華琳は侍女に頼んでいた物を受取ると部屋を閉め切った。
そして誰も部屋に入れないよう持って来てくれた侍女に頼んだ。
華琳は頼んだものを確認した。
未使用の針に糸や薬そして清潔の布に熱湯…。
「さてと…」
そして華琳は覚悟を決めた。
そう…これから手術を行うのだった。
「一刀…ごめんね」
そういうと華琳は足に刺さった矢を引抜いた。
本当なら局部麻酔を使いたいのだがこの時代には無く代品の麻沸散もすぐには作れなかった。
案の定気絶している一刀の表情は激痛が走ったかのような表情になった。
そして矢が抜かれた所為で今まで止まっていた血が再度出てきた。
華琳は布で傷口を押さえ血を拭い怪我の程度を確認した。
幸い太い血管が切れてはいなかった。
傷口を消毒し針と糸を使い傷を縫い清潔な布を包帯代わりに巻いた。
華琳は最初に一刀の表情を見て毒が使われていると感じていた。
しかし致死量まで達していない為蓮華にはその事を黙っていた。
なので最後に解毒剤を口移しで飲まし手術は終了した。
「あとはあなたの気持ち次第よ…一刀」
そういうと華琳は寝台に横たわっている一刀のそばにいた。
蓮華は軍議が終わるとすぐ一刀のいる部屋に向かった。
そして部屋に到着したが侍女により立ち入りを禁じられてしまった。
侍女は一刀の武器である雪月花を蓮華に渡した。
「一刀…大丈夫ヨ私ニ任セテ」
蓮華はそう呟いて外に出て行った。
呉蜀連合は成都の城門近くまで来ていた。
「それにしても遅いわね~」
「きっと雪蓮が怖くて出て来れないのじゃ」
「そ~ですよ~美羽様の言う通りですよ~雪蓮さん」
孫策は袁術たちの言葉を聞き少し笑った。
「そうね…さてと祭」
「おう!」
「亞莎から受取った切り札の準備はどう?」
「ああ…あれなら後ろに」
「ふ~んあれね」
孫策が後ろを振り向くと布に被った大きな四角い箱があった。
劉備はそれに気付いた。
「雪蓮さんあれってなんなんです~」
「いくら同盟国の君主でも教えられないわ~」
「え~いいじゃないですか~」
「言ったら面白くないじゃない…だからね」
「わかりました」
そしてしばらくすると成都の城門が開き火軍の部隊が出てきた。
「やっときた~」
「そんなに来ても勝ち目ないのに馬鹿ね~」
「そうじゃ!そうじゃ!」
「美羽様に馬鹿って言われるってよほどの馬鹿なんですね~」
「七乃…どういう意味なのじゃ?」
「美羽様は賢いってことですよ~」
「さてと…策殿、孫家の面汚し共はどうするつもりじゃ」
「もちろん………………………………殺すわ」
「そうじゃの…」
「とりあえず…口喧嘩しにいきますか」
そういうと孫策は火軍が展開し終わったのを確認し舌戦を挑みに行った。
火軍はもしもの時を考え月と詠を城内に残し全員出撃した。
星は不意に蓮華に思ったことを聞いた。
「蓮華よこの戦どちらが仕掛けたと思う」
「ソンナノドウデモイイ…一刀……」
「オ父様ヲ傷ツケタ罪…万死ニ値スル」
「アイツラ全員…殺ス…ソシテ一刀様ヲ守ル」
「一刀サン…フフフ……残念デスネ…ミナサン…死ンデクダサイ」
一刀大好き連合の怒りは頂点に達していた。
特に蓮華は異常だった。
すぐにでも悪を狩りに行く程の雰囲気を醸し出していた。
「紫苑殿、蓮華様たちの目をさまさせなくていいのですか」
「そうよ!!冥琳に穏…お姉ちゃんたち危ないよ~」
「みんな……怖い……セキト達も……怯える」
傍にいた思春,小蓮,恋はあまりの怖さに紫苑たちに宥めさせるようにお願いした。
しかし3人はそれをしようとしなかった。
「本来だったら止めた方がいいでしょうけど…」
「そ~ですね~…でも私たちも本当は切れちゃいたいくらいですから~」
「そうだな…あの4人が代わりに切れてくれてると思えば止めようとは思わんさ…」
家族当然の一刀を傷つけられ、教え子の花蓮を連れ去った相手がすぐそこにいるのだから3人も怒り狂いたかった。
しかし軍師としての考えや長年の経験でそれを押しとどめていた。
なのであの4人を止めようとは初めから思っていなかったのだった。
「うむ…何やら一人こちらに向かって歩いて来てるぞ」
星がこちらに向かう人物に気が付いた。
その声にみんなも気付き冥琳が言った。
「あれはきっと孫策ね…舌戦でも挑もうと思っているのだろう…」
「アイツカ…一刀待ッテテネ……アイツノ首…切ッテクルカラ」
そういうと蓮華は孫策と舌戦を挑む為に歩きだした。
つづく
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とうとう感情が…爆発するかな?
うまく書けたかな…?
不安です…。
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