No.183117

恋姫†無双 『蒼天已死 黄天當立』 壱拾弐

どんだけ遅いねんっ!!!!!!

と、ツッコミをされても仕方がないです……

反省してます。

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2010-11-07 13:10:45 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:2218   閲覧ユーザー数:1993

「腹減ったなぁ」

 

張遼は街を歩いていた。

 

昨日の出来事もあり董卓達と顔を合わせるのが躊躇われたのだ。

 

張遼は夜遅くに城に戻ると自分の部屋で寝て、朝早くに起きてすぐに城を出てきた。

 

「よう考えたら、昨日は酒しか飲んでへんやん。腹が減るわけや」

 

張遼はそう思うと近くの飯屋を探し始める。

 

朝早くなので開いている店は多くない。

 

つまり、この時間帯に食事を行う者は自然と同じ店に集まることになる。

 

(しもた・・・・・・)

 

張遼は飯屋に入ると自分の失敗を悟る。

 

奥の方に一刀と人和が座っていたのだ。

 

一瞬、立ち去ろうかという考えが張遼の頭を過ぎる。

 

(待て、なんでウチが逃げなあかんねん。ここは堂々としておったらええんちゃうか)

 

張遼は自分に大丈夫だと言い聞かせて入口に近い席に座る。

 

張遼がふと一刀達の方を見ると人和が顔を赤くして一刀に撫でられていた。

 

その光景は平和そのもの。

 

張遼は複雑な心境になる。

 

(ウチはどうしたらええんや)

 

瞬間、一刀と目が合う。

 

張遼は身体を硬くした。

 

だが、一刀はそのことを気にせずに人和との会話に戻る。

 

 

「それで今日はどうする?」

 

「きょ、今日は街の様子を見て回ろうと思います」

 

一刀に頭を撫でられたことにより動揺しながらも人和は答える。

 

人和は店に入ってきた張遼に気づいていなかった。

 

「分かった。それと、董卓に会うのはいつでもいいって旨を後で伝えておかなくちゃな」

 

一刀の言葉に人和の表情が少しだけ曇る。

 

「大丈夫だよ」

 

人和のそんな表情に一刀は優しく声を掛ける。

 

一刀は笑顔で人和を見ていた。

 

一刀の表情に人和は安心を覚える。

 

「よし、じゃあ、鍛練に行きたいから付いてきてくれ」

 

一刀が立ち上がり店員を呼ぶ。

 

飯代を払い一刀と人和は店から出て行こうとする。

 

出口に向かって歩き始めてすぐに人和は入口付近に座っている人物に気がついた。

 

そして、人和が誰なのかを認識すると驚きに眼が見開き歩みが止まる。

 

張遼は何を注文するわけでもなく、そこにただ座っていた。

 

一刀は人和が歩みを止めたのを気にせずに出口に向かう。

 

一刀が張遼の後ろを通るときに口を開く。

 

「俺は城の裏にある空き地にいる。用があったらいつでも来てくれ」

 

それだけを一方的に言うと一刀は店から出て行く。

 

張遼は何も言わずに座ったままだ。

 

「人和、早く来ないとおいてくぞ~」

 

店の外から人和を呼ぶ一刀の声がする。

 

人和はその声でようやく歩みを進めた。

 

人和に何も言うことなく張遼は座っていた。

 

 

「一刀さんは張遼さんに気づいていたんですか?」

 

「ああ、俺達が食べ終えて今日はどうするかって話のときに店にやってきてた」

 

一刀は何でもないように答える。

 

「どうして教えてくれなかったんですか?」

 

人和はムッとした表情をする。

 

その表情を見て一刀は苦笑する。

 

「ごめんごめん、次からはちゃんと言うから」

 

2人は城の裏に足を進める。

 

城の裏には空き地があり周りは木々に囲まれていた。

 

一刀が辺りを見回すが一刀と人和以外は誰もいないようだった。

 

「よし、始めるか」

 

一刀は空き地のおおよそ中心に立つ。

 

その様子を見て人和は近くの木の根もとに腰を下ろした。

 

一刀は目を瞑り大きく息を吸う。

 

そして、ゆっくりと息を吐き出す。

 

余計な力を入れないようにしながらそこに立つ。

 

また、大きく息を吸う。

 

そして、それをゆっくりと吐き出す。

 

