防衛隊を馬に乗せ先に洛陽へ到着させる

 

重い荷物を持った輜重隊は、嵐と菖蒲と雫が引き入り、後から洛陽に到着させるというものである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、翌日

 

 

 

 

 

 

 

月「それでは参りましょうか」

 

詠「ええ!」

 

霞「おまえら!出発や!」

 

恋「・・・・・行く」

 

音々音「行くです!」

 

一刀「嵐!菖蒲!雫!後で落ち合おうな!」

 

雫「はい、一刀様!」

 

菖蒲「はい!」

 

嵐「一刀!月様を頼むぞ!」

 

一刀「ああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして出発から二日目

 

 

 

 

 

詠「・・・・・このままいけば、明日にでも洛陽に着けそうだわ」

 

本来なら5日はかかる距離を一刀達は半分の日時で着きそうだった

 

そんな中

 

 

 

 

 

霞「・・・・・それにしても・・・・・」

 

一刀「ん?どうしたんだ?」

 

霞「いや、嵐のことなんやけどな」

 

一刀「嵐がどうしたんだ?」

 

霞「よくあんな簡単に輜重隊の任を引き受けたなと思ったんや」

 

一刀「???」

 

霞「いやな、あいつはいつも月にべったりで、自分の武は月のためにあるとよういうてたんや」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

霞「それなのにあいつはあっさり一刀を信用して月をあんたに託した、以前のあいつやったら考えられへんで」

 

詠「霞の言う通りね、あいつは月に拾ってもらった恩を返すために必死だったから」

 

霞「それに、一刀から真名をもらったあいつは日に日に強くなってきているで、今では3回やって1回勝てるかどうかや」

 

一刀「・・・・・嵐にはもともと素質があったからな、それが何かの理由で開花したんだろうな」

 

霞「・・・・・・・・・・」

 

一刀「ん?どうかしたのか?」

 

霞「・・・・・鈍感野郎」

 

一刀「????」

 

そんな会話を馬に乗りながらしている一刀と霞の姿があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀達が洛陽に向かっている最中、途中にある谷である動きがあった

 

 

 

 

 

 

 

賊1「御頭、見えましたぜ!」

 

頭「なに!?相当早いな!別の団体じゃないのか?」

 

賊1「旗は・・・・・董です!まちがいありませんぜ!」

 

頭「・・・・・何でこんなに早いんだ、あいつの言っていた事と全然違うじゃないか」

 

賊1「でも、早くしないとあいつら谷を越えてしまいますぜ」

 

頭「・・・・・よし、てめーら!!かなり早いが、手筈通りにいくぞ!!」

 

賊達「「「「おう!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀達が谷に入り始めようとしたその時

 

カラン、カラン

 

一刀「っ!?」

 

恋「!?」

 

一刀と恋が谷の上から転がってきた石に気付いた

 

そして

 

頭「よし!!今だ!!落とせーーーーー!!!」

 

ガラガラガラガラガラガラ!!!!!

 

谷の上の左右から多くの岩が落とされていく

 

それが月達に襲い掛かる

 

月「きゃあ!!」

 

詠「うそ!!?」

 

霞「なんやて!!?」

 

音々音「なんですと!!?」

 

董卓軍は一気に大混乱に陥る

 

しかし、すでに一刀と恋が動いていた

 

一刀「はっ!!」

 

ズバーーーーーーーーン!!シュキン!!ズバーーーーーーーーーーーン!!

 

恋「ふっ!!」

 

ドカーーーーーーーーーン!!バカーーーーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーーーーーーン!!

 

一刀は瞬時に忠久に氣を込め氣の斬撃で、岩を切り裂き落としていく

 

恋も方天画戟で迫り来る岩を砕いていく

 

一刀「っ!!恋!!そっちはたのむ!!」

 

恋「(コク)・・・・・わかった」

 

右側の壁から落ちてくる岩を一刀が防ぎ、左側から落ちてくる岩を恋が防ぐ

 

もちろん全ての岩を防げるわけではない

 

兵士1「ぐわ!!」

 

兵士2「ぎゃあーーーー!!」

 

兵士3「がはっ!!」

 

次々と岩の下敷きになっていく兵士達

 

一刀「っ!!?くそっ!!はぁっ!!しっ!!」

 

一刀は谷の上の賊目掛けて、氣の斬撃を放った

 

ズバーーーーーーーーン!!!ドバーーーーーーーーーーーーン!!!

