No.163713

真・恋姫無双呉√アフター第十一話 偽帝

米野陸広さん

投稿時間かかりました。
少し更新遅くなるかもしれませんが、すいません。
ちょっと、最近上手く寝れないもんで。

では、お話のほうをどうぞ

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2010-08-06 13:54:50 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4234   閲覧ユーザー数:3575

連載終了のお知らせ……ってんなわけないじゃん!

えっとですね、コメントありがたかったんですけど、コメント欄に返そうとすると、伝わらない可能性が高いなぁと想い、というか長いコメント付けられてもうっとうしいだろうと想い、これから作品の最初の1p目に返すことにいたしました。

あ、でも応援メッセージや誤字訂正系統は、その場で返します。

ただ、こうしたほうがいいんじゃないかとか、物語の根幹や内容にかかわるものを1p目で返していきますね。

それではよろしくお願いいたしますよ。

 

さて、今回から新機能搭載

前回までのあらすじをつけます。

これで前の作品に戻る必要がないはず、いらないと思ったらそういうコメントもくださいね。これも1pで片しますから。

 

『前回までのあらすじ』

二国鼎立が成り立っている呉蜀に激震走る。

献帝の死。

それに伴う、朝廷の策謀。

その策謀を担う司馬懿仲達はなんと以前呉に仕官をしようとしていたことがあったのだ!

彼女が動かすのは蜀の劉備。

彼女の元に使者とともに送り届けられた玉璽

何故、玉璽がここに?

民の笑顔を求めた彼女が、どうして再び混乱の渦を巻き起こそうとするのか?

それに対して孫権率いる呉はどうでるのか?

それでは今回のお話へ

 

注、なかなか想像しにくいと思いますが、一刀の変貌振りをご想像いただきたいです。

もう三十路近いんすよ、彼。私の物語上ですと……。

そんなダンディーな一刀にご期待ください。

第十一話 偽帝

蜀にて昭烈帝起つ。

献帝の死に続いて届けられたこの報は、建業を揺るがすには十分なほどだった。

「母上、これは明らかなる朝廷への謀反です。今すぐにでも、劉備のこの暴挙に対して宣戦布告を!」

「孫登! 早まるな」

「っ」

正式な使者よりも早くに呉では情報を得られる。それはもちろん、明命を筆頭とする密偵の活躍があるのだが。

そしてその知らせに一番早く反応したのは、蓮華の娘陽蓮だった。その姿、必死さはまるで昔の蓮華のようである。

当の蓮華は傍らに一刀を置き、目の前にいる重臣達を見回した。

その風格はまさに王のもの。しかし、既に先代雪蓮のものとは違う。乱世の王ではない。治世の王であった。

「亞莎、あなたは今回のことをどう思う」

「はっ、密偵からの報告によれば、蜀が行動を起こす前に幾度か朝廷からの使者を受け入れていたということです」

「朝廷からの?」

「はい、察するに先帝の崩御によって次期皇帝の選別をする際の候補として挙がっていたのが劉玄徳殿だったのではと」

神妙な面持ちで淡々と事実を述べる亞莎。

「穏は?」

「はい、私も亞莎ちゃんと同じ意見ですね」

厳しい表情で、亞莎に同意する。それほどこの事態が難しい局面を作り出していることは、この場にいる全員がわかっていた。

蜀が漢王朝そのものとなるということになったのだ。これによって、呉蜀の同盟はそもそも成立しなくなり、当たり前だが、呉は漢の属国だから、蜀の属国、すなわち蜀漢の属国となるということだ。

「母者、でもなんで劉備さん、皇帝になるんだって言い出したんだ?」

「いい質問じゃのう、宴。もう起きてしまったことはこの際仕方がない。じゃが、何故そのようなことになったか調べる必要があるのではないかの?」

黄親子が訴える。

「確かに、こう劉備殿は権力をどうこうといった人柄ではなかったように思えるのだが」

「そうですね、ですが珍しく蜀では本人主導の下にこの体制が確立していっているようです」

それに続き、思春と明命が発言する。その明命の言を受けて一刀が初めてこの議会で口を開いた。

「誰が劉備の補佐だ?」

「丞相として諸葛孔明殿が着いたようですね」

「三公九卿には?」

「……わかりません、ただ……」

「今まで官職についていたものは一掃されたようでした」

「なっ!」

明命の言葉に一同が絶句する。どのような意図があったとしても、このような突然の内政改革を行うのは今までの蜀では考えられなかったことだ。なにせ、あの頭がぽわぽわしている人間が国主なのである。たとえ悪人であってもいい所を引っ張り出して善人に仕立てあげてしまうきらいがある。

