ああ……初音お姉ちゃん。
初音お姉ちゃんのお布団。
ふかふかで、とても良い匂いがする。
初音お姉ちゃんのお布団に包まるだけで、まるで初音お姉ちゃんに抱き締められているような
感覚に陥ってしまう。
「はぁ……初音お姉ちゃん……」
「何かしら小夜子」
…………え?
「は、初音お姉ちゃん……?」
恐る恐る声のした方を向くとやはり初音お姉ちゃんがいた。
そうだよね。わたしが初音お姉ちゃんの声を聞き間違えるはずがないもんね。
「は、初音お姉ちゃん。これは、その――」
「それは私の布団だよ」
「あ、うん。そうなんだけど……」
あう~何て言い訳をすればいいのかな?
普通に気持ち悪いよね。布団に包まって匂いを嗅いでいるなんて……
「小夜子……」
「か、かたつむりっ!」
「え?」
な、何をやっているんだろう。
パニックになり過ぎて変な事を言っちゃったよ。
布団に包まっている姿をカタツムリに例えるなんて……
「……ぷっ。」
「は、初音お姉ちゃん?」
「ぷふっ……か、カタツムリって……」
あ、あれ? 怒っていない?
「そんな可愛い事言われたら、何も言えなくなっちゃうわ」
「初音お姉ちゃん……」
「ほんと、小夜子は可愛いわね♪」
「あ、あぅ……」
何でだろう。とっても恥ずかしい。
もともと恥ずかしい事をしてたけど、余計に恥ずかしいよぉ。
でも――
これは、これで悪くはないのかな?
初音お姉ちゃんの笑顔を見る事が出来たし、何より――
お布団に染みついた初音お姉ちゃんの匂いを堪能出来たから。
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話が本気で迷子になってきている今日この頃。
どこかで軌道修正しないとなぁ……