No.171277

幻想✝無双 第5章 交錯

どうも…。
とても書いていてつらいです…。
あらすじとして平原脱出です。
明るい話が書きたい…。
書いている内にどんどん気持ちが沈んで行きました。

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2010-09-08 22:53:32 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:1432   閲覧ユーザー数:1317

桃香たちは反董卓連合後内政に尽力していた。

あの連合で自分たちはあまりに無力と感じたからだ…。

「詠さん…この案件ですけど…」

「これはそうね…こんな感じだね」

「月さ~んちょっと教えて~」

「はい…これはこうすれば大丈夫ですよ…」

月,詠には本当に助けられた。

カスミや朱里たちは知識はあったのだが考えた案が実行できるかでいつも悩まされていた。

しかし、月たちは洛陽を統地していたのでその経験が大変役に立った。

また、考えた案で実現不可の場合代案を考えてくれたりした。

それと並行して軍部にも力を入れた。

今までは愛紗が一人で仕切っていた。

カスミは内政の方で時間がなく、鈴々は調錬はいいのだが軍の運営は出来なかったからだ。

しかし星の加入により仕事の分担が可能となった。

又、月たちの加入によりカスミも軍部に関わるだけの時間が出来た。

カスミは解放軍では軍部を担当していた為その経験と知識をいかんなく発揮した。

それにより平原の内政・軍部は飛躍的に良くなった。

ちょうどその頃懐かしい人が面会に来た。

「桃香・カスミ久しぶりだな」

「白蓮ちゃん…よかった~」

「白蓮さん、よくご無事で!」

公孫賛だ…。

諸侯の動きは活発になっていた。

雪蓮は孫呉独立を達成する為に袁術と戦い曹操は北制を実施していた。

公孫賛は袁紹の奇襲にあい北平を手放し手勢を引き連れ桃香たちが治めてる平原まで訪ねてきたのだった。

「すまない…桃香折り入って頼みがあるのだが…」

「なに~?」

「私たちを仕官させてくれないか?それが駄目ならこいつらだけでも使ってやってくれないか?」

公孫賛は頭を下げた。

桃香の答えは決まっていた。

「白蓮ちゃん、頭を上げて…仕官じゃなく仲間になって」

「え…」

「そうですよ…仲間になってください白蓮さん」

桃香とカスミは仲間として公孫賛を入れたいと思ったのだ。

二人とも仕官させるという事はしたくなかった。

それをすると恩を仇で返すと思ったし、基本的に上下関係を嫌っていたのだ。

その言葉を聞いた公孫賛は泣きそうになっていた。

「…ありがとう……これからもよろしくな」

こうして公孫賛(真名:白蓮)が仲間になった。

みんなを呼び白蓮を交えて今後の方針を考えようとした時慌ただしく伝令が入ってきた。

「申し上げます!」

「なんだ!会議中だ後にしろ!」

「しかし!火急の事です」

「…わかった。申せ」

「は…西より曹操軍が北より袁紹軍が攻めてきました!」

「「「「「「「!!」」」」」」」

「おそらく曹操軍が先に到着すると思います」

「わかった!下がれ」

「は!」

報告を聞きどうするか口論となった。

ある者は攻防した方がと言ったり、他の者は投降しようといったりしたが今まで聞いてただけの桃香が不意に口を開いた。

「曹操さんが先に来るなら…逃げちゃおっか」

「「「「「「「え…」」」」」」

桃香の発言にみんなは驚いた。

代表して愛紗が桃香に訊ねた。

「桃香様…どうしたんですかいきなり」

「曹操さんが占領しても平原の民たちが苦しむとは思えないから」

