No.174642

シュチュエーションで遊んでみる

なんとなく。
デジモン×ゼロ魔。っつーか太一さん召喚された展開で一幕
なんでそんなもん、てなんでだろうねぇ?
多分デペイズマンで太一さんのカリスマモードが入らなかったのが悔しかったかと思われ
あと凄くご都合主義万歳。普通に面子と連絡取れてます。光子郎の技術はせかいいちぃいいい(いや、ゲンナイさんだろとかツッコミ不可

2010-09-25 21:08:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3440   閲覧ユーザー数:3306

 

 

 

ふらりと出て行って、戻ってこなかった。

どうして私が、といいながらも探すことをやめられず、やっとみつけた自分の使い魔の特徴的な後ろド頭がなにやら喋っている。

その向こうに他の人の気配はないが、声だけは聞こえてくる。

風の魔法には遠くへと相手へ自分の言葉を届けるものもあるだろうが、ソレを考えるにはあまりにも違和感があった。

そこまで考え、思い当たる。

彼はメイジではないはずだし、なによりその類と思われる呪文を紡いでいない。

そして何よりも重要なのは

 

(そうよ。リアルタイムで話してる)

 

風は距離を0にするわけじゃない。

異常は直に察したが、逸る気持ちは無理矢理押さえつけて沈黙した。

耳を澄まし、あのどこかとぼけた、そのくせ時々歴戦の戦士のように感じさせるちぐはぐな少年の招待を探ろうと。

 

結果、意識して向けた「彼らの会話」はそれ以上に彼女を混乱させることになる。

相手は複数いるようだった。

 

「よっぽど色んなもんに好かれているな、お前は」

 

あきれたような声は多分、彼と同じ年頃の少年のもの。

 

「この場合は世界、かな」

 

応じる彼の声も、いつもよりくつろいで聞こえる。

 

「さすがっすねー」

 

ハタから聞いていても見当違いな感想は、もう少し幼いだろうか。

 

「馬鹿。そんなこと言ってる場合じゃないわよ。どうするの?太一」

 

気の強そうな少女の声が見当違いを諌め、彼へ問う。

 

「どーするったてさぁ。オレ使い魔って奴みたいだし」

 

対する彼は本当に「仕方ない」とおもっているよう。

 

「使い魔、ですか」

 

一層幼さの強い声は戸惑いをまとって。

 

「人権的な思想はないのかい?その国」

 

どことなく年長らしい印象の声が心配そうに紡がれる。

 

「っつーか人間が召喚されたってことが異例みたいだ」

 

彼はどこまでも平然と。

 

「あ、太一さん。その"使い魔の印"ってのを見せてください」

 

果たして好奇心を滲ませた声に彼は応じたようだった。

 

「んー、多分これが原因かなぁ」

 

腕が少しだけ持ち上がる。

 

「は?何言って」

 

奇妙なその言い回しにあきれたような声が、途中で止まる。

 

「"ゆうきのもんしょう"」

 

息を呑んだような呟きは、どこか納得を帯びて。

 

「じゃぁ大輔でもいいだろ」

 

最初の声が初めて他の名を呼んだ。からかったような口調。

 

「ちょっ?!ヤマトさん、ひどっ?!」

 

ダイスケ。なのだろう。とまどった悲鳴に。

 

「いやー、大輔じゃむりだろ、あのご主人様は」

 

彼が、笑う。

 

「むりって」

 

少女のどこか笑いを含んだ声と。

 

「ん、まぁちょっとな。一応、役目があるなら果たして観る」

 

どこまでもまっすぐな、覚悟。

 

「太一」

 

対する声はどこか、固く、温度を落とす。

 

「なんだ?」

 

それを察して尚、彼の声は調子を崩さない。

 

「一つ確認する」

 

それでも。

 

「うん」

「それは、お前の意志だな?」

 

驚いた。その問いの大きさを、重さを。

なぜ目をそらしていたのかと叱咤したいほど。

 

「・・・・・・」

「そのカタチに疑いたくないが、聞けば魔法の世界だっていう。

お前の思想を支配している可能性を、オレは否定できない」

 

サモン・サーヴァントは「使い魔」召喚の儀式。

トラブルが起きたという話はあまり聞いたことが無い、そういえば。

でも、それって、と想像しなかったことを思わせる。

 

「兄さん、それって」

 

緊張した誰かの声。ヤマトという人の弟か。

それに被るように、ヤマトという人物が、言葉を重ねる。

 

「太一。お前は"ダレノモノ"だ?」

 

わたしよ。

わたしが召喚した、私の使い魔。

叫びたかった。

叫びたかったのに、できなかった。

彼は言い放つ。

平然と。

 

「変なことを聞くな?ヤマト。

俺の体も心も、意志に"勇気"。誰のものでも、誰かのものでもない。

オレ自身のものだ」

 

砕けるのは、私という存在。

 

「そうだったな」

 

私のコトを見ないで、彼のコトを知るダレカが彼を肯定する。

そして。

 

「だから、オレは俺の意志で彼女を護るよ」

 

当たり前のように告げられた言葉が、私を再構成する。

使い魔としての彼を失った私が、全然違う私になる。

 

つかいまじゃなくても、わたしをまもってくれるの?

