赤壁の戦いでは元海賊?というだけあって祭の次に褒められるべき働きをした思春であったが、彼女は現在…非常に悩んでいた…。
理由は毎年の今頃に行われる赤壁の犠牲と亡き2人を偲ぶための祭り…つまり慰霊祭である。
この祭りは亡き2人の国内での力と呉の国力そのものを象徴するものであるのだが、呉の武将たちにとってはもう1つの意味があった…それは…
その日誰が一刀と一緒に祭りに行けるかということである!!!
思春はこの一刀争奪戦に毎年敗北していた。それが最大の理由である。
毎年他の将たちは多種多様な方法を使って一刀を誘う。直球勝負の者もいれば、大人の魅力で勝負する者、特技を最大限に生かして誘う者などその方法はまさに十人十色であった。
しかし、思春の場合は「う~~~ん…やっぱりあの手で…いやしかし…よし!!!」
その後…「なに!!!もう決まっているだと!!!はぁ…」という具合で終わっているのである。
「毎年、蓮華様達にいつも負けてしまう…今年はどうしたら…。去年はあんな恥ずかしい恰好をしてまで誘いに行ったのに時すでに遅しだったからな。よし!!!今年は今までの方法を合わせて使うとしよう!!!」
城の中で一人でガッツポーズをする思春を周りの人間は一歩下がって見つめていた。
そんな思春の決意を知らずに当の本人は祭りの最後の準備に追われていた。
「さてと…これで祭りの準備は一通り終わったね。しかし、2人を偲ぶはずがこんなに盛大で派手なものでいいか毎年疑っちゃうけど、あの2人のことだから湿っぽいのは嫌いだろうな。それに蓮華は絶対にお酒は飲ませないようにしないと…」
蓮華の酒癖の悪さを知っている同行していた兵士もそれに頷いた。
そして思春にとっては決戦の日がやってきた。
朝議の後すぐに思春は一刀が仕事をしている部屋に勢い良く扉を開けて入ったのだが、その姿は信じられなかった。
「ああ、思春どうし…ぶふうぁ!!!」
絶叫とも歓喜の声とも言えない声を上げ一刀は卒倒した。
それもそのはず、思春はネコミミに尻尾を付けて、服は体操服にブルマ、それもかなりピッチピチでかなり際どいときたもんだから、健全な男性にとっては眼福の姿で思春は部屋に入ってきた。
「思春!!!そのカッコどうしたの!!!」
「う、うるさい!!!そ、そんなことはどうでもいい…そ、それよりお前は祭りの日の予定はどうなってるんだ。」
「あ~その日だったらまだ未定だな…。も、もしかして思春…そのために…。」
「そ、そうだ!!!一緒に行くぞ、嫌ならかまわんすぐに着替えてくるまでだ。で、でも貴様が望むなら祭りまでまだ時間があるから、しばらくこのままで居てやってもいいぞ。それに来年また違う格好で着てやってもいいのだぞ。」
この争奪戦に勝利したものは誘ったときから、祭りが終わるまでずっと一緒に居ることができるという特典を思春も最大限に利用するつもりで、かつ他の将に負けないようにこのような格好をして一刀に違う自分を印象づけてまた来年もという策を思春は考えていて、それが見事に功を奏した。
「しかし、本当に驚いたよ。思春がそんな恰好で来るとは夢にも思わなかったし、祭さんの時に免疫をつけたつもりだったんだけど、思春がするとなんかすごい新鮮でそれに恐ろしく似合ってるし…それもしかして祭さんから借りたの?」
「いや…貴様がいつも行ってる服屋の主人に頼んで作ってもらったのだがな…どうも大きさを間違えてしまってな。耳としっぽは明命が持っていたのを借りたんだ。それより祭様はどんな格好で来たんだ~。」
「そ、それは~とてもじゃないけど、俺の口から言うのは非常に恥ずかしいというか気まずいと言うか…簡単に言うと…」
去年祭が着ていた服…それはホントにギリギリのショートパンツに上はビキニ…しかもサイズは明らかに合っていない…。
はっきり言ってわざと狙っているとしか思えない格好だったのだ。そのうえでその服は自作だったというのだから本人の本気度が容易に想像できたのだ。
「あの方は何を考えておられるのだ!!!だから、去年の貴様はあんなに抜け殻のように死にかけていたのか…。ま、まだ時間があるからこの恰好でいてやるが、しばらくしたら着替えるから…そしたら出かけるぞ!!!あと…なぜ着替えるのか聞いたら…。」
手に持っていた刀を抜くしぐさを思春が見せたため、冷や汗を掻きながら一刀は黙ってうなずいた。
それとは対照的に思春はとても嬉しそうであった。
「今まで一緒に居れなかった分とことん付き合ってもらうぞ!!!まずはこれからここに行って…。」
どこから出したのか分からないが、予定表見たいなものを思春は取り出し嬉々として、これからの予定を話していた。
「分かったよ。今日は特に予定もないからな~思春に従うよ。そ、その代わりもう少しだけでいいからそのままでいて欲しいな~なんて…ね。」
「まぁいいだろう。その代わり祭りが終わるまでとことん付き合ってもらうからな!当然のことだが、祭様以上に付き合わもらうからな。楽しみにしているぞ。一刀…。」
その後の2人を見かけた人たちはまるで夫婦の様であったのだが、冷やかそうとするとどこからともなく鈴の音がしたらしい。
それ以来、この祭りの日に思春を怒らせると一般人でもぶん殴られるといううわさが広がっていった。
あとがき
どうも~何とも中途半端な感じで終わってしまいましたが、個人的には書ききった感満載です。でも、続編を望むならこの続きを書いてみようかな~とは思います。
そして前回の2828階段には驚かされました…今回は2828できるかどうかは怪しいです。
現在ニートという特権を最大限に生かして、キャラ別とある作品の二次創作を鋭意制作中であります。最初に予告しておきますが、次は明命です。
おそらく早めに掲載することができるかと思います。
あと、お知らせです。現在自分のトップ絵がありません!!!
そこでだれか書いてくれませんか?お願いします。
我こそはって思う方がいたらぜひお願いします。違うSNS のイラストもお願いしたいので、1名には絞りません。
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キャラ別第2弾として今度は甘寧こと思春に挑戦しました~~。
話や設定は完全オリジナルで思春のキャラ崩壊を含んでいる可能性があるので、そういうのは無理という方は自分にクレームを付けてください。
思春って書きやすそうで凄く難しい…。