 

頭「な!?なんだ!?」

 

賊1「わ、分かりやせん、味方がどんどん吹っ飛んでやす!!」

 

賊達はまさか反撃されるとは思っていなかったのか、次々と混乱状態に陥っていく

 

頭「あ、あいつは・・・・・」

 

頭は氣の斬撃を放っている一刀を凝視した

 

頭「あの、背中の大剣・・・・・」

 

賊1「ま、まさか!?山賊狩りの北郷一刀!?」

 

賊2「なんであんなのがいんだよ!!」

 

賊3「聞いてねーよ!!」

 

一刀が居ると分かった賊達は次々と逃げ出し始める

 

頭「ちっ、残りの金を貰わないといけないってのによ、しょうがねえ奥の手を使うか、てめーーーら!!あれを落とすぞ!!」

 

賊達「「「「お、おう!!」」」」

 

頭に指示された賊達はさっきまで落としていた岩よりも、30倍は大きい岩を落としにかかった

 

一刀「げっ!!??」

 

恋「っ!!??」

 

月「うそ・・・・・」

 

詠「冗談でしょ!!?」

 

霞「まじかいな!!?」

 

音々音「ななななな!!??」

 

ガランガランガランガラン!!!!!!

 

その大岩は斜面を転がり落ちてくる

 

どう考えてもこれ一つで軍はぺしゃんこになりそうだった

 

氣の斬撃ではどう考えても防ぎきれない

 

一刀「くっ!恋!!」

 

恋「っ!!・・・・・かずと!」

 

一刀は忠久を鞘に収め、龍滅金剛刀を抜いた

 

恋も方天画戟を両手持ちにした

 

そして、転がってくる岩に向かって行く

 

一刀「くぅああああああああああああああああ!!!!!」

 

全身に氣を纏い、今までで一番の絶叫を放つ一刀

 

恋「~~~~~~~~~~~~~~~~ふっ!!!!!」

 

恋も今までで一番になるであろう一撃を大岩に放った

 

龍滅金剛刀と方天画戟がおもいきり岩に叩き付けられる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大岩は一刀の龍滅金剛刀と恋の方天画戟の一撃によって真っ二つになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

賊1「ばっ、化け物だ!!!」

 

賊2「つ、付き合ってられるか!!!」

 

賊3「逃げるが勝ちだぜ!!!」

 

賊達は、我先にと逃げ始める

 

頭「あ!!おい!!!てめーーら!!!・・・・・ちっくしょう、あのクソ張譲!!楽な仕事だって言うから載ったってのに!!」

 

一刀「(ピクッ)」

 

頭「しょうがねぇ、俺もさっさととんずら・・・・・!!?」

 

ドドドドドドドドドドド!!!!

 

頭「な!!?何でこっちに来るんだ!!?」

 

頭の存在に気付いた一刀が狛煉に跨り、物凄い勢いで谷を駆け上がって迫ってきた

 

そして、逃げる頭の前に回りこんで狛煉を降りた

 

一刀「逃げても無駄だ!」

 

頭「くっ・・・・・くそがーーーーーーーーー!!!」

 

賊の頭は剣を振りかぶり、やぶれかぶれで一刀に襲い掛かった

 

一刀「・・・・・ふっ!」

 

ボゴンッ!!

 

頭「ぼへあっ!!」

 

頭が剣を振り下ろす前に、一瞬で間合いを詰めた一刀が頭の顔面に正拳を叩きこむ

 

頭の意識はそのまま闇に沈んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして

 

 

 

 

 

 

バシャッ!!

 

頭「ぶはっ!!?」

 

意識を失っていた頭は水を掛けられ、強制的に目覚めさせられた

 

月「・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

詠「やっと起きたわね・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

霞「さっきはよくもやってくれたな!おんどれ!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

恋「許せない・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

音々音「ねねもです!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

頭「うっ・・・・・」

 

頭は特に霞と恋の殺気に当てられ縮こまってしまう

 

ちなみに頭が気絶している間に頭の手下達は、霞引き入る騎馬隊に散々に追い散らされ完全に再起不能となった

 

董卓軍にも岩による怪我人が相当出たが

 

一刀「げ・ん・き・に・なれえええええええええええええええええええっ!!!」

 

ぴしゃーーーーーーーーーん

 

といった具合に、一刀が五斗米道(ゴットヴェイドー)で治療していった

 

結果的に董卓軍の被害は無いも同然になった

 

ちなみに今一刀たちが率いている騎馬隊のほとんどは董卓新鋭防衛隊である

 

彼らはもともと徹底的に防御に特化した部隊だったために、最初は混乱していたが、一刀と恋の活躍によって岩が振ってきても落ち着いて自分達が持っていた盾で防いでいたのだった

 

そのおかげで奇跡的に董卓軍の死者はゼロだったのである

 

しかし、それでも董卓軍の怒りは収まらない

 

詠「一刀、どうするのこいつ?」

 

