秋の月、泡沫・・・・。
更けゆく空。
桔梗に染まる冷え切った影をリロットが見つめていた。
この場所で幾重に鳴る虫の音色がとても寂しく感じて止むことを祈った。
この場所が苦しいのは、何故?
何故と問われても自分自身で分かっているものだから答える必要もない。
あの日、貴方を失ったからでしょう。
「ジロー・・・」
秋の月、泡沫。
仄かに零れる光。
それを見つけてくれたのは貴方でした・・・・。
やがて遠くの山の峰が白々霞みだすまでに何度夜を時を忘れて語り明かしたのだろうか。
欠けては満ちる尽きぬ影に、
「リロット、これからも一緒にひだまりの騎士団で楽しくやろうな!」
「わ、分かっているわよ・・・」
想いを重ねて行く末を誓い合った。
秋の月、泡沫。
漂う小舟のように心は遥かまでさすらうでしょう。
その心の行き場もなく遥かまでさすらうでしょう。
満月よ、もし一つ、
一つだけ願いが叶うというのならば。
「逢いたい・・・・もう一度だけ・・・・」
刹那の灯(ともしび)でも良い。
「ジローを呼び醒まして・・・・」
秋の月、泡沫。
仄かに零れる光。
浮いては沈む雲居に貴方を思う。
「私、ジローのために頑張るからね・・・・」
雁が・・・・去り往く・・・・。
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パロディ3作目。
注意
・なるべく崩壊せぬように似せて頑張ってますが似非になったら申し訳ないです><;
・33話を終わらせての方が感動色が強いかも?