No.161077

始まりの物語第3話 ~一対の剣 前編~

雪蓮様さん

3作目投稿しました。
今回は蓮と一鞘が賊の討伐に行くお話です♪

読んでもらえると嬉しいです^^

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2010-07-27 12:13:35 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2238   閲覧ユーザー数:1978

「お~い一鞘! 街に行こうぜ~♪」

 

俺は一鞘に声をかけた。

 

「おっ蓮か。いいけど仕事は?」

 

なんだかいつも聞かれているような気がするなぁ。

 

「終わったよ。山積みになってた報告書を全部仕上げたら冥が、「お疲れ様。珍しくまともに仕事をしたし、今のところ残ってる仕事は無いから呼び出しがあるまで遊んでくれていいですよ。」 だとさ。」

 

俺が言うと安心した様子で一鞘が、「じゃあ何処に行く?」 と聞いてきた。

 

「前に行ったあの茶屋に行こうぜ!!」

 

「いいよ行こうか。」

 

「おうっ♪」

 

街に行こうと歩いていると一鞘が俺に質問をしてきた。

 

「そういえば気になってたんだけど雪蓮っていつも何処にいるんだ?」

 

「あぁ雪蓮なら冥の娘の冥琳と城で遊んでると思うぜ。あの二人すごく仲がいいから」

 

俺たちが話していると兵が近づいてきた。 

 

「そうなんだ。あれっ?あれは・・・冥さんの部下かな?」

 

「ん? どうやらそうみたいだな。 何があったんだ?」

 

「伝令です。 孫堅様、北郷様 周異様(冥のことです)がお呼びです」

 

伝令を聞いて俺と一鞘は仕方がなく冥の元へ向かった。

 

「でも何だろうな俺と蓮が呼ばれるなんて。」

 

「さぁな。でも冥の事だから仕事の話だろう。」

 

「はぁ~でも、もう少しで街に着いたのに俺はつくづく運が無いな。」

 

「? 蓮何か言った?」

 

「いや、何も言ってないよ。」

 

そんな事を話していると、冥がいる部屋に着いた。

 

「冥入るぞ。」 「冥さん、入るな。」

 

「呼び出してすまない。 突然だが仕事だ!」

 

「はぁ~。」×2! 俺と一鞘は嫌な予感が的中し溜息をついた

 

「まぁそうなるな。それに今回の仕事は報告書に目を通すことじゃないぞ。」

 

「んじゃあ何?」

 

一鞘が聞いた。

 

「賊の討伐だ。」

 

!!!俺はその言葉にいち早く反応した。

 

「本当か!?」

 

「ああ。本当は王の蓮に任せたくはないのだが、あいにくまだ全員帰ってきていなくてな。」

 

「やったぜ! 久しぶりに血がたぎる。」

「そう言うと思ったよ。」

 

冥は怪しい笑顔を作りそして一鞘に「だから一鞘には蓮が無茶をしないように見張っておいて欲しいんだ。」 と、言った。

 

「悪いけど冥さん、それは俺でもきついと思うんだ「できるよな。」・・・はぃ。」

 

冥が断ったら殺す!! とでも言うような殺気をこめた一言で一鞘は頷いた。

 

「では、そういうことで頼む。」

 

「了解だ♪」 「わかった・・・」

 

蓮はとても楽しそうに 対して一鞘は今でも泣きだしそうな声で言った。

 

 

 

 

 

そして今、俺たちは2つの部隊を率いて賊が根城としている砦を目指していた。

 

「まぁそんなに嫌そうな顔するなよ。 俺も抑えるからさ。」

 

「本当か?」

 

「うっ、きっ、きっとな。」

 

「ジィーーーーーー。」

 

「分ったよ! 努力する!」

 

「約束だぞ。」

 

「おう。約束だ。」

 

そんなやり取りをしていると俺は一つ疑問に思ったことがあった。

 

「なぁ一鞘お前の得物は?」

 

「俺の得物は此処にあるよ。」 と言って俺から見ればちょうど死角になる所に提げてあった一振りの剣を見せてくれた。

 

「きれい・・・」

 

一鞘が見せてくれた剣は 俺の得物の南海覇王の黄金とは反対の銀色で装飾されていた。

 

「天斬狼牙(てんざんろうが)って言うんだ。俺がこっちに来た時に持っていたんだ。」

 

「そうなのか・・・でも本当にきれいだな。」

 

「そのおかげで取られそうになった事もあったけどな。」

 

「確かに高く売れそうだからな。 っとそろそろか」

 

道を進んでいくと目の前に小さいがしっかりとした砦が見えてきた。

 

「さて一鞘。 ここはどうやって攻める?」

 

「そうだな・・・それじゃあ俺が砦の門をブチ破るからそこから全部隊が突入してくれ。それと蓮は俺の援護を頼む。」

 

「砦の門を破れるのか?」

 

「まぁ、あれぐらいの門なら余裕だな。」

 

「そうか、なら俺は何も言わん。 援護は任せろ。」

 

「ありがとう。 全部隊はここで待機せよ! 俺が門をブチ破るのと同時に突入せよ!」

 

「はっ!」

 

「よし・・・じゃあ蓮行こうか。」

 

「あぁ。」

 

俺は一鞘を援護するため隣に着いていった。

 

砦に近づくと見張りの賊達がこちらに気付いたのか警戒してきたが、俺達がたった2人だけで近づいていたため さほど警戒はされなかったようだった。

 

これだから賊は馬鹿なんだ 普通たった2人でも警戒しなければならねぇのにな と、俺が思っていると一鞘が立ち止った。

 

「どうしたんだ?」

 

俺が尋ねると一鞘は「危ないから少し下がってて。」と、笑顔で言ってきた。

 

俺は一鞘の言葉に従った。なぜならいつもの一鞘とは全く違う凄みがその言葉にあったから。

 

一鞘は俺が下がるのを確認すると、天斬狼牙を抜き腰を落とし、剣の切っ先を会わせるかの様に左手を切っ先に被せ、突きの構えをとった。

 

俺は一鞘が剣を抜いたため流石に賊も警戒するかと思ったが警戒するより一鞘を、砦に対して剣を抜いた馬鹿だと思ったのか上で笑い声をあげていた。

 

そして一鞘が動いた。

 

一鞘はその場所で突きを放ったのだ。

 

賊はさらに大声で笑い声をあげた。 たしかに素人から見れば何もないところで突きを放った様にしか見えないだろう。 だが蓮は違う感想を抱いていた。

 

見えなかったのだ! 一鞘が一体何時突きを放ったのかを! 見えたのは既に突きを放ち終わった後の天斬狼牙だった。

 

そして次の瞬間ドッカーン!!!と大きな音をたてて門が破られていた。

 

 

  後書き

 

ここまで読んでくだった方々ありがとうございます。

 

雪蓮様です。

 

無事3作品目を投稿することができました♪

 

今回は蓮と一鞘が賊の討伐に向かうお話です。

 

本当は1話で終わらせるつもりだったのですが、長くなりそうだったので前半と後半に分けました(^-^)

 

 

さて読んで見てどうだったでしょうか?

 

感想、誤字報告などがあればお願いします♪

 

でわ、また次の御話でお会いしましょう。

 

SEE YOU AGAIN

 


 
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