一刀「そうだな・・・・・でもその前に」

 

チャキ

 

一刀「質問に答えろ・・・・・」

 

頭「ひぃっ!!」

 

一刀が左手の親指で忠久の鍔を鞘から押し出し、頭に迫った

 

一刀「さっき、なんて言ってた?」

 

頭「は?」

 

一刀「張譲がどうとか言っていたな?」

 

月「え!!?」

 

詠「なんですって!!?」

 

月と詠が目を丸くして驚いた

 

張譲といえば宦官十常侍をまとめている長、実質的に言えばこの国のナンバー2である

 

何故この賊の口から張譲の名が出てくるのか不思議でしょうがなかった

 

頭「・・・・・・・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

一刀の頭に向けられている殺気がドンドン濃くなっていく

 

頭「わ、分かった!!答えるから殺さないでくれ!!」

 

一刀「ならさっさと答えろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから頭が一刀達に語ったことはとんでもないことだった

 

十常侍の長である張譲が、十常侍の台頭に否定的となってきた霊帝を毒殺したというのだ

 

一刀は、自分が疑問に感じていたのはこれだったのかと理解した

 

さらに、何進大将軍の宦官誅殺を事前に察知した十常侍達が先手を打って何進大将軍を暗殺し、霊帝の子供である劉弁と劉協を手中に収めた

 

その後、何進大将軍が月に援軍を要請していたことを突き止め、自分達が逃げるための時間稼ぎを自分達に依頼していたこと

 

要するに、王朝と賊がグルになったのである

 

一刀「~~~~~~っ!ここまでなのか、漢王朝!」

 

月「そんな・・・・・」

 

詠「腐っているわね・・・・・」

 

霞「どうしようもない奴らやな・・・・・」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

音々音「汚いです・・・・・」

 

それぞれが漢王朝の醜態に怒りを感じていた

 

頭「これで全部だ、もう離してくれ!」

 

一刀「そうだな」

 

チンッ!

 

頭「え?・・・・・」

 

ドサッ   ゴロン

 

一刀が目にも留まらぬ抜刀術で頭の首に忠久を通し、その頭は絶命した

 

頭は痛みも感じずにそのまま横に倒れ、その拍子に首が転がった

 

月「一刀さん!?」

 

詠「一刀!?」

 

霞「・・・・・一刀」

 

恋「かずと・・・・・」

 

音々音「一刀・・・・・」

 

一同が一瞬の躊躇も無く賊の首を落した一刀に驚いていた

 

しかし一刀は

 

一刀「お前や・・・・・十常侍のような奴等がいるから・・・・・この国はいつまで経っても良くならないんだ・・・・・」

 

悲しそうな表情で、声で、そう言った

 

「・・・・・・・・・・」

 

一刀「・・・・・行こう、早くしないと張譲に逃げられてしまう」

 

月「・・・・・はい」

 

詠「・・・・・そうね」

 

霞「・・・・・せやな」

 

恋「・・・・・(コク)」

 

音々音「・・・・・行くです」

 

徐栄「・・・・・はっ」

 

張済「・・・・・おう」

 

一同はそのまま真っ直ぐに、洛陽を目指した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洛陽の北側の門ではすでに張譲達が脱出の準備をしていた

 

 

 

 

 

 

 

張譲「こちらです劉協様」

 

十常侍の長である張譲は、まだ年端も行かない少女、劉協を用意した馬車に導こうとした

 

劉協「・・・・・・・・・・」

 

張譲「・・・・・っ!!」

 

グイッ!

 

劉協「っ!」

 

張譲は劉協を馬車に押し込んだ

 

夏惲「っ!?張譲様!あまり乱暴にされては!」

 

郭勝「そうです!この方はこれからの我々にとって必要な方なのですぞ!」

 

栗嵩「劉弁様を殺してしまわれて、我々にはもうこの方しか居ないのですぞ!」

 

夏惲と郭勝と栗嵩が劉協を強引に連れて行こうとする張譲に異議を唱える

 

しかし張譲は

 

張譲「五月蝿い!!口を挟むな!!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

張譲にそう言われては何もいえない3人だった

 

そんな中

 

孫璋「張譲様、西から砂塵が上がっていると報告がありました!」

 

張譲「なんだと?あいつらもう戻ってきたのか?」

 

孫璋「いや、それがどうも違うようです、どうやら騎馬の数がかなり多いようでして」

 

張譲「騎馬だと?」

 

自分が雇った賊はそんなに馬を持っていなかったはず、と思っていた張譲、しかし次の言葉を聞いた途端その表情が一変する

 

畢嵐「あれは・・・・・董の旗!?張譲様!まさかあれは!?」

 

