No.175537

真・恋姫†無双~江東の白虎~第壱章 第3節~一刀君修行する~

タンデムさん

ちわっす!
ちび一刀君の身体能力の謎が明らかに!

では、どうぞ!

2010-09-30 13:49:33 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:18217   閲覧ユーザー数:13338

この小説は、北郷一刀にいろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

その点を踏まえて、お読みください。

雪蓮と冥琳に綱引きされてから、約半年。

 

一刀を取り合いながらも、最初よりは仲の良くなった雪蓮と冥琳に取り合えずホッとする一刀。

 

そして二人と共に過ごしていくうち、一刀にも変化を催した。

 

「この子達を護れる男になりたい。」

 

そう思った一刀は、まず己を鍛えるために何か出来ないかと試行錯誤した結果あることを思い出した。

 

それは、此処に来る前に読んでいたある漫画の登場人物が行っていた修行方法で、『感謝の正拳突き』という物だった。

 

「ふぅぅ―――……シッ!」

 

アレは、自分を今まで生かしてくれた事による感謝を示す修行だ。

 

だから、今の自分にピッタリだと思った。

 

自分も今の状況に感謝している。

 

あそこで、もし今の父に拾ってもらえなかったら?

 

母が美蓮でなかったら?

 

屋敷のひいては、街の皆に嫌われていたら?

 

と、考えればキリが無いほどだ。

 

だから、

 

「はぁぁ―――……シッ!」

 

一刀は毎朝、使用人たちが起き出す様な時間に起きて、朝食の時間まで約一時半刻(約2時間半)。

 

その間、一刀はひたすら、祈り、構え、突く。

 

最初は、その時間でまだ200回突けるか突けないか。

 

その位しか、出来ずにいたが、半年経つと1000回は突ける様になっていた。

 

しかし、その後の疲労は、今までとは比べ物にならなかったのには、一刀は首を傾げていた。

そしてある日、

 

「う~ん……ちと、早く起き過ぎたかな?」

 

ご存知、未来の孫呉の宿将、黄蓋。

 

彼女が珍しく、誰よりも早起きをしてしまい、朝食まで暇なので外に出て、暇つぶしでもしようと思ったその時―――。

 

「!? 何だ、この氣は!?」

 

一刀の部屋の近くの庭から、氣が練りこまれているのが感じられた。

 

氣を使う黄蓋だから、気付けた物だ。

 

彼女は急いで、その場所に向かうと、とても信じられない光景があった。

 

「こ、この氣は、一刀様が出しているのか?」

 

目の前では、修行を行う一刀。

 

一刀自身気付いてないが、彼はずいぶんと前に氣が使えるようになっていた。

 

彼が、祈れば、氣の流れが全身にいきわたり、

 

構えると、その内包する氣が打つ方の拳に集まり、

 

突くと、大量の氣がその拳から出て霧散する。

 

その一回の氣の量も半端無い。

 

拳を一回突くごとに、放出霧散した氣が起こす、風で木の葉が揺れているほどに。

 

そしてさらに驚くべきはその一連の動作の速さだ。

 

一般兵に彼と同じことをやれと言っても、早々にばててしまうだろう。

 

そんな一刀の様子を、彼女はじっと見る。

 

「何故、あのようにずっと氣を放出し続ける事が出来るのだ?」

 

そう、氣を拳から放出している間も身体には氣がまとったまま。

 

最早一刀は、体力だけならば祭と同等と言うくらいには有るのではないだろうかと思った。

 

そして、祭が一刀の修行を覗いて約半時――。

 

「はぁはぁはぁ……。 もう限界……」

パタン。

 

そう言って、一刀は仰向けに倒れた。

 

と、倒れた一刀の頭の上から声が降ってきた。

 

「そりゃあ、アレだけ氣を全開に使えば、疲れもする。」

 

「祭姉ちゃん。 何時から見てたの?」

 

「かれこれ、半時ほどだ。」

 

そんなに見られていたのに気付かないとは、自分はまだまだだなと思う一刀だが、それだけ集中していただけでも凄いと賞賛が送れる。

 

「それにしても、その年で氣が使えるとは……とんでもない才能ね。」

 

「……ねえ、祭姉ちゃん。 『氣』って何?」

 

「……気付いておらんかったのか!?」

 

と、とんでもない事を宣わっている一刀に、少し反応が遅れて、祭が叫んでしまう。

 

祭は、気付いていなかった一刀に、氣の何たるかを教えるため、少し自分の氣を送り込んでみる。

 

こう言うのは、自分で自覚した方が他人に、何か言われるより良いと祭は思っていた。

 

そして、氣を送り込むと、一刀が突然、

 

「うわぁ!?」

 

と、叫んだ。

 

吃驚しているというより、自分の中で何かが有ったのを、やっと気付いた事に戸惑っているといった感じだ。

 

「それが氣よ。 本来、使えるものは少なく、何時開花するか分からぬ物が氣なのだが、

 

一刀様はその年で開花なさっている。 本当に驚きの才能よ。」

 

「是が、氣……。」

 

一刀は、自分の中で少ないがうねる何か流れのようなものを感じ取った。

 

是が使えるようになれば雪蓮達を護る男にまた一歩近づける。

 

そう思った一刀は、何かを決意した瞳で祭を見て、

 

「祭姉ちゃん! 俺に氣の修行つけてくれ!」

 

そういった。

 

祭自身も、このまま氣の制御が出来ずに、一刀が体調不良になると困るので、

 

修行をつけようかと言おうかと思ったのだが、まさか向こうから言ってくるとは思わなかった。

 

しかも何か決意を持っている瞳をしている。

 

そんな一刀を見て、ふっと笑い、

 

「私の修行は、厳しいぞ?」

 

と言った。その言葉に一刀はぱぁっと表情を明るくして、

 

「はい! よろしくお願いします!」

 

そう言って、祭に抱きつき、そんな一刀を祭は苦笑を浮かべて頭を撫でた。

ちなみに言うと、この時実は祭だけではなくもう一人一刀の修行風景を見ている人物がいた。

 

「ああぁぁ! 可愛いわ♡♡♡ 一刀。 一生懸命修行する姿! ああぁ可愛いわ♡♡

 

あ! 倒れた! でも、なんかその倒れ方も可愛い♡ あ、こら祭! 貴女何やってんのよ! あぁ! 抱きついちゃダメェ!!」

 

……激しく親バカな人物だったとだけ言っておく。

 

そして、その激しく親バカな人物から祭は何をしていたのか尋問を受ける事となるがそれは割愛。


 
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