確かに曹操の政は定評があり民を苦しめたという事は聞いた事がなかった。

桃香は民の事を考えた結果逃げると言ったのだ。

しかしカスミは疑問に思った。

「…そうですね……でも逃げるとしても何処に行くんですか?」

放浪するにしてもあてがなければ意味がなかったからだ。

「………成都がよろしいかと…」

「そうだね朱里ちゃん…今成都はでゴタゴタしているから入りやすいしね…」

「それに桃香様は中山靖王劉勝の末裔ですし」

軍師二人は賛成し移動先の候補を挙げた。

桃香の気持ちを分かってた愛紗たちは賛成し、放浪の準備をすることになった。

経路として曹操の領地であるを避け遠回りにはなるが同盟を結んでいる雪蓮が治めてる荊州を経由しようと考えた。

その為雪蓮の所に使者としてカスミが孫呉に出向いた。

孫呉に着いたカスミは事情を説明する為に雪蓮に面会を求めた。

「同盟国のカスミ殿が孫策様の面会を求めていますが…」

「カスミが?……なにかしら?とりあえずここまで通しなさい」

「は!」

「お久しぶりです雪蓮様」

「久しぶりね~。今日はどうしたの?」

カスミはなぜここに着たのかを説明し、この地を通過させて欲しいと交渉した。

「事情は分かったわ…良いでしょう孫呉の地の通行を許可しましょう」

「ありがとうございます」

「でも大変ね~。曹操と袁紹に攻められるなんて」

「仕方がないですよ…では私は報告の為いったん戻ります」

「ええ…」

カスミが戻っている頃、桃香たちは放浪の準備をしていた。

朱里たち文官はいつでも逃げれるように必要な帳簿や兵站などを準備し、愛紗たち武官はすぐにでも出発できるように兵を纏めていた。

桃香と白蓮は町人たちに曹操軍が来た時は抵抗せず指示に従って欲しいと御願いして回った。

今までのお礼として城にあった米や金も配った。

しかし、町人たちはそれを受け取らず自分たちもついて行くと言った。

カスミが戻った時、びっくりした。

当初、自分たちと兵だけ放浪するつもりでいたが目の前にはおよそ半数以上の町人たちもついて来てくれたからだ。

カスミは桃香たちに許可を貰ったことを伝え、桃香陣営はすぐに城を出た。

その後、曹操軍が平原に到着した時にはもう桃香陣営はいなかった。

曹操は平原に入った時不審に思った。

(自分の領地に敵軍が攻めてるのに…なぜ出てこないの)

(確か袁紹も攻めてるはずだけどまだ日がかかるはず…)

「霞いるか!」

曹操は張遼を呼んだ。

虎牢関攻略の時逃げる時に曹操が予め逃げやすい箇所を作っていた。

張遼はそこを突いたら逃げ切れると考え突撃したがあえなく夏候惇に捕まったが仕官して欲しいと誘われ今は曹操軍に付いていた。

「いるよ~どうしたん?」

「悪いけど劉備のいる城まで行って偵察してくれないかしら?」

「ええよ~。じゃあちょっくらいってくるわ~」

「もし軍を展開しているなら直ぐ戻ってきなさい」

「わ~てるって。じゃ、いってくるわ~」

そういうと張遼は桃香たちのいた城へ向かった。

桃香たちのいた城下町に着いた張遼は驚いた。

「なんやて~それホンマかいな!」

「ええ…劉備様たちは私たちを巻き込みたくないから放浪しますっていってましたよ」

「わかったわ…ありがとな」

張遼はすぐさま曹操の元へ戻り、事の次第を説明した。

「そうか…劉備は放浪したか」

曹操の言葉に程昱は何かひためいた。

「そうなると~きっと成都に行ったでしょうね~」

「どうしてそういえるの?風」

「それはですね………ぐぅ~」

「風…起きなさい」

「…おお!それはですね~今あそこは内乱が起こってますので入りやすくなっています~。それに劉備さんは中山靖王劉勝の末裔といわれてますからその点からも行き易いと思うのです~」

