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真・恋姫†無双~江東の白虎~第壱章 第2節~一刀君、周瑜と会う~

タンデムさん

現在ちび一刀君な状態で、しばらく続きます。

ではどうぞ!

2010-09-30 13:37:56 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:30839   閲覧ユーザー数:24678

この小説は、北郷一刀にいろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

その点を踏まえて、お読みください。

一刀が孫家に来てから、半年がたった。

 

一刀は今、自分の部屋を抜け出して庭にある木陰でゆっくりとしていた。

 

半年もたてば、大体動き回れるようにはなる。

 

だが、それは一刀の場合は、異常とも言えるように。

 

先ず一刀は、5ヶ月で少し舌足らずだが喋れるようになり、二足歩行もマスター。

 

最近は、文字の読み書きに挑戦中で、極めつけが、

 

「しんたいのうりょく、ここくるまえと、あんまりかわりないってどうゆこと?」

 

そう、此処に来る前の状態と余り変わりなかった事が、周りを大いに驚かせて、そして一刀を心配させていた。

 

「いたんじなんてよばれて、しょぶんされるのやだな……。」

 

とか言っている一刀だが、周りから見た一刀はそうではない。

 

周りの一刀の評価は、江東の麒麟児、孫家の奇才、孫呉の幼き虎、江東の虎の再来、などと異口同音の褒め称える言葉しかない。

 

最近ではその白い肌から『白虎』などとも呼ばれていた。

 

まぁ、鈍感な一刀からしたら、周りからジロジロ見られているだけで、不安でいっぱいになるのだが―――。

 

「お~い! 一刀様~!! 何処に居られるか~!!」

 

と、物思いに耽っていると、自分を探す声が聞こえた。

 

この声は、あの後判明した黄蓋と言う少女の声だ。

 

そして、一刀が喋ったのを一番最初に確認した人物でもある。(その後、一刀の第一声を聞けなかった美蓮に羨ましがられたのは割愛。)

 

「ここだよ! さいねえちゃん!!」

 

「おや、こんな所においでだったか。」

 

そう言って一刀を見つけると、隣に腰掛ける。

 

祭と言うのは、黄蓋の真名である。 祭は、よく話し相手になってもらい真名を交換した。

 

一刀は最近になって真名の重要性に説明されて、認められたと分かった事なのだが。

 

「さいねえちゃん、いっつもいってるじゃん。 ふたりだけなら、よびすてにしてって。」

 

と若干頬を膨らませていってみる一刀。

 

「今は外にいますから勘弁してくだされ。」

 

と、表向きは苦笑している祭だが心の中では、上目遣いで、唇をチョット尖らし、頬を膨らませる一刀を、

 

抱きしめたい衝動に駆られているのを必死で抑えていた。

 

一刀自身気付いていない評価のもう一つそれは容姿だった。

 

黒髪碧眼の可愛い男の娘……じゃねえや、男の子と言う評価で、雪蓮と共に大人気だ。

 

「む~。 わかった。 ところで、ぼくさがしてたようじってなに?」

 

「おお、そうだった。 お母様がお呼びですぞ。」

 

そう言って、祭は一刀を抱き上げて、屋敷に戻って行った。

「かあさまが? きょうは、かあさまのおともだちが、くるひじゃないの?」

 

「うむ。 そのお客様の御子を一刀様に紹介なさりたいそうなのだ。」

 

そう言って部屋の戸を開けると、雪蓮を抱いた美蓮と黒髪の女性が向き合って座っており、女性は黒髪の女の子を抱いていた。

 

「あ、祭お帰りなさい。 結羽、この子がウチの自慢の男の子よ。 さ、ご挨拶して。」

 

美蓮がそういうと、祭は一刀を床に降ろす。 結羽と呼ばれた女性は、一刀が二足で立った事を目を見開いて驚いている。

 

噂は噂と思っていたのだが、今現実を目の当たりにして驚いているようだ。

 

一刀とは、そんな女性の心境など気にせず、上目遣いで女性を見上げる。

 

「えと、せいはそん、なはこう、あざなはわんふーです。 えと、かあさまの、おともだちだから、マナいってもいい?」

 

その一刀の様子ににこりと微笑む美蓮。その笑みを肯定と一刀はとり、

 

「マナはかずとです。 よろしくおねがいします、おねえちゃん。」

 

そう言って、ぺこりと頭を下げる。 お客様の前なので年相応の挨拶をする。といっても、その年で喋れる事が凄いのだが。

 

その様子に、女性は一刀に近付いてきて、一刀の目線にあわせるようにしゃがむ。

 

「初めまして、一刀君。 私は性は周、名は竺、字は扇發、真名は結羽。 よろしくね。 この娘は、性は周、名は瑜、字は公瑾、真名は冥琳って言うの。」

 

そう言って一刀の頭を撫でる。擽ったそうにしているが内心では驚きで満ちていた。

 

「(そう言えば、周瑜って孫策の幼馴染だったっけ! と言う事は俺も周瑜の幼馴染で、周瑜から見たら幼馴染のお兄さん!?)」

 

と驚きまくっている一刀だが、表情に出さ無いあたりよくやったと言えるだろう。

 

「じゃ、結羽、周瑜ちゃんは、一刀に任しておきましょう。 この子達は其処の絨毯の敷いてあるところであそばせましょう。」

 

「良いわね。 子供達にも、ふれあいは必要だしね。」

 

そう言って、雪蓮と冥琳を絨毯の上に座らせる。

 

一刀もその中に行き、冥琳の方に近付いていく。

 

「はじめまして。 よろしくね。」

 

そう言って、冥琳の頭を撫でる。

 

すると、冥琳も一刀の顔をぺちぺちさわり、にぱぁと笑顔を浮かべる。

 

「あ~……きゃっきゃ♪」

 

「(うわぁ、雪蓮とはまた違う可愛さがあるなぁ。)」

 

と、思っていた一刀の背中に圧し掛かられる様な重みが来た。

 

首だけで、後ろを見ると、雪蓮が一刀にしがみ付いていた。

 

何故だか、若干不機嫌そうだ。

 

「う~~~……あっ!」

 

「うわっ!?」

 

と、雪蓮は行き成り一刀を自分の方に引き寄せた。

 

「(何処に、こんな力が有るの!? と言うよりなんで不機嫌なの!?)」

 

妹の突然の行動に、一刀は頭がついて行かなかった。

 

と、冥琳の方をみると、此方も先ほどとは打って変わって、何故か不機嫌そうな顔。

 

「むぅ~~~……あっ!」

 

「わぁ!」

 

と、今度は冥琳の方に引っ張られた。

 

そして、不機嫌になる雪蓮。

 

と、こんな感じで、一刀は雪蓮と冥琳に取り合いにされるはめとなり、

 

「「う~~~~!」」

 

「(だれか、たすけてぇぇぇ!!!)」

 

一刀の知らぬうちに綱引きされる運命になってしまった。

一方、保護者陣は―――――。

 

「あははははっ!! 見てよ結羽! 雪蓮と周瑜ちゃんが一刀を取り合って居るわ!」

 

「ぷくくく……ほんと、ぷくくくっ!」

 

「あはははははっ!! あの一刀様があんなになってしまうとはっ! あはははっ!!」

 

その様子を、腹を抱えて笑ってみていましたとさ♪


 
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