「はぁ……お金が無い」
どうして、ここまでお金が無いのだろうか。
まぁ、お金が無いのはいつもの事なんだけど……
「この暑さは勘弁して欲しいわね」
そう。お金が無いのはまだ我慢が出来る。
だけど、この暑さだけはどうにもならない。
服を全部脱ぐわけにもいかないし、かといって何か涼しい道具があるわけでもない。
そんな状況で一体、どうすればいいのだろうか?
何か。何かこの暑さを和らげる方法は……
「れいむ~急に呼び出して何の用なの?」
「ごめんねチルノ。ちょっとお願いがあって」
暑さを和らげる方法。それは――
「チルノ。あなたを抱きたいんだけど」
「ほぇ?」
氷の妖精であるチルノを抱けば、それだけで涼しくなると思うのよね。
しかもタダだし。
「チルノ。抱いていいでしょ?」
「あ、や、でも……」
「……?」
何だかチルノの様子がおかしいような気がする。
やっぱり、タダで抱かれるのは嫌なのかしら?
何かおやつでもあげた方が……でも、そんなのにお金を使う余裕も無いし。
「そ、そういうのは、好きな人どうしでするのがいいって、大ちゃんが言ってた……」
「は……?」
チルノは今何て言った?
なんだか、変な誤解を生んでいるような気がするわ。
「あのね、チルノ。わたしは――」
「れいむの事は嫌いじゃないけど、あたいにだって心の準備が……」
チルノが頬を赤く染め、もじもじとしている。
マズイわね。これは完全に変な方向に勘違いしてるみたいね。
早めにこの誤解を解かないといけないわ。
「ち、チルノ。あなた勘違いしてるわよ。わたしが言ってるのは、その抱くじゃなくて抱っこの方ね」
さすがにわたしだって、エッチなのは心の準備がいる。
それにまだ未経験だし、初めてはムードを大事にしたいしね。
「え……あたい勘違いしてるの?」
「ええ。物凄く勘違いしてるわ」
「そ、そうなんだ……」
あれ? 心なしかチルノがガッカリしてるような気がするんだけど。
「ごめんねチルノ」
「ううん。れいむに普通に抱っこされるのも悪くはないかも」
「そ、そう?」
う……っ。そんな風に言われると照れるじゃない。
「れいむ。優しく抱いてね」
「う、うん」
う~妙にイヤらしく感じるのは気のせいかしら?
まぁ、でも暑さを和らげるためだし、ここは冷静に抱きましょう。
「いくわよ」
「うん……」
あ……冷たい。ほんと、暑さを忘れるぐらいに冷たいわね。
でも、何故かしら。涼しいのにどこか熱くなっているのは。
もしかしてわたし、チルノに――
い、いや。それはきっと、わたしの勘違いよね?
暑さに惑わされた感情よ……ね?
そうよ。きっとそうに違いないわ。
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少しばかりキャラがつかめていないような、言葉使いが変なような……気にしたら負けです。
一応、シリーズもので霊夢のハーレム的(百合)な物が書ければいいなと。
そうならないかもしれませんが……