高町なのはは舞っていた。
いくつもの小さな、だがはっきりと存在している空に突然出現する大小さまざまな「立方体」を掻い潜りながら。
見過ごしてしまいそうな小さいものから、逆に大きすぎて気づかないものまで。
あたりそこかしこの、出現したり消えたりするそれから楽しみ、意識し、とにかく逃げる。
目の前に一つ。
ものすごい間近なそれに、一瞬からだが止まる。
いや、だめとまったら。
あ、捕まる。
一瞬の判断。
スピードを上げる。
小さな塊を小型の魔力弾で弾いて飛び出すと、一瞬前までいた空間が、閉じられる。
「くそっ。うまく行くと思ったのに」
「おっきいのはやっぱり形成に時間がかかるねっ」
「っそ!ならっ」
一方。
その「立方体」を形成している側である少年が声を上げ、結んだ刀印に意識を向ける。
とたん、彼女の周囲を囲むように小さな立方体が無数。
「にゃっ」
「今度こそつかまえ…」
「うぅん、まだっ」
一瞬、彼女が自由落下。
足元までそれを形成していなかった。
「くっ」
直に少年もその先に立方体……結界を張る。
だが直後には彼女は再び空に戻り、少年の罠から逃れた。
「っそー!それならっ」
「え?」
同じ立方体だったが、腹を括った少年の声とともに出現したのは、これまでのような正方形のそれではなくて縦長のもの。
それが彼女の周辺を囲み、傾いて
「わにゃっ」
まるで彼女たちが使うバインドの応用のような動きになりかけるが……
「えいっ」
声をあげ、同時に魔力壁を展開。
細い結界と、魔力壁がぶつかり、ガラス同士がぶつかるような音が響き、角柱状態の結界が砕ける。
それは多分、ゲームオーバーの音。
「あーっ!なのはさんっ、魔法なしっていったのにーッ
そんな強度上げてねーよっ」
「にゃはは、ついー」
「ったく」
「でも良守くんの結界すごいんだもん。
あんな素早く形成できて、しかも形も大きさも様々。
すごいねー」
「んー、って言われても俺たちには日常ッスから。
っていうか、なんであんだけ動き回っていて息切れてないんスか」
「きたえてるからw良守くんだってあれだけの結界作っておいて全然平気そうだよー」
「慣れてますから。硬度は殆どいらなかったし」
「そっか。またお願いね。スピードとか動きとか、これいい訓練になるよー」
「次は時音に頼んでください。
あっちのが応用力はあるんで。俺は力技ですよ」
「じゃぁ二人でっ。フェイトちゃんも参加するから。
あ、ヴィヴィオにもいいトレーニングになるかも」
「・・・・・あーたは娘さんをどういう方向に育てる気ですか」
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多分、誰とでも「おはなし」できる子にです。
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どちらかというとアパートって設定よりもむしろこっちで上げてるのってなのはさん修行シリーズだよね(違
この世界なら結界術はどーかんがえても烏森組のが技術上だったなと後から気づく(前に横っちに結界お願いしてたんだが
あぁ本編(結界師)無視でお願いします(何を今更