反董卓連合終結から帰還した、一刀達を待っていたのは、修羅場だった。
帰還の途中に雪蓮が一人、馬を飛ばし先に長沙に着き、『一刀を喰った』事を睡蓮に言ったのである。
その時は「へぇ~、そぉ~、ふぅ~ん」で済んだのだが、一刀が帰ると…
睡蓮「一晩帰ってくるな!」すごい剣幕で一刀を追い出したのである。
当然ながら色々な人の耳に入り、冥琳は『雪蓮がやらかした事』と思い、睡蓮に謝罪に行ったのだが…
睡蓮「わかりました。一刀に伝えてもらえますでしょうか?」
冥琳「如何様に?」
睡蓮「『一晩帰ってくるな!』と言ったけど、『2,3日帰ってくるな!』とお伝えください。」
冥琳「……か、かしこまりました。」相当ビビッたのでしょう。敬語になってます。
そんなこんなで、雪蓮が『意図的』に火をつけ、冥琳が『結果的』に火に油を注ぐ結果になってしまった。
---長沙城・客室---
冥琳「すまん…一刀、良かれと思ったんだが…」
一刀「しょうが無いよ。わ・る・い・の・は・雪蓮なんだから。」
雪蓮「何の事でしょう?」
冥琳「雪蓮!」
雪蓮「ヒャッ…もう、悪かったわよ…ぶぅ~…」
一刀「とりあえず、今日はここ借りるから。説得は明日かな…」
冥琳「すまんがそうしてくれ。出来れば、素早い原状回復が望ましいが…」
雪蓮「はいはい、顔を出さなきゃ良いんでしょ?」
冥琳「まぁ、大人しくして頂戴ね。一刀も今日はお疲れ様。雪蓮、行くわよ!」
雪蓮「一緒に寝ちゃ…」
冥琳「駄・目・に・決まってるでしょ!」
雪蓮「痛い痛い…耳引っ張らないでよ…もう…」
一刀「お疲れー」
雪冥コンビが漫才やってる頃…
---北郷家---
雨蓮「おおい睡蓮、居るか?」
睡蓮「説得でしたら、無駄ですわよ?」
雨蓮「何の話じゃ?こっちは一緒に『焼酎』でも飲んで『憂さ』を晴らさんか、と提案に来ただけじゃが?」
睡蓮「むぅ……そう言えば、『お酒』を飲むのは久しぶりですね。どうぞ、お上がりください。一献傾けましょう。」
雨蓮「小雪は、シャオの所に預けておけ。こういった話に子供はぬきじゃて。シャオ!」
小蓮「まっかせて♪小雪ちゃん、いこ♪」
小雪「は~い、かか様、行ってきまーす。」
睡蓮「行ってらっしゃい。」
雨蓮「ほんと、いい娘じゃのう。」
睡蓮「で、お話は『一刀と仲直りをしろ』ですか?」
雨蓮「その話をしても良いんじゃが…ちと昔の話をしようと思ってな…」
睡蓮「どれくらい昔なのでしょうか?」
雨蓮「わが夫、呉太に出会った頃からかの…」
---孫堅・回想---
その頃の呉太はいわゆる、長沙の自警団の長みたいなことをしておった。
なんせ、洛陽より遥か遠方に加え、この頃から朝廷が荒れだしたのも有って、端々にまで、治安が行き届かなかった。
そんな時、朝廷からわしが太守として派遣された…まぁ、左遷じゃな。失敗は無かったはずだが、今思えばそれが理由かもしれん。
まぁ、中央の権力争いに嫌気が射していたので、わしには丁度良かった。
そんなこんなで、長沙太守として働いたのだが、どうもうまくいかない。まあ、街に出てみてわかった。
呉太が事実上の太守だったんだからな。彼の掛け声ひとつで物事が流れていく…街の事を判ってるからこそ出来る仕事だ。
他所から来た他人が「あーしろこーしろ」と命令しても、そうそう上手くは行かんわな。
それでもって、働いてる姿がかっこ良かった。一目ぼれじゃな…
でも、恋敵がおっての…
黄蓋・祭じゃよ…
付き合いも長く、周知もされる程、仲が良かった。
故に、ある時二人にこう言った。
孫堅「私は呉太殿に惚れました。結婚してください!」
さすがに驚いておった、なんせ一発逆転を狙っての一手じゃからの。その後の言葉にはさらに驚いたもんだ。
黄蓋「で、では…私と飲み比べをして勝ってください。さすれば、呉太様との仲を認めます。」
呉太「えっと…私の意思は…」
堅・黄「「ありません!」」
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睡蓮「プッ、フハハハハ…まるで、一刀みたい…」
雨蓮「見た目は、全然違うがの…雰囲気は似ておるの。」
睡蓮「それで、どうなったんです?飲み比べの結果は…」
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飲み比べの結果は引き分けだった。二人して、同時に飲み潰れたんだから。
まあその後、日を改めて、三人で話し合って、わしが正室、祭が側室ということになったんだ。
それで、わしの太守は変わらないんだが、呉太を太守補として、祭を将として召し抱えた。
今ほどではないが、当時を考えると、この頃から仕事も私事も順風満帆だった。
結婚後、呉太はわしも祭も愛してくれた。時には三人でした事もあったの…若気の至りだよ…興奮したけど…
幸いわしは三人の娘を授かった。祭には一人も子が出来んかったが、わしの娘に対して、実の娘のように接してくれた。
それで、シャオが生まれて暫くしたある日、珍しく呉太と喧嘩をしてしまった。理由は些細な事だったと思う。
その日は口もきかずにそれぞれの仕事をしておった。些細な理由故に出来るだけ早く和解したかったんだが…
突然の訃報だった…
警邏中の彼の近くで馬が突然暴れだし、思いっ切り蹴られ、わしが駆け付けた時には既に息を引き取っていた…
ものすごく悲しかった…
泣いても泣いても涙が止まらなかった…
彼の後を追いかけいと思った…
けれど、祭と娘たちが止めてくれた。
彼はいなくなったけど…彼の分身はいる…この娘たちを立派に育てよう。
そう思う事で、なんとか今まで踏ん張る事が出来たのかなって思う…
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雨蓮「あの頃は今よりも平和で…2,3日で折れようと思っていた…それが出来た…まぁ裏目に出てしまったんだがな…」
睡蓮「………」
雨蓮「出来れば『娘』にはわしと同じ思いはして欲しくない、わしからのお願いじゃ…」
そう言って、お猪口の酒を飲み干す…
雨蓮「まあ、今日は飲もう。その為に来たんだからの。」
翌日、一刀を迎えに行った睡蓮だが…
雪蓮と添い寝(勝手に侵入)している所に出くわし、もう一日締め出しを喰らう一刀だった…
あとがき
どうもnakatakです。
無駄にページを使ってみました…じゃなくてちょっとした演出をしてみました。
ルーキー期間が終わり、お気に入りが100人を超えている…私の中では以外でした。
もっと少ないと思ってたので…うれしい限りです。
読者に感謝、支援者にもっと感謝…それでは、また。
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反董卓から帰還した時のお話です。駄文ですがお付き合いのほどを…
それでは、どうぞ。