「あ、でも、母様、一人だけ官職そのままの人がいましたよ」

娘の誠の言葉に明命ははっとするようにして、

「そうでした、すいません。一人だけ九卿の位置が変わっていません」

「そのものは誰だ?」

蓮華が問うと、

「はい、司馬仲達殿です。この計画もおそらくは彼女が立てたものかと思われます」

「司馬? あの司馬八達の?」

「はい、次女に当たりますね」

明命は一体どれほどのパーソナルデータを頭に持っているのだろうか。すらすらと個人情報を読み上げる。

「そういえば、昔うちの登用試験を行ったときに排除するようだんな様がおっしゃった方ですよね」

亞莎がふと思い出したかのように発言する。

「そうなの、一刀?」

「ああ、ここに嫌われてもちょんと水を得る所を知っていたか。ちなみに蓮華も何度かあっているはずだぞ」

「えっ?」

「彼女は今、確か太常の位のはずだよな」

「あ、はい」

「だったら朝廷の儀式の際に取り仕切っているのかは彼女のはずだ」

「ああ、彼女が仲達殿か」

当てがあったのか、思い出すようにしながら頷く。

「まだ若い印象だったが、どうなの明命?」

「そうですね、優と同じ齢ですから、それで太常の位とはかなりの実力者なのではないかと」

「そうか、それでは、皆、この件に関して劉備が何故皇帝を名乗ることになったのか、思うところを挙げてみてくれる?」

皆がそれぞれ思案していた。何故劉備が皇帝になったのか? これが一番の謎である。

蜀の頭脳に臥龍に鳳雛がいる。伏せられてはいるが、既にあの陣営には名を変えてはいるものの董卓と賈?がいることも調査済みである。

反目しあっていた公孫賛と袁紹の勢力も属しているはずだ。そのうえ南蛮の制圧も既に終了している。

人材に事欠くことはなさそうだった。

そのときであった。

「会議中失礼します。司馬仲達殿が、朝廷の使者として孫権様へ面会を求めております」

玉座の間に緊張が走った。それもそのはず。まだ密偵からの報せを受けたばかりなのに、朝廷からの使者が来るということは、すべて計算づくの上で彼女はこちらへ向かっていたということなのだから。

こうして初めて城内に彼女を迎えることとなった。

司馬仲達はいわば、中世的な美を持つ女性だった。天の言葉で言うならばタカラジェンヌとでも言うべきか、その女性でありながらも短く纏め上げた深い緑色の髪は光沢を放っていた。

「……してご返答は?」

「承りました。漢王朝の新帝が御立ちあそばした今、どうして慶賀の使者を送らないことがあろうか?」

「それを聞いて安心いたしました。御世が治まった今、民が求めているのは平穏な暮らしだけで御座います。聡明な孫権様がこのように恭順の意を示していただけるとは有難い限りです」

「それではしばらくご滞在されるとよかろう、長旅であったであろう?」

「いえいえ、これも王朝への忠義のため、何も苦にはなりませぬ。ですが、せっかくの呉王のもてなしお受けしないわけにもいきますまい」

ふふふと口元を隠すように笑うその笑い方は、どこか冷徹なものを感じずにはいられなかった。

蓮華は、椅子から立ち上がると手を叩く

「誰かある」

「は!」

即座に対応したのはシャオの娘、大蓮こと孫仁である。その容姿は見た目非常に麗しく、書に歌や踊りといった文化の才に既に非凡なものを見せていた。あの冥琳の再来とまで言われている。

「司馬仲達殿とその使者の一団を部屋までご案内せよ」

「畏まりました、仲達殿こちらへ」

玉座の間から仲達が出て行く。一刀はそれを見終わると、ふぅとため息をついた。

(あれが、司馬懿か。思っていたよりもびじ……いや、今はそういうことではなくて)

「一刀、貴方は危惧していたけど、とてもそのような人には見えなかったけれど」

蓮華が一刀に問いかける。

「そうですか母上? 私はむしろあの若さであれだけの芯を持った人間であることに驚きを覚えましたが」

「陽蓮、どういうこと?」

「つまり陽蓮様はこういいたいのだと想います」

陽蓮の言葉に燐音が続く。

「私たちとさほど年齢も変わらない少女が、既に朝廷の使者として十分に役割を果たせており、しかもある意味敵陣ともいえるこの呉国に単身で乗り込んでくるという豪胆さを持っている時点で尋常ではないと」

ふむ、と蓮華は頷くと言葉短く確かにとその言の正当性を認めた。

「祭は、どう思った?」

「武人としては、それほどではないでしょう。燐音でもいい勝負になるのではないかのぉ。ましてや想華や宴、誠には遠く及びますまい」

「智謀の人というわけね、思春も?」

「はい蓮華様、私もそのように思います」

「水拠は?」

「はい、皆と相違はありません。ただ、少し思うところがあるのは……」

「何かしら?」

「私たちと同じで、一刀殿を好いているのではないかと」

「はっ?」

 

最後の声は一刀である。というよりも、思わず振られた言葉につい返事をしてしまった形であった。

「うーん、シャオもそんな気はしたんだよね。時々、一刀のこと見てたし」

「それは俺が天のみつか……あれ、蓮華? なんで怒っているの?」

「まさか、怒ってなんていないわよ」

しかし凄まじい怒気。一刀は一歩後退した。

 

チリーン。

 

「し、思春さん、背後を取るのは勘弁して」

「まさかこんな早くに未亡人になるとはな、残念だ」

 

シュパッ。

 

はらりと一刀の髪が落ちる。背後の壁に矢が刺さっているのがよくわかった。

「祭さん!? 甲斐性がどうのってよく言ってたじゃない。なんでそんなに怒るのさ」

「孫呉の女ならまだしも、他国のしかも朝廷の女に手を出すとはのぉ」

 

「しばらく、わけを聞かせてもらいましょうか?」

(何のだー!!!!!)

