うだるような暑さ。灼熱のような日差し。
やはりこんな日は――
「ふぅ……やはり昼間から飲む酒は美味いのぉ」
美味い肴に美味い酒。あとは……
「おーい祭さん……って、また昼間から酒を飲んでるのかよ」
「別に儂が昼間から酒を飲んでも北郷には関係ないじゃろ」
「いや、まぁ……そうなんだけど、また冥琳に怒られても知らないぞ」
「ふん! 冥琳なんぞ怖くともなんともないわ」
冥琳如きに儂の楽しみを邪魔させるものか。
「それよりも北郷。お主も一緒に酒を飲まぬか?」
ちょうど一人で飲むのも味気ないと思っておったところじゃったし、北郷と一緒に酒を飲む
のも悪くはないじゃろ。
それに、いい男と一緒に飲む酒はまた格別じゃからの。
「いやですよ。まだ仕事が残ってるから、こんな所でサボってたら俺まで怒られるじゃないか」
「なんじゃ、つまらん男じゃの」
「つまらないって……」
「それにな北郷。こういう暑い日に飲む酒は、普段飲む酒とはまた違った味がするもんじゃぞ」
「確かに暑い時に飲む酒は美味いけど――」
「ええい。ウジウジと生娘みたいに悩まんで一緒に酒を飲めばいいんじゃ」
そして儂の相手をしてくれ。
「ほれ、飲め飲め」
「ちょっ、祭さん!」
嫌がる北郷に無理やり酒を渡す。
なんだかんだいって北郷は優しい男じゃから、最終的には折れてくれるじゃろ。
「あーもうっ! 仕方ないなぁ。付き合えばいいんだろ」
「さすが北郷じゃな」
儂が見込んだ男なだけはあるのぉ。
「どうした北郷。もう飲めぬのか?」
「 」
少し飲んだくらいですぐに倒れるとはまったく、情けないのぉ。
もう少しくらい儂の話相手として頑張ってくれても良いものを。
まぁ……
「潰れるのが早いとはいえ、こうして眠っている北郷の寝顔を肴に酒を飲むのも悪くはないかの」
それに今だけは、儂が北郷を一人占め出来ているんじゃ。他に何を望む。
自分の好きな男が側に居る。それだけで十分ではないか。
でも……欲を言えば、もう少し儂に付き合えるようになれば、文句はないんじゃがな。
「……ん。ぅん……」
仕方ない。もう少し飲んでいたい所じゃが、このまま北郷を放置しておくわけにもいかんし、
部屋に運んでやるとするか。
まったく北郷は、世話の焼ける男じゃな。
ああ。ほんと、世話の焼ける男じゃ。
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まぁ……祭さんの話し方難しいよ。
でも祭さんが好きなんです。
いいよ祭さん。祭さん素敵だよぉ……
恋姫†夏祭り!の企画三作品めなんですが、あともう一個くらい書いてみたいですよね~
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