No.185083

真・恋姫†無双 たった一つの望み 第九話

いろいろと試して見ました
小説とかで良くあるような書き方になっているかと思います
だけどTINAMIだとこういうのあんまり見ないんですよね
みやすさはどうでしょうか・・・?

2010-11-17 13:11:09 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2568   閲覧ユーザー数:2037

 

人が人を殺すなんて珍しくもない

 

単純に、純粋に、人は自分のためだけに殺す

 

虚栄心だったり、金銭だったり、快楽だったり、神だったり

 

意味もなく殺すなんて、意味という概念を持っている限りは不可能

 

機械じゃないのだから

 

敵と認識するものを殺し続けるのだって同様、同属殺しも敵殺しも同じ

 

人は理由があるから殺す、そして理由は個人のもの

 

"なぜ?"なんて意味がない

 目の前にいる人の群れ、向けられる視線は畏怖。手っ取り早く事を終わらせるためとはいえ少々派手にやり過ぎたと一刀は反省した。

 300から400人程度の騎馬隊を見渡すと、二人ほど服装の違う人物が目に付いた。一人は燃えるような赤い髪に白と桃を基調とした服、もう一人は流水のような青い髪に着物のような服を着ている。指揮官とその補佐と言った所だろうか、恐らくこの隊において一番地位が高いのは間違いないだろう。

 気になることは二人とも女性であるということ、他の兵士を見ても女性は今まで見た事がなかったが・・・。

 

「失礼、貴女がこの軍の指揮官でしょうか?」

 

 隊の最前列に居た二人の内、赤い髪の女性に声をかける。

 

「あ・・・あぁ、この軍を率いている幽州太守の公孫賛だ。助けてくれてありがとう、こっちが――」

「危ないところを助けていただき感謝します。白蓮殿の所で客将をしております、趙子龍と申します。よろしく、天の御使い殿?」

 

 これには流石に驚いた。自己紹介をされたは良いがこの二人が公孫賛に趙雲だと?三国志と似ているが違う世界だとわかっていたつもりだったが、まさか性別が違っているとは思わなかった。というか、実際目の前に居ても信じられないという気持ちが強い。

 なんとか平静を装って返事を返そうとするが、なにから話をするべきか。そうだな、まずは――。

 

「天の御使いね・・・自分からそう名乗った事は一度もないんだけど、まぁそう呼ばれてはいるよ」

 

 一刀は、天の御使いを自ら名乗った事は一度もない。最初だって華佗が流星を見た事と天の御使いの噂をそれとなく患者に話しただけで、一刀はそれを肯定も否定もしていない。まぁ今はそんな事はどうだっていい、重要なのはこの二人。

 

「それより、公孫賛さんに趙雲さん。どうして幽州太守がわざわざ軍を率いて賊の討伐を?」

 

 普通はその地を治める地位の人が軍を率いるなんて事は、余程の事がない限りありえない。この時代の移動は徒歩か馬だが、例えば州の端で問題が起きたとしたら往復でどれだけかかるかわからない。その間は他の仕事ができなくなるし、なにより不在の間に問題が起これば大変なことになる。

 

「う・・・それを言われると困るんだが、恥ずかしながら人が足りてないのが実情なんだ。こうして私が賊の討伐に出なきゃならないくらい」

「そうですなぁ、私がこうして客将をしていなかったら今頃もっと大変なことになっていたかもしれませんな」

「そうは言うけどな、星。頼んだ仕事をよくサボってる奴に言われたくないぞ?」

 

 そのまま言い合いになってしまった二人だが、聞いていればあれは言い合いというより趙雲が公孫賛をからかかっているとみた方が良いようだ。それに、公孫賛が趙雲に愚痴っぽく言っている事からも、本当に人手が足りないようだ。

 しかし、正史では親戚に公孫範やらがいたし子供もいたはずである。それを考えれば、やはりこの世界では三国志の知識を鵜呑みにするのは危険か――。

 

「そうそう御使い殿に聞きたい事があるのですが、よろしいか?」

 

 考え事に集中していると、突然趙雲に話しかけられた。咄嗟に自分に答えられる事なら・・・と返したが、どうやら油断していたらしい。

 

「では、先ほど私の名を呼ばれましたが・・・なぜ字ではなく教えていない名を知っておられるので?」

 うっかりしていた、こんな簡単なミスをするなんて。確かに趙子龍と名乗られて、趙雲と返したら不自然過ぎる。さて、どうやって誤魔化すか・・・そう言えば公孫賛が言ってたしここは幽州らしい、なら――。

 

「常山の昇り龍と言ったらこの辺りでは有名だからね、もっとも公孫賛さんの所で客将をしていたとは知らなかったけど」

「なるほど、私も有名になったものですな。悪い気はしませぬが・・・」

 

