???「やっと私の番だ」
銀髪を纏めたおさげを揺らしながら
???「で・でも隊長は私みたいな者でもい・いちゃいちゃして下さるのだろうか?」
均整の取れた顔立ちを少し曇らせて
???「隊長はお優しいから決して嫌とは言われないだろうけど」
一人で百面相をしているのは”三羽烏の良心”こと”凪”その人である。
凪「いかんいかんこんな弱気でどうする。隊長ならきっとこんな私でも受け止めてくれるはず」
それでも歩みを止めず”愛しの隊長(別名:魏の種馬)”こと”北郷一刀”の私室に向かう。
凪「沙和達に聞いた話では隊長は扉の施錠はしていないとのことだったが」
扉前で思案しながら
凪「もし私と隊長の前に立ちはだかる障害となるのなら・・・・・・ハァァァァッ」
”シュオオオオオン”無意識に右手に力が入り気が溜まっていく。
???「凪かー?鍵はかけてないから入ってきてー」
部屋の中から”愛しい隊長”の声が
凪「は、はい」
”プシュゥゥゥゥ”と緊張が解けると共に気も霧散する。
凪「し、失礼します」
と、一度解けた緊張がまた襲ってきた。
部屋の中に入ると声の主は・・・・・・寝台の上で寝具に包まっていた。
凪「隊長?具合でも悪いんですか?」
心配しながら声をかけると
一刀「ちょっとこっち来て」
と、寝具から手だけ出して手招く
凪「はい」
何の疑いも無く近寄っていくと
一刀「今までで一番嬉しかった事思い出して」
凪「一番嬉しかった事ですか?」
凪(嬉しかったと言えば、隊長に初めて抱かれた事・・・・・・わ、私は何を思い出しているのか)
自然と顔がにやける・・・・・・真っ赤になりながら。
一刀「うーんやっぱり凪は可愛いなぁ」
と首だけをヒョコっと出して凪を見ている。
凪「た、隊長何を?」
にやけてた顔を見られてより顔を赤らめながら
一刀「いやー、朝一番に凪の可愛い顔を見たかったんだよ」
と、悪びれずに言いながら寝具から出て来る。
凪「か、可愛いって隊長」
照れながら後ろを向こうとした。
一刀「それとねっと、チュ」
それを後ろから抱きしめながらホッペチュ~。
凪「た、隊長何をんぐんむちゅぷあふぅ」
頬の感触に驚いて振り返ったのが一刀の思う壺。
一刀「ご馳走様、最初に口にするのも凪って決めてたんだ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
一刀(え?ゴゴゴゴゴゴって?)
凪「隊長の馬鹿ーーーーーーっ」
どっごーーーーーーん
見事な気弾だった。
警邏中も凪の機嫌は直ってなかった。
一刀(まずったなぁ、凪からいちゃいちゃしてくる事はないだろうからこっちがリードしなきゃって思ったんだけど性急すぎたかな)
ただ、機嫌が悪いと言ってもそこは”三羽烏の良心”である。
凪「隊長、西地区南地区共に異常ありません」
一刀「あぁご苦労さま」
きちんと部下からあがって来た情報を報告して警邏を滞りなく進行していく。
凪(はぁっ、隊長にあんな事してしまって。せっかくいちゃ・仲良くできる機会なのに)
凪は凪で気に病んでいた。
???「おいニィちゃん達警邏をきちっとしてたらつっこめねぇじゃねぇか」
???「これこれ~宝譿。そんな野暮な事は言ってはダメなのですよ~二人はいちゃつきたいのにいちゃつけない状態なのですから~」
一刀「風」
凪「風様」
風「お兄さん凪ちゃんといちゃつかないなら風といちゃつきましょう~ささっこちらへ」
と、俺の手を取り路地へ
凪「あっ、隊長」
呆気に取られる凪を置き去りに
風「さぁお兄さんここで存分にいちゃつきますよ~。ん~~~~」
と、風が背伸びをしつつ一刀に口付けしようとしたその時
凪「た、隊長といちゃいちゃするのは私なんです。それを邪魔するのは風様と言えど許しませんよ」
と、泣きそうな顔をしながら凪が気弾の構えをしていた。
宝譿「それなら最初からいちゃいちゃしとけってんだ」
風「これこれ~宝譿。そこは性格は素直なんだけど隊長については素直よりも照れが勝る場合もある凪ちゃんなのですから~」
凪「風様?」
風「風は武で凪ちゃんに勝てる要素はありませんのでここで引き下がります~。精々お兄さんといちゃいちゃしてきて下さいな~」
と、まるでこうなることがわかっていたかのようにあっさりと身を引いた。
一刀「流石は魏の誇る軍師様だな・・・・・・見事な策だ」
