俺「この実用記事は、売れない同人者の俺が、古今東西のシナリオ本を読みたおし、いろいろ実作を作って編み出した、オリジナルな物語ノウハウを語る所であります」
犬子「アシスタントの犬子でーす」
俺「で、二回目だ」
犬子「まだ、なんかあんの?」
俺「二回目の面白くする手法はだな、『ドラマ』だ」
犬子「テレビドラマ見ろって?」
俺「ちがーう。ちゃんとした広義の意味でのドラマをお話に入れると、入れないよりも百倍おもしろくなる。というノウハウだ」
犬子「ドラマってなに?」
俺「ほら、ドラマッチックとか言うだろ、あれ」
犬子「うーん、なんか凄い展開? こう、「あ、あなたは生き別れの兄さん!!」みたいな?」
俺「ちがう、ドラマというのは、「人の心の変わる瞬間」の事だ」
犬子「はいー?」
俺「凄い展開がドラマチックと言われるのは、凄い展開があると、必ず登場人物のだれかの心が変わるからなんだ」
犬子「心が変わる?」
俺「そう、たとえば、恋愛物のドラマは、あまり好きではなかった男の子の良いところを見つけて、思わず、キュンとなるとか」
犬子「ほうほう。戦い物のライバルが、なんか、なれ合っちゃって助けてくれるとか?」
俺「そうそう、勝利を確信して、おごり高ぶった悪役が、逆転されて打ちのめされるとか」
犬子「それがドラマなの?」
俺「そう、別に凄い展開が無くても、心が変化すれば、それだけで、読者の気持ちを引きつける事ができるんだよ」
犬子「つんつんしていた、ツンデレちゃんが、急にデレたり?」
俺「そういうこと、こういうノウハウ系がちょっと面白いのは、ノウハウを聞いた聞き手の気持ちが動くからでもある」
犬子「ほーーーーー」
俺「ちょっとした事、関心したり、怒ったり、悲しんだり、心の変化がある部分はみんなドラマなんだな」
犬子「ああ、そうだね、あんまり心が動かないようなキャラは魅力ないよね」
俺「で、ドラマを意識して、お話を作ると、面白い物がつくりやすいんだ」
犬子「なんで、ドラマは面白いんだろうか」
俺「仮説なんだけど、人は社会的な動物じゃんよ。だから、他人の心の動きを無意識にずっと監視してるわけさ」
犬子「ふむ」
俺「で、大きな心の動きがあったところは自然に興味が行ってしまう。泣くとか悲しむとかの大きな状況になると、自動的にこちらの心のセッティングが変わるのではないかと」
犬子「ほうほう。いつもそんな事を考えて作品書いているのかー、おまえはー、きもー」
俺「超黙れ。まあ、実作に応用する場合は、クライマックスや、興味を引かせたいエピソードに合わせて、登場人物の心の動きを変えるようにする。という感じだね」
犬子「もうちょっと詳しく」
俺「心の動きで強いのは、泣きとか、悲しみ、あと、衝撃な。前段の問題解決も絡めて、クライマックスに向けて、話を組んでいくわけだ。一番盛り上げたい所、たとえば、宿敵をやっと倒したシーンで、「お前は俺のマイサンだ」つう感じで主人公の心に衝撃を与える」
犬子「スターオーズだな」
俺「凄い展開+心に与えるダメージ=読者の興味。という合わせ技でもあるな」
犬子「クライマックスは、凄い展開でお話を盛り上げるという事ではなくて、逆に言えば、登場人物の心を動かす為に、大仕掛けを組む。とそう言いたいのだな」
俺「言いたいのだ」
犬子「やれやれ、今回の駄法螺はどんだけ蓋然性があるのやら」
俺「駄法螺いうな」
犬子「だって、おまえ、売れてねえじゃんよ」
俺「超黙れっ!!」
――おしまい――
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これを読めば物語を百倍面白くする事が出来ます。もう読めば読むほど面白くなります。夏の浜辺であなたを貧弱な坊やと呼ぶ人はいなくなります。
……すいません、言い過ぎました。
二発目はドラマについてです。作劇について何かご質問等ありましたらコメントにください。出来る限り記事にします。