この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。
なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください
一刀達が出発して3日後、一刀の軍は成都に到着した。一刀はそのまま張任を連れて劉璋のいる玉座の間に向かった。
「…入ります」
扉が開き入室をすると中央の玉座に劉璋が座しており左右に多くの文官が並んでいた。一刀の入室に気づいた文官は一斉に一刀を見る。一刀は一礼をするとそのまま歩き玉座に座っている劉璋の所へ向かいその場で片膝をつき臣下の礼をとる。
「お久しぶりでございます。劉璋様」
劉璋「ふん…俺が追い出した以来か」
挨拶する一刀に対する劉璋の態度は冷たかった。両者の間には緊張感が走っていた。
劉璋「はっきり言おう…俺は貴様のことを信頼していない」
「……」
劉璋「劉備のこともどうでも良いと思ったが…お前を見て気が変わった」
そこで劉璋は立ち上がり一刀の目の前まで歩く。そして、しゃがみこんで一刀の肩に手をかける劉璋。
劉璋「……劉備を殺せ」
劉璋の言葉を聞いた文官達に衝撃が走る。今まで明確な方針を示さずにいた劉璋が一刀にそう命じたのであった。
劉璋「大徳とか言われてもようは侵略者……俺は俺のモノを踏みにじられるのが大嫌いだ」
「劉備軍は民達には一切危害を加えてはいません」
一刀が聞く限りでは劉備軍は益州の民達には一切危害を与えてはいなかった。一刀の報告を聞いた劉璋は一刀から離れると突然大声で笑い始める。
劉璋「くだらんことを……俺のモノ…それは益州そのものだ。民など俺には関係ない」
「っ!!……劉璋様、私は…」
劉璋「くどいぞ、宗伯。」
一刀がさらに言葉をつなげようとしたが、劉璋がそれを遮る。
劉璋「俺に同じことを言わせるな…貴様は総大将として劉備を殺せ」
「………御意」
一刀の言葉を聞くと劉璋はそのままその場所をあとにした。
劉璋との会合を終えた一刀は成都にある自分の屋敷に戻っていた。久しぶりの主の帰還に使用人は喜んでいた。現在、一刀は自室に張任と一緒にいた。
張任「劉璋の野郎……無茶区茶なことを言いやがって」
「それが私達の役目です……今は劉備軍を倒すことだけ考えなさい」
張任「大将はまだ劉璋の命令を聞くというのですか!!」
「劉璋様は我が主です……当然のことです」
張任「大将!!」
「落ち着きなさい……張任」
張任は机を叩いて抗議をするが一刀はそれを諌める。
張任「……すいやせん…頭に血が上ってしやいました」
「いえ構いません……では始めますか」
そう言って一刀は机の上の地図に視線を落とす。そんな一刀を見て張任もまた地図に視線を落とす。
「諷陵は落とされました……おそらく劉備軍は最短距離で成都に向かうでしょう」
張任「…となるとここですかい?」
そう言って張任はある場所に指をさすと一刀も頷く。
「そうですね……しかし、ここは黄忠さんがいますからしばらくは大丈夫でしょう」
張任「はい…黄忠の姐さんは益州でも五本指に入るほどの将ですからね」
??「それはどうかしら?」
突然の乱入者に一刀と張任が視線を向ける。そこには一人の女性がいた。
張任「お前は……」
法正「勝手に入らせていただきました……私は法正と言います。北郷さん、張任さん」
法正がそう言うと扉の向こうには女中が申し訳なさそうな顔をしていた。一刀はそんな女中に手で下がれと合図を送る。
張任「お前が大将を成都に…」
「それよりさっきの言葉はどういうことでしょうか?」
法正「黄忠様の城は劉備軍により落とされました。黄忠様自身も投降したようです」
法正の報告を聞いて一刀と張任の顔色が変わった。
張任「嘘だろ!!黄忠の姐さんがこんなに速く負けるなんて」
法正「事実です。半日ももたずに黄忠様自ら投降したもようです」
法正の言葉を聞いて一刀は地図の上の黄忠の城に×印をつける。