「でもどうやって行くつもりかしら…」

「きっと孫策さんの所を通るつもりでしょう~」

「なるほど…ならば追跡しても仕方がないわね…平原の制圧だけしましょう!」

「わかりました~」

曹操の号令で平原は制圧されてしまったが、町人たちには危害を加えなかった。

その頃袁紹軍は平原に向かっていた。

「お~ほほほほあの天の御遣いの治めてるしょっぱい国を頂きますわよ~」

「伝令!曹操軍が平原を制圧したそうです!」

「なんですって~あのぺちゃのクルクル金髪娘が~!」

「劉備軍は放浪し孫呉に向かってます!」

「へ~。そ~ですの…目的を変更するわよ」

「姫…もしかして……」

「劉備軍を倒しに行きますわよ~」

「やめましょうよそんな大人気ないこと…」

「猪々子これは反董卓連合で受けた屈辱を返す好機なのよ。決してあのぺちゃのクルクル金髪娘に勝てないからと言った事じゃないのですよ」

「……は~」

袁紹軍は桃香軍討伐に目標を変更した。

そんなことは知らない桃香たちはゆっくりと進んでいた。

兵士だけなら速度を出すことが出来るのだが町民たちも付いてきている為速度を上げることが出来ずどうしてもゆっくりとなってしまう。

そんな時、斥侯より報告が上がってきた。

「袁紹軍が我らより後方20里離れた場所にいます」

「それで」

「どうやら我らを討伐するつもりです」

「あのアマ~」

カスミは報告を聞き頭に血が上った。

「今から袁紹軍を潰しに行きます」

「駄目だよご主人様!一人で行くなんて!」

「そうです!それは我々に任せて先に行っててください」

「ごめんなさい……それは聞けません」

カスミの暴走を桃香や愛紗は止めさせようと説得してみたがカスミは全く聞く耳を持たなかった。

すると突如恋の口が動いた。

「………………恋も行く」

「「「「恋!」」」」

「………行く!」

恋の言葉に一同びっくりした。

カスミは自分一人でけりをつけるつもりでいたが、恋の目を見るといつもと違う戦う時の目になっておりカスミは断る事が出来なかった。

「……わかりました」

「あと兵は1/3は連れて行って下さい!」

「しかしそれでは」

朱里はカスミと恋二人だけでは余りにも無謀だと感じた。

そこで今引き連れている兵も一緒に連れて行ってほしいと提案した。

だがカスミはそれを断った。カスミとしては民を守る為に兵をつけているのにそれを連れていくのは出来ないと感じていた。

しかし意外なところから声が聞こえた。

「私たちなら大丈夫ですよカスミさん。いざとなったら私たちも戦うよ!」

「そうだよ…だから気にしないで行ってきな!」

ついて来てくれた民たちだった。

民たちも自分たちが生きていてもカスミがやられたら嫌だと思い、だからカスミに兵を連れて行って欲しかった。

「みなさん……」

「だから…ね!」

「わかりました…では行きましょう!恋さん」

「…………(コク)」

民たちの言葉にカスミは感謝した。

カスミと恋は兵を率いて袁紹軍に殴り込みをかけに行った。

カスミたちが見えなくなったのを確認した桃香たちはどうするか考えた。

「さてと……ああは言いましたけどどうしましょう?」

「恥を忍んで雪蓮殿に頼むしかないか……」

みんなもカスミたち仲間には死んで欲しくないと思っていた。

その為なら恥でも汚名でも被る覚悟があった。

そして愛紗は援軍要請の交渉の為孫呉に馬を走らせた。

その頃雪蓮たちも同じ報告を受けていた。

雪蓮、冥琳、祭の三人がどうするか相談していた。

「袁家の人間って本当に根性腐ってるわね!」

「そうじゃのう……それでどうするのじゃ参戦するのか?」

「桃香たちが援軍を要請したらね……でも誰を向かわせるかが問題よね」

「そうだな…普段ならレイと思春に言うんだが」

「そうよね……でもあれじゃあね~」

レイを怒らせてから思春の様子がおかしい。

初めのうちはそこまで影響はなかったのだが、最近では仕事では簡単な事ですらミスをし、表情も魂が抜けたように暗かった。

雪蓮は見るに見かねて長期休暇を与えた。

