No.165811

June bride -君がいたから- 後編

shirouさん

この作品は無印・真をクリアしていながら無双を夢想だと思ってた無知誤字脱字駄文製作者がお送りするJune bride -君がいたから- の後編です。今日気づきました・・・過去作品の登録タグも修正致しました。

2010-08-15 03:58:13 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:4624   閲覧ユーザー数:3987

-前編のあらすじ-

 

愛する妻達の前で

 

一刀「俺は穏を娶る。結婚式もする。」

 

と、宣言する一刀、動揺する妻達。

 

一刀「俺のワガママを聞いてくれ~~~~~~~。」

 

と、こんな感じ・・・では本編をどぞ

 

一刀「では普段通りでしゃべるね。蓮華、俺が雪蓮や祭さんに保護された経緯は知ってるよね?」

 

と、いつもの口調で話しかける。

 

蓮華「えぇ、姉様と祭が流れ星の落ちた所に行ったら一刀が居てそこをひろっゴホンっ保護したと聞いてるわ。」

 

一部言い直しながら記憶を辿り話す。

 

祭「そうじゃワシと策殿とで拾ってきたのじゃ。」

 

『蓮華が言い直した意味ないよね、祭さん。ウン』

 

一刀「その後俺が雪蓮とした約束も知ってるよね?」

 

蓮華「勿論よ。呉にその・・・天の血を入れるってことよね。・・・約束通りにしたわね。」

 

最初は照れながらそして最後は呆れながら。

 

思春「全くだ。律儀と言えば律儀だが。」

 

自分も対象でありその約束通りになったことを照れつつも吐き捨てるように

 

一刀「だね、我ながら律儀だと思うけど。ちゃんともう一つの約束も守ったよね。」

 

と、少し申し訳なさそうな笑顔を妻達に向ける一刀。

 

明命「そうですね、一刀様は無理矢理ではなくてちゃんと心通わせた上で皆様とそういう関係になりました。」

 

照れながら少し誇らしげに。

 

一刀「そうだね。ただそれだと俺は単なる”種馬”ってことになってたけど。実際今は自分で言うのもおこがましいが都督の地

 

位に居ることが許されてる。それは何故だかわかる?」

 

小蓮「皆の夫だから?・・・ってことだけじゃないってのはシャオにもわかるわ。」

 

半分冗談交じりにそして周りの空気を読んで否定しつつ

 

亞莎「て・天の知識があったからですか?す・すみません。」

 

『うん、もう少し自信持っていいよ亞莎は』

 

と心で呟きながら

 

一刀「天の知識があったってのは半分正解かな、でも知識があってもそれを活かせる術がないとね。それと兵法について

 

は何も知らなかったしね」

 

と、ここまで言ったところで

 

蓮華「文字の勉強を見てたのが穏だったわね。確か孫子の兵法書を教科書にして。」

 

と、思い至った顔で蓮華がそう言った。

 

一刀「そう、”穏との勉強会”こそが俺が今ここで皆の前で自分を卑下せずに存在できてる原点なんだよね。」

 

明命「一刀様はその存在だけでも「じゃあ、武が出来ない武官は必要かい?明命」要りませんね。」

 

一刀「それと一緒で文字の読めない(書けない)文官は有効かい?亞莎」

 

亞莎「指示書も書けない部下からの報告書も読めないでは文官の上に立つ人間としてはモノ足りませんね。

 

す、すみません一刀様に生意気言って。」

 

最後は湯気を出てる顔を隠しながら答えてくれた。

 

一刀「そして何より冥琳が俺の天の知識が有効だと思ってくれたのは穏が俺の考え方を真剣に聞いてくれたからなんだよ。

 

だから、穏がいなければ俺はここ(玉座の間)で皆の前に立って意見を述べられるような人間に成れてなかったんだよ。」

 

俺は今まで心の中に秘めていた想いを皆にぶつけた。

 

蓮華「それが穏を娶る理由?感謝からなの?」

 

一刀「感謝だけなら皆にしてるよそれこそ。これは何故穏なのかって理由の一部なんだけどね。何故穏なのかは・・・・

 