 表面上は納得したように見えるが・・・内心はまだちょっと疑っていそうだ。

 

「星、話はそこまでにしないか?天の御使い様も、お礼もしたいので城まで一緒に来ていただけませんか」

「ふむ、このような場所で長話をするのもあれですな、兵も疲れているでしょうし。それではあと一つだけ、御使い殿の名を教えていただけますか?」

 

 確かにいつまでも天の御使いと呼ばれるのは、こちらとしても苦痛だ。しかし、ここで北郷の名前を使うとあとで何かあった時に困る。ふと見れば、公孫賛と趙雲が跨っている白馬が目に付いた。そういえば趙雲の愛馬と言えば・・・。

 

「名乗りたいところだが、生憎と真名に当たる名前しか持っていないんだ。だから・・・そうだな、白龍[パイロン]と呼んでくれるかな?」

 

 こうして偽名ではあるが名乗りを終えて、公孫賛の城へと行くことになった。その後に待ちうけていたのは、歓迎と称した趙雲の絡み酒だったわけだが・・・。結局、なにが気に入られたのかわからないが公孫賛と趙雲の二人には真名を許され、お互いに敬語も使わなくなった。気兼ねなく話せるようになったのは良い事だ。

 しかし、酒宴の中で違う世界から来た事を話してしまったのはどう考えても失敗だ、与えなくても良い情報を与えるのはあとでマイナスになる事が多い。酒は飲んでも飲まれるなということを、まさか実感する日が来るとは思わなかった。

 

 

 数日後、練兵場で趙雲と対峙する一刀の姿があった。切っ掛けは些細な事だった、趙雲が一刀にどうして賊の退治をしていたのか、自分たちを助けたのかを聞いたのだ。

 

「なぜかと聞かれたら、それが望まれたことで自分の目的に必要だったからとしか答えようがないな」

 

 それは民に望まれて行っているのであれば、世の中を平和にしたいと言う意志があるのだろうと趙雲は思った。そこで立派な志だと、自分も天下泰平のために立ち上がったのだと言えば、一刀が笑い始めたのである。

 自分はそんな立派な志など持っていないと、やっている事は自己満足であり、天下泰平などどうでもいいのだ・・・と。そんな事を言われればその理由を問いただしたくなるもの、しかし一刀は笑うばかりで答えない。流石に怒りを覚えた趙雲が、武人として一刀の刃に聞くとしてこうして対峙しているのである。

 

「こんなことをしたってなんの意味も無いんだけど・・・本当にやるの?」

「私は真剣に話しているのに笑われたのではな。その真意を確かめなければ気が治まらん」

 

 やれやれ、どうやら本気で怒っているようだ。まったく聞く耳を持っていない、横目で見れば立会人をしている公孫賛も戸惑っている。

 

「本当にやるのか、星?少し冷静になって考え直した方が良いんじゃないか」

 

 しかし、前を見れば槍を構え、もはや退く気は無い様子である。

 

「仕方ないな、悪いけど開始の合図を頼むよ、白蓮」

 

 右手に持った借り物の鉄鞭に、少しだけ力を入れると目の前の青い獣に意識を向けた。

 開始の合図とともに、一気に間合いに飛び込んできた星の槍をギリギリの距離で身を捻ってかわす。連続で放たれる高速の突きは、周りから見たらまるで紅い閃光のようだろう。

 

「どうした、避けてばかりではこの私には勝てませんぞ!」

 

 確かにずっと避け続けているだけでは勝つ事はできないだろう。しかし、今は星の攻撃の全てを"ギリギリで"避け続けることに意味がある。

 

「お喋りしてる暇があったら一つでも多く手を出したらどうかな?君の槍はこの身に触れてすらいない」

 

 突き、薙ぎ、払い、時にはクルリと翻って長い袖で作った死角から石突での打突と虚実を織り交ぜた攻撃。確かな技術に裏打ちされたそれも、見る人によっては芸術と捉えられるだろう、だが――。

 

「怒りで動きが大きく単調になっていては、当たるものも当たらない」

 

 更に言えば、常にギリギリで交わされれば焦りもするし、なによりこれだけ攻め続ければ疲労も馬鹿にならない。星も表情には出していないが、その額には汗が滲んでいる。

 

「それじゃ、少し教えてあげようか」

 

 

「今、なにをなされた」

 

 鉄鞭を構え、ようやくやる気になったのかと気合を入れなおして突きを放った。渾身の力を込めたそれは今日一番の速さだったと自覚している。

 それがどうしたことか、鉄鞭に槍が当たったと思ったら天地が逆転していた。背中から地面に叩きつけられたと理解したのは、首筋に鉄鞭を突きつけられてからだった。

 

