俺「この実用記事は、売れない同人者の俺が、古今東西のシナリオ本を読みたおし、いろいろ実作を作って編み出した、オリジナルな物語ノウハウを語る所であります」
犬子「アシスタントの犬子でーす」
俺「では第三回目だ」
犬子「まだあるのか、いいかげんにしとけよ」
俺「だーまーれー」
犬子「んで、何やるの?」
俺「三回目のテーマは『テーマ』だ」
犬子「む、むむう、大物がきたな」
俺「犬に質問、テーマってなんだ」
犬子「て、てーまと、いうのはだな……。あれだ、あれ、その『世界平和』とか、『人類皆兄弟』とか、そういうの」
俺「にひひ」
犬子「こう、作品によってだね、世界、人類に問いかける崇高な問題定義というかね、すごいの」
俺「初心者って、そう思いがちだよなあ」
犬子「な、なんだよ、違うのかよ。せ、戦争反対とか? 社会矛盾を赤裸々に暴き立てるとか?」
俺「受け取る側からみると、そうなのかもなあ。ハリウッド超大作とか、文芸作品とか、そう言うこと言いがちだし。ロボットアニメなんかでも、『戦争根絶』とか、そーゆーふーに受け止めがちだよね」
犬子「なんだよ、偉そうに、売れてない癖に」
俺「黙れ。じゃあ、日常物のお話、「みなみけ」とか、「日だまりスケッチ」とかにテーマは」
犬子「え? ああいうのに、テーマ? うーん、うーん。あ、ああいうのはテーマ無いんだ」
俺「ほう」
犬子「あ、ああいう日常系はだな、一回目の問題定義とか、二回目のドラマ、そうドラマ、人の心の動きで出来ているから、テーマは無いんだよ!」
俺「あるよ、テーマ」
犬子「なにーっ! あるなら言ってみろよっ! 世界平和とか無いぞ、ああいうのっ!」
俺「『女の子を魅力的に見せる』が、日常物に多いテーマ」
犬子「なにいいいっ!! そんな益体もないテーマでは世間はわたって行けないぞ、良いのかそんな事でっ!」
俺「テーマは勘違いされやすいんだけど、別に偉いことを言う、のがテーマじゃないから」
犬子「え、偉いこと言わなくていいの?」
俺「偉いことを言って、ちゃんと上手く行くと、お客さんがとても喜ぶから、でかいテーマ取る作品があるだけで、庶民的なテーマを置く作品もいっぱいあるよ」
犬子「だ、だけどさ、テーマといったらやっぱ、作品を通して伝えたい、こうキモみたいな物でしょ。良いのか『萌え娘書きたい』とかでっ!」
俺「いいんだよ、別に、テーマは道具なんだから」
犬子「道具っ!!!?」
俺「作劇法的には、作るときにテーマがあると、エピソードとかキャラとかの方向性を設計しやすいから置く物だよ」
犬子「は、はいいい?」
俺「読み手の人に伝えたい物があって置くテーマもあるけど、人間毎度毎度そんなでっかいテーマを置いた物は書けないよ。なので適当に『恋愛ってわくわくするね』ぐらいの『日常の感想』程度のテーマをおくわけよ」
犬子「はあ」
俺「で、その『恋愛ってわくわくするね』に沿って、エピソードを考えたり、キャラクターを置いたりしてお話を作るわけ」
犬子「はあ」
俺「テーマがあると、お話が作りやすいので、作り手は置くわけ、で、あまり偉くないテーマだと、読み手は気が付かなかったりするわけさ。でも陰画のようにそれは存在しているんだ。テーマが無いと、お話がとっちらかって解りにくくて、面白くなくなるわけ」
犬子「むううう」
俺「つまらない映画見た後『なにが言いたいんだ、あのくそ映画は』って気持ちが沸く時があるじゃん。そう言う作品は、テーマがぶれていたり。無かったりするわけだな」
犬子「あー、よくあるね、金返せとか思う」
俺「でも、テーマが解らなくても、なんとなく、面白かった。という映画もあるじゃん」
犬子「あるね、なんか、もやもやーっと解らないけど、解るような」
俺「作り手がテーマをしっかり持っていれば、伝わらなくてもまとまった感じにはなるらしいね」
犬子「え、偉いテーマの時は?」
俺「偉いテーマの時こそ、お話組みやすいじゃん。だけど、作劇技術としてはテーマには重い軽いはないわけ、テーマに沿っている、沿っていないだけが問題となるわけさ」
犬子「そう、なの?」
俺「お話を作る為の道具としての側面がテーマにはあるんだな」
犬子「なんか、適当でも良いから、テーマ(言いたいこと)を置いておけという事か」
俺「つか、どっちかというと、テーマを置いておくと、色々便利だから何か置いておこうという。そうすればお話が百倍面白くなるぜということだな」
犬子「うそくせ~~~~」
俺「まあ、テーマに引っかかる人が多いので、そんなたいそうなモンじゃないよというお話だ」
犬子「やっぱ、おまえって、ちっとも人気ねえのに偉そうだよなあ」
俺「超黙れ!」
――おしまい――
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これを読めば物語を百倍面白くする事が出来ます。読めばたちどころにお話が面白くなります。
海外のペンパルも出来ますし、テストの成績もアップします。
……すいません、言い過ぎました。