単純に一番に好きになったから。てへっ」

 

舌を出しながら可愛く言う・・・・

 

思春「言い残すことはそれだけか。」

 

チリーンと鈴の音を響かせながら武器を構える思春

 

一刀「今のこの状態は雪蓮に”与えられた”状態に近いんだよね。いくら相思相愛になったとはいえね。だから俺のワガママで

 

俺の意思で穏を嫁さんにしたい。」

 

先程とは違うどこかで見たことがある顔で

 

『あれは冥琳を見送った時の顔だわ。あの時と違って涙はないけど(が)』

 

一刀「もし、俺のこのワガママが不快に思うなら俺は都督の任を解かれても文句は言わない。

 

だが穏を嫁さんに迎えるこの意思だけは曲げない。」

 

覚悟を決めた漢の顔がそこにはあった。

 

『かっこいいわねぇ(のう)(ですぅ)』『あんな風に私も言われたいです、す、すみません。(みたいものだな)』

 

そして穏の方に向き直り、

 

一刀「穏、俺の嫁さんになってくれませんか?」

 

と手を差し出しながら心が温かくなる笑顔を添えた。

 

一刀「穏?」

 

反応がないので見ると、そこには何やら呟いて惚けてる穏がいた。

 

穏「一刀さんが私を娶る・・・・あぁ天の国の長さの単位でしたね、「それはメートル」」

 

どこからか金髪のカツラと帽子を取り出して被って

 

穏「あぁ鉄郎「それはメーテ○」(何故知ってる?)」

 

どこからか違う帽子と制服を取り出して着替えて

 

穏「姉さん事件です「それはホテル」」

 

穏の肩を掴んで我に戻そうと揺さぶると

 

穏「わ・私が一刀さんのお嫁さんになれるんですか~?し・しかも天の国方式の結婚式で。や・やりたいです~。」

 

と、我に返って昂ぶりながら言った。

 

蓮華「穏はこの話を前から聞いていたの?」

 

少し問い質すように穏に向き直ってそう言った。

 

穏「いいえ~。初耳ですよ~てか驚きすぎてなんか混乱しちゃってましたし~。でも。」

 

蓮華「でも?」

 

蓮華の方に向き直り先程の一刀と同じく覚悟を決めた顔で

 

穏「呉の軍師 陸遜、呉の都督北郷一刀の嫁となり結婚式を行う許可を願います。そしてこれが叶わぬ場合は

 

軍師の立場から退き野に下る覚悟です。」

 

そして言い切ってから頬を少し緩め

 

穏「大好きな人が自分の立場を省みず私を欲しいって言ってくれるのにそれを断ることができましょうか?

 

いえ断れるハズがありません。」

 

小蓮「何も野に下るだなんて、そこまで宣言しなくてもいいんじゃない?」

 

明命「そうですよ、穏様。」

 

穏「いいえ、一刀さんの覚悟を上回る覚悟を見せることが私から一刀さんへの愛の証なのです~。これでも

 

足りないくらいですけどね~。」

 

一刀の方に向かってにっこりと笑ってそう言った。

 

一刀「穏。」

 

こんなにも気持ちが通じ合っていたのかと嬉しさで顔が緩んでいた。

 

蓮華「コホン、二人の気持ちはよくわかったわ。それでは私のいえ、孫呉の王としての意見を述べるわ。」

 

そして嫉妬する妻の顔から王の顔に変わった蓮華の声が響く

 

蓮華「都督北郷一刀 先代王に対する不遜な発言並びに周囲に与える悪影響を鑑みて都督の任から一ヶ月解任する。」

 

亞莎「蓮華様、それは余りにもひど「いいんだよ、亞莎。」でも。」

 

蓮華「同じく軍師陸遜 自らの立場を考えずに軽々しく野に下る等の発言真に許し難い。一ヶ月任を解く頭を冷やすがよい。」

 

小蓮「お姉ちゃんひどいよ。嫉妬にしても「いいのですよ、小蓮様。」でも~。」

 