「星の突きはとても速い、その力をそのまま投げる力に変えて投げた。それだけのことだよ」

 

 やったことは合気の原理、突き出された槍を絡め取り、その持ち主ごとくるりと一回転させただけの事。もっとも、やり易くするためにわざわざ挑発して、単純だけど力の篭った一撃を出させたというのはあるけれど・・・。それに実際には一瞬だけ力を込めて無理矢理投げたのだけど、バレなければそういうものだと勝手に解釈されるだろう。それよりも今は――。

 

「それより、星の疑問に答えよう。君は天下泰平の為に戦っていると言ったね、そのために賊を退治していると」

 

 星はコクリと小さく頷き、続きを促すように真っ直ぐとこちらを見据える。

 

「星はそうだろう、だがオレは違う。オレはオレのために賊を・・・いや、"人"を殺してる。理由なんてどうだっていいんだよ、だってそんなものは殺される者にとって、なにも関係がない。どんな理由があろうと殺される者は命を奪われるという事実だけをその身に受ける」

 

 つまるところはそういうこと、奪う側の理由など奪われる側にとってはどんな理由だろうと知ったことではない。奪う者が賊で、奪われるのが善良な民でも、奪う者が正義の名の下に賊の命を奪おうと、本質はなにも変わらない。

 

「人が人を殺すその理由はいつだって自分のためだ。矜持だったり、正義だったり、生きるためだったり・・・なんでもいい。だけどどんな理由でもつまるところその全ては自分のために集約される。だからその理由はなぜかなんて、意味はないんだよ」

 

 未だ地面に寝たままの星に、右手を差し出して起き上がらせる。白蓮も話を聞いてなにか思う事があったのだろう、星と同じように苦い顔をしていた。

 

 

――ほぼ同時刻、城に三人の少女が訪れていた。

 

 

あとがき

 

 

どうも、へたれキノコです

やばい、趙雲の口調とか難しすぎる

考え方とかもこんなキャラで合ってたっけなぁ・・・

なんかどちらかというとこういうのって関羽のキャラのような気がするんですけど

趙雲も義の人って感じなのでまぁウチの一刀とは合わないだろうな~

そろそろ拠点パートみたいなのも書いた方がいいのかな、でもそれだとまた話が進まなくなるし・・・

うーん、皆さん拠点話読みたいですか?

 

そうそう、今回はいろいろと試してみようということで書き方を大きく変えてみました

どうでしょうか、前と比べてどちらが読みやすいですか?

文章量は今までと変わらないのですが、体感的に少なく感じるのかな・・・

文章量が少ないor多いと感じるか、読みやすいor前の方が良かったという二つにできたらコメントお願いします

 

あと、ほとんどの方は気付いていると思いますが、1ページ目の文に意味は特にないです

なんとなく思うことを書いてる事が多いので、今回はたまたまマッチしましたけど・・・

普段はまたわけのわからんこと書いてるぞコイツ、程度に見てくださいw

 

これからもへたれキノコをよろしくお願いします

 

◇コメント返信のコーナー

 

第話投稿時のコメントより・・・

 

Q1.今まで怖ェェ一刀のしか(略)全てぶち壊す気がする(略)(っで、袁家は滅ぼされるんですよね!?)

A1.どうみてもカッコの中が本文です、本当にありがとうございました

 

袁家はほっといても歴史の流れ的に滅ぶんですよね

あれだけトップが無能だと、どうして今まで保ってきたかすごく不思議なんですけど・・・

まぁ恋姫の世界はもともと不思議な世界だから細かいことは見ないフリをしましょうか

それにしても袁家か・・・血祭りにあげたいキャラが多いですよね?w

 

Q2.す、すげえwww人材マニアの曹操にあったときの反応が見たいなwww

A2.あの人は潔癖症だから逆にいらない子扱いなんじゃないかな?

 

妖術の類は嫌ってるような所がありますからねー

その割には張三姉妹には何も言わなかったんだけど・・・

やはりご都合主義か?

 

Q3.ギア2してるときのルフィのJガトリングみたいな・・・。実にアリだな(キリッ

A3.ぐーぐる先生に聞きました

 

なるほどあんな感じで想像したのですか、大体あってると思います

だけど、こんな方法いつまでも続けてたらそれこそ化け物扱いされますよね

ただ、目的のために手段をその都度選ぶのがウチの一刀君です

現時点では派手にやることで噂を広めることと、気の鍛錬という二つの目的からこんな戦い方になってます

なので、そのうち戦い方も変わると思います

 

 

以上でコメントへの回答は終了です

 

 

それではまた次回の更新で!

 

 
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