愛した妻達に囲まれ、引きずられるようにこれまた部屋を退室していく一刀。

こういうときの父を面白がってみている娘達の将来を一刀は虚しく思うのだった。

玉座の間には、大蓮も戻り子供たちが残っていた。

一刻ほどは、きっと母親達が戻らないことを皆悟っているのだろう。

話の花は先ほど現れた一人の女性についてだった。

「母上たちはああいっておられたが皆はどう思った?」

こういう時、話を振るのは決まって陽蓮こと孫登である。

「まぁ、確かに強い感じはしなかったのじゃ」

応えるのは宴こと黄柄。

「そして、かなりの策士、ってこれでは母上たちが出した結論と変わらないではないですか」

と、燐音。

「それならそれで構わないだろう」

「あの、陽蓮。その前に私にはよくわからないのだけれど」

「ん、想華どうした?」

「えと、そのね、どうして、お父様はあの方を敵視なさっているの?」

おっとりとした声で想華が聞く。

「敵視とも違う気がしますが」

声を潜めるように優が意見する。

「けど、そんなことより、とっても綺麗だったね、あの人」

「おい、大蓮。あの方は賓客なんだぞ……ってまさか、お前!」

「大丈夫だよお姉ちゃん、さすがに朝廷の偉い人にまで粉かけたりしないって」

「こ、こなって?ふふえええ」

「ああ、ああ、大丈夫だから。洪。お前はもう少したくましくなりなさい。そして、大蓮は少しおしとやかになりなさい」

誠は妹をたしなめるように、少しきびしめの口調になった。

「でも、確かに綺麗な方だった。あれなら父上がふらりと動いてしまうのも仕方ないかもしれない」

その陽蓮の発言に皆が頷く。子供たちは父親である一刀のことをそう見ていた。

「燐音は彼女のこと気に入らないでしょう?」

「ふん、別に」

燐音は重度のファザコンである。あまり、他の女性が一刀に近づくのを見るのもよしとしないところがある。

「あんな男女、お父様がお相手するわけがないじゃない」

「それは」

「どうかなぁ?」

燐音以外の皆が苦笑を浮かべている。

わいわいがやがや、国の一大事でも今日もちびっ子たちは元気である。

司馬懿が滞在したのは三日だった。

慶賀の使にシャオと優を任命し、二人は成都へと向かっていった。

こちらとしては後手後手と回るが、今は耐えるときであった。

「しかし、結局この三日間でも彼女の狙いがさっぱりわからなかったわ」

「というよりも、本当に何か裏があるのでしょうか?」

穏はあまり司馬懿について、懐疑的ではないらしい。

「たしかにのぉ、こんなに平和になったというのにまた今になって戦乱を呼ぶ必要性もないからのう」

「彼女がそういった野心さえ持っていなければね」

「見た目で人は判断してはいけないといいますが、それにしてもずいぶんと学をもたれている方のように思われましたけど」

呉の重臣達がそれぞれの観察像を述べ合う。

その意見は割と好意的なものが多かった。

学識の高さは穏を一つ超えるほどあり、さりとて武人を馬鹿にするような傲慢さもない。

だからこそ皆不思議だったのだ。

何故そこまで彼女を危険視するのか?

 

そんなときある一つの報せがまるで謀ったかのように飛び込んできた。

 

武昌にて袁術が皇帝を称したという報だった。

あとがき兼次回予告

「そういうことか……」

 

「一刀?」

 

「また戦になる」

 

誰が仕組んだことなのか、すべては彼女の罠なのか?

 

天に帝は二人も必要とせず。

 

昭烈帝は呉へと軍を派遣する。

しかしそこで彼女達が見たものは!!!

 

次回 後√アフター次世代編第十二話 天の意思

 

 

とまぁ適当に作ってみたわけですが、なんか門構えが立派になって中身がしょぼくなった印象を受けます。

……投稿遅れました。

ええ、まぁ、時間がなかったんですよ

ああっと、お気に入りは開放したのでよければそちらも見てください。

そのうち、夏用をもういっぺんあげる予定です。

一刀のいない恋姫なんて、という人には勧められない、呉√アフター魏もよろしくお願いします。

萌将伝、少しずつ進めてます。

つか、あちいよぉ


 
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