張譲「ばかな!!幾らなんでも早すぎる!!」

 

何進大将軍が董卓に援軍の要請をしていたことは知っていた

 

だが、どんなに早くても最低5日はかかると予想していた

 

なにせ賊とグルになってまで時間稼ぎをしようとしたのだから

 

しかしここで、思わぬイレギュラーが発生した

 

それが山賊狩りの北郷一刀である

 

張譲「あいつらは何をしているのだ!せっかく大金を払ってやったというのに!役立たずどもめが!!」

 

張譲は怒り心頭である

 

しかしどんなに怒っても状況は良くならない

 

騎馬隊はどんどん迫ってくる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「詠!あれは!?」

 

詠「あれは・・・・・十常侍と張譲よ!たぶん馬車の中に居るのは劉協様ね!」

 

一刀「そうか!恋!ねね!月を守ってくれ!」

 

恋「・・・・・(コク)」

 

音々音「わかったです!」

 

一刀「劉協様は俺が保護する!霞!除栄!張済!回りを頼む!」

 

霞「よっしゃ!」

 

徐栄「はっ!」

 

張済「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

張譲「くそっ!早くここを離れるぞ!!」

 

そう張譲が叫ぶが、時すでに遅し

 

夏惲「だ、駄目です!!」

 

郭勝「騎馬隊が来ます!!」

 

霞「うおりゃあああああああああ!!!!」

 

ズバッッッッ!!!

 

夏惲「がはっ!!」

 

夏惲は霞に斬られ

 

徐栄「はっ!!!」

 

張済「せい!!!」

 

ドスッッッ!!

 

ザンッッッ!!

 

栗嵩「ぐふっ!!」

 

郭勝「ぎゃはっ!!」

 

栗嵩と郭勝は除栄と張済に斬られた

 

他の十常侍とその部下達は次々と騎馬隊に討たれていく

 

そんな中張譲は

 

張譲「くそっ!!!」

 

劉協を人質にしようとしたが

 

一刀「ふっ!!」

 

トガッッッ!!

 

張譲「ごがっ!!!!」

 

一瞬で間合いを詰めた一刀の手刀を首筋に受けて気絶した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「劉協様!ご無事ですか!?」

 

月が劉協の元に駆けつけた

 

劉協「お、お主は・・・・・」

 

月「わたくしは、董卓仲穎と申します」

 

劉協「っ!!お主が何進の言っていた董卓か!!?」

 

月「はい、その通りです」

 

月を含めた董卓軍全てが劉協の前に跪いた

 

もちろんその中に一刀も居た

 

月「この度は、何進大将軍のご冥福をお祈りいたします」

 

劉協「・・・・・うむ、何進は良き忠臣であった・・・・・なのに張譲めが・・・・・」

 

劉協は気絶し縄で縛られている張譲を睨み付けた

 

そして

 

劉協「・・・・・ところで、そこのお主」

 

一刀「・・・・・はい?」

 

一刀は、まさか自分に声が掛かるとは思っていなかったのか素っ頓狂な声を上げる

 

劉協「さっきは危ないところを助けてくれて感謝する」

 

劉協は一刀に頭を下げる

 

一刀「そ、そんな!頭をお上げください!」

 

一刀を含めた全員が劉協の行為に驚く

 

漢王朝の正当な王位継承権を持つ者が一般人に対して頭を下げることなどありえないし、あってはならないのだから

 

劉協「かまわぬ、そうだ、お主の名を聞かせてはもらえぬか?」

 

一刀「は、はい!姓が北郷、名が一刀です」

 

劉協「っ!!?お主が最近噂になっている天の御遣いか!!?」

 

どうやら漢王朝内部にも天の御遣いの噂は広まっていたらしい

 

一刀「いえ、自分はそのようなものではありません」

 

劉協「・・・・・そうか」

 

劉協は少し残念そうに呟いた

 

劉協「では皆の衆、よく来てくれた!・・・・・さっそくだが、朕を城へ連れて行ってくれ」

 

月「はい、かしこまりました」

 

月達は洛陽の北門から劉協を都の内部へ連れて行こうとした

 

すると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「うっ!!??」

 

一刀は都の光景を見て愕然とした

 

ボロボロの状態となった家屋が立ち並んでいて、あちこちから死臭が漂ってくる

 

道行く人は皆生気がなく、商人など影も形もない

 

まさにゴーストタウン一歩手前といった感じだった

 

詠「こら一刀!劉協様の御前で・・・・・」

 

劉協「よいのじゃ!・・・・・この光景を作ってしまったのは、朕にも責任があるのじゃから・・・・・」

 

詠「・・・・・はっ」

 