同じ動作を何度も何度も繰り返していた。

 

しばらくすると一刀は目を開け腰の剣を抜く。

 

一刀は自然体から左足を引き半身にする。

 

その状態からゆっくり動き始めた。

 

 

一つ一つの動作を確認するようにゆっくりと一刀は動く。

 

振り上げる。

 

振り下ろす。

 

薙ぎ払う。

 

突く。

 

一連の動作をゆっくりと繰り返す。

 

ある程度、繰り返すと一刀は剣を鞘に戻す。

 

戻すと目を瞑り深い呼吸を繰り返す。

 

そして、剣を抜き一連の動作をさっきよりも少しだけ速く行う。

 

何度かこれを繰り返すと人和は一刀の剣筋を目で追えないでいた。

 

人和には風を切る音が繋がって聞こえていた。

 

あまりにも速すぎる。

 

(何回か見たことあるけどやっぱりすごい)

 

人和は一刀に見入っていた。

 

武とはこれ程までに人を魅せるものなのか、と。

 

不意に一刀の動きが止まる。

 

人和はそんな一刀に違和感を覚える。

 

(いつもは徐々に速さを落としていたのに)

 

そんな人和の疑問に答えるように一刀は空き地の入口の方を指さす。

 

「今度はきちんと教えたよ」

 

一刀が指さす先には飛龍堰月刀を持った張遼が立っていた。

 

 

「何の用かな?」

 

「ふざけたこと言うなや」

 

張遼は一刀を睨む。

 

人和は木の下で固まっていた。

 

原因は恐怖。

 

自分の存在を否定されるかもしれない、という恐怖が人和を縛っていた。

 

人和は助けを求めて張遼から一刀にすがるような視線を向ける。

 

人和が一刀を見たとき一刀は張遼を見ていた。

 

が、人和の視線に気づいて人和の方を向く。

 

一刀はすぐに人和の恐怖を感じ取る。

 

そして、人和を安心させるよう一刀は笑顔を向け頷く。

 

『大丈夫』

 

人和は張遼と向き合う覚悟を決める。

 

先ほどまでの弱い表情は消えて力強い表情に変わる。、

 

「張遼さん」

 

人和は真っ直ぐに張遼を見る。

 

「黄巾党のせいで多くの命が失われた責任は全て私たち、姉妹にあります。すぐにでも捕まえて相応の刑に処すべきでしょう」

 

「ならっ――」

 

張遼が人和を睨んで叫ぼうとする。

 

「ですがっ!!」

 

それを上回る声量で人和は張遼の言葉を遮る。

 

「それだけではダメなんです。亡くなった方々の願いである平和を世の中にもたらすことが私たちの責任のとり方だと思うんです。それも、ただ平和にするのではなくみんなが笑顔で過ごせるようなものにしたいんです。だから、私たちは歌おうと思うんです。歌って多くの人が笑顔になるように」

 

人和は笑っていた。

 

作り笑いでも苦笑いでも、照れ笑いでもない。

 

ただただ純粋な笑顔。

 

「・・・・・・今のウチにはあんたの言葉がほんまもんなのか分からへん。せやけど――」

 

張遼は己の武器である飛龍堰月刀を構える。

 

構えた正面にいるのは一刀。

 

「あんたがウチと戦ってくれるんやったら、話は別やけどな。手合わせすれば相手の心が濁ってるかどうかなんてすぐに分かるからな」

 

「俺は構わないけど」

 

一刀はチラッと人和を見る。

 

人和は一刀を見て力強く頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀は光明と闇影を構える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時に辺りに濃い殺気と覇気が漂い始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

張遼は飛龍堰月刀を握る手に自然と力が入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、始めようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀は笑顔で言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『懺悔室』

 

ものすごく、間を開けてしまって申し訳ないです。

 

言い訳をさせて頂けるのであれば……

 

人和の決意(?)を4日間悩みました。

 

セリフが全然、頭に出てきませんでした。

 

夜中に何度、歩きに行ったことか……

 

歩いてスッキリさせようとしてもダメで……

 

文才のなさに落ち込むばかりです。

 

 

さて、次回は戦闘シーンですねorz

 

上手く書けているのか心配です……

 

ご指摘など御座いましたら遠慮なく言っちゃってください。

 

 

それではここまで見て下さった皆様に多大なる感謝を!!

 


 
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