納得のいかない小蓮と亞莎を二人でなだめながら

 

一刀「ありがとね蓮華一ヶ月あれば十分な準備が出来るよ。」

 

穏「ありがとうございます~。一ヶ月で綺麗な花嫁さんになる準備をします~。」

 

と、二人して蓮華に礼を言うと、

 

蓮華「二人とも呉にとっても私個人にとっても大事な人間なんだから出て行くなんて言わないでね。」

 

明命「蓮華様~、ツンデレっぷりがお猫様級です~。」

 

亞莎「蓮華様の気持ちを推し量れずに、生意気なこと言ってす・すみません。」

 

祭「うむ、それでこそ我らが王じゃ。」

 

思春「蓮華様の考える事に間違いがあるわけがない。」

 

小蓮「さっすがお姉ちゃん。太っ尻。」

 

蓮華「尻は関係ないでしょ。王として妻としてこれくらいの器量はあります。・・・・・・・

 

でもできるなら穏より先に一刀に会いたかったな。」

 

最後は女性としての本音を漏らした。

 

 

それからの一ヶ月は怒涛のように過ぎて行った。

 

街一番と評判の服屋にデザインした服を作って欲しいと依頼した時に嬉しいことがあった。

 

一刀「このデザイン・・衣装図だけど出来るかな?おやっさん」

 

店主「出来るとは思うんですが、いかんせん今大口の注文が入ってて手が足りないんでさぁ。」

 

申し訳なさそうに項垂れる店主に

 

一刀「そっかぁ、お礼もそんなに出来るわけじゃないししょうがないかなぁ「やりましょう。北郷様」お・おかみさん。」

 

店主「おまえ何勝手なことを”バシッ”ぐはぁ な・何しやがる。」

 

店主の背中をはったおしながら

 

おかみさん「あんた・・・・誰のおかげでこの街で安心して商売が出来てるんだい?」

 

店主「誰ってお前そりゃ孫呉の警邏隊が見回ってくれるからじゃないか。」

 

おかみさん「はぁーっ その警邏隊を組織してくれたのは誰だったかい?」

 

店主「勿論、北郷様・・・・あーーーーー。」

 

おかみさん「やっとわかったかい。そんな街の恩人の頼みを断ってこの後ココで商売が出来ると思うかい?逆に叩き出されるかもしれないよ。」

 

店主「そうだな、こんな時に恩返ししないでいつやるんだってことだな。北郷様やりましょう いや、やらせてください。」

 

一刀「おやっさん・・・ありがとね。んじゃよろしく頼みます。」

 

日頃の行いが報われた瞬間だ。

 

穏「延~そのヴェールを返しなさーい。」

 

延「いやです~かえすとははしゃまがてんにかえっちゃいましゅ~。」

 

衣装合わせで使用する予定のヴェールを持ってトテトテと走り逃げる延を追っかける穏

 

一刀「こ~ら悪戯する悪い子は誰かなぁ~。」

 

と愛娘をひょいと抱き上げて

 

延「ちちしゃま~。」

 

にぱぁと笑って、父親に抱きつく

 

穏「やっと追いつきました~。延それを返しなさい~。」

 

一刀「延はどうしてははの邪魔をしたの?」

 

延「だってだって・・・ははしゃまがこのはごろもをとりもどすとてんにかえっちゃいましゅ。」

 

穏「羽衣?天に帰る?」

 

一刀「あぁ以前延を寝かしつけるときに”天女と羽衣”の話をしたんだよ・・・そうかぁ延は穏が余りにも美しくて天女だと思ったんだなぁ。」

 

娘の悪戯のわけがわかった一刀は娘の目を見つめながら

 

一刀「もし穏が天女だったとしてもこんなに可愛い延を置いて帰るわけないじゃないかぁ。それにもし帰ったとしてもちちしゃまが連れ戻してくるよ。」

 

延「あい、ははしゃまごめんなしゃい。これかえしましゅ。」

 

穏「一刀さん後でその話を詳しく教えてくださいね~。」

 

ハァハァしてたのは内緒だ。

 