劉協にそう言われては流石の詠も頷くしかなかった

 

月「・・・・・それにしても、前よりも酷くなっているなんて」

 

詠「あまり言いたくないけど、酷いなんてものじゃないわね・・・・・」

 

劉協「・・・・・・・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、後から出発した雫、菖蒲、嵐の輜重隊が洛陽に到着した

 

そして、玉座の間にて、玉座に座った劉協とその御前に縄で縛られた張譲、それを取り囲むようにして董卓陣営の将達が並んでいた

 

劉協「張譲!!!お主のやったことは何をしても許されぬ大罪じゃ!!!」

 

張譲「・・・・・・・・・・」

 

劉協「父、霊帝ばかりか、何進、そして朕の兄上劉弁を手に掛けたその罪、万死に値する!!!」

 

一同「!!!???」

 

この場に居た全員が驚いた

 

張譲が霊帝や何進大将軍を殺したことは情報では知っていたが、まさか劉弁まで殺しているとは思わなかったのだから

 

劉協「もはや顔も見たくない!!今すぐ処刑場にて処刑せよ!!!」

 

張譲「・・・・・・・・・・」

 

もはや万策尽きた張譲

 

そのまま処刑場にて斬首の刑に処された

 

劉協「・・・・・これで父や兄上、何進もうかばれるじゃろう」

 

月「お悔やみ申し上げます、聖(ひじり)様・・・・・・」

 

劉協「・・・・・ありがとう、月」

 

月「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ちなみに劉協と董卓陣営の主な将たちは輜重隊が到着する間に真名を預けあっていたのだ

 

聖「皆の衆、朕は皆に頼みたいことがある」

 

一同「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

全員が聖の言葉に耳を傾ける

 

聖「朕は、この腐敗しきってしまった漢王朝を昔のような華やかで活気あるものに戻したい、だから皆の力を朕に貸して貰いたいのじゃ!」

 

月「もちろんです聖様、皆さんもよろしいですね」

 

詠「あったりまえじゃない!」

 

霞「任しとき!」

 

嵐「うむ!」

 

菖蒲「わかりました」

 

雫「はい」

 

恋「・・・・・・(コク)」

 

音々音「わかったです!」

 

一刀「ああ!」

 

聖「・・・・・みな、感謝する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一刀達は一斉に行動を始めた

 

今まで漢王朝内部で散々好き勝手していた官僚や宦官を突き止め、聖の前に突き出し、しかるべき厳罰を与え、清流派が弾圧されることの無いように法律の全面改正を行った

 

皆が少しでも漢王朝を良くしようと行動する

 

その中でも一刀が率いる董卓新鋭防衛隊の活躍は凄まじく、洛陽の町の治安はたった数ヶ月で一気に改善された

 

割れ窓理論をより確実に実施するために、道にある死体やゴミをすべて回収し綺麗にする

 

さらに天水から職人や技術者を呼んで、家屋を次々と立て直していった

 

しかし、流石に董卓新鋭防衛隊だけでは手が回らない部分もあり、一刀の提案したボランティア制度を実施しようとした

 

だが、今まで漢王朝に散々酷いことをされてきた住民がそう簡単に協力してくれるわけが無い

 

そこで一刀は一軒一軒の家を手当たり次第に回り

 

一刀「どうか!!どうかご協力をお願いします!!」

 

防衛隊隊員達「「「「!!??」」」」

 

住民「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」

 

一刀は、訪ねた家々を土下座して回った

 

隊員達はめちゃくちゃ驚いた顔をしており、住人達は上の人が頭を下げるどころか土下座してきたことに、唖然としていた

 

そんなこともあり住民達の協力を得ることが出来た董卓新鋭防衛隊

 

都のあちこちに花を飾っていき、見た目が良くなった洛陽は商人がよく来るようになり税収も安定してきて、いい循環が生まれてきていた

 

たった数ヶ月でのここまでの改善振りに流石の聖も唖然としていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「徐栄!張済!向こうで騒ぎがおきている!頼んだ!」

 

徐栄「はっ!」

 

張済「おう!」

 

徐栄と張済は騒ぎの方へ掛けていく

 

一刀「ふぅ・・・・・ここまでは天水で計画したことが順調に進んでいるな、ここまで予定通りだと後が心配になってくるな・・・・・」

 

一刀が一息つこうとしたその時

 

???「もし、そこのおぬし」

 

一刀「っ!!??」

 

突然後ろから声を掛けられる一刀

 

振り返るとそこには全身を外套に包み、掌に水晶玉を持った占い師のような者が壁を背に立っていた

 

声を聞いても男性か女性か区別しにくい

 

一刀「(おいおい、全く気配を感じなかったぞ)」

 