凪「あっ、ありがとうございます。風様」
風「いえいえ~、あっでもお兄さんこの貸しはデカいですよ~」
一刀「そうだなちょっとだけ返しておくかな」
と、おもむろに風をお姫様だっこした。
風「もう、しょうがないお兄さんですねぇ~」
と、言いながら唇を突き出し気味に瞳をつぶってスタンバイ。
すると何故か一刀の顔はそちらとは逆方向に
一刀「チュッ、チュッ」
風「お、お兄さん~~~~~」
そう、今回風に施したのはヒザチュ~だ。
一刀「右の膝にヒザチュ~されたら左の膝にもヒザチュ~だろ?」
風「そ、その通りなのですよ~」
宝譿「しかし、膝とはなぁ天の国にはどんだけ口付けの種類があるんだ?」
一刀「じゃあね風、行こうか凪」
と、耳まで真っ赤な風を立たせた上で凪の手を取って歩き出す。
凪「は、はいっ隊長。風様失礼します」
と、ペコリと会釈をする。
風「いってらっしゃいなのですよ~」
風(お兄さんったら風も我慢出来なくなっちゃいますよ~)
と、顔を赤らめながらモジモジしていた。
警邏を終わらせた後、凪のお気に入りの場所に案内して貰った。
一刀「うわぁこんな所にこんなに素敵な場所があったんだぁ」
目の前に広がるのは一面のレンゲ畑
凪「えぇ、ここに来ると心が落ち着くんです。ちなみに沙和や真桜にも教えてない場所なんです」
一刀「沙和や真桜にも?何故って聞くのは野暮かな?」
と言いつつ顔を凪に近づける。
凪「勿論・・・・・・最初は隊長と一緒に来たかったからですよ」
凪からも顔を近づけてそして重なる二人の唇。
凪「あ、あの”隊長”沙和や真桜に聞いたのですが特別な呼び名を二人に許していると聞いたのですが?」
一刀「あぁ二人っきりの時だけなんだけどね。内容も聞いた?」
凪「いえ、そういう呼び名を持ってるだけでどう呼んでるかは内緒ってことで」
一刀「凪も特別な呼び名あるかい?」
凪「あ、あのできればいいんですが。か”かずにーちゃ”と、呼んでもいいでしょうか?」
これ以上にないくらい真っ赤になりながら
一刀「良いけど何故”にーちゃ”?」
凪「季依様や流琉様達がお兄ちゃん、兄さまと呼んでるのが羨ましくて・・・・・・ダ、ダメでしょうか?」
恥ずかしさと不安でプルプル震えている
一刀「あぁもう凪は可愛いなぁ」
と、抱きしめた。
一刀「その代わり”かずにーちゃ”と呼ぶときはきちんと”にーちゃ”に甘えるんだぞ」
凪「”かずにーちゃ”・・・・・・ありがとうござ「な~ぎ」ありがとう”かずにーちゃ”」
と、ギュッっと抱きしめ返してきた。
一刀「”なぎ”ちゃんは何がしたいかなぁ~?」
なぎ「あ、あのねぇ”かずにーちゃ”に腕枕してもらってお話とか・・・・・・いい子いい子とかチュッチュとかして欲しい」
一刀「まかせとけ”なぎ”ちゃんのご希望全て答えるぜぇ」
なぎ「”かずにーちゃ””かずにーちゃ””かずにーちゃぁぁぁぁぁ”」
???「おや、今日は凪と一緒か北郷の奴・・・・・・一度華琳様のお耳に入れねばならぬかもな」
弓の鍛錬帰りに通りがかった青色の短髪美女がそう呟いた。
弓手の眼恐るべし。
”なぎ”を腕枕しながら
一刀「”なぎ”は今幸せかい?」
なぎ「うん、だって”かずにーちゃ”に腕枕してもらってチュッチュとかして貰えてナデナデまでして貰ってるんだもん」
と、腕の上にある顔だけ俺の顔に向けるように上目遣いで
一刀「これからは二人っきりの時は甘えていいからね」
凪「はいっ”隊長”って”かずにーちゃ”」
俺はいちゃいちゃ坂を登り始めたばっかりだ。これからもいちゃいちゃするぜ。
-凪編- 完
-あとがき-
はい、駄文製作者のshirouです。右に振ったらいちゃいちゃ話左に振ったらエロエロ話が出て来る
機械が欲しい今日この頃です。
甘え方が下手な凪を甘えさせてみましたが如何でしょうか?そして風にした膝チュ~は I need you
を、愛 ニー チュ~って感じで。誰かが北郷と三羽烏の異変に気づき始めましたね・・・・・・
それではご指摘・コメント等頂けましたら幸いです。
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この作品は誤字脱字遅筆駄文製作者が妄想の元書き上げる魏ルートEND後アフターIFストーリーです。キャラ崩壊口調違和感等は生温かい視線とコメントでお願いします。