黄忠の投降に一刀は地図に再び視線を戻す。そして、再び劉備の進行を予測する
「……となると次に劉備軍が向かうとしたら巴群ですね」
張任「厳顔の姐さんと魏延の嬢ちゃんの所ですか?」
「はい…一番与しにくい相手ですが今の劉備軍なら倒せるでしょう。それに後の進軍のことを考えてもここが一番良いでしょう」
張任「なら、巴群へ援軍に向かいやしょう」
法正「それは無駄よ」
張任の提案を一蹴する法正。
法正「援軍要請はありません。それにあの二人が劉璋様の援軍を受け入れると思いますか?」
張任「それは……」
反論しようとした張任だが二人の性格や劉璋との関係も知っていたので口を閉じる。
法正「それに…北郷様ならもうご理解しているでしょう?黄忠様程の将が半日もかからずに城を落とされた意味を…」
「……」
張任「大将?」
沈黙していた一刀がおもむろに地図に指をさす。
「巴群への援軍は止めます。成都周辺の軍を全て成都に集合させておいてください」
張任「全部ですか?」
「はい……下手に分散させるよりも一つにまとめて対抗したほうがいいでしょう」
張任「わかりやした……では俺はこれで失礼しやす…」
そう言って張任が部屋を出ると部屋には一刀と法正だけが残った。
部屋でしばらく二人は沈黙をしていたがやがて法正が口を開いた。
法正「もはや人心は劉璋にありません…民は新しい太守を…劉備を求めています。」
法正がそう言うと一刀は立ち上がり窓の前に立つ。さらに法正は続ける。
法正「劉備を受け入れるためにも劉備に降るべきです。」
「………」
法正「もしくは劉璋を殺してあなたが益州の太守に…」
「……法正」
法正「はい」
そこで一刀が振り返り法正を見る。
「今のは…聞かなかったことにします」
法正「はっ…な、何を言って」
「他の者達が劉備に降るのも止めません…しかし、私は……私だけは最期まであの人の将であり続けます」
一刀の言葉を聞いた法正の顔色を変えた。
法正「あなたは…まだ劉璋を…あの愚者を守ると言うのですか!!」
「そうです」
怒りを露にする法正に何も変わらずに一刀はそう告げた。
法正「っ……どうやら私はあなたという人間を勘違いしていました」
そう言って一刀に背を向けて扉に向かう法正。
法正「失礼します」
そう言って部屋を出て行く法正。一刀は法正が出て行ったあと椅子に座る。
「……すみません…法正。それでも私は劉璋様を裏切りません」
翌日、法正が巴群に向かったという報告を一刀は受けた。
??「それは…とてもすばらしい事だと思います」
??「不可能なことはありません。……様ならきっとできます」
??「この益州の平和のため…私は……」
劉璋「はっ……」
寝室で寝ていた劉璋が目を覚ました。劉璋は窓を見るがまだ外は暗かった。
劉璋「ちっ……嫌な夢を見た」
寝巻き姿の劉璋は汗をかいていた。その顔は目覚めが悪いのか不機嫌であった。
劉璋「あいつが戻ってきたからか……」
それは昔のことであった。まだ現実を知らずに理想を追いかけていた愚かな自分。自分が現実を知り絶望して全てを諦めたのはいつのことだろうか。
劉璋「お前はまだ愚かにもあの理想を追いかけているのか……一刀……」
窓に映った劉璋の顔は無表情であり、劉璋はずっと窓に映る自分を見ていた。
後書き
AFを書くつもりがこちらの方が浮かんでしまい執筆してしまいました。中々思い通りにはいきませんね……すみません。
話は変わりますが私はアニメはあまり見ないのですが今期は結構なアニメを見ています。なかなかな作品がいっぱいあると思いますが皆さんはどう思いますか?個人的には百花とソラと荒川が好きです。『俺の妹』も凄いみたいですね……何か関係ない話をしてしまいすみません。
ではみなさんまた
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投稿です。生暖かく見守ってください。