結婚式は賑やかに行われた。

 

バージンロードを歩く穏の手を取る父親役は祭さん。裾持ちは陸延・孫登・黄丙の3人娘。

 

そしてウェディング姿の穏を祭さんからバトンタッチした俺の姿はタキシード。

 

小蓮「かっこいいわねぇ~流石私のかずと。穏も綺麗ねぇ~。」

 

明命「一刀様かっこいいです~。穏様も綺麗です~。」

 

亞莎「一刀様・・・ポッ。穏様も羨ましいです。」

 

思春「馬子にも衣装だな・・・かっこいいな(ポツリ)。穏綺麗だぞ。」

 

祭「うむ、惚れ直すな。ワシにも似合うかのう・・・。」

 

蓮華「かっこいいわ一刀・・・。穏も綺麗だわ。」

 

皆に祝福されて俺たちは夫婦の誓いを立てそして皆の前で誓いのキスをした。

 

今、俺は穏と二人である小川のほとりに立っている。

 

ここには先々代王孫堅の墓があり、そして先代王孫策こと雪蓮の墓その隣に寄り添うように呉の柱石だった周瑜こと冥琳の墓が並んである。

 

一刀「雪蓮、紹介するよ俺のお嫁さんの穏。冥琳、見てよ俺の嫁さん綺麗だろ。」

 

墓石に話しかけながらその顔は心温まるような笑顔だった。

 

穏「一刀さんのお嫁さんになりました、穏です。私の旦那様と~ってもかっこいいでしょ~。」

 

墓石に話しかけながらその顔はノロケていた。

 

一刀「雪蓮、蓮華はとてもいい王になったよ。俺のワガママを飲み込んで消化できる程にね。」

 

一刀「冥琳、俺たちの街はちゃんと俺達を見ていてくれたよ。困ったときに助けてくれる程にね。」

 

そう言って後ろを向いて歩きだしながら

 

一刀「俺達がやってきたことはちゃんと皆の中に残ってるんだな。決して一人よがりだったわけじゃないんだよな。」

 

その背中は泣いてるようにも見えた。ただその涙は悲しみではなく嬉しさを伴ったものだと私は思った。

 

冥琳「穏あなたは今幸せ?」

 

冥琳様の姿が見えてそう聞かれた気がしたので。

 

穏「ハイ、とーっても幸せです。大好きな人のお嫁さんになれましたから~。」

 

と、笑顔で答えた。そうして向き直り愛する人の背中を追いかけながら

 

穏「か・旦那様~、待ってくださ~い。」

 

一刀さんから旦那様に代わった瞬間だった。

 

穏「そういえば何故急に今回のことを願い出たんですか~?」

 

並んで歩きながら、一つ疑問に思っていたことを素直に聞いてみた。

 

一刀「あぁ天の国では6月に結婚することをJune bride(ジューンブライド)って言ってね。それで結婚した花嫁さんは幸せになれるって言い伝えがあってね。それでなんとか間に合って良かったよ。」

 

そして穏の方に向き直って

 

一刀「俺に妻はたくさんいるけど嫁さんは穏だけだからこれからも・・・・多分。」

 

最後は自信なさげに

 

穏「ハイっ旦那様~私も旦那様は一刀さんだけですよ~。・・・・きっと。」

 

そして二人は顔を見合わせ笑っていた。

 

冥琳「あの笑顔がある限り呉は安泰だな、雪蓮。」

 

雪蓮「そうね、あの時拾ってきたものは金剛石の原石だったみたいね、そしてそれを磨いたのは。」

 

雪蓮・冥琳「「穏だな。(ね)」」

 

June bride -君がいたから- 完

 

-あとがき-

 

はい、かなり長くなってしまいましたが如何だったでしょうか?

 

楽しんでいただければ幸いです。インスパイア元の作者様である杉山ユキさんに駄文製作の許可を

 

頂いたので気が変わらないうちにと作成しました。イメージを損なっていない事を祈ります。

 

それではコメント・感想・指摘お待ちしてます。

 

 

 

 

 


 
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