しかしそれが悪い方向にむかってしまっていた。

休暇に入ってからの思春は食事もほとんど取らず部屋に引きこもってばかりいた。

人と極力関わらない様にしていたのだ。

また、たまに思春の部屋に近づくと謝りながら泣く声が聞こえていた。

「仕方がないですね…今回は私とレイが行きましょう」

「冥琳…もしかしてじゃれつきたいから行くって言ってないでしょうね~」

「当たり前だ!思春があんなんじゃね……」

「そうよね…ごめん…おねがいね」

「それじゃあ私はレイを呼んで準備してくるわ」

「りょ~かい」

冥琳はレイに会う前にある部屋に寄り要件を頼んだ。

「さてと……(コンコン)」

「…………じゃ頼むぞ」

要件を頼んだ後当初の予定通りレイに会いに行った。

「レイいるか」

「なんですか?」

「すまん。今から部隊を動かすから準備をしてくれ」

「?どうしてですか?」

レイは分からない顔をしたが冥琳はわけを話さず軍部の準備をさせた。

援軍要請の為、愛紗は雪蓮と面会していた。

「愛紗久しぶりだな」

「雪蓮様……久しぶりです。今回は無理を言いまして…」

「それはいいわよ」

「申し訳ありません実は「援軍が欲しいんでしょ」」

「!!どうしてそれを」

「袁紹軍が桃香たちを討伐するって情報が入ったのよ。外にもう待機しているわ…好きに使っていいわよ」

「ありがとうございます!!」

礼を言うと愛紗はすぐに外に出た。

そこで待っていたのはレイと冥琳だった。

「冥琳殿、レイ殿お久しぶりです」

「愛紗さん…そうですね。申し訳ありません御願いします。」

「ああわかっている………全軍出撃!」

一方袁紹軍は桃香陣営を追跡していた。

「全くあのショッパイ連中はどこにいるのかしら~」

「麗羽様~あそこに旗が見えますよ~」

「きっとそこですわ~!」

袁紹軍は旗の方向に向かった。

「旗確認しました!『霞』と……『呂』の……『呂』の旗です!」

「『呂』ってまさか…」

「深紅の旗だぞ…」

「呂布かー!」

袁紹兵は相手が天の御遣いと天下無双の呂布とわかり怯えたが、大将の袁紹はあっけらかんとしていた。

「呂布か女婦か知りませんけどどうせその方もしょっぱいんでしょ~。天の御遣いもしょっぱかったですし…お~ほほほほ」

「天の御遣いと呂布さんって危険だよ文ちゃん!」

「大丈夫だって斗詩とアタイがいればこの博打勝ったも当然だって…」

「文ちゃ~ん」

むこうと同様カスミと恋も袁の牙門旗を確認した。

「あのアマ…私たちの仲間や恋人を愚弄した罪……落し前…つけて頂きます」

「……………みんな…守る」

「全・軍・突・撃!!!」

カスミの号令で桃香軍は袁紹軍に攻撃を仕掛けた。

「『もずの紋章』…発動!」

「ぎゃ~」「ぬお~」「ぐあ~」

「………邪魔」

「う…」「へにゅ~」「ぐほ」

解放軍きっての忍であるカスミは『もずの紋章』で袁紹兵を抱きかかえたまま跳び違う袁紹兵めがけて投げ、恋は「方天画戟」で薙ぎ払った。

しかし袁紹軍は圧倒的に兵数が多い為、いくら一騎当千の二人がいる桃香軍でも劣勢にたたされた。

「……さすがにきついですね」

「………………頑張る」

「確かにそうですね…解放軍の意地ここで見せなくてわ………」

やはり兵数が少ない桃香軍…。

二人の体力はじりじりと削られていった。

「天の御遣いと呂布もしょせんショッパイ方でしたわね~」

「どう考えても弱い者いじめをしているとしか~」

「斗詩…そんなこと言ってると袁家伝統の白鳥のまわしをさせますわよ」

袁紹たちが話している間も兵たちと戦っていた二人の体力は確実に限界に近付いていた

「…はぁ……はぁ………」

「………………………………疲れた」

「…はぁ……こんな…ところで…はぁ……やられる…はぁ……わけには……いけ……な…い…」

「天の御遣い覚悟!!!」

先に体力の限界に達したのはカスミだった。

袁紹兵もカスミの表情で感じていた。そして剣を振り上げた。

カスミは死ぬ覚悟を決めた。

(レイさん…ごめんなさい……)