怪しさ全開の人物に一刀は身構える

 

しかし、そんな一刀の反応を無視して占い師のような人物は続ける

 

???「おぬしの背後に暗黒が見える、それは闇よりも深く黄昏よりも暗い兇気が」

 

一刀「・・・・・どういうことだ?」

 

???「身に覚えが無いかね?」

 

一刀「・・・・・っ!!」

 

一刀は、かつて自分が見ていた夢のことを思い出した

 

???「どうやら、覚えがあるようですな・・・・・このまま行けばおぬしはその暗黒に飲みこまれてしまうだろう、そして・・・・・」

 

一刀「・・・・・死ぬ・・・・・か?」

 

???「確実にそうなるとは限らぬ・・・・・しかし、どんな形であれ、お主は破滅してしまうだろう」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???「おぬしを取り巻く暗黒、それから逃れる方法をおぬしは持ってはおらぬ・・・・・おぬしの未来に安寧はありえぬ」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???「しかし、方法が無いというだけで、手段が無いわけではない」

 

一刀「?・・・・・どういう意味だ?」

 

???「決して独りにならず自分自身を見失わないこと、それさえ守ればおぬしが救われる道もあるかもしれん」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

一刀は俯き考える

 

???「よいな、夢々自分を見失ってはならぬぞ・・・・・」

 

一刀「え?なに!!?」

 

占い師のような者はその場から消えていた

 

一刀「ウソ・・・・・だろ、一瞬目を離しただけなのに・・・・・」

 

辺りに意識を集中してもその者の気配は一切感じられなかった

 

一刀「一体、何者だったんだ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、あくる日

 

 

 

 

 

 

 

聖は月達の功績を認め、宴会を催した

 

各地から集まった旅芸人を宴会の間へ招き次々と芸を見せていく

 

そんな中で一刀達は

 

聖「いや~~~~~♪月達のおかげで洛陽は見違えるようになった♪本当に月達には感謝してもし足りないのじゃ♪/////////」

 

月「あはははははははは♪もう聖様ったら♪////////」

 

詠「・・・・・たくっ(グビッ)、なんで(グビッ)、ボクが(グビッ)いつもいつも(グビッ)こんなに苦労しなくちゃいけないのよ(グビグビッ)//////////」

 

嵐「月様~~~~♪わたしはいつまでもあなたと共に参りますぞ~~~~~~~♪///////////」

 

菖蒲「うふふふふ♪、うふふふ♪/////////////」

 

雫「朱里~~~~♪雛里~~~♪わたしは幸せです~~~~~♪////////」

 

霞「一刀~~~~♪膝枕してや~~~~♪/////////」

 

恋「(スリスリスリスリ)///////////」

 

一刀「ちょ、ちょっと二人とも!?」

 

徐栄「いや~~~~~♪男冥利に尽きますな~~~♪隊長♪//////////」

 

張済「羨ましいですぞ♪兄上♪///////////」

 

一刀「五月蝿いっ!それと兄上とか言うな!」

 

音々音「恋殿~~~~♪//////////」

 

といい感じに出来上がっていた

 

宴の料理の中には一刀が作った料理も混ざっていて、皆の反応は上々だった

 

一刀は、雫にそれぞれ料理のレシピを渡していて時々雫と一緒に料理をしていたのだ

 

そして、旅芸人達の芝居が全て終了した

 

聖「む?もう終わりなのかえ?////////」

 

月「え~~~~~まだ終わっちゃいやです~~~////////」

 

霞「む~~~~~・・・・・せや一刀!なんか芸してや!//////」

 

一刀「え?」

 

嵐「おお!おもしろそうだ!/////////」

 

菖蒲「一刀様♪お願いします♪/////////」

 

雫「お願いします♪一刀様♪//////////」

 

恋「かずと・・・・・何かして/////////」

 

音々音「何かやりやがれなのです~~!/////////」

 

徐栄「隊長お願いします!//////////」

 

張済「ぜひ!兄上!//////////」

 

一刀「だから兄上って言うな!・・・・・そうだな・・・・・あっ、それ貸してもらえませんか」

 

旅芸人「え?・・・・・あ、はい、どうぞ・・・・・・」

 

一刀は旅芸人から二胡を貸して貰い、宴会の中央で椅子に座った

 

詠「まさか!弾けるの!?」

 

一刀「腕の方は保証できないよ」

 

一同「・・・・・・・・・・・・・」

 

一刀「では、北郷一刀、一曲弾かせて頂きます」

 

そういって一刀は二胡に集中しだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪~~~~♪~~~~♪~~~~♪~~~~♪~~~~♪~~~~♪~~~~♪~~~~