 

「太一さん。最後に」

 

知的だが、少し幼い声が次に滑り込む。

 

「ん?」

 

信頼した、促し。

 

「アグモンをそちらに送ります。何か役目があるなら、彼も必要でしょう」

 

暗号のような言葉が耳を打つ。

それより。

おくる?!

サモン・サーヴァントで「呼ぶ」ではなくて?!

 

「出来るのか?」

 

できますよ。

当たり前の言葉に、彼が笑うのが判る。

 

「デジヴァイスとDターミナルが繋がるんです。可能ですよ」

「っつーかなんでつながってるんだか」

「さぁ?」

 

繋がっているのは、彼らでも不思議なのか。

だが、特に深刻ではないやりとりが妙にふわふわとしている。

 

「太一さん。昼夜。ワン切りでいいので時間を報告してください。

何かあれば、連絡をもらえれば幸いですけど」

「了解」

 

好奇心の声に、彼が応じる。

ワンギリの意味はわからないけれど、彼はきっとその約束をたがえないだろうと確信できる。

 

「お兄ちゃん」

 

次は、少女の声。

お兄ちゃん。兄。兄妹。当然、あるはずの家族ー――

 

「お、おぅ。なんだ?ヒカリ」

 

その事実に今更気がつく。

そうだ。当たり前じゃないのかと。

 

「気をつけてね?」

 

なのに彼女からはその一言。

その言葉一つで、何故か背筋が寒くなった。

 

「はい」

 

気のせいではないように、彼の声が尋常ではないくらい、固かった。

 

「それから。なにかあったら」

「うん、解ってる。

なりふり構わず・・・・・・みんなを呼ぶさ」

 

なんの気概も無く。彼はそうと覚悟を告げた。

まるでそれだけで、本当にみたこともない彼らは駆けつけるのだろうと信じられた。

 

 

 

 

 

「タイチ」

「ルイズ」

 

ばつが悪そうな言い方で彼が私の名を呼んだ。

憤慨も無く、それは聞かれたことに対する態度ではない。

……わたしに「ともだち」がいないことを気にしている、と少しだけ悪く考える。

 

「今の」

「え?あー。んー、向こうの"仲間"だ」

「連絡、つくんだ」

「ついた、ってのが正しいな。案外、なんとかなるみたいだ」

「それ、マジックアイテム?」

「機械。向こうの、魔法に変わる道具だな」

「きかい?」

「あぁ」

「いもうと、いるんだ」

 

自分の唇は脈略なく言葉を紡ぐ。

彼は、私に「つきあう」。

 

「うん、まぁ・・・怒っていたな」

「心配されてるのよ」

「知ってる」

 

そして

 

「なんで」

「ん?」

「還りたいって、いわなかったの?」

 

当然の疑問を、投げる。

 

「この紋章が、でちゃったからな」

 

果たして彼は理由だと左手を掲げる。

そこには「わたし」が刻んだ証。

 

「ルーン?先生も見たことがないって言ってたわ。

なんとなく、太陽っぽいわね」

 

イメージとしては、それだろう。

改めてみて、そして感想を抱くと、うん、となにも知らないはずの彼が首肯する。

 

「こいつは"勇気の紋章"」

 

そして当たり前のように告げた。

 

「ゆうき?」

 

知っているはずの言葉が不思議に聞こえた。

自分が口にするそれと、彼が口にしているそれは、全く別物のように響くのが気になる。

 

「これが、理由になっちまった」

 

彼は、このルーンに対して信頼のようなものすら見せて私に笑った。

でも私のココロは沈む。

さっき私に向けられたではなく言ってもらった言葉も、偽りではないのだろうけれど。

 

(わたしじゃないのね)

 

ここにいる理由は。

 

「ルイズ」

 

そして。

 

「な、なによ」

 

私の考えを見透かしたように、彼がいう。

当たり前のように。

いいきかせるように。

 

「だから、ルイズもここにいていいんだとおもうんだ」

 

当たり前のことを、改めていわれて。

どうして、私はこんなに、なきたくなっているんだろう?

 

 

 

 

========

っつーか太一さんのカリスマ性は異常だと普通に思う


 
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