No.160443

NikQパロディ『夏祭り』

パロディ第2弾。

注意
・なるべく原作(NikQ)に沿うように努力しましたが微妙にキャラの性格が違ってたりするかもしれません。
・9話まで進めてない子は読んだら負けな気がする。

2010-07-25 01:47:33 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:570   閲覧ユーザー数:562

 

 

君がいた夏は遠い夢の中。

 

 

空に消えてった打ち上げ花火。

 

 

 

 

「ほら、ジローが皆と離れるからはぐれちゃったじゃないの!」

 

 

とある夏祭りの日、神社では普段では見慣れないようなあふれんばかりの猫達の姿があった。

 

 

その猫混みから外れてリロットとジローが居た。

 

 

動く度にリロットの薄緑の髪から香りがはじけ、その浴衣姿は眩しくも見える。

 

 

ジローの勝手な行動により二匹はチロ達とはぐれてしまった。

 

 

「ああ・・・、すまんかった」

 

 

ジローも反省してるらしくリロットに謝って猫混みを見つめる。

 

 

「はあ・・・、どうやって探そうかしら」

 

 

リロットは呆れてため息を吐いて猫混みを見つめればチロ達を探す方法を思案し始めたが、

 

 

「気合いで探す!!」

 

 

ジローが最も簡潔で漠然とした提案を出してきた。

 

 

リロットはその答えにまた呆れてしまった。

 

 

今日はお祭りの日。だから、胸が騒ぐのもしょうがない。

ジローも例外ではなく、無謀にも猫混みの中へと進もうとしていた。

 

 

 

 

「まって!」

 

 

リロットがジローの手を掴んでそれを阻止した。

 

 

「探すのはいいけど無謀に突っ込んで私とジローがはぐれたら問題が更に増えるだけよ!だから、離れないように手を握って行くわよ。べ、別にあんたと離れても不安になんかならないんだから!」

 

 

リロットはジローの手を掴んだまま、止めた理由を話して問題を増やさないように対策を挙げると、最後にいつものようなツンデレ調が入った。

 

 

「・・・じゃあ、こっちのほうがはぐれないだろ?」

 

 

ジローは初めはきょとんとした顔で聞いていたが説明を聞けば理解してくれたらしくさらに問題の対策の強化を提案してきた。

 

ジローがリロットの手と自分の手を一緒に自分のポケットの中に突っ込んでリロットの手をぎゅっと握ればジローはニカッと笑った。

 

 

「・・・ばかっ」

 

 

リロットは頬を薄く赤に染めてそっぽ向けば猫混みの中へと入って行った。

 

 

 

 

「あ、金魚すくいだ」

 

 

チロ達を探してる間にジローが金魚すくいをみつけた。

 

 

「お、坊っちゃんと嬢ちゃん。どうだい、やるかね?」

 

 

そこの店の猫が気づいてジロー達に気づいてやるかどうか尋ねてきた。

 

 

「根性で取る!!」

 

 

ジローは俄然やる気になっていた。

 

 

「こら、ジロー!!」

 

 

リロットはジローを叱ったがすでに遅く、ジローは王冠を払って手には二つ分の道具が支給されていた。

 

 

金魚など普段なら手で取ればいいのだが祭りでは人間に見習って同じような道具を使って遊ぶことを習わしにしている。

 

 

リロットは諦めて仕方なく金魚すくいに付き合うことにした。

 

しているうちに二人はいつの間にか夢中になっており、リロットに関しては袖が濡れているにも関わらずそれに気づいていない様子だった。

 

 

ジローはそんな夢中になっているリロットの横顔を見れば、その姿がかわいらしく見えていた。

 

 

「ん、どうしたの?」

 

 

リロットが視線に気がついて不思議そうにジローを見る。

 

 

「な、なんでもない!」

 

 

ジローは思わず慌てて言葉を噛みながらも何事もないという嘘をついた。

 

 

 

金魚すくいを終えてジローはリロットに好きな綿菓子を買ってやりリロットはすっかり機嫌がよかった。

 

 

「あ、あの姿は・・・」

 

 

リロットの視線の先に映ったのはチロ達ではなくリロット個人の友達の姿であった。

 

 

最初にはぐれないように言ったはずのリロットだったがジローから離れてその友達の方へと足を進めた。

 

 

「あ、ジロー見つけた!」

 

 

その直後に誰かがジローの名前を叫んだ。

 

そこにいたのはチロ達だった。

 

 

「リ、リロットはどうしたの?まさかはぐれたの?」

 

 

タントがジローにリロットについて聞いてきた。

 

 

「あそこにいるぜ。今、友達と一緒にいる」

 

 

ジローがリロットが居る方向を指して説明をした。

 

 

「じゃあ、リロットとはぐれないように少し後ろで歩こうか」

 

 

チロはリロットとはぐれないようにと対策を挙げれば二匹もそれに賛同してリロット達と少しはぐれて歩くことにした。

 

 

 

 

しばらくしてリロットとも合流して神社の石段に皆で座った。

 

 

ぼやっとした闇の中でざわめきが少し遠くに聞こえた。

 

 

皆で線香花火にマッチの火を点けていろいろと楽しく話していった。

 

 

「ジロー・・・」

 

 

リロットは隣に居たジローに話しかけた。

 

 

「ん?どうした?」

 

 

ジローが不思議そうにリロットを見る。

 

 

「・・・・・・やっぱりなんでもないっ!」

 

 

何かを言おうとしていたリロットだが言うのを止めた。

 

 

ジローは更に困惑して眉を潜めて首をかしげた。

 

 

リロットはジローに好きだということを告白をしようとしていたが皆の視線のことも気になって言えなかった。

 

 

もう一度ジローと一緒に夏祭りに行けるからと思っていたかかもしれない。

 

 

だが、それが間違いだったのかもしれない。

 

 

まさかこの先にあんなことがあろうとは今の騎士団の猫達は誰とも思っていなかった。

 

 

 

 

君が居た夏は遠い夢の中。

 

 

空に消えてった打ち上げ花火。

 

 

 

 

 

空に消えてった打ち上げ花火。

 

 


 
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