 

♪~~~~♪~~~~♪~~~~♪~~~~♪~~~~♪~~~~♪~~~~♪~~~~

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪~~♪~~♪~~~~♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

 

 

 

 

一刀が選んだ曲は『パッ○ェル○ルのカ○ン』

 

「・・・・・・・・・・」(ぽか~~~~~~~~~ん)

 

一刀が二胡を弾けたこともだが、今まで聴いたことの無い音楽に全員が釘付けとなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪~~~~♪♪♪♪♪~~~~♪~♪~♪・・・・・・♪~~~~~~~~~~~~~~~~~~~・・・・・・・・・・・・・・

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

二胡でどこまで表現できたかは分からなかったが、約五分半に渡る演奏が終了した

 

旅芸人達「・・・・・・・・・・」(ぽか~~~~~~~~~ん)

 

旅芸人達も唖然としている

 

なぜ一刀が二胡を弾けるのかというと

 

一刀は山賊狩りをしていた頃、暇を見つけては町に行き、色んな楽器を練習していたのである

 

なぜ楽器の練習をしていたのかというと、一刀は戦いで疲れた自分の心を少しでも癒そうと始めたのだ

 

今では腕はそこそこに成っていて、そこらへんの旅芸人よりも上手いくらいである

 

聖「す、凄いのじゃ!」

 

月「一刀さん、凄いです♪」

 

詠「聞いたことの無い曲だったわね・・・・・」

 

嵐「むぅ・・・・・」

 

霞「たいしたもんや♪」

 

菖蒲「他にはないのですか」

 

雫「一刀様、もっと弾いてください」

 

恋「かずと、もっと♪」

 

音々音「なかなかやるです・・・・・」

 

徐栄「・・・・・・・・・・」

 

張済「・・・・・・・・・・」

 

聖「一刀!もっと他の曲はないかえ!?」

 

一刀「え?・・・・・そうだな~・・・・・」

 

しばらく考える一刀

 

そして何か思いついたのか、一礼して弾き始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪♪♪♪♪~~♪♪♪♪♪♪~~♪♪♪♪♪♪~~♪♪♪~~♪~~♪~~~~~

 

♪♪♪♪♪~~♪♪♪♪♪♪~~♪♪♪♪♪♪~~♪♪♪~~♪~~♪~~♪~~♪~~♪~~♪~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀が再び弾きだしたのは『光○す庭』だった

 

二胡から奏でられる癒し系の曲に全員が聞き惚れてていく

 

さらに曲のせいなのか、一刀の存在があまりに儚く見えていた

 

「・・・・・・・・・・」

 

ここにいる全員がまるで今にも消えてしまいそうな一刀を凝視する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪~~~~~♪♪~~♪♪~~~♪~~~~~♪♪~~♪♪~~~~~~~~~~・・・・・

 

 

約3分、しかし中身の濃い癒し系の曲に一同は

 

「はぁ~~~~~~/////////」

 

と、艶のある息を吐き出した

 

聖「すばらしいのじゃ一刀!他には何か出来ないかえ!?」

 

一刀「ま、また?・・・・・う~~~~ん二胡ばかりじゃな・・・・・そうだ!」

 

すると今度は、旅芸人から笛を借りた

 

そして御辞儀をすると吹きだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪~~♪~~♪♪♪♪~~♪~~♪♪♪♪♪~~♪~~♪♪♪♪~~~~~~

 

♪♪♪♪♪~♪~~♪♪♪♪~♪~~♪♪♪♪~~~♪♪♪♪~~~♪

 

 

一刀が吹きだしたのは『風笛』である

 

そのやさしい音色に一同は

 

「・・・・・・・・・・」(ボ~~~~~~~~~~~~~)

 

と、虚空を見つめていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪~~~~♪♪♪♪♪♪~~~~~♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~~~・・・・・・・・・・

 

♪♪♪♪♪♪~~~~♪~~~♪~~~~~~~~~~~~~~~・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約3分の演奏が終わり

 

 

月「凄いです一刀さん!まさか笛まで吹けるだなんて!」

 

霞「一刀!他にないんか?」

 

菖蒲「・・・・・あそうだ!一刀様の歌を聞かせてください♪」

 

雫「そうです、ぜひ♪」

 

恋「かずと、歌って・・・・・」

 

音々音「おまえの歌なら聴いてやるのです」

 

月「え!?一刀さんって歌も歌えるのですか!?」

 

詠「まったく、どこまで万能なのよ」

 

一刀「まだやれっていうのか!?・・・・・わかった、こうなったらとことん付き合ってやる」

 