そして剣は振り下ろされた。

「やらせん!」

レイは颯爽とカスミの前に立ち袁紹兵の剣をはじいた。

「…え………どうして……ここ…に?」

「とりあえず呂布さんもこっちへ!」

「……?」

恋はとりあえずレイの言う通りレイに近づいた。

レイは左手をかざした。

「水の紋章よ…主より命じる…優しさのながれ……呂布さんどうですか?」

「???…………体力いっぱい…………??」

カスミは解放軍にいた時良くやってもらっていたので違和感がなかったが恋は初めての体験で驚いていた。

「援軍に来たんです…相変わらず無茶するね…」

「どうして?」

「愛紗さんが俺たちの城に来たんですよ」

「そっか…」

「いい仲間ができて良かったね」

「レイさんは…いい仲間出来ましたか?」

「……さて…無駄口叩く暇があったらとっとと解放軍を馬鹿にした袁紹を潰しましょ!」

カスミの質問に少し暗い顔になったがすぐ気持ちを切換えて袁紹軍を叩く事に集中した。

「……わかりました…リーダー…恋さんも行きましょう!」

「…………(コク)」

呉の援軍に来たが兵数は袁紹軍に負けていたが所詮袁紹と言ったところか兵の統制がめちゃくちゃだった。

その点桃香軍,呉軍は統制がとれておりさらに呉の軍師である冥琳,解放軍でリーダーをしていたレイが来た事により形勢が逆転した。

それに加えレイの『水の紋章』によって体力を回復したカスミ,恋がいた。

袁紹軍は最初の勢いが嘘のように追い詰められていった。

「あんなショッパイ方たちに負けるなんて認めません!」

「袁紹…覚悟…『もずの紋章』発動!」

カスミは袁紹に『もずの紋章』を放っちそれにより袁紹は気絶した。

顔良と文醜は南皮へ撤退して行った。

余談だが袁紹たちが南皮に戻ったころには曹操によって制圧され、また北平も同様に制圧されていた。

戦いが終わり冥琳はある兵に声をかけた。

「どうだった…」

「……………つらいだけです」

「……そうか…悪かったな……思春」

思春は冥琳に言われ兵に変装してこの戦いに参加していた。

冥琳としてはいつまでも部屋にこもっている思春の気分転換に、また恋敵であるカスミの姿を見てレイと仲直りするよう頑張ってほしいと思ったのだ。

しかし、思春はカスミとレイの仲の良さを見せつけられてさらに気持ちが沈んでしまった。

カスミとレイは孫呉に帰還した。

その時カスミとレイは仲良く会話をしていたがレイはたまに暗い顔をしていた。

誰かを探しているような雰囲気を出していたがカスミですらわからないぐらい一瞬であった。

その後桃香たちは無事に成都を収めることに成功した。

しかし、その裏で北の巨人は着実に事を運んでいた。

 

つづく

 

おまけ

レイの気持ち

 

もしかしたら俺はいけない事をしたのではないか…

もしそうだったとしてももう後には引けない

もしこれ以上仲良くなってしまったら人として最低ではないか…

愛する人を裏切るのではないだろうか…

確かにあれは些細なきっかけだった

あの時は一週間後もとに戻れると思った

でも日が経つにつれ本当にもとに戻れるか不安になった

これ以上仲良くなるわけにはいけない…

それなら逆に仲を壊せばいいのではないか…

そう思ったら俺は態度が変わっていた

いつから真名で呼ばなくなったのだろう…

一度一緒に街を歩いた…

しかし態度を戻そうとは思わなかった

戻したらどれだけ楽だろうか…

でも…戻すわけにはいかない

戻した後が怖かったから…

街を歩いてから数日後、姿を見せなくなった…

少し気になったから部屋の近くまで行った

そしたら泣いてる声が聞こえた

俺に謝っている声が聞こえた…

すぐにその場から離れた…

もうどうする事も出来ないのか…

そう思うと自分が愚かだと思った

久々にカスミと会った

カスミと一緒にいると気持ちが落ち着く…

しかし何か違和感があった…

カスミはもしかしたら変わったのかもしれない…

カスミにはいい仲間が出来た…

仲間の為に恥をかいてもいいと思える大事な仲間が…

しかし俺は…

仲間はいないのかもしれない…

仲間以上のものを壊したのだから…

これは罰かもしれない…

愛する人を傷つけようとした…

そして仲間以上の感情を抱いてしまった彼女を傷つけた…


 
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