一刀は再び二胡を取り、弾きながら歌いだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「幼い頃の冬といえば♪凍えるだけの季節ではなかったよ♪粉雪 街に舞い始める頃♪僕達は 風を追いかけた♪大人になり 夢にはぐれて♪戸惑う僕の前に 君が立っいた♪凍てついてる 小さな手を 握りしめることしか♪僕には 与えられるものはないけれど♪いつまでも いつまでも そばにいてあげようーーーーーーーーーー♪それが君への 僕の贈り物♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀が歌いだしたのはCH○MIS○RYのM○ Gi○t t○ Y○uである

 

その愛をささやくような歌詞に一同は

 

「////////////////」

 

と、なっている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「凍てついてる♪ 小さな手を 握りしめることしか♪僕には 与えられるものはないけれど♪濡れた瞳 そらさないで♪見つめ返すことしか♪君へと 届けられるものはないけれど♪いつまでも いつまでも そばにいてあげよう~~~~~~~~~~♪それが君への♪ 僕の君への♪ 心を込めた 愛の贈り物♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

一同は一刀の歌に完全に魅了されていた

 

そしてそこにとどめの一撃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「愛してる~~~~~~♪・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約6分間の歌が終わった

 

 

 

一刀「・・・・・ありがとうございました」

 

一刀が御辞儀をする

 

そして頭を上げると

 

 

 

 

 

 

 

 

聖「朕は、朕はなんと答えたら良いのじゃ//////////////」

 

月「一刀さんに、愛してるって言われちゃった♪/////////////////」

 

詠「ボ、ボクも・・・・・い、いや/////////////////」

 

嵐「か、考えさせてくれ///////////」

 

霞「か~~~ずと~~~~~~♪ウチも愛しとるで~~~~~~~♪♪♪♪////////////////」

 

菖蒲「一刀様、お傍に置いてください♪/////////////////」

 

雫「お仕えいたします♪/////////////」

 

恋「かずと、恋も愛してる♪///////////////」

 

音々音「お、おのれ~~!/////////////」

 

一刀「????」

 

徐栄「・・・・・天然の女殺しですな」

 

張済「兄上はまさに英雄です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、後になって一刀は気付く

 

自分がとんでもなくキザな歌を歌ってしまったことに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、楽しく幸せな時間は続いていった

 

一刀「(こんな時間がずっと続けばいいのにな)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、そんな幸せな時間をあざ笑うように、天は、時は、それがまるで運命(さだめ)であるかのように賽を振るう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「・・・・・というわけでございます、袁紹様」

 

???「なんということでしょう!!名門袁家をさしおいてそのような不届き、許せませんわ!!」

 

???「その通りでございます袁紹様!!張譲様を殺し、帝を良いように操っている董卓を討ち、あなた様が大将軍となれば漢王朝の栄光を再び取り戻せましょう!!」

 

袁紹「お~~~~~ほっほっほっほっほっほっほ!まかせてくださいませ趙忠さん宋典さん、このわ・た・く・し袁本初が董卓なんていう田舎領主を討ち、張譲さんの敵を討って差し上げましょう♪」

 

???「ちょっと待って下さい麗羽様~~!簡単に信用しすぎですよ~~!」

 

???「いいんじゃないか斗詩、その董卓ってやつ悪いことしてるんだろ~~」

 

斗詩「文ちゃんは黙ってて!悠さんも何か言ってくださいよ~~」

 

悠と呼ばれたものは、姓は張、名を郃、字を儁乂という

 

背が高く、なんといってもその豊満な胸が目に付く容姿をしている

 

誰がどう見てもお姉さん系である

 

悠「う~~~~ん・・・・・いいんじゃないか♪面白そうだ♪」

 

斗詩「・・・・・悠さんに聞いたわたしが馬鹿でした・・・・・」

 

麗羽「お~~~~~~ほっほっほっほっほ!お~~~~~~ほっほっほっほっほっほ!」

 

宋典「(やりましたな趙忠様)」

 

趙忠「(うむ、見ておれ董卓め、我らをこのような目にあわせたこと、死ぬほど後悔させてやろう)」

 

この二人は張譲が捕まったとき、運良く先に隠れ家に身を寄せていたために助かったのである

 

悠「(袁紹軍もそろそろ飽きてきたかな?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、それは各諸侯に檄文として届くことになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちはseigouです

 

・・・・・分かっています、やり過ぎですね

 

ばれてますよね、好きな曲や歌を並べているだけだって

 

そんなことはわかっています

 

分からない人は動画サイトで検索してみてください、本当にいい曲ですから

 

とまあ少し逆切れをしてみました、すみません

 

というわけで次回は反董卓連合偏に突入します

 

ペースが落ちてきましたが、これからもよろしくお願いします


 
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